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第45話 それは違うよ
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真宮さんが、この家に暮らしていた?
それって……。
俺は彼女が発した言葉の意味を再確認するため、口を開いた。
「それはつまり、この家はもともと真宮さんの家だったという認識でいいんだよな?」
目の前の彼女はコクンと頷く。
たしかに、この家は売りに出されていたのを母さんが購入したものだ。
でも俺はもとの住人がどういう人だったとか、そういったことは知らないし、気にも留めていなかった。
まさか真宮さんの家だったなんて……。
「ごめん……俺、なんて言ったらいいのか……」
彼女は小さく首を左右に振ったあと、閉じたままだった口を開く。
「……両親はあたしと春時が初めて会った日に事故で亡くなったの」
「それって、池袋の噴水広場での日だよな」
「うん……春時と出会って、今のエリカ……真宮葵さんと入れ替わった日」
そうだ……たしか、二人はファストフード店で出会って入れ替わったんだったっけ。
まてよ……。
そうだ、二人は入れ替わっているのだから、この家は真宮さんの家ではなくて仲里さんの家だったという表現のほうが正しい。
母さんが仲里という名字に反応したのは、これか……。
今の真宮さんと仲里さんは入れ替わっているから、あのときはピンとこなかったけれど、もともと仲里さんの家だったと認識した今なら、母さんが帰り際に言った言葉にも合点がいく。
「もしかして、その出来事からすぐに仲里さんと二人暮らしの生活を始めていたのか?」
「ううん。まだ二人とも中学生だったし、あたしは真宮の家で生活をして、本当の真宮は、あたしの代わりに仲里の祖母の家で過ごすことになったわ」
二人は突然、自分の親と生活が出来なくなったということか……まさか二人にそんなことが起きていただなんて。
中学生とはいえ寂しかったろうな……俺の親は家には殆どいなかったとはいえ、いつでも会いにいくことは出来る。
でも彼女たちは入れ替わってしまっているから、それは難しかっただろう。
ましてや、仲里さんに関しては、顔をみることも声を聞くことも叶わない。
「つらかったよな……」
「そう……ね。でも、もう馴れたよ。春時……あたしは、ずっとこの家に戻って来たかった。お父さんやお母さん、あたしの思い出がつまったこの家に……だから、ずっとずっと春時を見てきたんだよ」
「え……それって……」
ずっとって、いつからだ? まさかとは思うけど、この家に戻りたい一心で俺に声をかけたとか?
「なぁ、真宮さん……もしかして、あの日、校舎の屋上で俺に声をかけたのって、ここへ戻るきっかけを作るためだった……とか?」
「そう……ね……」
そんな……。
「じゃあ、俺の彼女になるという話やダウジングの結果も、まったく関係がなかったってことなのか?」
「それは違うよ。ダウジングの結果は間違いないわ。それに春時の彼女になりたいのも本当の気持ち……だから……」
真宮さんは言いながら立ち上がると、俺の隣へ座り首元に腕をまわしてきた。
「あたしは、きみのお嫁さんになって、この家も春時も全部を手にいれたいの」
「真宮さん……」
――ガチャ。
彼女の甘い匂いを感じた瞬間、部屋のドアが開く――。
視線を向けると、そこには仲里さんが立っていた。
それって……。
俺は彼女が発した言葉の意味を再確認するため、口を開いた。
「それはつまり、この家はもともと真宮さんの家だったという認識でいいんだよな?」
目の前の彼女はコクンと頷く。
たしかに、この家は売りに出されていたのを母さんが購入したものだ。
でも俺はもとの住人がどういう人だったとか、そういったことは知らないし、気にも留めていなかった。
まさか真宮さんの家だったなんて……。
「ごめん……俺、なんて言ったらいいのか……」
彼女は小さく首を左右に振ったあと、閉じたままだった口を開く。
「……両親はあたしと春時が初めて会った日に事故で亡くなったの」
「それって、池袋の噴水広場での日だよな」
「うん……春時と出会って、今のエリカ……真宮葵さんと入れ替わった日」
そうだ……たしか、二人はファストフード店で出会って入れ替わったんだったっけ。
まてよ……。
そうだ、二人は入れ替わっているのだから、この家は真宮さんの家ではなくて仲里さんの家だったという表現のほうが正しい。
母さんが仲里という名字に反応したのは、これか……。
今の真宮さんと仲里さんは入れ替わっているから、あのときはピンとこなかったけれど、もともと仲里さんの家だったと認識した今なら、母さんが帰り際に言った言葉にも合点がいく。
「もしかして、その出来事からすぐに仲里さんと二人暮らしの生活を始めていたのか?」
「ううん。まだ二人とも中学生だったし、あたしは真宮の家で生活をして、本当の真宮は、あたしの代わりに仲里の祖母の家で過ごすことになったわ」
二人は突然、自分の親と生活が出来なくなったということか……まさか二人にそんなことが起きていただなんて。
中学生とはいえ寂しかったろうな……俺の親は家には殆どいなかったとはいえ、いつでも会いにいくことは出来る。
でも彼女たちは入れ替わってしまっているから、それは難しかっただろう。
ましてや、仲里さんに関しては、顔をみることも声を聞くことも叶わない。
「つらかったよな……」
「そう……ね。でも、もう馴れたよ。春時……あたしは、ずっとこの家に戻って来たかった。お父さんやお母さん、あたしの思い出がつまったこの家に……だから、ずっとずっと春時を見てきたんだよ」
「え……それって……」
ずっとって、いつからだ? まさかとは思うけど、この家に戻りたい一心で俺に声をかけたとか?
「なぁ、真宮さん……もしかして、あの日、校舎の屋上で俺に声をかけたのって、ここへ戻るきっかけを作るためだった……とか?」
「そう……ね……」
そんな……。
「じゃあ、俺の彼女になるという話やダウジングの結果も、まったく関係がなかったってことなのか?」
「それは違うよ。ダウジングの結果は間違いないわ。それに春時の彼女になりたいのも本当の気持ち……だから……」
真宮さんは言いながら立ち上がると、俺の隣へ座り首元に腕をまわしてきた。
「あたしは、きみのお嫁さんになって、この家も春時も全部を手にいれたいの」
「真宮さん……」
――ガチャ。
彼女の甘い匂いを感じた瞬間、部屋のドアが開く――。
視線を向けると、そこには仲里さんが立っていた。
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