16 / 20
第2章 お決まり模擬戦と冒険者活動
第16話 ギルドからの応援と合流!
しおりを挟む
ギルドマスターは、銀色のフルプレートに身を包み現れた。インテリな顔からは想像出来ない装備にギルドマスターの現役時代を知らない者は驚きと意外な顔をする。
「ギルマスのその姿を見るのは、久しぶりです。まだまだ現役でもおかしくないと思いますよ」
エルマは、10年前に受付嬢となり、新人の時に一度だけギルマスのフルプレート姿を目にしていた。その時を最後に、ギルマスは現役を引退したのだ。
「私など、もうお役御免の存在ですよ。現役の者に失礼です。それよりも、冒険者は集まりましたか?」
「申し訳ございませんが、Cランク冒険者2組だけです。そして、伯爵家からは騎士団長を派遣してくれるとのことです。他の騎士は、もしもの場合に備えて、待機させると仰っておりました」
ホスニケムは、魔物の危険がなく、新人冒険者に人気の街になっているため、高ランク冒険者の数が少ない。そのため、Cランク以上は中々集まらないのだ。
「最低限以下だが、蒼の双翼と死霊の秘儀がいるのは大きいですね。それにしても......フッ、流石ラッセルですよ。馬鹿な貴族とは大違いです」
蒼の双翼は、若手台頭でBランクにもっとも近いと冒険者である。そして、死霊の秘儀は、Cランク以上の実力はあるものの、スケルトンやレイスを使うことから、他の街では薄気味悪がられ、依頼は少ないが、普通に接してもらえるホスニケムで活動を続けている。
「蒼の双翼と死霊の秘儀の皆さん、お願いしますね。では、早急に参りましょう。タリアさん、案内をお願いします」
タリアは、元気良く返事をした。蒼の双翼と死霊の秘儀の両パーティーも、頷いて返す。
そして、騎士団長が待つ門に向かうのだった。
◆
ギルマス達が、門に着くと、すでに騎士団長が待っていた。
「ブレイク騎士団長、お待たせしました。あまり時間もありませんので、すぐに参りましょう」
「そうだな。向かいながら、伯爵様からの伝言を伝えることにする」
ギルマスとブレイクは、挨拶をそこそこに、馬を走らせてミナト達が待つ戦場に向かった。
「伯爵様からは、ギルドマスターに指揮権を与えるとのことだ。よろしく頼んだぞ。それから、討伐報酬と治療費などは全て伯爵様が持つと言われている」
「ラッセルは、相変わらずですね。皆さん、必ずドン達を救いましょう。そして、ホスニケムに到達する前に、女王を討伐しますよ」
ギルドマスターは、先程からラッセルを呼び捨てしており、どうやら旧知の仲のようだ。
そして、ここまでのお膳立てと冒険者に対して手厚い補償をしてくれるならばとギルドマスターはやる気を見せた。
ギルドマスターの言葉を聞いて、蒼の双翼と死霊の秘儀とタリアも、やる気のある返事をする。
◆
ドンとジェフは、ミナトを抱えて森を走っていた。はじめは、女王の出現で、魔物達は隠れていたが、気配が消えたことで魔物達の活動が活発になり、ウルフ系の魔物やゴブリン達がドンとジェフを邪魔してくる。
「こう次々と現れると面倒ですね。それに、魔力回復ポーションがなくなりました。ドン、悪いですが、交代してもらえますか?」
「あぁ、ミナトを頼むぞ。絶対に落とすなよ」
ドンは、ミナトをジェフに渡して、2本の斧を手に持ち走り出した。
「もうすぐしたら街道に出るが、まだこないのか?タリア達とすれ違ったのか?それとも、冒険者は応援すら寄越さないのか?」
「この道は、冒険者がよく使う道ですし、すれ違いはないでしょう。それに、あのギルドマスターが見捨てるとは考えられません。今は、いち早く......」
ジェフが話している途中で、ドンが前方から何か来る気配を感じ、手で制して止めた。
すると、ギルドマスターの後ろから顔出して手を振っているタリアが見えた。
「ドンさんとジェフさんで間違いありませんね?女王とデッドリーポイズンキラービーは、どこにいるのですか?」
ドンとジェフは、激しい戦いと森を走り抜けて来たことで、服があちこち破れ、顔も薄汚れており、ギルドマスターは本人か確認をした。そして、ドンが頷くとすぐに女王とデッドリーポイズンキラービーのことを尋ねる。
「ギルマス悪いが、話はあとにしてくれ!それから、女王とデッドリーポイズンキラービーなら、ミナトが倒した。そのせいで意識を失ってるんだ。今すぐ回復を頼む」
ドンとジェフは、ギルマスに一瞬顔を合わせたあと、蒼の双翼と死霊の秘儀の前に行き、回復魔法が使えないか尋ねる。
「ヒールしか使えないけどやってみるよ。その子を地面に寝かせて」
ジェフは、優しくミナトを地面に寝かせると、蒼の双翼のメンバーの一人である少年が、手をかざしてヒールをかけるのだった。
「ギルマスのその姿を見るのは、久しぶりです。まだまだ現役でもおかしくないと思いますよ」
エルマは、10年前に受付嬢となり、新人の時に一度だけギルマスのフルプレート姿を目にしていた。その時を最後に、ギルマスは現役を引退したのだ。
「私など、もうお役御免の存在ですよ。現役の者に失礼です。それよりも、冒険者は集まりましたか?」
「申し訳ございませんが、Cランク冒険者2組だけです。そして、伯爵家からは騎士団長を派遣してくれるとのことです。他の騎士は、もしもの場合に備えて、待機させると仰っておりました」
ホスニケムは、魔物の危険がなく、新人冒険者に人気の街になっているため、高ランク冒険者の数が少ない。そのため、Cランク以上は中々集まらないのだ。
「最低限以下だが、蒼の双翼と死霊の秘儀がいるのは大きいですね。それにしても......フッ、流石ラッセルですよ。馬鹿な貴族とは大違いです」
蒼の双翼は、若手台頭でBランクにもっとも近いと冒険者である。そして、死霊の秘儀は、Cランク以上の実力はあるものの、スケルトンやレイスを使うことから、他の街では薄気味悪がられ、依頼は少ないが、普通に接してもらえるホスニケムで活動を続けている。
「蒼の双翼と死霊の秘儀の皆さん、お願いしますね。では、早急に参りましょう。タリアさん、案内をお願いします」
タリアは、元気良く返事をした。蒼の双翼と死霊の秘儀の両パーティーも、頷いて返す。
そして、騎士団長が待つ門に向かうのだった。
◆
ギルマス達が、門に着くと、すでに騎士団長が待っていた。
「ブレイク騎士団長、お待たせしました。あまり時間もありませんので、すぐに参りましょう」
「そうだな。向かいながら、伯爵様からの伝言を伝えることにする」
ギルマスとブレイクは、挨拶をそこそこに、馬を走らせてミナト達が待つ戦場に向かった。
「伯爵様からは、ギルドマスターに指揮権を与えるとのことだ。よろしく頼んだぞ。それから、討伐報酬と治療費などは全て伯爵様が持つと言われている」
「ラッセルは、相変わらずですね。皆さん、必ずドン達を救いましょう。そして、ホスニケムに到達する前に、女王を討伐しますよ」
ギルドマスターは、先程からラッセルを呼び捨てしており、どうやら旧知の仲のようだ。
そして、ここまでのお膳立てと冒険者に対して手厚い補償をしてくれるならばとギルドマスターはやる気を見せた。
ギルドマスターの言葉を聞いて、蒼の双翼と死霊の秘儀とタリアも、やる気のある返事をする。
◆
ドンとジェフは、ミナトを抱えて森を走っていた。はじめは、女王の出現で、魔物達は隠れていたが、気配が消えたことで魔物達の活動が活発になり、ウルフ系の魔物やゴブリン達がドンとジェフを邪魔してくる。
「こう次々と現れると面倒ですね。それに、魔力回復ポーションがなくなりました。ドン、悪いですが、交代してもらえますか?」
「あぁ、ミナトを頼むぞ。絶対に落とすなよ」
ドンは、ミナトをジェフに渡して、2本の斧を手に持ち走り出した。
「もうすぐしたら街道に出るが、まだこないのか?タリア達とすれ違ったのか?それとも、冒険者は応援すら寄越さないのか?」
「この道は、冒険者がよく使う道ですし、すれ違いはないでしょう。それに、あのギルドマスターが見捨てるとは考えられません。今は、いち早く......」
ジェフが話している途中で、ドンが前方から何か来る気配を感じ、手で制して止めた。
すると、ギルドマスターの後ろから顔出して手を振っているタリアが見えた。
「ドンさんとジェフさんで間違いありませんね?女王とデッドリーポイズンキラービーは、どこにいるのですか?」
ドンとジェフは、激しい戦いと森を走り抜けて来たことで、服があちこち破れ、顔も薄汚れており、ギルドマスターは本人か確認をした。そして、ドンが頷くとすぐに女王とデッドリーポイズンキラービーのことを尋ねる。
「ギルマス悪いが、話はあとにしてくれ!それから、女王とデッドリーポイズンキラービーなら、ミナトが倒した。そのせいで意識を失ってるんだ。今すぐ回復を頼む」
ドンとジェフは、ギルマスに一瞬顔を合わせたあと、蒼の双翼と死霊の秘儀の前に行き、回復魔法が使えないか尋ねる。
「ヒールしか使えないけどやってみるよ。その子を地面に寝かせて」
ジェフは、優しくミナトを地面に寝かせると、蒼の双翼のメンバーの一人である少年が、手をかざしてヒールをかけるのだった。
20
あなたにおすすめの小説
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる