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31 最終話 手に入れたもの
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素直にヘンリックに従ったローゼリアは、ヘンリックによって平積みされた恋愛小説の中から気になった一冊の本を手にしていて、そのまま椅子に座る。ヘンリックも一階にいた時に見つけていた本を手にしていた。
「殿下はどのような本をお読みになられますの? まあ、植物の育て方の本をお読みになられますのね」
「これまで植物を育てるのは庭師の仕事だと思っていたのだが、貴族の中にはそれを趣味としている者もいるらしい。昔、誰かから植物を育てる本を勧められたような気がしたので、何となく手に取ってみたんだ」
「そういえば、お兄さまは麦の品種改良の研究をされていらっしゃいますわ」
「義兄上は麦を育てていらっしゃるのか。植物全般ではなく私も麦の育て方の本にしておけば良かったな。この本は掲載されている植物の種類は多いが、大まかな育て方しか書いていないから、この本だけでは何も育てられそうにない」
そう言いながらヘンリックが苦笑したので、ローゼリアもつられて笑ってしまった。
侍従が本を読み始めたヘンリックとローゼリアのカップにお茶を注ぐ。
たまたま咽が乾いていたローゼリアは、何も考えずにお茶をひと口飲んでみたのだが、何故かヘンリックがその様子をじっと見つめていた。
「どうかされまして?」
「いや、キミはお茶を飲んでくれないと思っていたから驚いたんだ」
「まあ、おかしな事をおっしゃるのね。咽が乾いていて目の前にお茶があれば飲みますわよ」
そう言いながらローゼリアはふた口目のお茶を飲む。
ヘンリックは夜会の直前の時のように、自分の胸の中から幸せな気持ちが溢れだすのを感じていた。
突然ヘンリックが自分の口元を手で覆ったと思ったら、彼の黒い瞳から涙がぽろぽろと零れ始めたのだった。
ローゼリアが席を立ち、ハンカチを取り出してヘンリックに手渡す。ヘンリックは借りたハンカチで目元を押さえた。
ヘンリックの涙はすぐには収まってはくれず、ローゼリアも何も言わなかったので、二人は無言で椅子に座っていた。ヘンリックが鼻を啜る音だけが時々聞こえるだけだった。
「見苦しいところを見せてしまってすまない」
そう言って目元からハンカチを外したヘンリックは、赤くなった目を見せながらそう呟いた。
「構いませんわ」
「本当はここでキミとやり直したいとまた言おうと思っていたんだ」
「……そうでしたの。私は良いと申していますのに、何度おっしゃるつもり?」
「わからない、でも自分の気持ちが収まらないんだ」
「でしたらお気の済むまでおっしゃればよろしいですわね」
そう言ってローゼリアが柔らかな表情で笑った。いつか執務室で見た、エーヴェルトに見せた微笑みによく似ていた。
ヘンリックの胸の鼓動が小さく跳ねた。
「ローゼリア、好きなんだ、……キミの事が」
「ええ、存じておりますわ」
「私の妻になってくれてありがとう」
そう言ってヘンリックはまた静かに泣き始めてしまった。
そんなヘンリックを見ていたローゼリアは、もうこれでいいだろうと思うのだった。
「殿下、私は時々ふとしたきっかけで辛くなってしまう時がありますの。私の中にいる小さな私は婚約者が冷たくて悲しいと私に伝えてきますの。きっとその度に私は殿下に辛く当たってしまうかもしれませんわ」
「ああ、……私が、すまなかった。何度でも言ってくれていいし、キミの為ならいくらでも謝る」
「あなたと一緒にいるだけですごく辛いのです。殿下と離れて他の人に恋をして結婚した方が幸せになれるんじゃないかって思う事もありますの。それに私、本心を言ってしまうと綺麗な方よりも騎士のように強い方が好きですの」
ローゼリアの『お前はタイプじゃない』という意味の言葉にヘンリックは分かりやすく落ち込んだ。それでもグサリと刺さった言葉を何とかぐっと堪えるのだった。
「そ、そうだな、フォレスターは武門の家だから……騎士、か。私も今は鍛錬をしているから、もう少ししたら私も少しは剣を扱えるようになるから、キミの為に頑張るからそれまで待って欲しい。それと何度も言うが離縁はしない」
(私も昔、ローゼリアに笑顔が嫌いだと言った。それにローゼリアの言葉も手紙もずっと無視し続けてきた。だから好かれているなんて思ってはいけない。これから…そうこれからだ。でも、はっきりと言われてしまうとさすがに辛いな……)
ヘンリックの口調は暗く小さかった。しかし落ち込んでいるヘンリックとは逆にローゼリアの表情は先ほどとは変わって生き生きとしていた。
「……ふう、言ってしまってスッキリしましたわ。いいですわ殿下、これで許して差し上げます。お顔をお上げ下さい」
晴れ晴れとした表情でそう言うと、ローゼリアは言われるままに顔を上げたヘンリックの頬に優しく右の手を添える。目元を真っ赤にしたヘンリックが戸惑いの色の混じった表情でローゼリアを見つめていた。そしてローゼリアは手を当てていない反対側の頬に軽く口づけをしたのだった。
「うわぁ!」
驚いたヘンリックは、椅子に座っているにもかかわらずバランスを崩してしまい、大きな音を立てて後ろに倒れてしまった。
離れた場所にいた侍従や騎士たちが慌てて掛け寄り、目元だけではなく顔全体が真っ赤になったヘンリックを起こしたのだった。
ヘンリックの胸の鼓動は大きく脈打っていて、すぐには治まってはくれなかったので、椅子に座り直したヘンリックはそれまで飲んでいなかったお茶を一気に飲み干した。
恥ずかしくてヘンリックはその日、ローゼリアの顔をまともに見れなかった。
この後ヘンリックは一部始終を見ていた侍従たちから男なのに押しが弱過ぎる、泣き過ぎだ、あれでは結婚前の令嬢ではないかとダメ出しをされるのだった。
彼らが本当の夫婦になるには、まだまだ時間が必要ではあった。
それでもお互いにまだ十八歳で、これまで十一年間も凍っていた関係の二人がやり直しをするのには必要な時間でもあった。
ローゼリアの白い結婚はしばらく続きそうだが、婚約者時代の不仲だった頃を埋めるように二人が一緒にいる時間は結婚当初よりもずっと増え、ヘンリックが戴冠して数年経った頃にはランゲル王国の若い国王はとても愛妻家だと、国内外では当たり前の話になるのだった。
〈完〉
*****************
【後書き】
ここまでお読み下さりありがとうございます。
お気に入り登録をして下さる方がたくさんいらっしゃって驚いております。
温かい感想のお言葉を下さった方々、ありがとうございました。
次回作への励みにさせていただきたく存じます。
本作は元のお話があってのIFストーリですが『裏切られた~』をご存知ない方も楽しめればと思い書かせて頂きました。元のお話と合わせたところもありますので、読まれた方にはあのエピソードがこうなったのかと本作との違いを楽しんでいただければ幸いです。
「殿下はどのような本をお読みになられますの? まあ、植物の育て方の本をお読みになられますのね」
「これまで植物を育てるのは庭師の仕事だと思っていたのだが、貴族の中にはそれを趣味としている者もいるらしい。昔、誰かから植物を育てる本を勧められたような気がしたので、何となく手に取ってみたんだ」
「そういえば、お兄さまは麦の品種改良の研究をされていらっしゃいますわ」
「義兄上は麦を育てていらっしゃるのか。植物全般ではなく私も麦の育て方の本にしておけば良かったな。この本は掲載されている植物の種類は多いが、大まかな育て方しか書いていないから、この本だけでは何も育てられそうにない」
そう言いながらヘンリックが苦笑したので、ローゼリアもつられて笑ってしまった。
侍従が本を読み始めたヘンリックとローゼリアのカップにお茶を注ぐ。
たまたま咽が乾いていたローゼリアは、何も考えずにお茶をひと口飲んでみたのだが、何故かヘンリックがその様子をじっと見つめていた。
「どうかされまして?」
「いや、キミはお茶を飲んでくれないと思っていたから驚いたんだ」
「まあ、おかしな事をおっしゃるのね。咽が乾いていて目の前にお茶があれば飲みますわよ」
そう言いながらローゼリアはふた口目のお茶を飲む。
ヘンリックは夜会の直前の時のように、自分の胸の中から幸せな気持ちが溢れだすのを感じていた。
突然ヘンリックが自分の口元を手で覆ったと思ったら、彼の黒い瞳から涙がぽろぽろと零れ始めたのだった。
ローゼリアが席を立ち、ハンカチを取り出してヘンリックに手渡す。ヘンリックは借りたハンカチで目元を押さえた。
ヘンリックの涙はすぐには収まってはくれず、ローゼリアも何も言わなかったので、二人は無言で椅子に座っていた。ヘンリックが鼻を啜る音だけが時々聞こえるだけだった。
「見苦しいところを見せてしまってすまない」
そう言って目元からハンカチを外したヘンリックは、赤くなった目を見せながらそう呟いた。
「構いませんわ」
「本当はここでキミとやり直したいとまた言おうと思っていたんだ」
「……そうでしたの。私は良いと申していますのに、何度おっしゃるつもり?」
「わからない、でも自分の気持ちが収まらないんだ」
「でしたらお気の済むまでおっしゃればよろしいですわね」
そう言ってローゼリアが柔らかな表情で笑った。いつか執務室で見た、エーヴェルトに見せた微笑みによく似ていた。
ヘンリックの胸の鼓動が小さく跳ねた。
「ローゼリア、好きなんだ、……キミの事が」
「ええ、存じておりますわ」
「私の妻になってくれてありがとう」
そう言ってヘンリックはまた静かに泣き始めてしまった。
そんなヘンリックを見ていたローゼリアは、もうこれでいいだろうと思うのだった。
「殿下、私は時々ふとしたきっかけで辛くなってしまう時がありますの。私の中にいる小さな私は婚約者が冷たくて悲しいと私に伝えてきますの。きっとその度に私は殿下に辛く当たってしまうかもしれませんわ」
「ああ、……私が、すまなかった。何度でも言ってくれていいし、キミの為ならいくらでも謝る」
「あなたと一緒にいるだけですごく辛いのです。殿下と離れて他の人に恋をして結婚した方が幸せになれるんじゃないかって思う事もありますの。それに私、本心を言ってしまうと綺麗な方よりも騎士のように強い方が好きですの」
ローゼリアの『お前はタイプじゃない』という意味の言葉にヘンリックは分かりやすく落ち込んだ。それでもグサリと刺さった言葉を何とかぐっと堪えるのだった。
「そ、そうだな、フォレスターは武門の家だから……騎士、か。私も今は鍛錬をしているから、もう少ししたら私も少しは剣を扱えるようになるから、キミの為に頑張るからそれまで待って欲しい。それと何度も言うが離縁はしない」
(私も昔、ローゼリアに笑顔が嫌いだと言った。それにローゼリアの言葉も手紙もずっと無視し続けてきた。だから好かれているなんて思ってはいけない。これから…そうこれからだ。でも、はっきりと言われてしまうとさすがに辛いな……)
ヘンリックの口調は暗く小さかった。しかし落ち込んでいるヘンリックとは逆にローゼリアの表情は先ほどとは変わって生き生きとしていた。
「……ふう、言ってしまってスッキリしましたわ。いいですわ殿下、これで許して差し上げます。お顔をお上げ下さい」
晴れ晴れとした表情でそう言うと、ローゼリアは言われるままに顔を上げたヘンリックの頬に優しく右の手を添える。目元を真っ赤にしたヘンリックが戸惑いの色の混じった表情でローゼリアを見つめていた。そしてローゼリアは手を当てていない反対側の頬に軽く口づけをしたのだった。
「うわぁ!」
驚いたヘンリックは、椅子に座っているにもかかわらずバランスを崩してしまい、大きな音を立てて後ろに倒れてしまった。
離れた場所にいた侍従や騎士たちが慌てて掛け寄り、目元だけではなく顔全体が真っ赤になったヘンリックを起こしたのだった。
ヘンリックの胸の鼓動は大きく脈打っていて、すぐには治まってはくれなかったので、椅子に座り直したヘンリックはそれまで飲んでいなかったお茶を一気に飲み干した。
恥ずかしくてヘンリックはその日、ローゼリアの顔をまともに見れなかった。
この後ヘンリックは一部始終を見ていた侍従たちから男なのに押しが弱過ぎる、泣き過ぎだ、あれでは結婚前の令嬢ではないかとダメ出しをされるのだった。
彼らが本当の夫婦になるには、まだまだ時間が必要ではあった。
それでもお互いにまだ十八歳で、これまで十一年間も凍っていた関係の二人がやり直しをするのには必要な時間でもあった。
ローゼリアの白い結婚はしばらく続きそうだが、婚約者時代の不仲だった頃を埋めるように二人が一緒にいる時間は結婚当初よりもずっと増え、ヘンリックが戴冠して数年経った頃にはランゲル王国の若い国王はとても愛妻家だと、国内外では当たり前の話になるのだった。
〈完〉
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【後書き】
ここまでお読み下さりありがとうございます。
お気に入り登録をして下さる方がたくさんいらっしゃって驚いております。
温かい感想のお言葉を下さった方々、ありがとうございました。
次回作への励みにさせていただきたく存じます。
本作は元のお話があってのIFストーリですが『裏切られた~』をご存知ない方も楽しめればと思い書かせて頂きました。元のお話と合わせたところもありますので、読まれた方にはあのエピソードがこうなったのかと本作との違いを楽しんでいただければ幸いです。
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いつも感想をありがとうございました
おっしゃる通り、本作を書くに当たってポイントとして考えていたところが、ぱんださんがご指摘して下さった点でした。
もうひとつ挙げますと、彼はフォレスター家を裏切らなかったので、そのポイントからIFへと分岐していきます。
今回ヘンリックは主人公という位置づけで考えていました。
主人公なら弱かったり、ヘタレだったりしてもアリかなと……
ローゼリアの危機は彼がその場にいたとしても良い方向にもっていってくれそうな気がしなかったので、
彼無しで進んでいってしまいました(^^;
ローゼリアも言いたい事が言えるようになってきたので、
これからはお兄ちゃんだけではなく、ローゼリアにもしばかれながらも前向きに頑張っていくのかなと思ってます。
拙作を読み込んで下さりありがとうございまいす。
感想ありがとうございます
このお話は好きではない相手と結婚をして再構築をしていく事が前提となっています。
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今後はタグを一読されてから納得した上でお読みになって下さい。
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完結おめでとうございます。
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