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賢者は召喚獣に甘えたい(1)
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試練から数日経った今、僕達は無事に街へと帰還していた。
僕はソファに座ったノルの膝で、ゴロゴロとご機嫌で頭や体を撫でられていた。もちろん猫の姿で。
ノルはここ数日、僕の機嫌が直るまでずっと僕を甘やかしてくれていた。試練を受けたのも大変な思いをしたのもノルの方なのに、まるでお姫様みたいに僕を甘やかしてくれたんだ。
普段なら気恥ずかしくて拒否しちゃうような扱いも、あんな試練の後だからか素直に受け入れられた。
『ごめんね、ノル。僕のために頑張ってくれたのに、まだおめでとうもありがとうも言えてなかった』
「うん? 全然気にしてないよ。それより自分の肉体にまで嫉妬するリューエが凄く可愛かったから、俺としては役得」
『う、うぅ……だってあんなの見せられたら誰だって嫉妬するよぉ』
だってあいつノルにキスした。僕の体で。僕の目の前で。こんなの完全に寝取りじゃん。
ああもう駄目だ、思い出すとまたムカムカしてくる。
「リューエ、イカ耳になって可愛い二本の尻尾も膨らんでるよ」
『うー……』
「俺のリューエはうんと年上なのに嫉妬深くて可愛いなぁ」
『ノルって僕なら何でも可愛いと思ってない?』
「思ってるけど?」
『……そう』
そっか、思ってるんだ。ノルってば僕の事が好きすぎる。
嬉しくてノルの手に頭を摺り寄せると、ノルはまた可愛いと言って笑みをこぼした。
「甘えるリューエも、嫉妬するリューエも、拗ねてるようでご機嫌に耳を立ててるリューエも全部可愛い」
本当に全部言葉にするじゃん……
ベタ惚れだ。砂糖よりも甘々だ。他人だったら胸焼けしちゃうくらい甘い愛情表現だ。
でもその甘さが心地良いと思っちゃう僕も、かなりノルにベタ惚れなんだよね。
言葉で愛を示されて、試練を通じて行動でも愛を示されて。溺愛されるってこういう事を言うのかもしれない。
気が付けばノルは本当に僕のことばっかりだ、生活すら僕中心に回しちゃいそう。もう少し自分の事も優先していいと思うんだけどなぁ……
だけどそうして自分を優先した結果日本に帰りたいって言われちゃったら、僕はノルをちゃんと手放せるのかな。
「リューエ」
『うん? ……んぎゃっ』
僕が返事をするとほぼ同時に、ノルが僕を抱き上げるとお腹に顔を埋める。そして。
すぅ……と深く息を吸ってきた。
「……っ!!」
と、とうとう吸われてしまった……!
僕の本格的な猫吸いヴァージンがノルに奪われてしまった……!
すぅ、はぁ、と何度も深呼吸されて、何というか、恥ずかしいというかいたたまれないというか。
な、なんか下手にえっちな事をするよりも恥ずかしいぞこれ!
僕はソファに座ったノルの膝で、ゴロゴロとご機嫌で頭や体を撫でられていた。もちろん猫の姿で。
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「うん? 全然気にしてないよ。それより自分の肉体にまで嫉妬するリューエが凄く可愛かったから、俺としては役得」
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「思ってるけど?」
『……そう』
そっか、思ってるんだ。ノルってば僕の事が好きすぎる。
嬉しくてノルの手に頭を摺り寄せると、ノルはまた可愛いと言って笑みをこぼした。
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本当に全部言葉にするじゃん……
ベタ惚れだ。砂糖よりも甘々だ。他人だったら胸焼けしちゃうくらい甘い愛情表現だ。
でもその甘さが心地良いと思っちゃう僕も、かなりノルにベタ惚れなんだよね。
言葉で愛を示されて、試練を通じて行動でも愛を示されて。溺愛されるってこういう事を言うのかもしれない。
気が付けばノルは本当に僕のことばっかりだ、生活すら僕中心に回しちゃいそう。もう少し自分の事も優先していいと思うんだけどなぁ……
だけどそうして自分を優先した結果日本に帰りたいって言われちゃったら、僕はノルをちゃんと手放せるのかな。
「リューエ」
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「……っ!!」
と、とうとう吸われてしまった……!
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すぅ、はぁ、と何度も深呼吸されて、何というか、恥ずかしいというかいたたまれないというか。
な、なんか下手にえっちな事をするよりも恥ずかしいぞこれ!
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