時を止めるって聖女の能力にしてもチートすぎるんじゃないんでしょうか？

アイシス様がなんかおかしい

アルとの楽しいひと時を過ごしたあとに、訓練場にもどってくると、ちょうどユーリス様とアイシス様に会った。

あれ？今日は既成事実、きゃっほいで、帰ってこないかと思ったのに、どうしてこんな早く戻ってきたの？？

私の考えは駄々漏れだったらしく、アイシス様が説明してくれた。

「ユーリス様は、わたくしのように色気のある美しい女性は好みじゃないのだって。だから代わりにいい騎士様をわたくしに紹介してくれるってことで、話がついたの」

女の私でも見ほれるような妖艶な笑みを漏らしながら、話す。

「そうなんです。私はアイシス様みたいなスタイルの良い女性より、女らしくなくても真面目で浮気しない実直な人で、かつお互いに支えあえる人がいいんです」

そこかで聞いたフレーズを、臆面もなくさらっと言い張った。

ってことは下僕解消ですか？
もうお風呂貸してもらえないのでしょうか？
それはちょっと、辛いかも。
よし今度、時でも止めてお風呂に入ってやろうかな。
アルがなんていうか分からないけど、やっぱり川で水浴びより、温かい湯につかりたいと思うのが日本人の性だよね。

「お風呂なら私の部屋のを使いなさい、アイシスに聞いたよ。体に大きい古傷があって、誰にも見せたくないので、お風呂に入れなかったって。夕飯の後７刻から８刻の間、私はいつも部屋にいないから、良かったら自由に使ってくれるとうれしい。合鍵を渡しておくね。女性の部屋のお風呂を借りるよりも、そのほうがいいだろう？」

ユーリス様は満面の笑みを浮かべて、おっしゃった。
いいのだろうか？
アイシス様の目をみて、魔力は無いが心の声で聞いてみた。

「いつまでもわたくしの部屋のお風呂を使われてちゃ、わたくしに恋人ができないでしょう？ご好意に甘えておきなさい。ユーリス様はあなたの面倒を見るのが大好きなようだから」

はあ、そうですか。
うん。

私はお風呂の誘惑に負けた。

それからというもの毎日、７刻にユーリス様の部屋に行って、お風呂に入って帰ってくるのが日課になった。ユーリス様は約束どおり７刻と８刻の間は部屋に戻ってこられなかったので、安心してお風呂を楽しめた。


いつも甘甘。ありがとうございます。