恋われた嫁御寮

結婚に愛はなくても構わない。
ただ、なにも奪われず、穏やかに、幸せになりたいだけ――


父の再婚で出来た新しい家族は、優しい義母と意地悪な姉。
姉の木綿子はなにかにつけて咲喜子に嫌がらせをするし邪険にするので苦手だ。
そんな木綿子を可愛がる父にもいつしか愛想を尽かしてしまった。

ギスギス、それでも多少は穏やかに日々を過ごしていた咲喜子に、縁談が舞い込む。
相手はとても年上の、金貸しの男だという。
父の借金の為に嫁ぐことになった咲喜子は、これも仕方のないことだと割り切り、夫となる男と対面した。


「あんたも災難だね、お嬢さん。可哀想に」
そう言って笑った男は、咲喜子が想像していたのとは随分と違う印象だった。


これは、裏街道を生きてきた男と、清廉と育った裕福な令嬢の結婚から始まる恋の話。


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