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その日は日没前まで園内を回り、その帰りには早めのディナーをとって、車で送ってもらった。車内のBGMはジャズが小さく流れ、彼は決して無理に会話を続けようとしない。夜の高速道路を走るときのイルミネーションが、フロントガラスの向こうで瞬く。僕は助手席に座りながら、眠気と心地よい疲労感にまどろんでいた。やがて僕の家の近くまで到着し、別れ際、彼は言葉少なに「送るよ」と言ってくれた。
「ありがとう」
と言った僕に対し、彼は微かにうなずく。見送る彼の視線が背中に刺さるようで、ドアを閉めるときに胸がきゅっとなった。
そうやって、何度も一緒に時間を過ごす中で、僕の中の感情は少しずつ変化していった。最初はただ怯えるだけだった。でも、彼が強引に迫ることはなく、“友人”という立ち位置を尊重してくれた。正直、彼の好意をどう扱えばいいのかはまだわからない。それでも、そこに明確な拒絶を示さないどころか、むしろ心のどこかで安心感を得ている自分がいる。
やがて、決定的な出来事が起きる。その日は比較的忙しく、会社での残業を二人とも遅くまでしていた。クライアント向けの資料作成でトラブルがあり、徹夜になりかねない勢いでデータ修正に追われていた。その作業の中、僕は知らず知らずのうちに集中しすぎて、先に仕上げを終えた獅堂さんを待たせてしまった。夜中の一時をまわったころ、ようやく仕事が片付いた僕は青ざめながら彼を見る。
「すみません……遅くなってしまって……」
「いや、構わない。よく頑張ったな。帰るぞ」
そうして二人で会社を出ると、深夜のビル街はほとんど人影がなかった。タクシーもほとんど走っていない。彼はあらかじめタクシーを呼んでいてくれたらしく、ビルの前に止まっている車に向かって歩く。そこへ一緒に乗る形で、僕はひどく疲れていた。車のシートに体を預けたとたん、眠りそうになる。
そして十数分後、ようやく僕の住むマンションの前にタクシーが止まった。彼は「経費だ」と言い、タクシー代を支払ってくれていた。
ドアを開けて降り立つと、夜の闇に湿り気が感じられる。もう時計は午前二時近い。僕はあくびを噛み殺しながら、深々とお辞儀をした。
「ありがとうございました。すみません、本当にこんなに遅くまで……」
「謝らなくていい。午後出勤でいいからな」
「はい……」
言葉を交わし合う僅かな時間の後、僕は足早にエントランスへ向かおうとした。すると、不意に彼がタクシーから降りてきて、僕の腕をすとんと軽くつかんだ。驚いて振り返ると、彼の瞳が夜の街灯に照らされて、暗い茶色の底で静かに揺れている。
「……待て、少しだけいいか?」
「え……?」
胸が高鳴る。彼は手を離し、続ける。
「せっかくだから、お前の部屋で少し休ませてくれないか。眠気がきてるし、ここから自分の家までタクシーで行くのが面倒だ」
「え……い、いやでも……」
これはどういう意図なのか。頭がパニックになる。普通に考えれば、危険な誘い以外の何物でもない。男性同士とはいえ、彼は明確に好意を持っている立場。そんな彼を部屋にあげたら、どんな展開が待っているか――不安と恐怖が一気に身体を貫く。だけど、彼の声は冷静だ。
「何もしない。約束する。ただ、本当に少し休みたいだけだ。ソファか床でもいい、仮眠をとらせてくれ」
「えっと……」
躊躇する僕を見て、彼は少し困ったように表情を歪めた。まるで棘の抜けた表情だ。ここまで弱い顔を見せるのは珍しい。徹夜作業で相当疲れているのかもしれない。もともと彼はタフだが、さすがにこの時間帯にここからさらにタクシーで一時間以上かけて自宅へ帰るのはしんどいだろう。僕の家は会社に割と近い。その利点を理解して、頼っているのかもしれない。
「……わかりました。でも、本当に何も……何も……」
「ああ。安心しろ。手を出さないよ」
そう言われて、僕は一応納得する。深夜だし、彼をこのまま追い返すのは人としてどうなんだろうと思ってしまう自分もいる。鍵を開け、こじんまりとしたワンルームの部屋に彼を通す。
玄関に靴を脱ぎ、狭い廊下の先にあるリビング兼寝室へ移動。いわゆる学生が住むような間取りだ。キッチンとユニットバスがあり、奥に簡単なベッドとソファーが置かれ、テレビがあるだけの質素な部屋。それでも一応、数ヶ月前に引っ越したばかりで、最低限は綺麗に保っている。彼は遠慮がちにソファーへ腰を下ろし、僕は慌てて荷物を片付け、水をコップに注いで渡した。
「……すみません、たいしたものなくて」
「十分だよ」
コップの水を一口飲み、彼は目を閉じる。照明を少し落とし、間接照明の淡い光だけにした部屋の中、彼の存在感が際立つ。ネクタイを緩め、上着を脱いだシャツ姿。胸元のボタンを一つ開けているだけで、筋肉の厚みや鎖骨の形が見え、そこに色気を感じてしまう。危険だ。こんな姿を深夜二人きりの空間で目にして、ただでさえ疲れているのに心臓が暴れだしそうだ。
「少し横になっていいか?」
「あっ、えっどうぞ……」
彼はゆっくりとソファーに背中をあずけ、目を閉じた。僕は居場所をなくして、所在なく立っているしかない。本当はベッドで寝てもらっても構わないのだが、それを提案するとますます危険な気がして、声には出せなかった。
部屋の空気がひどく重く感じられる。夜の街灯がカーテンの隙間から届いて、微かな白い筋を描いている。冷蔵庫のモーター音が静かに鳴っているだけで、そのほかには何の音もしない。心臓の鼓動がやけに大きい。時間が止まったようだ。
数分が経ったころ、僕はベッドサイドの小さな椅子に腰掛け、うつむいたままスマホをいじるふりをしていた。獅堂さんが寝息を立てるのを待とうと思ったからだ。きっとすぐに寝てしまうだろう。
不意に彼が動いた気配を感じ、目を上げる。すると、彼はゆっくり体を起こしていた。疲れていたはずなのに、眠れないのだろうか。あるいは僕の気配が気になったのかもしれない。彼は薄暗い中、僕の方をまっすぐに見つめる。
「……氷鷹、そんなに怯えなくていい。俺はお前を無理やりどうこうする気はない」
「そ、そうですよね……すみません」
「何を謝っているんだ」
苦笑ともとれる小さな声が聞こえる。彼はソファから立ち上がり、ゆっくりと僕の近く――ベッドサイドへ近づいてきた。思わず僕は椅子の上で身体を引き、視線を外す。
すると、彼は立ち止まってしゃがみ込み、僕の目線の高さに顔を合わせるようにした。そのとき、薄暗い照明に浮かんだ彼の顔は、いつもの冷たい面差しを残しつつも、どこか悲しげな気配を帯びていた。
「……お前が怖がる気持ちはわかる。けれど、このまま中途半端な関係を続けるのもお互いつらい。……俺は、やはりお前が好きだ。ずっと抑えてはいるが、時々どうしても我慢できなくなる。……だけど、無理やり迫ってお前に嫌われたくない。だから、ずっと我慢してきた」
「……し、しどうさん……」
名前を呼ぶだけで、息が詰まる。気づけば、僕の目にはうっすら涙がにじんでいた。緊張がピークを越えたのかもしれない。仕事ではあんなに冷徹に見えた彼が、これほど自分の気持ちを言葉にしてくれるなんて。確かに、あれほど怖かったはずなのに、その切なる思いを耳にすると、なぜか胸が苦しくなる。彼は続ける。
「ありがとう」
と言った僕に対し、彼は微かにうなずく。見送る彼の視線が背中に刺さるようで、ドアを閉めるときに胸がきゅっとなった。
そうやって、何度も一緒に時間を過ごす中で、僕の中の感情は少しずつ変化していった。最初はただ怯えるだけだった。でも、彼が強引に迫ることはなく、“友人”という立ち位置を尊重してくれた。正直、彼の好意をどう扱えばいいのかはまだわからない。それでも、そこに明確な拒絶を示さないどころか、むしろ心のどこかで安心感を得ている自分がいる。
やがて、決定的な出来事が起きる。その日は比較的忙しく、会社での残業を二人とも遅くまでしていた。クライアント向けの資料作成でトラブルがあり、徹夜になりかねない勢いでデータ修正に追われていた。その作業の中、僕は知らず知らずのうちに集中しすぎて、先に仕上げを終えた獅堂さんを待たせてしまった。夜中の一時をまわったころ、ようやく仕事が片付いた僕は青ざめながら彼を見る。
「すみません……遅くなってしまって……」
「いや、構わない。よく頑張ったな。帰るぞ」
そうして二人で会社を出ると、深夜のビル街はほとんど人影がなかった。タクシーもほとんど走っていない。彼はあらかじめタクシーを呼んでいてくれたらしく、ビルの前に止まっている車に向かって歩く。そこへ一緒に乗る形で、僕はひどく疲れていた。車のシートに体を預けたとたん、眠りそうになる。
そして十数分後、ようやく僕の住むマンションの前にタクシーが止まった。彼は「経費だ」と言い、タクシー代を支払ってくれていた。
ドアを開けて降り立つと、夜の闇に湿り気が感じられる。もう時計は午前二時近い。僕はあくびを噛み殺しながら、深々とお辞儀をした。
「ありがとうございました。すみません、本当にこんなに遅くまで……」
「謝らなくていい。午後出勤でいいからな」
「はい……」
言葉を交わし合う僅かな時間の後、僕は足早にエントランスへ向かおうとした。すると、不意に彼がタクシーから降りてきて、僕の腕をすとんと軽くつかんだ。驚いて振り返ると、彼の瞳が夜の街灯に照らされて、暗い茶色の底で静かに揺れている。
「……待て、少しだけいいか?」
「え……?」
胸が高鳴る。彼は手を離し、続ける。
「せっかくだから、お前の部屋で少し休ませてくれないか。眠気がきてるし、ここから自分の家までタクシーで行くのが面倒だ」
「え……い、いやでも……」
これはどういう意図なのか。頭がパニックになる。普通に考えれば、危険な誘い以外の何物でもない。男性同士とはいえ、彼は明確に好意を持っている立場。そんな彼を部屋にあげたら、どんな展開が待っているか――不安と恐怖が一気に身体を貫く。だけど、彼の声は冷静だ。
「何もしない。約束する。ただ、本当に少し休みたいだけだ。ソファか床でもいい、仮眠をとらせてくれ」
「えっと……」
躊躇する僕を見て、彼は少し困ったように表情を歪めた。まるで棘の抜けた表情だ。ここまで弱い顔を見せるのは珍しい。徹夜作業で相当疲れているのかもしれない。もともと彼はタフだが、さすがにこの時間帯にここからさらにタクシーで一時間以上かけて自宅へ帰るのはしんどいだろう。僕の家は会社に割と近い。その利点を理解して、頼っているのかもしれない。
「……わかりました。でも、本当に何も……何も……」
「ああ。安心しろ。手を出さないよ」
そう言われて、僕は一応納得する。深夜だし、彼をこのまま追い返すのは人としてどうなんだろうと思ってしまう自分もいる。鍵を開け、こじんまりとしたワンルームの部屋に彼を通す。
玄関に靴を脱ぎ、狭い廊下の先にあるリビング兼寝室へ移動。いわゆる学生が住むような間取りだ。キッチンとユニットバスがあり、奥に簡単なベッドとソファーが置かれ、テレビがあるだけの質素な部屋。それでも一応、数ヶ月前に引っ越したばかりで、最低限は綺麗に保っている。彼は遠慮がちにソファーへ腰を下ろし、僕は慌てて荷物を片付け、水をコップに注いで渡した。
「……すみません、たいしたものなくて」
「十分だよ」
コップの水を一口飲み、彼は目を閉じる。照明を少し落とし、間接照明の淡い光だけにした部屋の中、彼の存在感が際立つ。ネクタイを緩め、上着を脱いだシャツ姿。胸元のボタンを一つ開けているだけで、筋肉の厚みや鎖骨の形が見え、そこに色気を感じてしまう。危険だ。こんな姿を深夜二人きりの空間で目にして、ただでさえ疲れているのに心臓が暴れだしそうだ。
「少し横になっていいか?」
「あっ、えっどうぞ……」
彼はゆっくりとソファーに背中をあずけ、目を閉じた。僕は居場所をなくして、所在なく立っているしかない。本当はベッドで寝てもらっても構わないのだが、それを提案するとますます危険な気がして、声には出せなかった。
部屋の空気がひどく重く感じられる。夜の街灯がカーテンの隙間から届いて、微かな白い筋を描いている。冷蔵庫のモーター音が静かに鳴っているだけで、そのほかには何の音もしない。心臓の鼓動がやけに大きい。時間が止まったようだ。
数分が経ったころ、僕はベッドサイドの小さな椅子に腰掛け、うつむいたままスマホをいじるふりをしていた。獅堂さんが寝息を立てるのを待とうと思ったからだ。きっとすぐに寝てしまうだろう。
不意に彼が動いた気配を感じ、目を上げる。すると、彼はゆっくり体を起こしていた。疲れていたはずなのに、眠れないのだろうか。あるいは僕の気配が気になったのかもしれない。彼は薄暗い中、僕の方をまっすぐに見つめる。
「……氷鷹、そんなに怯えなくていい。俺はお前を無理やりどうこうする気はない」
「そ、そうですよね……すみません」
「何を謝っているんだ」
苦笑ともとれる小さな声が聞こえる。彼はソファから立ち上がり、ゆっくりと僕の近く――ベッドサイドへ近づいてきた。思わず僕は椅子の上で身体を引き、視線を外す。
すると、彼は立ち止まってしゃがみ込み、僕の目線の高さに顔を合わせるようにした。そのとき、薄暗い照明に浮かんだ彼の顔は、いつもの冷たい面差しを残しつつも、どこか悲しげな気配を帯びていた。
「……お前が怖がる気持ちはわかる。けれど、このまま中途半端な関係を続けるのもお互いつらい。……俺は、やはりお前が好きだ。ずっと抑えてはいるが、時々どうしても我慢できなくなる。……だけど、無理やり迫ってお前に嫌われたくない。だから、ずっと我慢してきた」
「……し、しどうさん……」
名前を呼ぶだけで、息が詰まる。気づけば、僕の目にはうっすら涙がにじんでいた。緊張がピークを越えたのかもしれない。仕事ではあんなに冷徹に見えた彼が、これほど自分の気持ちを言葉にしてくれるなんて。確かに、あれほど怖かったはずなのに、その切なる思いを耳にすると、なぜか胸が苦しくなる。彼は続ける。
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