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第十六章 小森の場合⑧
第3話 三重県の初詣?
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年も明けて、元旦。
裕司は怜と通話でカウントダウンをした後……少し通話をしてから、昼前まで眠りについた。
家族で元旦に初詣に行くので、そのための仮眠だ。主に、お詣りよりも縁日のように並ぶ出店がメインである。まだまだ小学生である妹の真衣香は両親や兄らから奢ってもらえるのを楽しみにしているのだ。
年の離れた妹の特権と言わんばかり……のようなことはないが、欲しいものを決めていく表情が可愛い。
「明けましておめでとうございます」
時間になったら、軽く雑煮だけで腹を満たし……祖父らは祖父らで。裕司らは父の車で出る。これも、毎年同じことだ。
県民的にお伊勢さんなどを参拝するのもいいだろうが……年々県内外の参拝客が多数押し寄せるし、元旦の朔日餅の購入に……おかげ横丁へ行く観光客も多いのだ。
だいぶ昔は、小森家もそこに加わっていたようだが……真衣香が出来てからは、母も購入をやめようと言ったので、以来口にしていない。
裕司はふと思い出し、怜が好きそうだな……と思ったので、朔日餅はともかく、名物の赤福餅は食べさせてやろうと決めた。冬もいいが、夏の抹茶を使ったかき氷は絶品だからだ。
「さーて、今年もぎょーさん並んでるわ」
神社に着くと、たしかに参拝客が凄い。比較的少ないエリアのはずだったが、年々屋台が増えていくので仕方がないかもしれない。
真衣香がうずうずしていたが、母が軽く言いつけていたので……まずは、一家で参拝の方を済ませる。真衣香はまだたどたどしい箇所もあったが、一生懸命に何かをお祈りしていた。
「甘酒いかがですかー?」
参拝を終えた客に、年末もだが年始も神社が無料で配ってくれる甘酒。
酒粕と米麹と鍋が分かれているので、真衣香以外は酒粕のを選んだ。真衣香はずっと小さい頃に、酒粕の方で気分を悪くしたからだ。
「おいしー」
言い方が、怜と似ていたので……怜だったらどちらの甘酒を飲むかつい考えてしまう。アルコールに弱いわけではないが……疲れとかのフルコンボになると、途端にふにゃけた表情になるのも可愛い。となると、公衆の場では米麹が妥当か。
「おかーさん、おとーさん! にいちゃん達、お腹空いたー!」
「「「「はいはい」」」」
小森家の長女は、とりあえず色気よりもまだまだ食い気が勝つので……ひとまず、彼女のお腹を満たすのに屋台を練り歩くことにした。
「韓国名物、チーズハットグいかがですかー?」
屋台を見始めたあたりで、去年には無かった変わった出し物があるのが見えた。
「チーズ?」
「ハットグ?? なぁに??」
「裕司知ってる?」
「韓国料理はあんまり……」
看板を見る限り……アメリカンドックのようなものに、ハッシュポテトの粒をつけて揚げたような見た目だった。
裕司は怜と通話でカウントダウンをした後……少し通話をしてから、昼前まで眠りについた。
家族で元旦に初詣に行くので、そのための仮眠だ。主に、お詣りよりも縁日のように並ぶ出店がメインである。まだまだ小学生である妹の真衣香は両親や兄らから奢ってもらえるのを楽しみにしているのだ。
年の離れた妹の特権と言わんばかり……のようなことはないが、欲しいものを決めていく表情が可愛い。
「明けましておめでとうございます」
時間になったら、軽く雑煮だけで腹を満たし……祖父らは祖父らで。裕司らは父の車で出る。これも、毎年同じことだ。
県民的にお伊勢さんなどを参拝するのもいいだろうが……年々県内外の参拝客が多数押し寄せるし、元旦の朔日餅の購入に……おかげ横丁へ行く観光客も多いのだ。
だいぶ昔は、小森家もそこに加わっていたようだが……真衣香が出来てからは、母も購入をやめようと言ったので、以来口にしていない。
裕司はふと思い出し、怜が好きそうだな……と思ったので、朔日餅はともかく、名物の赤福餅は食べさせてやろうと決めた。冬もいいが、夏の抹茶を使ったかき氷は絶品だからだ。
「さーて、今年もぎょーさん並んでるわ」
神社に着くと、たしかに参拝客が凄い。比較的少ないエリアのはずだったが、年々屋台が増えていくので仕方がないかもしれない。
真衣香がうずうずしていたが、母が軽く言いつけていたので……まずは、一家で参拝の方を済ませる。真衣香はまだたどたどしい箇所もあったが、一生懸命に何かをお祈りしていた。
「甘酒いかがですかー?」
参拝を終えた客に、年末もだが年始も神社が無料で配ってくれる甘酒。
酒粕と米麹と鍋が分かれているので、真衣香以外は酒粕のを選んだ。真衣香はずっと小さい頃に、酒粕の方で気分を悪くしたからだ。
「おいしー」
言い方が、怜と似ていたので……怜だったらどちらの甘酒を飲むかつい考えてしまう。アルコールに弱いわけではないが……疲れとかのフルコンボになると、途端にふにゃけた表情になるのも可愛い。となると、公衆の場では米麹が妥当か。
「おかーさん、おとーさん! にいちゃん達、お腹空いたー!」
「「「「はいはい」」」」
小森家の長女は、とりあえず色気よりもまだまだ食い気が勝つので……ひとまず、彼女のお腹を満たすのに屋台を練り歩くことにした。
「韓国名物、チーズハットグいかがですかー?」
屋台を見始めたあたりで、去年には無かった変わった出し物があるのが見えた。
「チーズ?」
「ハットグ?? なぁに??」
「裕司知ってる?」
「韓国料理はあんまり……」
看板を見る限り……アメリカンドックのようなものに、ハッシュポテトの粒をつけて揚げたような見た目だった。
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