3 / 8
くるしみからのすくい
しおりを挟む
その晩の男性は、最初から様子がおかしかった。
「どうなさいましたの?」
サブリナが窓辺で出迎えると、男はかぶっていた帽子を脱ぎ、両手でくしゃっと丸めた。
30歳すぎに見えるのだが……なんだか、叱られすぎた子どもが親のまえで萎縮しているような振る舞いだった。
「あ、ここ……してもらえるって……」
「はい、いたします。どうぞもっと近くにいらして」
ようやく口を開いた男に笑顔で答えて、サブリナは床に両膝をつく。
おどおどしながら寄ってきた男が、ズボンからそれを出した。
が、手で隠そうとするので、サブリナは優しく太ももから舌を這わせ、徐々に彼のものへと口を近づけていった。
(あら、これ……すこし違って見えますわ)
半年のあいだ毎日のように新しいものを見ていたので、彼女は見てすぐに気づいた。
(なんだか、苦しそう)
多くの男の、威張ったように反り返るものとは違う。
押さえつけられて、苦しそうな感じに見えた。
これまでも、ズボンから出した直後にこういう見た目の男はいたが、サブリナの唇が触れるころには他と変わりなく、強さを主張しているのが常だった。
だが、今晩の男はどうやらそうはならず、苦しそうなまま。
とくに、先のほうを見ていると、サブリナまでつらい気持ちになってきた。
「優しく、しますからね」
言って、いつものように咥えるのではなく、まずは先のほうを舌で軽く撫でる。
ちろちろと。
「あうっ」
男が控えめに声を出した。
手ごたえを感じたサブリナは、そのまま先端を重点的に舌で癒す。
苦しそうな、包んでいるその中に、優しく舌先を潜り込ませる。
包まれている中に、いつものものが入っているようだった。
包みの先が狭いため、威張りたい中のものが出てこられないのだ。
(このまま、隙間からお舐めするのがいいのかしら?)
動きはとめずに彼女はすこし思案し、
「え、あっ……」
両手を使って、彼のもの全体をゆっくりと揉み始めた。
いつものような、口だけを使った行為ではない。
手と口を使い、できるだけ優しく、彼を解き放とうと思ったのだ。
ちゅっく、ちゅっく、と音だけが響く。
そのうちーー
「ッ出るっ」
短く言って、男の腰が大きく前後した。
ものすごい量が解き放たれる。
「んぐ、んっ、ん~っ!」
サブリナは、溺れそうになりながら飲み下した。
コップ一杯ほどもあったのではないかと錯覚するほどの量と勢いだった。
「……ふう、大丈夫でした」
にこっと笑い、掃除を始める。
どこまで汚れているかわからないので、隙間に舌を入れて隅々まで丁寧に。
終わると男は、
「ありがとう。ありがとう」
何度も礼を言って、窓の外の暗闇へと帰っていった。
「ふふ、良い行いには良いことが返ってくるって、本当ですわね。わたしにお礼を言ってくださる人なんて、そうそういませんもの」
今日はよく眠れそうーーそう笑って、サブリナは幸せそうにベッドに横になった。
「どうなさいましたの?」
サブリナが窓辺で出迎えると、男はかぶっていた帽子を脱ぎ、両手でくしゃっと丸めた。
30歳すぎに見えるのだが……なんだか、叱られすぎた子どもが親のまえで萎縮しているような振る舞いだった。
「あ、ここ……してもらえるって……」
「はい、いたします。どうぞもっと近くにいらして」
ようやく口を開いた男に笑顔で答えて、サブリナは床に両膝をつく。
おどおどしながら寄ってきた男が、ズボンからそれを出した。
が、手で隠そうとするので、サブリナは優しく太ももから舌を這わせ、徐々に彼のものへと口を近づけていった。
(あら、これ……すこし違って見えますわ)
半年のあいだ毎日のように新しいものを見ていたので、彼女は見てすぐに気づいた。
(なんだか、苦しそう)
多くの男の、威張ったように反り返るものとは違う。
押さえつけられて、苦しそうな感じに見えた。
これまでも、ズボンから出した直後にこういう見た目の男はいたが、サブリナの唇が触れるころには他と変わりなく、強さを主張しているのが常だった。
だが、今晩の男はどうやらそうはならず、苦しそうなまま。
とくに、先のほうを見ていると、サブリナまでつらい気持ちになってきた。
「優しく、しますからね」
言って、いつものように咥えるのではなく、まずは先のほうを舌で軽く撫でる。
ちろちろと。
「あうっ」
男が控えめに声を出した。
手ごたえを感じたサブリナは、そのまま先端を重点的に舌で癒す。
苦しそうな、包んでいるその中に、優しく舌先を潜り込ませる。
包まれている中に、いつものものが入っているようだった。
包みの先が狭いため、威張りたい中のものが出てこられないのだ。
(このまま、隙間からお舐めするのがいいのかしら?)
動きはとめずに彼女はすこし思案し、
「え、あっ……」
両手を使って、彼のもの全体をゆっくりと揉み始めた。
いつものような、口だけを使った行為ではない。
手と口を使い、できるだけ優しく、彼を解き放とうと思ったのだ。
ちゅっく、ちゅっく、と音だけが響く。
そのうちーー
「ッ出るっ」
短く言って、男の腰が大きく前後した。
ものすごい量が解き放たれる。
「んぐ、んっ、ん~っ!」
サブリナは、溺れそうになりながら飲み下した。
コップ一杯ほどもあったのではないかと錯覚するほどの量と勢いだった。
「……ふう、大丈夫でした」
にこっと笑い、掃除を始める。
どこまで汚れているかわからないので、隙間に舌を入れて隅々まで丁寧に。
終わると男は、
「ありがとう。ありがとう」
何度も礼を言って、窓の外の暗闇へと帰っていった。
「ふふ、良い行いには良いことが返ってくるって、本当ですわね。わたしにお礼を言ってくださる人なんて、そうそういませんもの」
今日はよく眠れそうーーそう笑って、サブリナは幸せそうにベッドに横になった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる