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第33話 ダメに決まっているだろ
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「……というわけなんだ。だから俺は杏奈さんと浮気をしているわけでも、なんでもないの! わかった?」
一度、話したはずなんだけど、真宮さんがしつこく追求をしてくるので、ことの経緯をあらためて説明をした。
にもかかわらず真宮さんに仲里さん、そしてこの状況の原因をつくった張本人である園崎杏奈までもが俺の話を無視してバーガーやポテトを頬張りながら、ぺちゃくちゃと勝手な話でもりあがっている。
「真宮さん! 聞いてる?」
「ん? なによ、うるさいわね。聞いてるから大丈夫だって」
「じゃあ、誤解だってわかってくれたんだね?」
「そんなのわかってるわよ。春時が最初に話してたじゃん。治療費の連絡がきたかと思って待ち合わせたってことで、いいんだよね?」
「いや、わかってるなら、なんども説明させないで……」
「それよりさ、当たり屋ちゃんはなんで春時をわざわざ呼び出したのかってことよ!」
真宮さんはつまんだポテトを杏奈さんに向ける。
「ちょっと! あなた、わざと当たり屋って呼んでない? わたしは園崎杏奈っていう名前があるんですからね!」
杏奈さんもまけじとポテトをつまんで、それを真宮さんのほうへ向けた。
なんというか……ある意味、似たもの同士なのかもしれない。
まぁ、真宮さんの言っていることに関しては俺も同意なわけだが……そういえば彼女とは話しの途中だったな。
もっとも内容は、察しがついているけれど……。
心の病だなんて言ってたけど、ようは仲里さんのことが気になっているから、俺をつかって色々と聞き出そうとしていたのだろう。たぶん。
「もうっ! この女は、なんなのよ! 用がないなら席をかえてくれない? あ! エリカちゃんだけはのこっていいよ?」
園崎杏奈は席を立って真宮さんに言い放つ――が、仲里さんにはやさしい。
それにしても、彼女は相当、真宮さんのことが、いやみたいだ……この二人が仲良くなることはあるのだろうか?
「えっと、いえ……私が一人のこるのは……」
「杏奈さんも仲里さんを困らせるなよ」
「はぁ? あなたも、もういいわ。となりの口の悪い女と真夏の空の下で汗だくにでもなってきたら?」
「春時。この当たり屋に蹴りをいれていい?」
「ダメダメ、そういうのダメだから」
もうなにがなんだか、わからない状況になっている……冷静なのは仲里さんだけだ。
仕方がない。空気が悪くなっている気もするし、俺が話題をかえることにしよう。
「と、ところで真宮さんたち、この店にくるのめずらしくない? 俺はよく学校の帰りに寄るけど見かけたことないよ?」
「そうね。たしかに今日がはじめてね」
「そうなんだ。どうして今日はここ?」
「どうしてもなにも、春時に直接、話したいことがあったから家にいったのよ。そしたらいないんだもん!」
「いや、いきなりこないで……スマホじゃダメなのそれ……」
「あのね、早見くん。実は果奈ちゃんが、このお店、バーガークイーンにいるはずだって教えてくれたんです。それで行ってみようってことになって」
仲里さんは真宮さんの話を補足するように言ってきた。
なるほど、果奈が話したのか……今後は、いき先をむやみに教えるのはやめておこう。
緊急連絡ならスマホもあるしな。
「……それで二人がここに来たってわけか。というか俺に直接、話したいことってなに?」
「そうそう! それね! じつはエリカと相談して決めたことを報告しにいったんだよ!」
なんか嫌な予感しかしないのは気のせいだろうか……。
「決めたって、なにをだよ?」
「うん。残りの夏休みなんだけど、エリカと二人で春時の家で生活しよう! ってなったの! OK?」
「は?」
頭が痛くなってきた……。
「あのさ、一応、確認しておくけど……仲里さんも賛成したってことだよね?」
仲里さんは黙ってコクンとうなずいている――なるほど……それならいい……わけがない。
「いやいや無理だから! なにを勝手にきめてるんだよ! 仮に俺がOKでも果奈だって困るだろうし、なにより、うちの親が許可をだすとは思えない」
「あ、果奈ちゃんなら、大丈夫って言ってたよ? お母さんにも聞いてくれるって」
帰ったら果奈に説教だな……まぁ、果奈はともかく、母さんはさすがに許さないだろう。
一日、二日、泊まるのとはわけが違うからな。
「あ、果奈ちゃんからメッセージきた! みてみて春時」
真宮さんがスマホの画面を俺に向けてきた。
目をやるとそこには果奈からのメッセージで『お母さんからOKもらいました! 今日からでもいいそうです!』と書かれている。
「ねぇ、春時! 今夜から行ってもいいでしょ?」
「ダメに決まっているだろ……」
――おいおい、母さんまでマジかよ……まったく、なにを考えているんだ。
一度、話したはずなんだけど、真宮さんがしつこく追求をしてくるので、ことの経緯をあらためて説明をした。
にもかかわらず真宮さんに仲里さん、そしてこの状況の原因をつくった張本人である園崎杏奈までもが俺の話を無視してバーガーやポテトを頬張りながら、ぺちゃくちゃと勝手な話でもりあがっている。
「真宮さん! 聞いてる?」
「ん? なによ、うるさいわね。聞いてるから大丈夫だって」
「じゃあ、誤解だってわかってくれたんだね?」
「そんなのわかってるわよ。春時が最初に話してたじゃん。治療費の連絡がきたかと思って待ち合わせたってことで、いいんだよね?」
「いや、わかってるなら、なんども説明させないで……」
「それよりさ、当たり屋ちゃんはなんで春時をわざわざ呼び出したのかってことよ!」
真宮さんはつまんだポテトを杏奈さんに向ける。
「ちょっと! あなた、わざと当たり屋って呼んでない? わたしは園崎杏奈っていう名前があるんですからね!」
杏奈さんもまけじとポテトをつまんで、それを真宮さんのほうへ向けた。
なんというか……ある意味、似たもの同士なのかもしれない。
まぁ、真宮さんの言っていることに関しては俺も同意なわけだが……そういえば彼女とは話しの途中だったな。
もっとも内容は、察しがついているけれど……。
心の病だなんて言ってたけど、ようは仲里さんのことが気になっているから、俺をつかって色々と聞き出そうとしていたのだろう。たぶん。
「もうっ! この女は、なんなのよ! 用がないなら席をかえてくれない? あ! エリカちゃんだけはのこっていいよ?」
園崎杏奈は席を立って真宮さんに言い放つ――が、仲里さんにはやさしい。
それにしても、彼女は相当、真宮さんのことが、いやみたいだ……この二人が仲良くなることはあるのだろうか?
「えっと、いえ……私が一人のこるのは……」
「杏奈さんも仲里さんを困らせるなよ」
「はぁ? あなたも、もういいわ。となりの口の悪い女と真夏の空の下で汗だくにでもなってきたら?」
「春時。この当たり屋に蹴りをいれていい?」
「ダメダメ、そういうのダメだから」
もうなにがなんだか、わからない状況になっている……冷静なのは仲里さんだけだ。
仕方がない。空気が悪くなっている気もするし、俺が話題をかえることにしよう。
「と、ところで真宮さんたち、この店にくるのめずらしくない? 俺はよく学校の帰りに寄るけど見かけたことないよ?」
「そうね。たしかに今日がはじめてね」
「そうなんだ。どうして今日はここ?」
「どうしてもなにも、春時に直接、話したいことがあったから家にいったのよ。そしたらいないんだもん!」
「いや、いきなりこないで……スマホじゃダメなのそれ……」
「あのね、早見くん。実は果奈ちゃんが、このお店、バーガークイーンにいるはずだって教えてくれたんです。それで行ってみようってことになって」
仲里さんは真宮さんの話を補足するように言ってきた。
なるほど、果奈が話したのか……今後は、いき先をむやみに教えるのはやめておこう。
緊急連絡ならスマホもあるしな。
「……それで二人がここに来たってわけか。というか俺に直接、話したいことってなに?」
「そうそう! それね! じつはエリカと相談して決めたことを報告しにいったんだよ!」
なんか嫌な予感しかしないのは気のせいだろうか……。
「決めたって、なにをだよ?」
「うん。残りの夏休みなんだけど、エリカと二人で春時の家で生活しよう! ってなったの! OK?」
「は?」
頭が痛くなってきた……。
「あのさ、一応、確認しておくけど……仲里さんも賛成したってことだよね?」
仲里さんは黙ってコクンとうなずいている――なるほど……それならいい……わけがない。
「いやいや無理だから! なにを勝手にきめてるんだよ! 仮に俺がOKでも果奈だって困るだろうし、なにより、うちの親が許可をだすとは思えない」
「あ、果奈ちゃんなら、大丈夫って言ってたよ? お母さんにも聞いてくれるって」
帰ったら果奈に説教だな……まぁ、果奈はともかく、母さんはさすがに許さないだろう。
一日、二日、泊まるのとはわけが違うからな。
「あ、果奈ちゃんからメッセージきた! みてみて春時」
真宮さんがスマホの画面を俺に向けてきた。
目をやるとそこには果奈からのメッセージで『お母さんからOKもらいました! 今日からでもいいそうです!』と書かれている。
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「ダメに決まっているだろ……」
――おいおい、母さんまでマジかよ……まったく、なにを考えているんだ。
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