ブレイン エラー

澤村 通雄

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高校2年

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私は、高校2年生に進級した。
1年生では、赤点だらけで、追試、追試で、やっと2年生になれた。

2年生の担任は、藤原という女教師で、藤原家の末しょうだかなんだか知らないが、やたら生徒の、苗字にこだわった、イヤな先生だった。

2年の通知表には、藤原にボロクソ書かれた。
イヤな、思い出である。


私は、大学進学はその頃から、考えてはおらず、高卒の資格だけは取っておこう、また、学生生活を謳歌したいと、思っていた。

よって、自宅は愚か、授業でもロクに勉強せずに、ウォークマンで音楽ばかり聴いていた。

しかし、社会科の授業だけは面白かった。
現代社会、日本史、世界史。
どれも、興味深々になった。

男性の中年の先生だったが、教科書にこだわらず、色々な話をしてくれたのを、私は今でも感謝している。

因みに、3年生になった時も、またしても女の担任だった。
中学時代に保護観察になった事は、学校側も把握しているはずなので、私には、女の担任にした方が、悪さをしないという、学校側の判断だったのでは、と私は思っていた。


その3年の担任は、背が低く、顔も漫画みたいだったので、皆から、ドラえもんと、バカにされていた。
それでも、その先生は、ニコニコ笑って、ペースを乱さなかった。
おばさんだったが、大人だなぁ、と私は思っていた。

その先生は、最後の通知表に、あなたは外見に似合わず、心の綺麗な素晴らしい人でした。
と、私を絶賛してくれた。

社会に出ていく当時の私には、大きな心の糧になったと、今でも感謝している。

あなたこそ、素晴らしい心の持ち主です。と私は言いたかった。



さて、2年生の生活は、バイトとバンドが中心だった。
ハンドボール部へは、足は遠のいた。

バイトは、1年の時はブロンコビリーで半年ほど働いたが、2年になった頃は、日雇いで、海外アーティストなどのコンサートの設営、警備などをしながら、懐石料理屋さんでの、皿洗い。テレクラのティッシュ配りなどを、掛け持ちした。

KISS、イングウェィマルムスティーン、ミックジャガー。
国内アーティストでは、ウインク、光ゲンジ、稲垣潤一。

稲垣潤一の時は、ステージに上がり、ドラムセットのセッティングをやらせて貰った。

最高の気分だった。

イングウェィの時は、ステージの真下での警備を任され、ステージからギターピックが舞い散るのを、大量に掴み取り、翌日学校で、ピックを配り、自慢したものだ。


メタリカが、来日した時は、さすがに友達と観に行った。


凄かった。


学校での、バンド活動も波に乗っていた。
週に1回は、スタジオ練習して。
ライブもアマチュアながら、何度も行った。


ある日、藤が丘にあるミュージックファームという、ライブハウスで演奏した時の事だ。

そのライブハウスは、岐阜から黒夢というバンドを世に出している。

私たちデストラップも、その日は調子が良かった。

自分たちの演奏を終えて、ほかのバンドの演奏が始まって、私たちは、チケットのもぎりをやっていた。


すると、迷彩服を着た、中へ入って行った男に、ウチのボーカルが、

フルメタルジャケットみたいだがや!

と、笑った。


一度、中へ入って行った、その男は、すぐに出てきて、ボーカルをボコボコにした。

私は、呆気に取られた。


後から、学校でハードコアの兄をもつ、パンクの同学年の子から、ボーカルをボコったのは、藤が丘パンクスといって、通称フジパンだそうな。

まあ、言葉には気を付けた方がいいな、とボーカルと話した。


とにかく、その時代の名古屋は、今池、栄、名駅などに、パンクやハードコアなどという人種が、ゴロゴロしていた。

私のティッシュ配りの、同業者にも、その類の人間はウヨウヨしていた。

私は、どちらかといえば、街売り(露天商)と、仲がよかった。

将来は、外国へ行きたいな、そんな頃に私は夢を抱いた。
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