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後日談
01:とある殿下の学園生活
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春を迎えて幼年学校を卒業した僕はついに、ジルダが居る学園に入学する事となった。
これで毎日ジルダに逢える。
しかし僕とジルダの年齢差を考えれば、学園で一緒に居られる最初にして最後の一年だ。
だったら毎朝迎えに行って一緒に登校するのも良いな。
あとでジルダに聞いてみよう!
まず学園に入って思った事は……
やっぱり令嬢はウザイだった。
王太子になった僕には婚約者のジルダが居るというのに、婚姻まではまだ巻き返せるかもという、僕から見ればほんの少しもない可能性を信じてやたら寄って来るのだ。
しかしウザイ令嬢は一年生だけで、上級生の令嬢は誰も寄って来ることは無かった。
気になって少し考えてみれば簡単に答えに行きつくことが出来た。
そうか、三年に兄貴がいるからそっちに行ってるんだな……
兄貴は未だに婚約者不在で、婚約者ありの僕よりもよっぽど優良物件のはずなのだ。だからきっと僕よりよっぽど苦労しているだろうと思って、少しだけ溜飲が下がる思いだった。
◆
そんな学園生活の中。
僕がどこへ向かおうとも、僕の後ろには団子状になった令嬢らが、キャイキャイと言いながらついて来ていた。
当然無視しているが終始聞こえてくる甲高い声に当てられて、ゲンナリする僕……
そんな時に前方から、似たような大きさの集団が迫ってくる。
兄貴の集団かと思ってみれば、先頭を歩くのは見間違う事はない銀髪の僕の愛しき人、ジルダだった。
こちらの団子な烏合集団とは違い、あちらはジルダを先頭に、綺麗に二列に並ぶ訓練された集団だった。あの集団はどうやら上級生の令嬢らで構成されているようだ。
ここで彼女が散らしてくれればと期待したのだけど、彼女は特に気にする事もなく、
「あら殿下、大変人気がおありですわね」
と、手に持った扇で口を隠しながら「フフフ」と笑っていた。
その態度に、後ろにいた令嬢らがほくそ笑んだ様に見えたのは気のせいだろうか?
しかし次の瞬間、ジルダは僕の後ろの令嬢らに視線を向けると、
「新入生の皆さんは元気が良くてよいわね。
でもね廊下は歩く場所よ、人の邪魔にならないように節度を持って生活してくださいね」
そして手に持った扇をパチンと閉じて、彼女は歩き去っていった。
翌日になると一年の令嬢らはすっかり大人しくなっていたのだが……
もしかしてこれは恐怖政治なのか?
■
※
食堂に入ると、銀髪の僕の未来の嫁が食事を取っているのが目に入った。
僕は食事のプレートを受け取ると、いそいそとジルダの座るテーブルへを向かった。
「一緒にご飯を食べていいかな?」
そういってジルダに声を掛けると、
「はい、構いませんよ」と、いつもの口調で了承してくれた。
彼女の正面の席に居た双子のどちらかが席を譲ってくれたので、僕はありがたく正面に座った。
実は隣がいいなーとか、贅沢は言えないよね。
「ねえジルダ、お願いがあるのだけど?」
「食事中に話すとは、マナーがなっていませんよ」
そう言われて、僕はまずは食事をかき込むように終えることにした。
「それで、お願いとは何でしょうか?」
同じく食事を食べ終えたジルダが紅茶を飲みながらそう聞いてきた。
「明日から一緒にご飯を食べないか?」
顔が少し赤いかもだが、何とか噛まずに言い終えてほっとしていると、
「毎日という意味でしょうか?」
と、ジルダがいつも通りの静かな声で問い掛けてきた。
毎日かって? それは当然でしょ!
「そう、毎日だよ」
愛してくれているなら嬉しいでしょう? と、少々僕はどや顔だったと思う
「お断りいたします」
しかしジルダは、まさかの一瞬さえも考えることなくの即答だった。
「え?」
「お断りいたします、と言いましたが?」
「いや、聞こえたけど……」
うぅ二度も言われたよ。
ここで凹んで引き下がるのは以前までの僕だ。
ジルダと付き合い始めて随分と経った今ではここで諦めるのは間違いだと学んでいる。諦めればきっと、彼女はまた年上の余裕を見せてくるに違いないのだから。
だから僕は条件を付けて、もう一度お願いしてみたんだ。
「じゃ、じゃあさ。一日おきならどうだろうか?」
すると彼女は嬉しそうにしつつ、少し考える素振りを見せた。もちろん傍目に見ると変化の無い表情なのだけど、最近分かるようになったんだ。
どうやら正解だったらしいと、僕は手ごたえを得て心の中で『よし!』と、叫んでいたさ!
ほんの少しの思案、
「では、火・木で良いでしょうか?」
いやいやそれだと二日しかないじゃないか!
「出来れば、月・水・金でお願いしたい、です」
食い下がる僕を見てジルダは嬉しそう微笑んだ。
またまた正解だったようだ。
「はい、わかりましたフェル。月・水・金は私を誘いに来てくださいね」
そして彼女は誰にでも分かるように、にっこりと笑った。
相変わらず彼女の笑顔は破壊力抜群だった。
よしやった!
この時の僕は、初めてジルダの思考が読めた気がして、とても嬉しかった。
しかし彼女は……
「フェル、ところで私からもお願いがあるのですが?」
と逆に問い掛けてきたんだ。
「なにかな?」
何を言われるのかと、すこしだけ緊張しながら言葉を待っていると、
「火・木に食事をお誘いしても良いでしょうか?」
そういって彼女は再びにっこりと笑った。
「は、はい、たいへん良いです」
「では、火・木は私が殿下をお誘いにあがりますね」
そう言ってにこりと笑う彼女に、僕はやっぱり勝てないなと思っていた。
◆幕間
学園の食堂で一人で寂しく食事を取っている兄を見た。
僕とは違って令嬢の取り巻きは一人も居ないみたいだ。
「なあジルダ、兄さんはなんで一人で食事を取っているのだろうか?」
婚約者の居ない王族だ、もっと令嬢が寄ってきそうなものなのだが~と、素直に疑問をぶつけてみたんだ。
するとジルダは、「ふぅ」とため息をつくと、
「マエリスのハーレムに入っていた人達は散々にやらかしていますからね。
いまさら彼らに媚を売るような馬鹿な令嬢は居ませんよ」
兄の置かれた可哀相な現状を知ってしまった僕は何も言葉が出なかった。
しかしジルダの言葉はさらに僕に追い討ちを掛けた。
「ただ困った事に……この国の貴族令嬢は、皆この学園に通っているんですよね。
つまりアントナン殿下と年齢の近い令嬢は、ここに居るだけということになります。もう、ババ抜きのババですよね」
「……」
兄さん……うぅ。
「ちなみに私は勝ち上がり組みですから、大丈夫ですよ」
そう言って笑ったジルダの笑顔は物凄く真っ黒けに見えた。
■幕間2
王太子の婚約者となった私には、令嬢の取り巻きがついて回るようになったわ。
もちろんこれは貴族たる所以なので仕方が無いと割り切っているつもりだけど、
「仮にも貴族令嬢なのだから礼節を持って過ごしなさい」
と、ただの烏合の衆となるのだけは許可しなかったわ。
私の方は収まったけど、フェルの方はどうかしら?
あの子はきっとはっきりと言わずに無視するタイプよね~と、自分の婚約者の性格を分析した。無視されているとは言え、自分の婚約者に必要以上に群がられるのは気にいらないわね。
少し散らしてあげようかしら……
「ねぇリアーヌ。貴女、扇を持ってないかしら?」
「えっと、シャルくんあるかな?」
「こちらにございます、お嬢様」
私はリアーヌから扇を借りて、一年の廊下へと向かったのよ。
私の予想通り、一年の令嬢はフェルに群がっていた。婚礼ではなく婚約なのだからまだ付け入る隙があるとでも思っているのだろう。
しかし秩序無く群がるその様は非常にみっともない。
そして一年の令嬢は私にいちべつをくれただけだったわ。
ふぅ、王太子の婚約者の前に私はこの学園で唯一の侯爵令嬢なのだけれど、躾がなってないのかしら?
本当に扇を借りておいて良かったわ……
これで毎日ジルダに逢える。
しかし僕とジルダの年齢差を考えれば、学園で一緒に居られる最初にして最後の一年だ。
だったら毎朝迎えに行って一緒に登校するのも良いな。
あとでジルダに聞いてみよう!
まず学園に入って思った事は……
やっぱり令嬢はウザイだった。
王太子になった僕には婚約者のジルダが居るというのに、婚姻まではまだ巻き返せるかもという、僕から見ればほんの少しもない可能性を信じてやたら寄って来るのだ。
しかしウザイ令嬢は一年生だけで、上級生の令嬢は誰も寄って来ることは無かった。
気になって少し考えてみれば簡単に答えに行きつくことが出来た。
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◆
そんな学園生活の中。
僕がどこへ向かおうとも、僕の後ろには団子状になった令嬢らが、キャイキャイと言いながらついて来ていた。
当然無視しているが終始聞こえてくる甲高い声に当てられて、ゲンナリする僕……
そんな時に前方から、似たような大きさの集団が迫ってくる。
兄貴の集団かと思ってみれば、先頭を歩くのは見間違う事はない銀髪の僕の愛しき人、ジルダだった。
こちらの団子な烏合集団とは違い、あちらはジルダを先頭に、綺麗に二列に並ぶ訓練された集団だった。あの集団はどうやら上級生の令嬢らで構成されているようだ。
ここで彼女が散らしてくれればと期待したのだけど、彼女は特に気にする事もなく、
「あら殿下、大変人気がおありですわね」
と、手に持った扇で口を隠しながら「フフフ」と笑っていた。
その態度に、後ろにいた令嬢らがほくそ笑んだ様に見えたのは気のせいだろうか?
しかし次の瞬間、ジルダは僕の後ろの令嬢らに視線を向けると、
「新入生の皆さんは元気が良くてよいわね。
でもね廊下は歩く場所よ、人の邪魔にならないように節度を持って生活してくださいね」
そして手に持った扇をパチンと閉じて、彼女は歩き去っていった。
翌日になると一年の令嬢らはすっかり大人しくなっていたのだが……
もしかしてこれは恐怖政治なのか?
■
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食堂に入ると、銀髪の僕の未来の嫁が食事を取っているのが目に入った。
僕は食事のプレートを受け取ると、いそいそとジルダの座るテーブルへを向かった。
「一緒にご飯を食べていいかな?」
そういってジルダに声を掛けると、
「はい、構いませんよ」と、いつもの口調で了承してくれた。
彼女の正面の席に居た双子のどちらかが席を譲ってくれたので、僕はありがたく正面に座った。
実は隣がいいなーとか、贅沢は言えないよね。
「ねえジルダ、お願いがあるのだけど?」
「食事中に話すとは、マナーがなっていませんよ」
そう言われて、僕はまずは食事をかき込むように終えることにした。
「それで、お願いとは何でしょうか?」
同じく食事を食べ終えたジルダが紅茶を飲みながらそう聞いてきた。
「明日から一緒にご飯を食べないか?」
顔が少し赤いかもだが、何とか噛まずに言い終えてほっとしていると、
「毎日という意味でしょうか?」
と、ジルダがいつも通りの静かな声で問い掛けてきた。
毎日かって? それは当然でしょ!
「そう、毎日だよ」
愛してくれているなら嬉しいでしょう? と、少々僕はどや顔だったと思う
「お断りいたします」
しかしジルダは、まさかの一瞬さえも考えることなくの即答だった。
「え?」
「お断りいたします、と言いましたが?」
「いや、聞こえたけど……」
うぅ二度も言われたよ。
ここで凹んで引き下がるのは以前までの僕だ。
ジルダと付き合い始めて随分と経った今ではここで諦めるのは間違いだと学んでいる。諦めればきっと、彼女はまた年上の余裕を見せてくるに違いないのだから。
だから僕は条件を付けて、もう一度お願いしてみたんだ。
「じゃ、じゃあさ。一日おきならどうだろうか?」
すると彼女は嬉しそうにしつつ、少し考える素振りを見せた。もちろん傍目に見ると変化の無い表情なのだけど、最近分かるようになったんだ。
どうやら正解だったらしいと、僕は手ごたえを得て心の中で『よし!』と、叫んでいたさ!
ほんの少しの思案、
「では、火・木で良いでしょうか?」
いやいやそれだと二日しかないじゃないか!
「出来れば、月・水・金でお願いしたい、です」
食い下がる僕を見てジルダは嬉しそう微笑んだ。
またまた正解だったようだ。
「はい、わかりましたフェル。月・水・金は私を誘いに来てくださいね」
そして彼女は誰にでも分かるように、にっこりと笑った。
相変わらず彼女の笑顔は破壊力抜群だった。
よしやった!
この時の僕は、初めてジルダの思考が読めた気がして、とても嬉しかった。
しかし彼女は……
「フェル、ところで私からもお願いがあるのですが?」
と逆に問い掛けてきたんだ。
「なにかな?」
何を言われるのかと、すこしだけ緊張しながら言葉を待っていると、
「火・木に食事をお誘いしても良いでしょうか?」
そういって彼女は再びにっこりと笑った。
「は、はい、たいへん良いです」
「では、火・木は私が殿下をお誘いにあがりますね」
そう言ってにこりと笑う彼女に、僕はやっぱり勝てないなと思っていた。
◆幕間
学園の食堂で一人で寂しく食事を取っている兄を見た。
僕とは違って令嬢の取り巻きは一人も居ないみたいだ。
「なあジルダ、兄さんはなんで一人で食事を取っているのだろうか?」
婚約者の居ない王族だ、もっと令嬢が寄ってきそうなものなのだが~と、素直に疑問をぶつけてみたんだ。
するとジルダは、「ふぅ」とため息をつくと、
「マエリスのハーレムに入っていた人達は散々にやらかしていますからね。
いまさら彼らに媚を売るような馬鹿な令嬢は居ませんよ」
兄の置かれた可哀相な現状を知ってしまった僕は何も言葉が出なかった。
しかしジルダの言葉はさらに僕に追い討ちを掛けた。
「ただ困った事に……この国の貴族令嬢は、皆この学園に通っているんですよね。
つまりアントナン殿下と年齢の近い令嬢は、ここに居るだけということになります。もう、ババ抜きのババですよね」
「……」
兄さん……うぅ。
「ちなみに私は勝ち上がり組みですから、大丈夫ですよ」
そう言って笑ったジルダの笑顔は物凄く真っ黒けに見えた。
■幕間2
王太子の婚約者となった私には、令嬢の取り巻きがついて回るようになったわ。
もちろんこれは貴族たる所以なので仕方が無いと割り切っているつもりだけど、
「仮にも貴族令嬢なのだから礼節を持って過ごしなさい」
と、ただの烏合の衆となるのだけは許可しなかったわ。
私の方は収まったけど、フェルの方はどうかしら?
あの子はきっとはっきりと言わずに無視するタイプよね~と、自分の婚約者の性格を分析した。無視されているとは言え、自分の婚約者に必要以上に群がられるのは気にいらないわね。
少し散らしてあげようかしら……
「ねぇリアーヌ。貴女、扇を持ってないかしら?」
「えっと、シャルくんあるかな?」
「こちらにございます、お嬢様」
私はリアーヌから扇を借りて、一年の廊下へと向かったのよ。
私の予想通り、一年の令嬢はフェルに群がっていた。婚礼ではなく婚約なのだからまだ付け入る隙があるとでも思っているのだろう。
しかし秩序無く群がるその様は非常にみっともない。
そして一年の令嬢は私にいちべつをくれただけだったわ。
ふぅ、王太子の婚約者の前に私はこの学園で唯一の侯爵令嬢なのだけれど、躾がなってないのかしら?
本当に扇を借りておいて良かったわ……
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