黒い獣は巻き込まれ平凡を持ち帰る

たなぱ

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平凡と獣が平穏な新生活を望む話

獣とそれぞれの思惑

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神子様と共に召喚されたあの存在は本当に無害なのか




無害だ、少なくともおれは何か犯罪を犯すこともこれまで罪を犯したこともない
おれの意思では…でも、無意識では…?
神子様は強い光属性の魔力を持ち浄化を使うらしい、つまり浄化は光属性…でもおれは光属性ではない、それどころか属性すらわからない異様な何かを持っているらしい
魔力があれば使える生活魔法も教えてもらったけどおれには使えなかった、自分の中にあるものを自分で認識出来ていない…魔力を感じることもない
それでもグレスへ体液を渡したり、杭に体液を塗れば瘴気の侵食を浄化できる…でも…それは本当に浄化なのか…?

使節団と迎賓館に戻った時、ミーシア王女が振りまいた噂でおれに対しての刺すような視線を感じていた
これは、あの職場で、誰にも信じてもらえず仲の良かった人がみんな楓原の味方になっていた頃と同じ…今は近しい人はおれを信じてくれているけど…本当におれが無害なのかおれがわからないんだ…



怖い、こわいよ…

また居場所を失うのがこわい

みんなに嫌われるのがこわい





グレスに嫌われるのが…一緒にいれなくなる事が何より怖い…







一度迎賓館から辺境伯邸にシュゼル殿下達を連れて行く、そう言ってグレスは、王子の言葉に震えるおれの手を引き歩いてくれる…

おれより年下なのに、大きな手が温かい…














Side グレス

隣国の使節団を受け入れまだ二日目、二日目だ
スムーズに滞りなく、もてなし帰国して貰うはずだった…それがなぜこんなことになってしまう?

ルティーリア国、第五王女ミーシア
あの女が使節団に紛れ込んだ事が全ての間違いだ
今思えば、あの姫が馬車から降りてきた瞬間、背筋が寒くなった気すらする
急に運命の番と理由のわからない事を言い、自分の存在を仄めかし国際問題に仕立てようとする…他国と言っても姫としての教育を受けていないのか?

あの女の兄、シュゼル殿下の心労は計り知れない…俺の膝に勝手に乗り、ユウマを侮辱し、辺境伯邸に入り込もうとした害虫にしか見えない
女性相手へこんな気持になるのは初めてだ…王女が言う運命のフェロモン?俺にはドブの匂いにしか感じない、嫌悪しか感じないのに…
話が通じない女は神子様もだ、ユウマがトラウマになるほどの…ここまで厄介とは…


二日目にしてあの女はさらに問題を起こした
ユウマを性奴隷と罵り、俺を操っているなど偽りを街の領民に吹き込み、周囲を巻き込んだのだ…
ただでさえ危ういユウマの立ち位置が脅かされている

使節団の面々と視察を終え、迎賓館へ戻ると周囲に漂う違和感、ユウマを見る領民の目がおかしかった
執事が俺に耳打ちをし、王女の根拠のない発言を信じてしまっている現状を知る
確かにユウマの魔力はどの属性にも当て嵌まらない異質で異様な物だ、しかし悪意や害意はない、俺が保証する
だがそれを伝えるにはユウマの浄化の力を正しく伝えなければならず、他の問題を産む…ユウマも自分の事を説明できず反論ができない様子だった

どこにいるかわからない、王女とお付きの男を街へ残し、シュゼル殿下と他の使節団の面々を辺境伯邸に案内する、迎賓館では駄目だ…正しい情報をこの混乱を他国へ伝播させるわけにはいかない

ユウマは周囲の視線に耐えきれないようでずっと俯いている…あの王女をなんとかしなければ…
震えるユウマの手を取り繋ぐと、弱々しく握り返してきた…不安になるなユウマ、俺はお前無しでは生きていけないんだ

辺境伯邸に戻り、応接室に使節団の皆へ席を進める、重い空気が漂う…



「シュゼル殿下、このような事態になってしまっては…無礼を承知で伺います、失礼ですがミーシア王女は普段からあの様な姫なのでしょうか…?」

シュゼル殿下は眉を下げ表情が暗い、彼自身もあの王女が使節団にまじり来ることなど想定していなかったのだから…

「いえ、無礼など…全面的にこちらに非があります本当になんと謝罪していいか…夢見がちな…妹ではありました…しかし基本的な礼儀作法は一国の姫として教育されています…
なぜあの様な行動に…」

「…………運命の番とはあの様な状態に陥ってしまうものなのですか?正直に言います、私にはミーシア王女の運命のフェロモンも感じなければ、彼女から漂う匂い…オーラといいますか…それはまるで吐き気を催すそんな匂いしか感じないのです…それでも運命と言えるのでしょうか?」

「運命の番は、出会えることが本当に極稀なのです、出会えること自体が奇跡、互いにどうしようもなく惹かれ合う存在だと…グレス辺境伯がミーシアに感じている感情は運命ではないと思います…でもミーシアにはグレス辺境伯が運命に見える…一体何故…?経験したものが少なく何も打開策を出せず申し訳ない…」


シュゼル殿下と使節団の皆は項垂れてしまう…魔力の質はシュゼル殿下も彼らも一定…嘘はついていないのだろう…
あの女を納得させる解決策が浮かばない…
打開策が見当たらず、沈黙が流れる応接室に執事が更に問題を持って来るなど思いもしなかった


「失礼致します、グレス様…国王陛下様より早文です…ルティーリア国よりミーシア王女との縁談が舞い込んだと…」


辺りが凍りつく、何故このタイミングで?
シュゼル殿下の顔色が更に悪くなる…執事の持参した早文は本物だ、強制するものでは無いがミーシア王女が俺を気に入り、運命の番として嫁ぎたいと希望するそんな内容…俺にこれ以上嫌われたくない国王陛下が強制力を持ち出してきていないことが救いか…くそっ、ユウマから怯えの気配を感じる…
ざわり…ざわり…俺の魔力が震える…これは苛立ちだ…何処まで引っ掻き回せば気がすむ?巫山戯るな…


苛立ちを隠せず、シュゼル殿下へ向き直る
「……………シュゼル殿下…私はこの縁談を断りますがよろしいですか…?私には心に決めた相手がいます、そう伝えました、その者以外と婚姻を結ぶことは決してありません」

「…………わかっています…おそらくヘリックの差し金かと…この縁談に関しては私も無効であると陛下へ伝えます…グレス辺境伯、一つお聞きしてもいいでしょうか…
妹が、ミーシアが彼を…グレス辺境伯の大切な存在を陥れようとするのは何故なのでしょう…急に…あの様な噂を立たせる理由…私の目にも彼がどの様な存在なのか気配ではわからない、異様な感じを覚えます…噂ではほんの少し浄化が使える神子様と共にいた人と、そんな彼から悪意や害意の気配は見えません…打開策の為にも教えて頂くことは…」


獣人だからこそ分かってしまうユウマの異様な気配
人にはわからない気配察知がこんなにも邪魔な力と思う日が来るとは…
ユウマの事を話すか悩む俺、俯き何かを考えるユウマ…周囲もこちらの反応をみている様子だ
シュゼル殿下を本当に信じてもいいのか…結論が出ない中、思いもしない声が響いた

「グレス様、私がシュゼルの信用性を保証します、ヘリックさんを除くこの使節団の皆様も秘密は守れると思いますよ、ユウマくんが落ち込んでいて可哀想です…こんなに優しいのに誤解されたままなのは辛いです」

セイルの声が響く
そうだ、ユウマは本当に優しい…自分の命に変えても俺を救ってくれる…そんな男なんだ…

「シュゼルは私の恋人なんです、一緒に素敵になな辺境伯に移り住もうねって話してた例の…だから信じてあげてください、あっ、本当は彼との婚約発表まで家族内以外に恋人なこと内緒なんで、皆さん心にしまい込んでくださいね?


……………シュゼルが辛そうな所、いくら婚約のこと内緒って言われても知らん顔で見ていられなかった…ごめんね」

「セイル…ごめん…こんなことにとなって…僕の妹なのに…あの子が本当に分からないんだ…
グレス辺境伯、何が事情があるなら誓約魔法を私達に使ってください、ヘリックは妹の従者ですが、この者たちは私の腹心、情報が漏れることはないと約束します」


辺境伯を素敵な所にして恋人と移り住みたい…その相手がシュゼル殿下…王族が使節団として来た理由もこれか…少し納得してしまった






誓約魔法を使いこの場での記憶、記録の持ち出しを禁止し、ユウマの誤解を解く事にする
セイルの言葉にユウマも動揺していたが俺が呼ぶだけで素直に来てくれる…腰を抱き寄せシュゼル殿下と使節団へ真実を話す


「誓約魔法も掛けましたが、情報は決して漏らさぬようお願いする
ユウマは我が国に召喚された神子様に巻き込まれてこの世界へ迷い込んだ異世界人、しかし、この世界へ召喚され直ぐに異物として処刑されそうになり瀕死の所を私が保護した
一度異物と判断された彼の自由を得る目的で、他者へ害を成さないことを証明する、私の所有物として隷属の首輪をしている、たが、彼は奴隷でも使用人ではなく、私の最愛、伴侶となる存在だ

神子様では無いが、ユウマは自分の身を削り浄化が出来る…条件はあるが、神子様程に強い浄化の力…その身を俺に捧げその力救ってくれた…私は何度も救われているんだ…ユウマ無しでは生きれない程に
ユウマを異物として処分しようとした者を許せない、浄化が出来るとバレ、身を削る浄化を強要されるのも我慢ができない…第一王子としての地位を捨て、ユウマと婚姻し平穏な暮らしを得るためにこの地に来た…ユウマは悪意や害意の存在ではなく、神子様の力の一部を宿したことで魔力の質がおそらく人ではなくなってしまっただけ…それだけなんだ…
使用人やセイルは知っているが俺はユウマと余程のことがない限り離れず互いの存在を糧にしている…王女の言うことは全てデタラメだ、それが事実だ…」


「おれは…この世界に、神子様と共に召喚されて…直ぐに殺されそうになりました…そんなおれをグレスは助けてくれて…
グレスだけがおれの味方だったんです…今では執事さんやメイドさん…セイルくんに味方になってくれる人が増えました、毎日が楽しくなりました…でも、グレスの代わりはいないんです…片時も離れたくないほど好きなのに、運命の番とかよくわからない押し付けで…おれからグレスを奪わないでください………お願いします…」



俺とユウマの話をしっかりと聞いてくれているシュゼル殿下達、一度処分しようとした相手が有用だったとわかった場合、壊れるまで使い潰す…その可能性もわかってくれた筈だ
少しぼかしたが、体液を使うことは身を削ること、嘘は言ってない
それに、害のあるものが浄化を使える筈がないんだ


ユウマは静かに泣いていた…悪意に晒され慣れない彼にはあの王女が噂を広め、周囲の目が棘のように痛いのだろう…ユウマの涙を拭い周囲の反応を待つ


「ユウマさん…泣かないでください…互いに求め合っているお二人の仲を、運命の番と言って引き裂こうとするミーシアに確実な非があります、申し訳ない…
身を削る浄化…きっと多用できないからこそ、我が国の国境を踏まえた、この周辺の魔獣を討伐し平和を守るグレス辺境伯の為に使用している…何もおかしい事はありません、異質な魔力も理解できました


そして、お二人の話を聞きわかった事があります…ミーシアの言う、運命の番は虚言かもしれません」





シュゼル殿下が使節団の皆と目を合わせ、何かを確認するように頷いた
















Side ミーシア

私はルティーリア国、第五王女
周りが息を飲むくらい私はとても可愛らしいとお父様もお母様も褒めてくれるの
お父様は国王陛下、とてもかっこよくて強くて…あんな男性が私は好き♡

いずれ他国か国内の殿方に嫁ぐ私…でも、私には運命的な出会いが必要だと思う、かっこよくて運命的な…!
そう!運命の番!お伽噺と言われるくらい確率が低い運命の愛…ああ…とてもいい響き…
運命の番には見ただけでときめきとフェロモンの甘い、いい匂いがするって文献に書いてあったわ…

国内のパーティーにいくら参加しても運命の彼はいなかった…だから、今回シュゼルお兄様の他国への視察に潜り込んだの♡
宰相補佐のヘリックにお願いしたら上手くいっちゃった…♡
隣国旅行気分♡隣国の王都はとても華やかで国王陛下の隣に並んでる彼もかっこよかった、でも身長が少し小さいわ、運命ならもっと高身長でなくっちゃ

王都を離れて馬車に揺られ…本来の目的地へ到着した、辺境伯はちょっと古臭いけど静かな所…お兄様私を置いて皆と馬車降りちゃうからびっくりしちゃったわ

でも、ここで、運命に出会ったの
銀と黒の入り混じる幻想的な髪、青い透き通る瞳と切れ長の目、顔立ちから逞しさがわかって…何より高身長…格好いい…私と同じ獣人の彼…ドキドキしたわ…心臓が破裂しちゃうかもって…♡
鼻のいい私に香ってくる少しだけ甘い香り…甘い香りって事は運命なのでは?心臓のときめきも匂いも私の全身を震わせる…

グレス辺境伯…彼が私の探し求めていた運命♡
運命の番♡ああ、その逞しい腕で私を褒めて?その男らしい目で見つめ私を褒めて?
彼と婚姻したらどれだけ幸せなのかしら♡




そう、運命の番を慈しんでいたのに…
グレス様には奴隷がいた…男前で素晴らしいグレス様ですもの奴隷の1人や2人いてもおかしくない…でもその性奴隷は何処にでもいそうな木の棒のように価値のない見た目の男だったの

私がグレス様の妻となったら飼い主ねって言っても無反応…喜ぶところでしょ?可愛い私が飼い主になるのよ?頭おかしいわ…あの奴隷!

更には…翌日、彼から奴隷の匂いがした…いつも以上に甘い香りを漂わせてくる彼に…奴隷の匂いが紛れ込んでいて怒りが湧いた、性奴隷だったのね
グレス様が私の運命のフェロモンがわからないなんてそんなこと言うの!
でも、原因は分かりきってる…あの性奴隷!!あいつの匂いが私の匂いをかき消してしまうんだわ!!あんな特徴のない男を大切というグレス様の気持ちがわからない!

異世界出身の珍獣って話を聞いた事がある
あれは珍獣、そう家畜よ、なんで家畜が私のグレス様に匂いを付けるの???不愉快よ!!
少し浄化が使えるらしい、ただそれだけの存在、よく見ると魔力の気配が気持ち悪いあの性奴隷が悪なんだわ…

シュゼルお兄様が私を置いていったから、ヘリックと一緒に涙ながらに、あの性奴隷の所業を迎賓館やその周辺の人へ聞こえるように訴えた

「私の大切な番なのに…あんまりだわ…彼は洗脳されている…」

と、最高に美しく可憐な私の涙を受け入れないものはいないのよ!みんな信じてくれて慰めてくれる…ああ、心地良い…私が中心♡


あの性奴隷を処分しなきゃ…待っててねグレス様♡私が、あなたの洗脳解いてあげる♡









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