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36:数は力になる
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せっかく創ったので太陽にお裾分けだ。
なお『いらない』と言われても置いてくる所存です!
先触れを出して返事を待つ。すると後光纏いし隼がやってきて、『しばし待て』と告げて消えた。
思い立ったら即実行の兄貴にしては珍しい。
研究を進めつつ待っていると『OK』が来たので転移する。褐色肌の筋肉がアブドミナル&サイで待っていた。
今日も一段と濃いなー
「お久しぶりです兄貴」
「うむ今日はどうした」
「実は最近新たな【機能】の研究をしていまして、上手く出来たので持ってきました」
「ほお見せてみろ」
兄貴のポーズがサイドチェストに変わった。
最初に渡したのは『白炎』だ。当然兄貴はおかしな表情を見せたが、何も言わずバックダブルバイセップスへとポーズを変えた。
はてなマークのつもりじゃないよね?
次に出したのは『凍結』だ。収支が赤字のしょぼいやつで、わたしにとっては完全に失敗作だが、成果を見せるには必要だと判断した。
トリを飾るのはもちろん『永久凍土』だ。
リラックスを経て、フロントラットスプレッドへ。
「『月』よ、この【機能】をすべてお前が創ったというのか?」
「ええもちろんです」
「以前苦手だった聖属性もいまは難なく使えるのだな?」
「ええ使えます」
相変わらず〝聖〟の権能は微弱だ。しかし兄貴の質問は『聖属性』だから、研究した〝月〟の権能によって、より強い力を太陽から借りられる。
だから難なく使える。
「そうか。先ほど来た『冥府』から話は聞いていたがこれほどとはな」
またリラックスかと思ったがこれはただの棒立ちじゃあないだろうか。兄貴は驚くとポージングがなくなるっぽい。
「えーと第二位『冥府』がわたしの事をなんと?」
ここでわたしが待たされた理由が判明した。兄貴と兄になりたがった邪神に挟まれるのはキツイから、素直に兄貴に感謝しておくとして……
圧倒的光と圧倒的邪神の話題がわたしってのが笑えない。
なに話してんのよ?
「あいつはお前と『座』と会わせるなと言ったのだ。そして俺も同じくそう言おう。
『月』よ、『座』と会うのを禁ずる」
「もとより自発的に会うつもりはありませんよ」
「うむ。それを違えるなよ」
渡した【機能】の分にしては過分な神力を貰った。きっと口約束の代金だろう。
〝太陽〟がわたしだけを〝月〟と呼んだ。
前回中一位の『主』が消失したとき上神は大慌てだったそうだ。じゃあ上神が消失したら?
つまりそういうことだ。
※
『永久凍土』は売れた。主に邪神に。
バカ売れだった。とくに『冥府』が買ってくれた。
気づけば、第四位『主』の真ん中あたりだった神力が、ほぼ『座』になっていた。このペースで神力が増えていくと、神の育成ノルマのクリア前に『座』に必要な神力の量を超えるだろう。
さらっと言ってみたが、これはとても凄いことだ。
だって第一位から第三位の上神は1-4-4の九名しかいないのだ。それに迫ったわたしは、ランキング一〇位かもしれないわけで……
ヤバい、にやけが止まらない。
眷属が増えれば、一度に回せる種の数も増える。種の数が増えたのだから神に至る者だって増えていく。もとより神力ではなく、そちらで昇格が止まっていたわたしだから、次のノルマも達成した。
いまの階位の二つ上が審査する法則により、現在『主』になっていた二姉さまから昇格を言い渡されて、わたしは第五位『力』となった。
「やったね『月』が歴代最年少の第五位『力』だよ!
ほらっもっと誇っていいんだぞ~」
「ありがとうございます……って。
『能』や『権』は違ったんですか?」
「言い忘れてたけど~『能』も『月』が歴代最年少さ。でも『権』は違うからね!
残念だったね~」
「へぇ~そうなんですね」
「まっ下神の間は下克上が起きやすいからね。『月』より早い子だっているんだよ~」
階位が違うのに吸収したわたしは完全に例外として。
本来の条件は同じ階位に同じ神性が現れた時に約二割ほどの確立で発生するものだ。最下層の『無』では起きないはずで、『権』に至った記録がわたしよりも早いのだから、『大』同士で起きたことなのだろう。
『大』から『権』へ上がる神力量はそれほど多くはない。片方が昇格したてだろうが、相手が昇格目の前ならきっと足りる。
あとは神を育てる速度なんだけど……
どうやらわたしは遅かったらしいね。
「フフッ実は『権』の最年少記録はウチでした~
どややぁ~」
「は? 二姉さまも下克上を? でも〝白炎〟ってあまり聞きませんよね……」
「いまはウチがいるからね~
でも当時は『権』にいたんだよ~」
「別の階位なのに……?
あの、階位関係なく、結構起きてません?」
「いやあ、同階位ほどは起きてないかな。そうだな~千回あったら一回あるかないかじゃあないかな~」
同格での発生が二割で、その千分の一、そう言われるとほぼ無い、のか?
「神力は解りましたけど、神の育成はどうしたんです?」
「あれさ~、実はいまは基準が上がっててね。ウチの頃は一人で良かったんだよ~
んでその一人目は『大地』だんだよね」
「あー三姉さまですか……
それは運が良かったですねー」
一人で良くて、その一人が三姉さまってそりゃ早いわ!
二姉さまの部屋をお暇して、一姉さまと兄貴に昇格の挨拶に向かった。
一姉さまは「そう」とそっけなく終わり。
やはり覇気がない。
兄貴からはフロントラットスプレッドからのバックラットスプレッドのポージングを頂いた。筋肉は口ほどに物を言うとは兄貴の言だ。
その意味は『おめでとう!』
きっとあってる。
なお『いらない』と言われても置いてくる所存です!
先触れを出して返事を待つ。すると後光纏いし隼がやってきて、『しばし待て』と告げて消えた。
思い立ったら即実行の兄貴にしては珍しい。
研究を進めつつ待っていると『OK』が来たので転移する。褐色肌の筋肉がアブドミナル&サイで待っていた。
今日も一段と濃いなー
「お久しぶりです兄貴」
「うむ今日はどうした」
「実は最近新たな【機能】の研究をしていまして、上手く出来たので持ってきました」
「ほお見せてみろ」
兄貴のポーズがサイドチェストに変わった。
最初に渡したのは『白炎』だ。当然兄貴はおかしな表情を見せたが、何も言わずバックダブルバイセップスへとポーズを変えた。
はてなマークのつもりじゃないよね?
次に出したのは『凍結』だ。収支が赤字のしょぼいやつで、わたしにとっては完全に失敗作だが、成果を見せるには必要だと判断した。
トリを飾るのはもちろん『永久凍土』だ。
リラックスを経て、フロントラットスプレッドへ。
「『月』よ、この【機能】をすべてお前が創ったというのか?」
「ええもちろんです」
「以前苦手だった聖属性もいまは難なく使えるのだな?」
「ええ使えます」
相変わらず〝聖〟の権能は微弱だ。しかし兄貴の質問は『聖属性』だから、研究した〝月〟の権能によって、より強い力を太陽から借りられる。
だから難なく使える。
「そうか。先ほど来た『冥府』から話は聞いていたがこれほどとはな」
またリラックスかと思ったがこれはただの棒立ちじゃあないだろうか。兄貴は驚くとポージングがなくなるっぽい。
「えーと第二位『冥府』がわたしの事をなんと?」
ここでわたしが待たされた理由が判明した。兄貴と兄になりたがった邪神に挟まれるのはキツイから、素直に兄貴に感謝しておくとして……
圧倒的光と圧倒的邪神の話題がわたしってのが笑えない。
なに話してんのよ?
「あいつはお前と『座』と会わせるなと言ったのだ。そして俺も同じくそう言おう。
『月』よ、『座』と会うのを禁ずる」
「もとより自発的に会うつもりはありませんよ」
「うむ。それを違えるなよ」
渡した【機能】の分にしては過分な神力を貰った。きっと口約束の代金だろう。
〝太陽〟がわたしだけを〝月〟と呼んだ。
前回中一位の『主』が消失したとき上神は大慌てだったそうだ。じゃあ上神が消失したら?
つまりそういうことだ。
※
『永久凍土』は売れた。主に邪神に。
バカ売れだった。とくに『冥府』が買ってくれた。
気づけば、第四位『主』の真ん中あたりだった神力が、ほぼ『座』になっていた。このペースで神力が増えていくと、神の育成ノルマのクリア前に『座』に必要な神力の量を超えるだろう。
さらっと言ってみたが、これはとても凄いことだ。
だって第一位から第三位の上神は1-4-4の九名しかいないのだ。それに迫ったわたしは、ランキング一〇位かもしれないわけで……
ヤバい、にやけが止まらない。
眷属が増えれば、一度に回せる種の数も増える。種の数が増えたのだから神に至る者だって増えていく。もとより神力ではなく、そちらで昇格が止まっていたわたしだから、次のノルマも達成した。
いまの階位の二つ上が審査する法則により、現在『主』になっていた二姉さまから昇格を言い渡されて、わたしは第五位『力』となった。
「やったね『月』が歴代最年少の第五位『力』だよ!
ほらっもっと誇っていいんだぞ~」
「ありがとうございます……って。
『能』や『権』は違ったんですか?」
「言い忘れてたけど~『能』も『月』が歴代最年少さ。でも『権』は違うからね!
残念だったね~」
「へぇ~そうなんですね」
「まっ下神の間は下克上が起きやすいからね。『月』より早い子だっているんだよ~」
階位が違うのに吸収したわたしは完全に例外として。
本来の条件は同じ階位に同じ神性が現れた時に約二割ほどの確立で発生するものだ。最下層の『無』では起きないはずで、『権』に至った記録がわたしよりも早いのだから、『大』同士で起きたことなのだろう。
『大』から『権』へ上がる神力量はそれほど多くはない。片方が昇格したてだろうが、相手が昇格目の前ならきっと足りる。
あとは神を育てる速度なんだけど……
どうやらわたしは遅かったらしいね。
「フフッ実は『権』の最年少記録はウチでした~
どややぁ~」
「は? 二姉さまも下克上を? でも〝白炎〟ってあまり聞きませんよね……」
「いまはウチがいるからね~
でも当時は『権』にいたんだよ~」
「別の階位なのに……?
あの、階位関係なく、結構起きてません?」
「いやあ、同階位ほどは起きてないかな。そうだな~千回あったら一回あるかないかじゃあないかな~」
同格での発生が二割で、その千分の一、そう言われるとほぼ無い、のか?
「神力は解りましたけど、神の育成はどうしたんです?」
「あれさ~、実はいまは基準が上がっててね。ウチの頃は一人で良かったんだよ~
んでその一人目は『大地』だんだよね」
「あー三姉さまですか……
それは運が良かったですねー」
一人で良くて、その一人が三姉さまってそりゃ早いわ!
二姉さまの部屋をお暇して、一姉さまと兄貴に昇格の挨拶に向かった。
一姉さまは「そう」とそっけなく終わり。
やはり覇気がない。
兄貴からはフロントラットスプレッドからのバックラットスプレッドのポージングを頂いた。筋肉は口ほどに物を言うとは兄貴の言だ。
その意味は『おめでとう!』
きっとあってる。
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