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オマケ リサイクル再び
5 夜会?いいえ、嫌会です。
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嫌会。夜会だけど。お年頃になると避けて通れないヤツ。俺達はなんとか今まで回避してきたけど、父さんが
「アルフローラの娘は可愛い、アルフローラに似ている」
なんてほざいちゃうから、俺達に光が当たっちゃったわけ。
「リーシャは静かに暮らしたいのです!ほっといてくださいまし!」
「いやいや、アルフローラ。リーシャは然るべき貴族の元に嫁がせ……そんなことをするとアルフローラがついて行ってしまいそうだ。ずっと手元に」
違うのだが、国王カリウスが寵妃アルフローラとの間の娘、リーシャ姫を溺愛していると噂が流れるのはすぐだった。違うんだ、溺愛なんてしてないだ。生まれてこの方、父さんの顔を見たのは片手て足りるくらいなんだ。母さんは俺達の事を愛してくれてる。愛してくれてるから、あまり会いに来られない。母さんがくると父さんがもれなくついてくるからね。
母さんは身をもって父さんをブロックしてくれてるんだけど、そんな母心、父さんが気が付く訳もない。
そうやって父さんがリーシャ姫を気に掛けるから、正妃様、側妃様、その子供達がご立腹なのよ。ほんでほとんど離宮から出ない俺達を引っ張り出してこき下ろしてやろうと狙っている、それが夜会なんだ。どうだ、嫌会だろ?
「なー母さんマジで出なきゃダメ?」
「ミリーシャ、今回だけはどうしても駄目なの……西の大国の皇帝が来るのよ……父さんと犬猿の仲って言うか天敵って言うか……とっても大事で、どうしても全員出席しないとダメなの」
「ミリー諦めな」
ティリーが俺のスッカスカな胸元に綿を詰め込みながら言う。そう、今日の夜会に「リーシャ姫」として出るのは俺、ミリーシャの方。じゃんけんで負けたんだ、くそ!
母さんの用意した仕立ても質もいいドレスを着させられ、
「ぐぇええええええええ……」
「我慢して!ミリーシャ様!」
メイドちゃんにコルセットで締めあげられ、体裁を整えられる。
「ミリーシャ様もタリーシャ様も体が薄くてぺったんこだからコルセットはこんなもので済みますが、お胸とお尻は何か詰めないと」
「はいはい……」
もう好きにしてくれ。
「なんとか早めに切り上げられるようにするけれど。あー私も夜会なんて嫌よ~カリウス様の事は嫌いじゃないけど、平民に戻りたいわー!ミリーとティリーが逃げる時、私も逃げようかしら?」
「やめろ、母さん。父さんが大暴れしてこの国滅びるぞ」
「いやーねー。ティリーったら大げさよ」
いやまじで。
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