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《そんなわけないだろっ》
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月曜日が訪れた。この土日はほとんど唯センコーと一緒に居たので唯センコーとは久しく感じないでいる。唯センコーが俺の家から学校へ行くと言った時にはさすがの俺でも強制的に止めて帰らせた。
「浮気しないでよねっ!」などと言って帰る唯センコーを駅まで見届けて、俺は家に帰って寝たのは記憶に新しい。
あのメイドさんのセックスからセックスしたかと言うと、……なんとしていないのだ。この土日は唯センコーの眼鏡を買いに行ったり、お椀や箸などを買ったり、はたまた唯センコーの着替えなどを買ったのだ。
「なんで着替えも買うんですか?」
俺がそう尋ねると唯センコーはにこっと笑って「僕がまた来るからですっ」などと嬉しそうに話していたのは俺の脳裏に焼き付いている。あのせんせーは可愛かったなぁ……。
そんな土日を経て、朝食を食べて学校へ向かった俺はまずはクラスメイトに挨拶をしてから黒井くんと幹下へ声を掛ける。二人とも元気そうでなによりだ。
「はよ~、黒井くんに幹下」
「おはようございますっ、キュウさんっ!」
「おはよう、キュウ」
「なんか二人とも気合い入ってんなぁ。今日の授業ってそんなに気合い入るもの?」
今日は皆が緊張するはずの校内実習の日だ。俺のクラスであるAクラスは昼休みを挟んだ次の三限と四限に始まる。ちなみにBクラスは今頃、ロッカールーム兼着衣室がクラスメイトで溢れているだろう。
そんな中で、一限は心理学で二限が英語の俺たちAクラスだが少し皆、緊張しているのが伺えた。しかしこの二人は気合が入っている様子だ。
黒井くんが拳を固めて言い放つ。「俺がうまくリードできれば、絶対に女の子が俺に惚れちゃうかもって……!」
なんちゅう淀んだ気合いだよ、などと思いつつ彼女が居ない幹下がふふっとおかしそうに笑う。「まぁ、黒井くんのペアの子って黒井くんが好きな子だもんねぇ」
「へぇぁっ、なっ、なにを急にっ……!?」
「いやぁ、青春だな~って思ってさ。なぁ、キュウ?」
まぁ、確かに俺もこのぐらいの歳は好きな子にドキドキしたもんだな、などと思って幹下に同意した。すると黒井くんは顔を赤面したかと思えばそっぽを向いてしまう。そういうところが可愛いな、などと俺は思う。
すると幹下は俺を見てにやっと笑うのだ。なんだその嫌な笑い方は?
「その様子を見ると、キュウは別に彼女が欲しいってわけではなさそうだね」
「えっ、まぁ、間に合っているというか。……そうかな?」
「へえ~。いつの間にか付き合っている子できたんだ、もしかしてさ、――唯原先生?」
俺は絶句してしまうと共に脳内フラッシュ暗算でどう言い過ごせば良いのかを考えて弾き出した。「はっ、なに言ってんの急に? さすがにせんこーには手を出せねぇよ。犯罪じゃあるまいし」
「ふーん、そう。最近、仲がいい感じがしたからもしかしたら……な~んて思ったけれど、そんなわけないよね」
「当たり前だっつ~の」
鋭い幹下の指摘に俺は脇の下の汗が止まらないでいた。良かった、今日は制汗スプレーとかタオルとか持っておいてっ!
しかし俺はそんな安い挑発など鮮やかに翻す。「まぁ、とりあえず俺や幹下は余裕ってことがわかったな。黒井くんがやる気万全って感じで」
「そ、そんなことないですってばぁ~!」
「あはは。まぁ、そういう解釈で良いかもね」
そんなこんなで俺たちはそれぞれの席に着いて一限と二限を終えて、昼食を食べてからユニフォームに腕を通すのだ。新しく購入したユニフォームは男子は薄い水色にストライプの柄が入ったものであった。「よしっ、いっちょ行くかっ!」
俺はそう言って気合いを入れたんだ。
「浮気しないでよねっ!」などと言って帰る唯センコーを駅まで見届けて、俺は家に帰って寝たのは記憶に新しい。
あのメイドさんのセックスからセックスしたかと言うと、……なんとしていないのだ。この土日は唯センコーの眼鏡を買いに行ったり、お椀や箸などを買ったり、はたまた唯センコーの着替えなどを買ったのだ。
「なんで着替えも買うんですか?」
俺がそう尋ねると唯センコーはにこっと笑って「僕がまた来るからですっ」などと嬉しそうに話していたのは俺の脳裏に焼き付いている。あのせんせーは可愛かったなぁ……。
そんな土日を経て、朝食を食べて学校へ向かった俺はまずはクラスメイトに挨拶をしてから黒井くんと幹下へ声を掛ける。二人とも元気そうでなによりだ。
「はよ~、黒井くんに幹下」
「おはようございますっ、キュウさんっ!」
「おはよう、キュウ」
「なんか二人とも気合い入ってんなぁ。今日の授業ってそんなに気合い入るもの?」
今日は皆が緊張するはずの校内実習の日だ。俺のクラスであるAクラスは昼休みを挟んだ次の三限と四限に始まる。ちなみにBクラスは今頃、ロッカールーム兼着衣室がクラスメイトで溢れているだろう。
そんな中で、一限は心理学で二限が英語の俺たちAクラスだが少し皆、緊張しているのが伺えた。しかしこの二人は気合が入っている様子だ。
黒井くんが拳を固めて言い放つ。「俺がうまくリードできれば、絶対に女の子が俺に惚れちゃうかもって……!」
なんちゅう淀んだ気合いだよ、などと思いつつ彼女が居ない幹下がふふっとおかしそうに笑う。「まぁ、黒井くんのペアの子って黒井くんが好きな子だもんねぇ」
「へぇぁっ、なっ、なにを急にっ……!?」
「いやぁ、青春だな~って思ってさ。なぁ、キュウ?」
まぁ、確かに俺もこのぐらいの歳は好きな子にドキドキしたもんだな、などと思って幹下に同意した。すると黒井くんは顔を赤面したかと思えばそっぽを向いてしまう。そういうところが可愛いな、などと俺は思う。
すると幹下は俺を見てにやっと笑うのだ。なんだその嫌な笑い方は?
「その様子を見ると、キュウは別に彼女が欲しいってわけではなさそうだね」
「えっ、まぁ、間に合っているというか。……そうかな?」
「へえ~。いつの間にか付き合っている子できたんだ、もしかしてさ、――唯原先生?」
俺は絶句してしまうと共に脳内フラッシュ暗算でどう言い過ごせば良いのかを考えて弾き出した。「はっ、なに言ってんの急に? さすがにせんこーには手を出せねぇよ。犯罪じゃあるまいし」
「ふーん、そう。最近、仲がいい感じがしたからもしかしたら……な~んて思ったけれど、そんなわけないよね」
「当たり前だっつ~の」
鋭い幹下の指摘に俺は脇の下の汗が止まらないでいた。良かった、今日は制汗スプレーとかタオルとか持っておいてっ!
しかし俺はそんな安い挑発など鮮やかに翻す。「まぁ、とりあえず俺や幹下は余裕ってことがわかったな。黒井くんがやる気万全って感じで」
「そ、そんなことないですってばぁ~!」
「あはは。まぁ、そういう解釈で良いかもね」
そんなこんなで俺たちはそれぞれの席に着いて一限と二限を終えて、昼食を食べてからユニフォームに腕を通すのだ。新しく購入したユニフォームは男子は薄い水色にストライプの柄が入ったものであった。「よしっ、いっちょ行くかっ!」
俺はそう言って気合いを入れたんだ。
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