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第57話 ピィピィ〜!
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「真宮さんっ! 真宮さんっ!」
「早見くん、落ち着いて! 今はむやみに身体を動かさない方が」
目を閉じたまま地面に倒れている真宮さんの肩へ手を伸ばそうとした瞬間、仲里さんの声が俺の動きを制止させた。
そ、そうか……なにかやばい病気だったりしたら悪化させてしまう可能性だってあるもんな。今はむやみに動かすのは危険かも知れない。
いったい彼女になにが起きたっていうんだ……さっきまであんなに元気だったじゃないか。
どうして急に倒れて……考えられるものは、たとえば貧血とか? 他には……。
――バタッ。
突然、背後からの音――振り返ると、妹の果奈までも床に倒れていた。
「か、果奈? ちょっ! なんで……そ、そうだ、救急車を……」
急いでスマホを取り出し、画面に触れる。焦ってパスワードがうまく打てない。
「早見くん! 真宮さんが!」
「えっ?」
視線を真宮さんへ戻すと、彼女はずれた伊達メガネを直しながらスクっと立ち上がった。
俺を見つめたままじっとして動かない。
「真宮さん! だ、大丈夫?」
「……」
「どうしたんだ? どこか気分が悪いとか?」
「ピィピィ~!」
「へ!? な、なに?」
「ピィ~」
「ま、真宮さん、変な声をだしてなんの冗談だよ。本気で心配したんだぞ」
「ピィ!」
「真宮さん、もういいから」
「まって早見くん。これってもしかして入れ替わりじゃ……」
「入れ替わり? それって……まさかとは思うけどさっきのダウジング? でも、なにと入れ替わったっていうんだよ」
仲里さんはゆっくりと水槽の中のペンギンに向かって指をさす。
真宮さんのピィピィ声は止まない。
「う、そ、だろ……ペンギンと入れ替わったっていうの? え……なんで?」
「わかりません、ダウジングのせいとしか……私たちもそのせいで入れ替わってしまいましたし。それにこの鳴き声ってペンギンじゃ……」
「そ、そんな」
鳴き声がペンギンかどうかはともかく、もし本当に入れ替わりがおきたとしたら大変じゃないか。
「――早見くん! 果奈ちゃんが起き上がって」
気がつくといつのまにか果奈は俺のすぐ隣に立っていた。
「か、果奈、大丈夫なのか? 気分とか悪くないか?」
「……」
果奈は黙ったまま俺を見つめている。見たところ怪我はしていなそうだし、病気ってわけでもなさそうだ。
倒れた原因は分からないけれど、なにもなさそうで良かった。
「果奈、なにがあったんだ?」
「うん」
「ん?」
気のせいか、果奈の様子がいつもと違うような……。
「ピィ-!」
果奈の様子を伺っていると再び真宮さんの鳴き声が耳に飛び込んできた。
「早見くん! 大変です! 真宮さんが走っていってしまいました!」
「えぇえええっ! なんだって!」
当たりを見渡すと真宮さんの後ろ姿を発見した。館内の奥へ向かって走っている。
「仲里さん、果奈とここで待っていてくれ! 俺は真宮さんを追うから!」
「わかりました。お願いします」
俺は仲里さんたちを背にして真宮さんのあとを追うため、一歩、足を踏み出す。
「急いで! 春時っ!」
――!?
今、春時って呼ばれたよな。
振り返ると仲里さんと果奈の二人だけ。
「頼んだよ、春時!」
果奈は言うと手を振りながら声を上げた――。
真宮、さん――?
「まさか……真宮さん、なのか?」
――嘘だろ? 果奈の身体に真宮さんが入ったっていうのか……。
「早見くん、落ち着いて! 今はむやみに身体を動かさない方が」
目を閉じたまま地面に倒れている真宮さんの肩へ手を伸ばそうとした瞬間、仲里さんの声が俺の動きを制止させた。
そ、そうか……なにかやばい病気だったりしたら悪化させてしまう可能性だってあるもんな。今はむやみに動かすのは危険かも知れない。
いったい彼女になにが起きたっていうんだ……さっきまであんなに元気だったじゃないか。
どうして急に倒れて……考えられるものは、たとえば貧血とか? 他には……。
――バタッ。
突然、背後からの音――振り返ると、妹の果奈までも床に倒れていた。
「か、果奈? ちょっ! なんで……そ、そうだ、救急車を……」
急いでスマホを取り出し、画面に触れる。焦ってパスワードがうまく打てない。
「早見くん! 真宮さんが!」
「えっ?」
視線を真宮さんへ戻すと、彼女はずれた伊達メガネを直しながらスクっと立ち上がった。
俺を見つめたままじっとして動かない。
「真宮さん! だ、大丈夫?」
「……」
「どうしたんだ? どこか気分が悪いとか?」
「ピィピィ~!」
「へ!? な、なに?」
「ピィ~」
「ま、真宮さん、変な声をだしてなんの冗談だよ。本気で心配したんだぞ」
「ピィ!」
「真宮さん、もういいから」
「まって早見くん。これってもしかして入れ替わりじゃ……」
「入れ替わり? それって……まさかとは思うけどさっきのダウジング? でも、なにと入れ替わったっていうんだよ」
仲里さんはゆっくりと水槽の中のペンギンに向かって指をさす。
真宮さんのピィピィ声は止まない。
「う、そ、だろ……ペンギンと入れ替わったっていうの? え……なんで?」
「わかりません、ダウジングのせいとしか……私たちもそのせいで入れ替わってしまいましたし。それにこの鳴き声ってペンギンじゃ……」
「そ、そんな」
鳴き声がペンギンかどうかはともかく、もし本当に入れ替わりがおきたとしたら大変じゃないか。
「――早見くん! 果奈ちゃんが起き上がって」
気がつくといつのまにか果奈は俺のすぐ隣に立っていた。
「か、果奈、大丈夫なのか? 気分とか悪くないか?」
「……」
果奈は黙ったまま俺を見つめている。見たところ怪我はしていなそうだし、病気ってわけでもなさそうだ。
倒れた原因は分からないけれど、なにもなさそうで良かった。
「果奈、なにがあったんだ?」
「うん」
「ん?」
気のせいか、果奈の様子がいつもと違うような……。
「ピィ-!」
果奈の様子を伺っていると再び真宮さんの鳴き声が耳に飛び込んできた。
「早見くん! 大変です! 真宮さんが走っていってしまいました!」
「えぇえええっ! なんだって!」
当たりを見渡すと真宮さんの後ろ姿を発見した。館内の奥へ向かって走っている。
「仲里さん、果奈とここで待っていてくれ! 俺は真宮さんを追うから!」
「わかりました。お願いします」
俺は仲里さんたちを背にして真宮さんのあとを追うため、一歩、足を踏み出す。
「急いで! 春時っ!」
――!?
今、春時って呼ばれたよな。
振り返ると仲里さんと果奈の二人だけ。
「頼んだよ、春時!」
果奈は言うと手を振りながら声を上げた――。
真宮、さん――?
「まさか……真宮さん、なのか?」
――嘘だろ? 果奈の身体に真宮さんが入ったっていうのか……。
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