18 / 56
01:奮闘
17:進展と新たな問題
しおりを挟む
私たちは応接室から執務室へ場所を移していた。
なお私がこの部屋にじっくり入るのは初めてだったりする。
ロッホスが棚から領地管理の資料を取り出してテーブルに並べていき、フィリベルト様がそれらをざっと説明していく感じかしら。
地図を広げて町や村の位置を確認。
大体の人口とその税収など、他には災害や戦争などで被害があった場所の対策状況、さらに住民の上げてきた要望書など。
すべてに目を通すと一日ではとても終わらない量。
お爺様は要点を絞って資料を見ているようだ。私もお爺様からそれらを習ってはいたが、そこまで早く見ることは出来そうにない。
一領地なんて、国を任されていた宰相には小さいのかしらね?
一時間掛からず、お爺様は顔を上げた。
「大体の問題点は分かったぞ」
「問題点ですか?」
「そうじゃな。フィリベルトはこの領地のどこに問題があると思っておる?」
「そもそも治安が悪いことでしょう。
最近は改善しておりますが、まだまだ野盗は多く、住人は不安に思っております」
お爺様は何も言わず、隣にいた私に視線を向けてきた。
どうやら『お前はどうだ?』と問うているらしい。
「私は土地の広さに比べて、人口が圧倒的に少ないことの方が問題だと思っています」
クラハト領は小さいながらに、豊かだから住みたい、移住したいと思う人が多く、人口は多かった。人が多いと税が増えるし、人が多いから荷が回って活気が増す。そして活気があるから人が移住したがると言う循環だ。
「それはここの治安が悪いから住んでいる人が去っていくのだろう」
「いいえ違います。いまの状況は食べ物が無いから去っていくのですわ」
「畑を作っても野盗に荒らされるのでは意味が無い」
「お言葉ですが、割のよい交易商人を狙っている野盗が、果たして実入りの少ない畑を荒らすでしょうか?」
「これ熱くなるでない」
おっと……確かに危なかったわ。
絶妙なタイミングでお爺様が割って入ってくれたみたいね。
「まぁそうじゃな。旦那を立てると言うことでまず治安を改善しようかの」
お茶でも飲むか~と言う様な軽い口調だったせいで、フィリベルト様の顔が一層険しくなった。
そりゃあそうだろう。
野盗を追っても、国境を越えて逃げていくから、こちらはそれ以上手を出せずに困っているのだ。それをなんでもない風に軽く言われればイラッと来るわよね。
「部下のアイデアで兵士を商人に偽装してある程度の実績は上げています。
しかし根絶には至らず、今一歩足りておりません」
「上手く逃げ延びた野盗が国境を超えるからじゃな」
「はい」
「儂は先日、王都に寄った時にこれを貰って来た。
結婚祝いと言うことでお前たちに譲ってやろうぞ」
「これは……」
差し出されたのは御名御璽の入った許可書だった。
『アルッフテル王国とゲプフェルト王国間に住まう賊の処分について
両国は賊の討伐に置いて協定を結ぶこととし、両国の協力により賊の掃討戦を行う
掃討戦の後、賊の討伐時に置いては兵が国境を超えるのを止む無しと判断する』
「凄い……」
「今回の不名誉の代償に宰相のケツをひっぱたいて書かせたわ」
「その不名誉と言うのは?」
「なんじゃ噂を聞いとらんのか。
儂の孫娘のベリーがお主の為に急きょ養子に召し上げた平民の子と言う噂じゃよ」
「ああ、それでしたら聞き及んでおりました。
しかし俺はベアトリクスとクラハト領のお屋敷で会っておりますから、戯言だと一笑していましたよ」
フィリベルト様は噂に惑わされなかったのかと、私は胸をほっと撫で下ろした。
なお視線の端では、先ほどからロッホスが青い顔を見せている。きっとお爺様の圧倒的なパワーに気圧されているのだろう。
どうやら良い薬になったようで何よりね。
これで今後は私の身分を疑う様な発言は減るでしょう。
「この許可証を得るのにあちらから二つほど条件があっての、儂はそれを伝える為に来たんじゃ」
「なんでしょうか?」
「まず近日中に兵を組織して、アルッフテル王国と協力して国境の野盗討伐を行う」
「なんと! それは願ってもない事です!」
「まぁお主はそうじゃろうな。
儂も討伐戦は問題にしておらんが、その交渉はシュリンゲンジーフ伯爵よ、そなたがやることになっておる」
「えっ俺がですか」
「ああ宰相が面倒がってな、現場責任者に任すそうじゃ。
お主は根っからの軍人ゆえ、交渉事は苦手だろうが、こればっかりは領主のお主にやって貰うしかない」
「……分かりました」
出来ればフォローしたいけれど、女の私が軍に関わることに口を出すことは出来ないからやはりフィリベルト様に頑張って貰うしかなさそうだ。
「もう一つは、それぞれの資金で、シュリンゲンジーフ領中央部及び西部に街道を引くことじゃな。そして街道ができた暁には、アルッフテル王国と関税を低くして交易することが条件となっておる」
「それは良い。
両国の交易が栄えれば領地が潤いますね」
「いいえ、関税が安いと言うことは領地に入る税が減りますから手放しに良い事とは言えませんわ。それに今のこの領地に、アルッフテル王国まで二本の街道を引く力はございません。
お爺様、国からの援助は?」
「うむベリーが正解じゃ」
「そ、そうですか……」
「国からは『領地に関わる事ゆえに、アデナウアー子爵領から補てんされる資金で賄うように』と打診されておるのぉ」
「そうですか。
お爺様、工事の期日は如何ほどでしょう?」
「通算で三年。ただし最初の一本は二年以内じゃ」
「厳しいですね」
アデナウアー子爵領から補てんされる資金は五年間ある。それが今すぐに全額手に入るならば容易いが、期限までにはその半分の年数しか収入が見込めない。
「うむ、まずは資金繰りからじゃろうな」
お爺様は本当にこの領地に住むらしく、城の適当な空き部屋をフィリベルト様から貰っていた。だがしばしの間は引き継ぎの為にクラハト領との行き来が必要らしく、本格的に住むのはもう少し後らしい。
私にとってはとても頼もしい援軍であるけど……
せめて荷物くらいは先に送って欲しかったわ。
今日着る服さえも持ってきていないとか、本当に元侯爵なのかと頭を疑う。
背丈が近そうな兵士から平民の服を借りたお爺様。
「おおこの服は着易くていいな、今度からこういうのを頼むかのぉ」
「止めてください、仮にも侯爵だったお方が着る服ではございません」
「うん? 見栄えなんてどうでも良かろう。
問題は中身じゃと、ペーリヒ領のお屋敷で言っておったのはベリーではないか」
「そ、それは……」
きっと父に今回の縁談を持ち掛けた時の話に違いない。
私がフィリベルト様と婚姻を結びたいと言ったら、父は、「あの熊の様な男と結婚するなど正気か?」と猛反対した。
その時に、「人は見た目ではございませんわ。それに彼はとても優しいお方です!」と食って掛かったのだ。
確かに言ったけど、この場合はそうじゃない!
しかしお爺様が私の言葉を素直に聞いて下さるはずはなく、それどころか、
「ああ~あの時、ベリーに味方したのは儂だけじゃったが……
そうかベリーはこの服装は反対か。残念じゃのぉ」
「うっ……」
確かにお爺様が助力してくれなかったら婚姻の許可は下りなかったと思うけども!!
「どうやら奥様の負けでございますね」
「ううぅ~。分かりました!
どうぞご自由になさってください!!」
結局いつもの通りエーディトに慰められて終わった……
なお私がこの部屋にじっくり入るのは初めてだったりする。
ロッホスが棚から領地管理の資料を取り出してテーブルに並べていき、フィリベルト様がそれらをざっと説明していく感じかしら。
地図を広げて町や村の位置を確認。
大体の人口とその税収など、他には災害や戦争などで被害があった場所の対策状況、さらに住民の上げてきた要望書など。
すべてに目を通すと一日ではとても終わらない量。
お爺様は要点を絞って資料を見ているようだ。私もお爺様からそれらを習ってはいたが、そこまで早く見ることは出来そうにない。
一領地なんて、国を任されていた宰相には小さいのかしらね?
一時間掛からず、お爺様は顔を上げた。
「大体の問題点は分かったぞ」
「問題点ですか?」
「そうじゃな。フィリベルトはこの領地のどこに問題があると思っておる?」
「そもそも治安が悪いことでしょう。
最近は改善しておりますが、まだまだ野盗は多く、住人は不安に思っております」
お爺様は何も言わず、隣にいた私に視線を向けてきた。
どうやら『お前はどうだ?』と問うているらしい。
「私は土地の広さに比べて、人口が圧倒的に少ないことの方が問題だと思っています」
クラハト領は小さいながらに、豊かだから住みたい、移住したいと思う人が多く、人口は多かった。人が多いと税が増えるし、人が多いから荷が回って活気が増す。そして活気があるから人が移住したがると言う循環だ。
「それはここの治安が悪いから住んでいる人が去っていくのだろう」
「いいえ違います。いまの状況は食べ物が無いから去っていくのですわ」
「畑を作っても野盗に荒らされるのでは意味が無い」
「お言葉ですが、割のよい交易商人を狙っている野盗が、果たして実入りの少ない畑を荒らすでしょうか?」
「これ熱くなるでない」
おっと……確かに危なかったわ。
絶妙なタイミングでお爺様が割って入ってくれたみたいね。
「まぁそうじゃな。旦那を立てると言うことでまず治安を改善しようかの」
お茶でも飲むか~と言う様な軽い口調だったせいで、フィリベルト様の顔が一層険しくなった。
そりゃあそうだろう。
野盗を追っても、国境を越えて逃げていくから、こちらはそれ以上手を出せずに困っているのだ。それをなんでもない風に軽く言われればイラッと来るわよね。
「部下のアイデアで兵士を商人に偽装してある程度の実績は上げています。
しかし根絶には至らず、今一歩足りておりません」
「上手く逃げ延びた野盗が国境を超えるからじゃな」
「はい」
「儂は先日、王都に寄った時にこれを貰って来た。
結婚祝いと言うことでお前たちに譲ってやろうぞ」
「これは……」
差し出されたのは御名御璽の入った許可書だった。
『アルッフテル王国とゲプフェルト王国間に住まう賊の処分について
両国は賊の討伐に置いて協定を結ぶこととし、両国の協力により賊の掃討戦を行う
掃討戦の後、賊の討伐時に置いては兵が国境を超えるのを止む無しと判断する』
「凄い……」
「今回の不名誉の代償に宰相のケツをひっぱたいて書かせたわ」
「その不名誉と言うのは?」
「なんじゃ噂を聞いとらんのか。
儂の孫娘のベリーがお主の為に急きょ養子に召し上げた平民の子と言う噂じゃよ」
「ああ、それでしたら聞き及んでおりました。
しかし俺はベアトリクスとクラハト領のお屋敷で会っておりますから、戯言だと一笑していましたよ」
フィリベルト様は噂に惑わされなかったのかと、私は胸をほっと撫で下ろした。
なお視線の端では、先ほどからロッホスが青い顔を見せている。きっとお爺様の圧倒的なパワーに気圧されているのだろう。
どうやら良い薬になったようで何よりね。
これで今後は私の身分を疑う様な発言は減るでしょう。
「この許可証を得るのにあちらから二つほど条件があっての、儂はそれを伝える為に来たんじゃ」
「なんでしょうか?」
「まず近日中に兵を組織して、アルッフテル王国と協力して国境の野盗討伐を行う」
「なんと! それは願ってもない事です!」
「まぁお主はそうじゃろうな。
儂も討伐戦は問題にしておらんが、その交渉はシュリンゲンジーフ伯爵よ、そなたがやることになっておる」
「えっ俺がですか」
「ああ宰相が面倒がってな、現場責任者に任すそうじゃ。
お主は根っからの軍人ゆえ、交渉事は苦手だろうが、こればっかりは領主のお主にやって貰うしかない」
「……分かりました」
出来ればフォローしたいけれど、女の私が軍に関わることに口を出すことは出来ないからやはりフィリベルト様に頑張って貰うしかなさそうだ。
「もう一つは、それぞれの資金で、シュリンゲンジーフ領中央部及び西部に街道を引くことじゃな。そして街道ができた暁には、アルッフテル王国と関税を低くして交易することが条件となっておる」
「それは良い。
両国の交易が栄えれば領地が潤いますね」
「いいえ、関税が安いと言うことは領地に入る税が減りますから手放しに良い事とは言えませんわ。それに今のこの領地に、アルッフテル王国まで二本の街道を引く力はございません。
お爺様、国からの援助は?」
「うむベリーが正解じゃ」
「そ、そうですか……」
「国からは『領地に関わる事ゆえに、アデナウアー子爵領から補てんされる資金で賄うように』と打診されておるのぉ」
「そうですか。
お爺様、工事の期日は如何ほどでしょう?」
「通算で三年。ただし最初の一本は二年以内じゃ」
「厳しいですね」
アデナウアー子爵領から補てんされる資金は五年間ある。それが今すぐに全額手に入るならば容易いが、期限までにはその半分の年数しか収入が見込めない。
「うむ、まずは資金繰りからじゃろうな」
お爺様は本当にこの領地に住むらしく、城の適当な空き部屋をフィリベルト様から貰っていた。だがしばしの間は引き継ぎの為にクラハト領との行き来が必要らしく、本格的に住むのはもう少し後らしい。
私にとってはとても頼もしい援軍であるけど……
せめて荷物くらいは先に送って欲しかったわ。
今日着る服さえも持ってきていないとか、本当に元侯爵なのかと頭を疑う。
背丈が近そうな兵士から平民の服を借りたお爺様。
「おおこの服は着易くていいな、今度からこういうのを頼むかのぉ」
「止めてください、仮にも侯爵だったお方が着る服ではございません」
「うん? 見栄えなんてどうでも良かろう。
問題は中身じゃと、ペーリヒ領のお屋敷で言っておったのはベリーではないか」
「そ、それは……」
きっと父に今回の縁談を持ち掛けた時の話に違いない。
私がフィリベルト様と婚姻を結びたいと言ったら、父は、「あの熊の様な男と結婚するなど正気か?」と猛反対した。
その時に、「人は見た目ではございませんわ。それに彼はとても優しいお方です!」と食って掛かったのだ。
確かに言ったけど、この場合はそうじゃない!
しかしお爺様が私の言葉を素直に聞いて下さるはずはなく、それどころか、
「ああ~あの時、ベリーに味方したのは儂だけじゃったが……
そうかベリーはこの服装は反対か。残念じゃのぉ」
「うっ……」
確かにお爺様が助力してくれなかったら婚姻の許可は下りなかったと思うけども!!
「どうやら奥様の負けでございますね」
「ううぅ~。分かりました!
どうぞご自由になさってください!!」
結局いつもの通りエーディトに慰められて終わった……
18
あなたにおすすめの小説
祓い師レイラの日常 〜それはちょっとヤなもんで〜
本見りん
恋愛
「ヤ。それはちょっと困りますね……。お断りします」
呪いが人々の身近にあるこの世界。
小さな街で呪いを解く『祓い師』の仕事をしているレイラは、今日もコレが日常なのである。嫌な依頼はザックリと断る。……もしくは2倍3倍の料金で。
まだ15歳の彼女はこの街一番と呼ばれる『祓い師』。腕は確かなのでこれでも依頼が途切れる事はなかった。
そんなレイラの元に彼女が住む王国の王家からだと言う貴族が依頼に訪れた。貴族相手にもレイラは通常運転でお断りを入れたのだが……。
【完結】夫が私に魅了魔法をかけていたらしい
綺咲 潔
恋愛
公爵令嬢のエリーゼと公爵のラディリアスは2年前に結婚して以降、まるで絵に描いたように幸せな結婚生活を送っている。
そのはずなのだが……最近、何だかラディリアスの様子がおかしい。
気になったエリーゼがその原因を探ってみると、そこには女の影が――?
そんな折、エリーゼはラディリアスに呼び出され、思いもよらぬ告白をされる。
「君が僕を好いてくれているのは、魅了魔法の効果だ。つまり……本当の君は僕のことを好きじゃない」
私が夫を愛するこの気持ちは偽り?
それとも……。
*全17話で完結予定。
悪夢から逃れたら前世の夫がおかしい
はなまる
恋愛
ミモザは結婚している。だが夫のライオスには愛人がいてミモザは見向きもされない。それなのに義理母は跡取りを待ち望んでいる。だが息子のライオスはミモザと初夜の一度っきり相手をして後は一切接触して来ない。
義理母はどうにかして跡取りをと考えとんでもないことを思いつく。
それは自分の夫クリスト。ミモザに取ったら義理父を受け入れさせることだった。
こんなの悪夢としか思えない。そんな状況で階段から落ちそうになって前世を思い出す。その時助けてくれた男が前世の夫セルカークだったなんて…
セルカークもとんでもない夫だった。ミモザはとうとうこんな悪夢に立ち向かうことにする。
短編スタートでしたが、思ったより文字数が増えそうです。もうしばらくお付き合い痛手蹴るとすごくうれしいです。最後目でよろしくお願いします。
2度目の結婚は貴方と
朧霧
恋愛
前世では冷たい夫と結婚してしまい子供を幸せにしたい一心で結婚生活を耐えていた私。気がついたときには異世界で「リオナ」という女性に生まれ変わっていた。6歳で記憶が蘇り悲惨な結婚生活を思い出すと今世では結婚願望すらなくなってしまうが騎士団長のレオナードに出会うことで運命が変わっていく。過去のトラウマを乗り越えて無事にリオナは前世から数えて2度目の結婚をすることになるのか?
魔法、魔術、妖精など全くありません。基本的に日常感溢れるほのぼの系作品になります。
重複投稿作品です。(小説家になろう)
【完結】地味な私と公爵様
ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。
端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。
そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。
...正直私も信じていません。
ラエル様が、私を溺愛しているなんて。
きっと、きっと、夢に違いありません。
お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
【完結】余命一カ月の魔法使いは我儘に生きる
大森 樹
恋愛
【本編完結、番外編追加しています】
大魔法使いエルヴィは、最大の敵である魔女を倒した。
「お前は死の恐怖に怯えながら、この一カ月無様に生きるといい」
死に際に魔女から呪いをかけられたエルヴィは、自分の余命が一カ月しかないことを知る。
国王陛下から命を賭して魔女討伐をした褒美に『どんな我儘でも叶える』と言われたが……エルヴィのお願いはとんでもないことだった!?
「ユリウス・ラハティ様と恋人になりたいです!」
エルヴィは二十歳近く年上の騎士団長ユリウスにまさかの公開告白をしたが、彼は亡き妻を想い独身を貫いていた。しかし、王命により二人は強制的に一緒に暮らすことになって……
常識が通じない真っ直ぐな魔法使いエルヴィ×常識的で大人な騎士団長のユリウスの期間限定(?)のラブストーリーです。
※どんな形であれハッピーエンドになります。
愛する人は、貴方だけ
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
下町で暮らすケイトは母と二人暮らし。ところが母は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。亡くなる直前に母はケイトの父親がアークライト公爵だと告白した。
天涯孤独になったケイトの元にアークライト公爵家から使者がやって来て、ケイトは公爵家に引き取られた。
公爵家には三歳年上のブライアンがいた。跡継ぎがいないため遠縁から引き取られたというブライアン。彼はケイトに冷たい態度を取る。
平民上がりゆえに令嬢たちからは無視されているがケイトは気にしない。最初は冷たかったブライアン、第二王子アーサー、公爵令嬢ミレーヌ、幼馴染カイルとの交友を深めていく。
やがて戦争の足音が聞こえ、若者の青春を奪っていく。ケイトも無関係ではいられなかった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる