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17 緑の聖女、王都到着
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「……そうであったか」
「この深紅の瞳が王族固有のものだというのは、貴族であれば誰でも知っていることだ。他国であっても国の中枢にいる者なら知っていてもおかしくはない」
「では、そなたはあの国の間諜ということはないのだな?」
「誓って。むしろ、あの国なんぞ滅べばいいとすら思っている」
あ、そういうことか。エセルバード様は、王族の血を引くヴァンがあの国の間諜かどうかを懸念していたんだ。だから出発前にその確認をするために家を訪ねてきたのか。
「ここまでバレたのだから言うが、俺の名前はヴァーノンだ。ヴァンは偽名で使っている」
「あの、僕の名前もラルフィーと言います。あの国からの追手を攪乱するためにそう呼んでいたんです」
「そうだったのですね。わかりました。では今後はラルフィー様とお呼びいたしましょう」
それから明日の出発時間を確認して、エセルバード様たちは帰っていった。
「……フィー、今まで黙っていてすまない。あの王族の血を引くと知って、軽蔑したか?」
「まさか! するわけないじゃないか!」
ヴァンがこのことを言い出せなかったのは、僕があの人たちにいい感情を持っていないと知っているから。その人たちと同じ血を引くと知られたら嫌われるかもしれないと思ったんだ。
でも僕はそれを知ったところでヴァンを嫌いになんてなれるわけがない。だってヴァンはどんな時でも僕を気遣ってくれた。処刑されそうになった僕を、危険を冒してでも助けに来てくれた。
あの王族の血を引いていても、ヴァンはとても優しい人だと知っている。
「そうか、よかった……」
「むしろ同じ血を引いているヴァンを、憎いからとあんな傷が付くまで暴力を振るっていたなんて……今ここにヴァンがいてくれて、僕は心底嬉しいと思ってる。生きててくれて、ありがとう、ヴァン」
「……きっと俺が生まれてから辛い目に遭ってきたのは、フィーという宝物に出会うためだったんだろうな。愛してる、フィー」
その日の夜はヴァンと体を重ねた。今までにも何度かあるけど、今日は特別ヴァンのことが愛しくて堪らなかった。
◇
そして翌日、僕とヴァンは王都へと出発する。
「寂しいね。この家、頑張って修理したのになぁ」
「そうだな。短い間だったが、いい思い出ばかりだ」
最初は雨漏りもしたし隙間風も凄かった。あちこち埃まみれで壊れたものもたくさんあった。だけどヴァンと一緒にたくさん手をかけて、今ではとっても住みやすい大好きな家になった。
増えたものもたくさんある。全部持っていくことは出来ないけど、思い出深い大事なものは王都に一緒に持っていくことにした。
それ以外にも村の人や商人のおじさんに、餞別だとたくさんの贈り物を貰った。そのおかげで僕たちの荷物はパンパンだ。この村に到着した時は、ほとんど荷物なんてなかったのに。
それだけこの村での楽しい時間を過ごせたということだ。
「みんな、さようなら。最後に僕の力を分けてあげるから、どうかこの村を守ってね」
僕の家を囲うように植えられた花たちに、聖属性の力を注ぐ。花たちは「ありがとー! 元気でね!」と大合唱で応えてくれた。きっとこの村は、今後も魔物に襲われることはないだろう。ここの人たちが脅威にさらされないまま、安心して生活して欲しい。
そして馬車に乗り込み村を出た。最後は村人全員が見送りに来てくれ、泣きながら手を振ってくれた。僕も負けじと手を振って最後のお別れを告げた。
村が小さくなってその姿が見えなくなっても、僕はずっと涙が止まらなかった。そんな僕をヴァンは抱きしめて泣きたいだけ泣かせてくれた。
この村で過ごした優しい日々を、僕は一生忘れることはないだろう。
◇
王都へは三週間もの時間を要した。途中に立ち寄った街で、僕たちは服を全て新調することになった。ジェームズ様が見立ててくれた服は、今まで着たことのない上質な布を使ったもの。一見動き辛そうに見える形だが、体の動きを邪魔することがなくて非常に着心地がいいものだった。
あの国では女装をしていたけど、今回その必要はないとのこと。僕は僕らしく、このままでいられるそうだ。ただ服はもの凄く立派で着られている感じは拭えないけれど。
「王都に着いたらラルフィー様の服をちゃんと仕立てますからね! それはもう『緑の聖女様』に相応しいものをご用意させていただきます!」
僕が男だとわかっていても、結局『聖女様』と呼ばれることになった。しかも『緑の聖女様』。どこの国でも一様に『聖女様』と呼ばれ、その前に特別な呼び名が付くことはない。
僕の力は植物によって高められるからこう呼ばれることになったのだけど、大それた呼ばれ方で未だに慣れない。
「ヴァンも格好いいね!」
ヴァンも上等な服に変わった。ヴァンの騎士服も王都に着いたらちゃんと仕立ててくれるそうだ。
僕たちの関係はエセルバード様たちに伝えてある。恋人同士だと話した時に驚かれると思ったけど、「それはわかっていましたよ」と既にバレバレだった。なんでわかったのか不思議で聞いてみたら、僕たちがお互いを見る目が砂糖を吐きそうなくらい甘かったそうで……それを聞いて恥ずかしくて堪らなかった……
街へ立ち寄った時も立派な宿を用意してくれ、部屋はヴァンと一緒。今回は馬車での移動だし、急いでいるとはいえこの国に逃げてきたあの時ほどじゃない。それに僕の聖属性を与えた野菜を持ってきているし、みんなの体調はばっちりだ。
馬車での移動中も、僕の野菜があるおかげなのか魔物に襲われることは一度もなかった。ジェームズ様は「あの村へ向かった時は大変でしたが、今回はなんて快適なんでしょう!」とご機嫌だ。
そしてやっと王都へと到着。そのまま馬車は王宮へと進み、ジェームズ様に案内されて上等な客室を与えられた。
「ここは『緑の聖女様』専用のお部屋です。入浴の用意も整っておりますので、どうぞごゆっくりお過ごしください」
どうやらあらかじめ手紙で僕のことを知らせていたようで、僕のための部屋が既に用意されていたのだ。あの国で与えられた部屋とは全く違う、豪華絢爛で上品な部屋。
僕のためなのか、花もたくさん活けられていて「ようこそ! 初めまして!」と挨拶してくれた。この部屋が豪華すぎて落ち着かないけど、花たちのお陰で少し気持ちが楽になった。
長旅を終えてきた僕たちのことを慮ってくれて、今日はこのまま休んでいいようだ。でも明日には王族の方々とお会いすることになるらしく、緊張が凄い。エセルバード様やジェームズ様はよくしてくれたけど、陛下や王妃様はわからないから……
とはいえもうここまで来たのだから逃げるわけにはいかない。お言葉に甘えて今日はゆっくりさせてもらおう。
そして翌日。僕付きとなった優しい侍従のザカリーさんに着替えを手伝ってもらい、とうとう王族の方々と謁見することに。それも謁見の間で。侍従の人が教えてくれたけど、王族の方以外にも各大臣や貴族の当主様たちが集まっているのだそう。
それを聞いてあの国での出来事を思い出したけど、ここはあの国じゃない。大丈夫と自分に言い聞かせた。
「ラルフィー様、心の準備はよろしいですか?」
「は、はいっ……!」
とはいってもやっぱり緊張はする。謁見の間の扉を前にすると、口から心臓が飛び出そうになった。そんな僕を見てジェームズ様は苦笑する。
「大丈夫ですよ。陛下も王妃殿下も、為政者として厳しいところはありますが、本来とてもお優しい方々です。それにラルフィー様の境遇を知ってお怒りになっていらっしゃいました」
「そう、ですか……」
きっとジェームズ様の言う通りなのだろう。だけどどうしてもあの過去が思い出され、足が震える。そんな僕の手をそっと握られてハッとした。
「フィー、大丈夫だ。俺がついてる。だから心配するな」
「ヴァン……うん、そうだね」
ヴァンの大きくて温かい手に包まれて少しずつ心臓も落ち着いてきた。すーはーと深呼吸して、大丈夫だとジェームズ様に伝える。
ジェームズ様の合図を受けて、目の前にある重厚な扉がゆっくりと開く。
「『緑の聖女』、ラルフィー様のご光臨!」
ジェームズ様のその声を受けて、僕は足を前へと踏み出した。
「この深紅の瞳が王族固有のものだというのは、貴族であれば誰でも知っていることだ。他国であっても国の中枢にいる者なら知っていてもおかしくはない」
「では、そなたはあの国の間諜ということはないのだな?」
「誓って。むしろ、あの国なんぞ滅べばいいとすら思っている」
あ、そういうことか。エセルバード様は、王族の血を引くヴァンがあの国の間諜かどうかを懸念していたんだ。だから出発前にその確認をするために家を訪ねてきたのか。
「ここまでバレたのだから言うが、俺の名前はヴァーノンだ。ヴァンは偽名で使っている」
「あの、僕の名前もラルフィーと言います。あの国からの追手を攪乱するためにそう呼んでいたんです」
「そうだったのですね。わかりました。では今後はラルフィー様とお呼びいたしましょう」
それから明日の出発時間を確認して、エセルバード様たちは帰っていった。
「……フィー、今まで黙っていてすまない。あの王族の血を引くと知って、軽蔑したか?」
「まさか! するわけないじゃないか!」
ヴァンがこのことを言い出せなかったのは、僕があの人たちにいい感情を持っていないと知っているから。その人たちと同じ血を引くと知られたら嫌われるかもしれないと思ったんだ。
でも僕はそれを知ったところでヴァンを嫌いになんてなれるわけがない。だってヴァンはどんな時でも僕を気遣ってくれた。処刑されそうになった僕を、危険を冒してでも助けに来てくれた。
あの王族の血を引いていても、ヴァンはとても優しい人だと知っている。
「そうか、よかった……」
「むしろ同じ血を引いているヴァンを、憎いからとあんな傷が付くまで暴力を振るっていたなんて……今ここにヴァンがいてくれて、僕は心底嬉しいと思ってる。生きててくれて、ありがとう、ヴァン」
「……きっと俺が生まれてから辛い目に遭ってきたのは、フィーという宝物に出会うためだったんだろうな。愛してる、フィー」
その日の夜はヴァンと体を重ねた。今までにも何度かあるけど、今日は特別ヴァンのことが愛しくて堪らなかった。
◇
そして翌日、僕とヴァンは王都へと出発する。
「寂しいね。この家、頑張って修理したのになぁ」
「そうだな。短い間だったが、いい思い出ばかりだ」
最初は雨漏りもしたし隙間風も凄かった。あちこち埃まみれで壊れたものもたくさんあった。だけどヴァンと一緒にたくさん手をかけて、今ではとっても住みやすい大好きな家になった。
増えたものもたくさんある。全部持っていくことは出来ないけど、思い出深い大事なものは王都に一緒に持っていくことにした。
それ以外にも村の人や商人のおじさんに、餞別だとたくさんの贈り物を貰った。そのおかげで僕たちの荷物はパンパンだ。この村に到着した時は、ほとんど荷物なんてなかったのに。
それだけこの村での楽しい時間を過ごせたということだ。
「みんな、さようなら。最後に僕の力を分けてあげるから、どうかこの村を守ってね」
僕の家を囲うように植えられた花たちに、聖属性の力を注ぐ。花たちは「ありがとー! 元気でね!」と大合唱で応えてくれた。きっとこの村は、今後も魔物に襲われることはないだろう。ここの人たちが脅威にさらされないまま、安心して生活して欲しい。
そして馬車に乗り込み村を出た。最後は村人全員が見送りに来てくれ、泣きながら手を振ってくれた。僕も負けじと手を振って最後のお別れを告げた。
村が小さくなってその姿が見えなくなっても、僕はずっと涙が止まらなかった。そんな僕をヴァンは抱きしめて泣きたいだけ泣かせてくれた。
この村で過ごした優しい日々を、僕は一生忘れることはないだろう。
◇
王都へは三週間もの時間を要した。途中に立ち寄った街で、僕たちは服を全て新調することになった。ジェームズ様が見立ててくれた服は、今まで着たことのない上質な布を使ったもの。一見動き辛そうに見える形だが、体の動きを邪魔することがなくて非常に着心地がいいものだった。
あの国では女装をしていたけど、今回その必要はないとのこと。僕は僕らしく、このままでいられるそうだ。ただ服はもの凄く立派で着られている感じは拭えないけれど。
「王都に着いたらラルフィー様の服をちゃんと仕立てますからね! それはもう『緑の聖女様』に相応しいものをご用意させていただきます!」
僕が男だとわかっていても、結局『聖女様』と呼ばれることになった。しかも『緑の聖女様』。どこの国でも一様に『聖女様』と呼ばれ、その前に特別な呼び名が付くことはない。
僕の力は植物によって高められるからこう呼ばれることになったのだけど、大それた呼ばれ方で未だに慣れない。
「ヴァンも格好いいね!」
ヴァンも上等な服に変わった。ヴァンの騎士服も王都に着いたらちゃんと仕立ててくれるそうだ。
僕たちの関係はエセルバード様たちに伝えてある。恋人同士だと話した時に驚かれると思ったけど、「それはわかっていましたよ」と既にバレバレだった。なんでわかったのか不思議で聞いてみたら、僕たちがお互いを見る目が砂糖を吐きそうなくらい甘かったそうで……それを聞いて恥ずかしくて堪らなかった……
街へ立ち寄った時も立派な宿を用意してくれ、部屋はヴァンと一緒。今回は馬車での移動だし、急いでいるとはいえこの国に逃げてきたあの時ほどじゃない。それに僕の聖属性を与えた野菜を持ってきているし、みんなの体調はばっちりだ。
馬車での移動中も、僕の野菜があるおかげなのか魔物に襲われることは一度もなかった。ジェームズ様は「あの村へ向かった時は大変でしたが、今回はなんて快適なんでしょう!」とご機嫌だ。
そしてやっと王都へと到着。そのまま馬車は王宮へと進み、ジェームズ様に案内されて上等な客室を与えられた。
「ここは『緑の聖女様』専用のお部屋です。入浴の用意も整っておりますので、どうぞごゆっくりお過ごしください」
どうやらあらかじめ手紙で僕のことを知らせていたようで、僕のための部屋が既に用意されていたのだ。あの国で与えられた部屋とは全く違う、豪華絢爛で上品な部屋。
僕のためなのか、花もたくさん活けられていて「ようこそ! 初めまして!」と挨拶してくれた。この部屋が豪華すぎて落ち着かないけど、花たちのお陰で少し気持ちが楽になった。
長旅を終えてきた僕たちのことを慮ってくれて、今日はこのまま休んでいいようだ。でも明日には王族の方々とお会いすることになるらしく、緊張が凄い。エセルバード様やジェームズ様はよくしてくれたけど、陛下や王妃様はわからないから……
とはいえもうここまで来たのだから逃げるわけにはいかない。お言葉に甘えて今日はゆっくりさせてもらおう。
そして翌日。僕付きとなった優しい侍従のザカリーさんに着替えを手伝ってもらい、とうとう王族の方々と謁見することに。それも謁見の間で。侍従の人が教えてくれたけど、王族の方以外にも各大臣や貴族の当主様たちが集まっているのだそう。
それを聞いてあの国での出来事を思い出したけど、ここはあの国じゃない。大丈夫と自分に言い聞かせた。
「ラルフィー様、心の準備はよろしいですか?」
「は、はいっ……!」
とはいってもやっぱり緊張はする。謁見の間の扉を前にすると、口から心臓が飛び出そうになった。そんな僕を見てジェームズ様は苦笑する。
「大丈夫ですよ。陛下も王妃殿下も、為政者として厳しいところはありますが、本来とてもお優しい方々です。それにラルフィー様の境遇を知ってお怒りになっていらっしゃいました」
「そう、ですか……」
きっとジェームズ様の言う通りなのだろう。だけどどうしてもあの過去が思い出され、足が震える。そんな僕の手をそっと握られてハッとした。
「フィー、大丈夫だ。俺がついてる。だから心配するな」
「ヴァン……うん、そうだね」
ヴァンの大きくて温かい手に包まれて少しずつ心臓も落ち着いてきた。すーはーと深呼吸して、大丈夫だとジェームズ様に伝える。
ジェームズ様の合図を受けて、目の前にある重厚な扉がゆっくりと開く。
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