11 / 26
《綾野くんのバカっ!!》
しおりを挟む
翌朝にスマホのアラームで起床した。俺は眠い中でお気に入りのテレビのニュース番組を付けて、朝飯を摂る。
俺は意外とこういうのがマメでちゃんと習慣となっているのだ。朝食を抜くこともあったのだが、そうすると昼まで死ぬ思いをしないといけないので余裕があるときは朝食を摂るのだ。
今日の朝食は昨日の作り置きのハンバーグに大根おろしを乗っけてポン酢をかけたものをご飯で頂くというのだ。ちなみにご飯はカル〇ーズ米。まだ時期は早いが俺の家に新米が来ることを望むばかりだ。
「ふわぁ~……。あー、今日も一限から授業かぁ。だるぅ……」
まるで昨日の事故が嘘のように俺は平然としていた。というか、逆に嘘であって欲しいから平然としているのかもしれない。
ニュースは五月なのにまるで夏のように暑いので、連日では酷暑のニュースとクマが出たとサルが出たとイノシシが出たで日本全国動物かよと思うばかりだ。
お気に入りの女性アナウンサーを眺めながら朝食を食べているとスマホから着信が入っていた。なんだろうかと思ってスマホを見ると不在着信が入っていた。
「げぇ、詐欺かよ……。無視してやろうっとぉ~」それから再びニュースに目をやると着信が鳴りだした。俺は何だ急に、などと思っていると先ほどの着信電話だ。
「ッチっ、めんどくさいなぁ~。早くブロックしてやるかぁ……」
スマホを手に取って着信を切ろうとした瞬間、手が滑って誤って着信を取ってしまったのだ。するとそこから聞き覚えのある声がした。『もしも~しっ。おはようございますですよ、ダぁーリンっ?』
「……あなたはダレデスカ?」
俺は切ろうとしていた電話を切らない俺を褒めて欲しかった。一応誰だというのは、この発信主を誰か発覚させとかないと気が済まないからだ。その声の主は「えへへ~!」なんて笑いながらその名を告げたんだ。『シンですっ!』
束の間の沈黙があった。それは電話を切っても良いものか問いただすべきことなのか長考していたのだ。俺は脳内フラッシュ暗算で答えを導き出す。
「……シン? ダレデスカそれは?」
シンなんて名前は聞いた覚えがない。だから俺はニュースを見ながら首を傾げるだけだ。ニュースではゲストコーナーが披露されていた。ドラマのゲストでは主演の銀縁を掛けた大きな瞳で、でも高身長の俳優が挨拶をしていたんだ。その俳優を見て俺はなんとなく呟いていた。「……唯原、せんせーですか?」
再び束の間の沈黙が入った。でも蹴破るのは電話の向こう側の凛とした声であった。
『そうですよ~! 正解ですっ。ちなみにシンって名前は信じるの信です! ふふっ、初めて名前を言ったんですねぇ』
電話越しの唯センコーはとても軽快な口調で話を続けようとしていたから俺は瞬時に電話を切ってブロックしたんだ。さーて、俺も振り込め詐欺には注意しよう~とっ!
そんな非日常な出来事があったものの俺は予定通り電車に乗って歩いて学校に向かった。そういえばだが、来週から校内実習もあるが体育祭というのもあるようだ。実習が終わってからなぜ体育祭という社会人には必要ないであろうイベントがあるのかが不明である。
「めんどくせぇなぁ~……、まっ。授業をサボれるならいっか」
俺はそう一人で呟いていたんだ。でも呼びかける声がして振り向けば、――衝撃と破裂音が鳴り響いた。「綾野くんのバカっっ!!!!」
衝撃が頬に伝わって俺は少し後ろに反れてしまう。しかも頬は熱を帯びるように熱かった。そう、――俺はビンタをされたのだ。破裂音がしたのだから。「……えっ?」俺はなにかなんだがわからず涙目になっている唯センコーの傷ついた顔が鮮明に映って見えたのだ。
俺は意外とこういうのがマメでちゃんと習慣となっているのだ。朝食を抜くこともあったのだが、そうすると昼まで死ぬ思いをしないといけないので余裕があるときは朝食を摂るのだ。
今日の朝食は昨日の作り置きのハンバーグに大根おろしを乗っけてポン酢をかけたものをご飯で頂くというのだ。ちなみにご飯はカル〇ーズ米。まだ時期は早いが俺の家に新米が来ることを望むばかりだ。
「ふわぁ~……。あー、今日も一限から授業かぁ。だるぅ……」
まるで昨日の事故が嘘のように俺は平然としていた。というか、逆に嘘であって欲しいから平然としているのかもしれない。
ニュースは五月なのにまるで夏のように暑いので、連日では酷暑のニュースとクマが出たとサルが出たとイノシシが出たで日本全国動物かよと思うばかりだ。
お気に入りの女性アナウンサーを眺めながら朝食を食べているとスマホから着信が入っていた。なんだろうかと思ってスマホを見ると不在着信が入っていた。
「げぇ、詐欺かよ……。無視してやろうっとぉ~」それから再びニュースに目をやると着信が鳴りだした。俺は何だ急に、などと思っていると先ほどの着信電話だ。
「ッチっ、めんどくさいなぁ~。早くブロックしてやるかぁ……」
スマホを手に取って着信を切ろうとした瞬間、手が滑って誤って着信を取ってしまったのだ。するとそこから聞き覚えのある声がした。『もしも~しっ。おはようございますですよ、ダぁーリンっ?』
「……あなたはダレデスカ?」
俺は切ろうとしていた電話を切らない俺を褒めて欲しかった。一応誰だというのは、この発信主を誰か発覚させとかないと気が済まないからだ。その声の主は「えへへ~!」なんて笑いながらその名を告げたんだ。『シンですっ!』
束の間の沈黙があった。それは電話を切っても良いものか問いただすべきことなのか長考していたのだ。俺は脳内フラッシュ暗算で答えを導き出す。
「……シン? ダレデスカそれは?」
シンなんて名前は聞いた覚えがない。だから俺はニュースを見ながら首を傾げるだけだ。ニュースではゲストコーナーが披露されていた。ドラマのゲストでは主演の銀縁を掛けた大きな瞳で、でも高身長の俳優が挨拶をしていたんだ。その俳優を見て俺はなんとなく呟いていた。「……唯原、せんせーですか?」
再び束の間の沈黙が入った。でも蹴破るのは電話の向こう側の凛とした声であった。
『そうですよ~! 正解ですっ。ちなみにシンって名前は信じるの信です! ふふっ、初めて名前を言ったんですねぇ』
電話越しの唯センコーはとても軽快な口調で話を続けようとしていたから俺は瞬時に電話を切ってブロックしたんだ。さーて、俺も振り込め詐欺には注意しよう~とっ!
そんな非日常な出来事があったものの俺は予定通り電車に乗って歩いて学校に向かった。そういえばだが、来週から校内実習もあるが体育祭というのもあるようだ。実習が終わってからなぜ体育祭という社会人には必要ないであろうイベントがあるのかが不明である。
「めんどくせぇなぁ~……、まっ。授業をサボれるならいっか」
俺はそう一人で呟いていたんだ。でも呼びかける声がして振り向けば、――衝撃と破裂音が鳴り響いた。「綾野くんのバカっっ!!!!」
衝撃が頬に伝わって俺は少し後ろに反れてしまう。しかも頬は熱を帯びるように熱かった。そう、――俺はビンタをされたのだ。破裂音がしたのだから。「……えっ?」俺はなにかなんだがわからず涙目になっている唯センコーの傷ついた顔が鮮明に映って見えたのだ。
0
あなたにおすすめの小説
ふたなり治験棟
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。
丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。
イケメン青年×オッサン。
リクエストをくださった棗様に捧げます!
【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。
楽しいリクエストをありがとうございました!
※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる