【R18】即尺令嬢は婚約破棄されてもやめられない

蛙壺

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くるしみからのすくい

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 その晩の男性は、最初から様子がおかしかった。

「どうなさいましたの?」

 サブリナが窓辺で出迎えると、男はかぶっていた帽子を脱ぎ、両手でくしゃっと丸めた。
 30歳すぎに見えるのだが……なんだか、叱られすぎた子どもが親のまえで萎縮しているような振る舞いだった。

「あ、ここ……してもらえるって……」
「はい、いたします。どうぞもっと近くにいらして」

 ようやく口を開いた男に笑顔で答えて、サブリナは床に両膝をつく。
 おどおどしながら寄ってきた男が、ズボンからそれを出した。

 が、手で隠そうとするので、サブリナは優しく太ももから舌を這わせ、徐々に彼のものへと口を近づけていった。

(あら、これ……すこし違って見えますわ)

 半年のあいだ毎日のように新しいものを見ていたので、彼女は見てすぐに気づいた。

(なんだか、苦しそう)

 多くの男の、威張ったように反り返るものとは違う。
 押さえつけられて、苦しそうな感じに見えた。

 これまでも、ズボンから出した直後にこういう見た目の男はいたが、サブリナの唇が触れるころには他と変わりなく、強さを主張しているのが常だった。
 だが、今晩の男はどうやらそうはならず、苦しそうなまま。
 とくに、先のほうを見ていると、サブリナまでつらい気持ちになってきた。

「優しく、しますからね」

 言って、いつものように咥えるのではなく、まずは先のほうを舌で軽く撫でる。
 ちろちろと。

「あうっ」

 男が控えめに声を出した。
 手ごたえを感じたサブリナは、そのまま先端を重点的に舌で癒す。
 苦しそうな、包んでいるその中に、優しく舌先を潜り込ませる。

 包まれている中に、いつものものが入っているようだった。
 包みの先が狭いため、威張りたい中のものが出てこられないのだ。

(このまま、隙間からお舐めするのがいいのかしら?)

 動きはとめずに彼女はすこし思案し、

「え、あっ……」

 両手を使って、彼のもの全体をゆっくりと揉み始めた。

 いつものような、口だけを使った行為ではない。
 手と口を使い、できるだけ優しく、彼を解き放とうと思ったのだ。

 ちゅっく、ちゅっく、と音だけが響く。

 そのうちーー

「ッ出るっ」

 短く言って、男の腰が大きく前後した。
 ものすごい量が解き放たれる。

「んぐ、んっ、ん~っ!」

 サブリナは、溺れそうになりながら飲み下した。
 コップ一杯ほどもあったのではないかと錯覚するほどの量と勢いだった。

「……ふう、大丈夫でした」

 にこっと笑い、掃除を始める。
 どこまで汚れているかわからないので、隙間に舌を入れて隅々まで丁寧に。

 終わると男は、

「ありがとう。ありがとう」

 何度も礼を言って、窓の外の暗闇へと帰っていった。

「ふふ、良い行いには良いことが返ってくるって、本当ですわね。わたしにお礼を言ってくださる人なんて、そうそういませんもの」

 今日はよく眠れそうーーそう笑って、サブリナは幸せそうにベッドに横になった。
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