ブレイン エラー

澤村 通雄

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柔道対決

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さて、とある私が高校1年生の頃だった。

体育の授業で柔道をやった。
皆、それぞれ柔道着を買わされ、受け身やら、投げ技やら、時には寝技の基礎を教わった。

私は、柔道なるものは、初めての経験だったが、以外にも楽しかった。

中学の時は、剣道の授業があったが、その時も楽しかった記憶がある。

私は、基本、武道が好きなのであろう。

さて、クラスの中にも柔道部員は、居た。

ナントカという,身体の大きな子と、大迫だ。

ナントカという子は、皆の前で技の見本を見せる時、いつも先生に指名をされていた。

技をかけられる方は、いつも大迫が指名されていた。

やはり、柔道部員は技のキレや、スピード、迫力が違った。

私が見ていて、萎縮してしまうほどだった。

大迫も、受け身が上手かった。

いや、受け身しか見たことがなかった。

果たして、大迫は技をかけるのが、苦手なのか?

私は、いつも思った。


さて、何週間か、柔道の授業を重ねて、いよいよ、体重別に分かれての、試合をクラスの中で行う事になった。

私は、48キロと、軽量だったため、一番軽いグループになった。

重量級のグループは、バンバンと、凄い迫力で試合をしている。
ナントカくんも、重量級だ。

一方、大迫は中量級だった。

軽量級の私とは、大迫との対決は叶わなかった。
良くも悪くも、、

軽量級の試合は、私には楽なものだった。
以外と、体幹が強かった私は、背負い投げのような、大技は出来なかったが、組手から相手を倒して、袈裟固めという寝技を使って、ドンドン勝ち進んでいった。

いよいよ、軽量級の決勝まで私は、勝ち上がった。

対戦相手は、野球部の、ショウジという男だ。
頭は、坊主だったが、眉毛を細く整え、ヤンキー色のある野球部員だった。

私は、そいつは嫌いではなかった。
野球部の藤井くんと同様、ショウジもいい奴だと、知っていたからだ。


さあ、ハジメの合図。

私とショウジは、袖の取り合いから、始まった。

袖を引っ張っても、ショウジは私よりも、体幹が強かった。

お互いが、もつれ合い、2人で畳に倒れ込んだ。
ショウジは、素早く私の上に被さり、十字固めの体制に入った。

下敷きになった私は、必死に寝技から、解放されようと、力を入れたが、ショウジは、びくともしなかった。

時間がきて、私は寝技一本で負けた。

その時、柔道は体幹だなと私は思った。

こうして、高校1年での野球部との対決は、一勝一敗の結果で終わった。


因みに、私は高校に入ってからも、ハンドボール部に所属した。

サッカー部やラグビー部も興味があったが。

サッカー部は人気があり、みんな既に上手そうだったので、やめておく事にした。

ラグビー部は、一年生は、練習後にボールを唾で磨くのに、抵抗があったのと、短いショートパンツをノーパンで履かなければいけなかったので、それも抵抗があって、やめておく事にした。


ハンドボール部に入ったものの、高校用のボールが、中学用のボールに比べて、一回り大きく、松やにをつけるのも苦手だった為、あまり本気で練習しなかった。

ある日、キャッチボールをしていると、手元が狂い、コート横に隣接している、部室の窓ガラスを割ってしまった。

しかも、運の悪い事に、野球部の部室の窓ガラスだった。

野球部の3年は、怒り狂い、

誰がやった?
あの、1年かー?

と、私に目をつけていたらしく、ただではすまさん勢いで怒っている様だ。


私は、ハンドボール部の3年に、同じ中学だった、稲田先輩に顔がきいた。

私は、ヤンキーだった稲田先輩に相談して、ナントカ話をつけて貰った。


もつべきは、頼りになる先輩だな。
私は、思った。


そんな、私でも先輩にたてついた事がある。

文化祭で、体育館でバンド演奏した時の事だった。

オープニングだった、私のバンド、デストラップは、メンバー皆んな長髪で、スラッシュメタルを爆奏した。

演奏が終わり、私はドラムセットから飛び出て、舞台から客席へ、ダイブした。

それを機に、メンバーも客席からも、皆でステージダイブ合戦になった。

続いて、2年生の演奏が始まり、客席は、2年生の人達で盛り上がっていた。


2階の踊り場から、照明を担当していた私は、最後のトリで演奏する予定の1年の子から、2年生の演奏が時間を守らずに、いつまでも演奏している。
これじゃあ、俺らの演奏時間がなくなる。
〇〇、何とかしてくれ。

と、頼まれた。

わかった。

私は、そう言って、2階の踊り場から、真っすぐ舞台まで行き、ズカズカと、檀上に登った。

へらへらと、いつまでも歌っている、2年生のボーカルの襟を掴み。

はよ、終われ!!

と、怒鳴った。

2年生のボーカルは、びっくりして1年の私に、頭を下げて演奏を終わらせた。

トリを務める1年のバンドから、ありがとう助かった。
と、お礼を言われた。


多分、私は中学高校と、先輩に逆らったのは、その時だけだったと思う。


昭和の時代に学生生活を送った私には、先輩には、逆らわない、体育会系のノリが根強く残っていた。
良くも悪くもだと思うが。


こうして、1年生の生活は、終わり、当初目的だった、文化祭演奏も1年の時に達成した。

1年の後半からは、バンド活動も忙しくなり、2,3か月に一回のスパンで、ライブハウスでも、演奏するようになった。



当時は、空前のバンドブームであった。
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