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【06】弟登場!僕を惑わす衝撃の事実!
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庭園での散歩も終盤に差し掛かった頃、向こうから一人の青年がこちらに歩いてくるのが見えた。
彼はアルフレード様と同じく整った顔立ちだが、どこか親しみやすい雰囲気を持っている。深い青色の瞳が特徴的で、アルフレード様の優雅さとは異なる、軽快な身のこなしが目を引いた。
「兄上、こんなところにいたんですね!」
青年から声をかけられると同時に、アルフレード様が少し困ったような笑みを浮かべる。
「これは驚いたね。セルジュ、君がここに来るなんて珍しいじゃないか」
「兄上こそ、こんな昼間から仕事を放り出して庭を散歩しているなんて珍しいですね」
この人物はセルジュ・ルナリス王子――アルフレード様の弟であり、この国の第二王子だ。アルフレード様と違って、セルジュ様はあまり公務にこだわらず、自由奔放な生活を好むと聞いている。そのおかげか、僕のような平民出身者にも比較的気さくに接してくれる。
「セルジュ様、ご無沙汰しています」
僕が一礼すると、彼は快活に笑った。
「ユーリ君、君も相変わらず兄上に振り回されているんだろう?本当に苦労が絶えないね」
「全くその通りです……」
同情の視線を向けられ、僕は思わずため息をついてしまった。
セルジュ様は僕の表情を見て、ふと何かを思いついたように手を叩いた。
「そうだ!君も少し休憩が必要だろう?兄上の手から逃れたいなら、僕がちょっとした気晴らしに連れ出してあげようか?」
「いやいや、セルジュ。それは困るよ。僕とユーリの研究はまだ途中なんだ」
アルフレード様がさっと割り込む。しかし、セルジュ様はそれを軽く受け流した。
「大丈夫ですよ、兄上。僕がしっかりとユーリ君を元気にして戻しますから。それに、兄上が独占してばかりじゃユーリ君も疲れるでしょう?」
二人のやり取りを横目に、僕は完全に蚊帳の外だったが、正直なところセルジュ様の申し出は魅力的だった。アルフレード様の影響圏から離れる時間がもらえるなら、それだけでかなり貴重だ。
「その……僕としては、少し気分転換もいいかな、なんて思いますが……」
恐る恐る口を挟むと、アルフレード様が一瞬だけ悲しそうな顔を見せた。
「ふむ、君がそう言うなら仕方ないね。ただし、セルジュ、僕の大切なユーリに変な真似をしないように」
「分かっていますよ、兄上。さて、ユーリ君、行こうか!」
こうして、僕はセルジュ様に連れられて庭園を後にした――が、アルフレード様からの妙に寂しそうな視線が少し気になったのは言うまでもない。
セルジュ様に連れられて向かったのは、宮廷内にある隠れ家のような一室だった。明るい陽射しが差し込む小さな書斎で、周囲には趣味の良い装飾が施されている。セルジュ様のプライベートな空間らしい。
「さ、ここなら誰にも邪魔されないよ」
「ありがとうございます……でも、こんなに気を使っていただいて申し訳ないです」
「気にしないで。君が疲れてしまったら、兄上も困るだろうし。それに、僕も君に少しだけ興味があってね」
セルジュ様はそう言って意味深な笑みを浮かべる。その言葉に少し不安を覚えつつも、彼の穏やかな態度に次第にリラックスしていく自分がいた。
セルジュ様は僕の向かいに座り、紅茶を一口含んでから軽い調子で言った。
「ところで、ユーリ君。兄上の婚約者の話、もう聞いている?」
「……えっ?」
突然の話題に、僕は一瞬飲んでいた紅茶を噴き出しそうになった。
「知らないか。まぁ、兄上のことだから、あまり君には話していないのかもしれないけどね」
セルジュ様は肩をすくめ、少し冗談めいた口調で続ける。
「兄上には、隣国の公爵令嬢との婚約話が持ち上がっていてね。彼女はとても美しい方だし、家柄も申し分ない。きっと国を挙げて祝福されるだろうなぁ」
僕の胸の奥で何かがぎゅっと締め付けられる感覚がした。
「それは……本当ですか?」
つい動揺を隠しきれないような声を出してしまい、セルジュ様が軽く目を丸くする。
「ああ、もちろん。ただ、兄上がそれをどう思っているかは分からないけどね」
彼はどこか意味深な笑みを浮かべたまま、紅茶をまた一口飲む。
「そうですか……」
自分でも驚くほど声が沈んでしまう。なんでこんなに引っかかるんだろう。別に関係ないはずなのに。胸の奥がざわついて、落ち着かない。アルフレード様に婚約者がいる――それが僕の心に妙な影響を与えているのは間違いなかった。
「でも、兄上が婚約をどう思っているかより、君がどう思うかのほうが重要じゃない?」
「えっ?」
予想外の言葉に、思わずセルジュ様の顔を見る。彼の瞳にはどこか悪戯っぽい輝きが宿っていた。
「だって、君は兄上にとって特別な存在だろう?その手の刻印が示しているようにね」
「刻印が?どういうことですか?」
驚いて問い返す僕に、セルジュ様は意味深な笑みを浮かべた。
「その手の刻印、何も気にしていないのかい?」
彼の問いかけに、僕は改めて自分の手の甲を見下ろす。光の痕跡がまだ薄らと残っていて、触れてみても何の感覚もない。
「気にはしていますけど……正直、どういうものなのか分からなくて」
「それはそうだね。だって、こんな刻印が現れること自体、珍しいんだから」
セルジュ様は椅子に深く腰掛け、視線を外すことなくじっと僕を見つめた。その態度に緊張が走る。
「実はこの刻印、普通は王家の者にしか現れないものなんだ。もしくは、王家と深い絆を持つ者に限られる」
「えっ……それって……?」
驚きに声を失う僕を前に、セルジュ様はさらに話を続けた。
「君は王家の血を引いているわけじゃない。でも、それでも刻印が現れたということは、君が王家――兄上と深い絆を持っているという証拠なんじゃないか?」
その言葉に、僕の心臓が一瞬止まったような気がした。
「ちょ、ちょっと待ってください!それってどういうことですか?」
慌てて聞き返すと、セルジュ様は少し意地悪そうに微笑む。
「君は知らなかったんだね。まぁ、兄上もわざわざ言わないだろうけど」
彼は紅茶のカップを置き、軽く指を組むと話を続けた。
「つまり、兄上が君を……うーん、どう言えば分かりやすいかな?」
「……」
言葉を待つ間、心臓の鼓動がやけに速くなる。
「簡単に言えば、君は兄上にとってかけがえのない存在ということさ」
「そ、そんな……!」
思わず声が裏返る。どうしてそんなことになっているんだろう。アルフレード様と僕に深い絆って――そんなまさか。
「刻印が現れたということは、もう後戻りはできない。だから、君が兄上とどう向き合うかがこれから大事になるんじゃない?」
セルジュ様はその言葉を最後に意味深な微笑みを浮かべ、また紅茶を飲みだした。
彼はアルフレード様と同じく整った顔立ちだが、どこか親しみやすい雰囲気を持っている。深い青色の瞳が特徴的で、アルフレード様の優雅さとは異なる、軽快な身のこなしが目を引いた。
「兄上、こんなところにいたんですね!」
青年から声をかけられると同時に、アルフレード様が少し困ったような笑みを浮かべる。
「これは驚いたね。セルジュ、君がここに来るなんて珍しいじゃないか」
「兄上こそ、こんな昼間から仕事を放り出して庭を散歩しているなんて珍しいですね」
この人物はセルジュ・ルナリス王子――アルフレード様の弟であり、この国の第二王子だ。アルフレード様と違って、セルジュ様はあまり公務にこだわらず、自由奔放な生活を好むと聞いている。そのおかげか、僕のような平民出身者にも比較的気さくに接してくれる。
「セルジュ様、ご無沙汰しています」
僕が一礼すると、彼は快活に笑った。
「ユーリ君、君も相変わらず兄上に振り回されているんだろう?本当に苦労が絶えないね」
「全くその通りです……」
同情の視線を向けられ、僕は思わずため息をついてしまった。
セルジュ様は僕の表情を見て、ふと何かを思いついたように手を叩いた。
「そうだ!君も少し休憩が必要だろう?兄上の手から逃れたいなら、僕がちょっとした気晴らしに連れ出してあげようか?」
「いやいや、セルジュ。それは困るよ。僕とユーリの研究はまだ途中なんだ」
アルフレード様がさっと割り込む。しかし、セルジュ様はそれを軽く受け流した。
「大丈夫ですよ、兄上。僕がしっかりとユーリ君を元気にして戻しますから。それに、兄上が独占してばかりじゃユーリ君も疲れるでしょう?」
二人のやり取りを横目に、僕は完全に蚊帳の外だったが、正直なところセルジュ様の申し出は魅力的だった。アルフレード様の影響圏から離れる時間がもらえるなら、それだけでかなり貴重だ。
「その……僕としては、少し気分転換もいいかな、なんて思いますが……」
恐る恐る口を挟むと、アルフレード様が一瞬だけ悲しそうな顔を見せた。
「ふむ、君がそう言うなら仕方ないね。ただし、セルジュ、僕の大切なユーリに変な真似をしないように」
「分かっていますよ、兄上。さて、ユーリ君、行こうか!」
こうして、僕はセルジュ様に連れられて庭園を後にした――が、アルフレード様からの妙に寂しそうな視線が少し気になったのは言うまでもない。
セルジュ様に連れられて向かったのは、宮廷内にある隠れ家のような一室だった。明るい陽射しが差し込む小さな書斎で、周囲には趣味の良い装飾が施されている。セルジュ様のプライベートな空間らしい。
「さ、ここなら誰にも邪魔されないよ」
「ありがとうございます……でも、こんなに気を使っていただいて申し訳ないです」
「気にしないで。君が疲れてしまったら、兄上も困るだろうし。それに、僕も君に少しだけ興味があってね」
セルジュ様はそう言って意味深な笑みを浮かべる。その言葉に少し不安を覚えつつも、彼の穏やかな態度に次第にリラックスしていく自分がいた。
セルジュ様は僕の向かいに座り、紅茶を一口含んでから軽い調子で言った。
「ところで、ユーリ君。兄上の婚約者の話、もう聞いている?」
「……えっ?」
突然の話題に、僕は一瞬飲んでいた紅茶を噴き出しそうになった。
「知らないか。まぁ、兄上のことだから、あまり君には話していないのかもしれないけどね」
セルジュ様は肩をすくめ、少し冗談めいた口調で続ける。
「兄上には、隣国の公爵令嬢との婚約話が持ち上がっていてね。彼女はとても美しい方だし、家柄も申し分ない。きっと国を挙げて祝福されるだろうなぁ」
僕の胸の奥で何かがぎゅっと締め付けられる感覚がした。
「それは……本当ですか?」
つい動揺を隠しきれないような声を出してしまい、セルジュ様が軽く目を丸くする。
「ああ、もちろん。ただ、兄上がそれをどう思っているかは分からないけどね」
彼はどこか意味深な笑みを浮かべたまま、紅茶をまた一口飲む。
「そうですか……」
自分でも驚くほど声が沈んでしまう。なんでこんなに引っかかるんだろう。別に関係ないはずなのに。胸の奥がざわついて、落ち着かない。アルフレード様に婚約者がいる――それが僕の心に妙な影響を与えているのは間違いなかった。
「でも、兄上が婚約をどう思っているかより、君がどう思うかのほうが重要じゃない?」
「えっ?」
予想外の言葉に、思わずセルジュ様の顔を見る。彼の瞳にはどこか悪戯っぽい輝きが宿っていた。
「だって、君は兄上にとって特別な存在だろう?その手の刻印が示しているようにね」
「刻印が?どういうことですか?」
驚いて問い返す僕に、セルジュ様は意味深な笑みを浮かべた。
「その手の刻印、何も気にしていないのかい?」
彼の問いかけに、僕は改めて自分の手の甲を見下ろす。光の痕跡がまだ薄らと残っていて、触れてみても何の感覚もない。
「気にはしていますけど……正直、どういうものなのか分からなくて」
「それはそうだね。だって、こんな刻印が現れること自体、珍しいんだから」
セルジュ様は椅子に深く腰掛け、視線を外すことなくじっと僕を見つめた。その態度に緊張が走る。
「実はこの刻印、普通は王家の者にしか現れないものなんだ。もしくは、王家と深い絆を持つ者に限られる」
「えっ……それって……?」
驚きに声を失う僕を前に、セルジュ様はさらに話を続けた。
「君は王家の血を引いているわけじゃない。でも、それでも刻印が現れたということは、君が王家――兄上と深い絆を持っているという証拠なんじゃないか?」
その言葉に、僕の心臓が一瞬止まったような気がした。
「ちょ、ちょっと待ってください!それってどういうことですか?」
慌てて聞き返すと、セルジュ様は少し意地悪そうに微笑む。
「君は知らなかったんだね。まぁ、兄上もわざわざ言わないだろうけど」
彼は紅茶のカップを置き、軽く指を組むと話を続けた。
「つまり、兄上が君を……うーん、どう言えば分かりやすいかな?」
「……」
言葉を待つ間、心臓の鼓動がやけに速くなる。
「簡単に言えば、君は兄上にとってかけがえのない存在ということさ」
「そ、そんな……!」
思わず声が裏返る。どうしてそんなことになっているんだろう。アルフレード様と僕に深い絆って――そんなまさか。
「刻印が現れたということは、もう後戻りはできない。だから、君が兄上とどう向き合うかがこれから大事になるんじゃない?」
セルジュ様はその言葉を最後に意味深な微笑みを浮かべ、また紅茶を飲みだした。
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