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03:領地
07:三日町長
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教会から戻って私はズーザンの案をヘルムスに伝えた。
彼は特に悩む事も無く「いいですよ」と快諾した。
「じゃあ貴方の仕事は、留守中に私が代りにやっておくから教えて頂戴な」
「いいえそれには及びません」
「あら私では不安かしら?」
「そのようなことは決して」
「ならどうして?」
「奥様が良くとも、ヴェンデル様に知れればわたしが叱られます」
お爺様の名前が出されれば私の負け。伝わればきっと『たかが三日の仕事で人の手を借りるなどお前は無能か!』と叱責を受けるに違いないわね。
「……私が悪かったわ。無理を言ってごめんなさい」
「いいえ構いませんとも。むしろ久しぶりにお嬢様の我が儘を聞けて嬉しかったですよ」
流石はお爺様の元配下だ、このくらいの無茶など大したことないと笑った。
「そういって貰えると助かるけど、お嬢様呼ばわりは赤面ものだからやめてよ」
「まさかあのお嬢様がお嫁に行かれるとは、感慨深いものですね」
「ちょっとぉヘルムス!?」
「失礼しました奥様。明日の朝に発てるように準備いたします」
「ええお願いします」
お爺様同様、引き際だけは見事よね。
そして翌朝ヘルムスは山の視察に旅立っていった。
朝食を終えてほんの三〇分、すぐに使用人がやってきた。
「失礼します。
シュリンゲンジーフ伯爵夫人、おくつろぎところ申し訳ございません」
「どうかした?」
「町長に面会希望で、商人の代表がいらしております。如何いたしますか?」
「会うわ、応接室にお通しして」
実務仕事は無くともいまは私が町長代理。苦情を聞くのも町長の大切な役目だ。疎かにしてはいけない。
私が応接室に入ると、商人の代表は目を見開いて驚いた。
口元に豊かな髭を蓄えた中年男性で、身に纏う服は一目見て上等、さらに手の指にはいくつもの指輪が光っている。代表を任されるほど金のある商人だ。
何とも分かりやすい風体よね。
「わたしは代表のコルネリウスです。失礼ですが貴女様はシュリンゲンジーフ伯爵夫人とお見受けいたします。わたしは町長を呼んで頂けるようにお願いしたのですが?」
「今日から三日間、私が町長代理です」
「そ、そうですか……」
「それで何か相談があると聞いていますがなんでしょう?」
「えっと……」
「緊張しなくて良いわ。そうだ、ディートお茶を淹れて差し上げて頂戴」
「畏まりました奥様」
お茶が入りコルネリウスの前におかれる。すると彼はいよいよ困ったと表情を歪ませる。
私がお茶に手を付けて、ただし彼は手を付けないが、カップを戻すと、彼は意を決したように口を開いた。
「そのぉ大変申し上げ難いのですが……」
「どうぞ」
「道に住人が殺到しておりまして、市場に荷を入れる馬車が通れません」
「分かりました、衛兵に言って道を開けるように伝えます。それはどこの道かしら?」
「そこです」
「そこ?」
「ええこの建物の真ん前でございます」
コルネリウスは「失礼します」と言って立ち上がると、応接室の窓際まで歩いて行った。そしてその下を指しながらそう言ったのだ。
言われて窓に寄るとこの建物の前には確かに住民が溢れんばかりに道に沸き、通りをすっかり閉ざしていた。
この建物は最初にあった三軒のうちの一つだ。ここを中心に町を広げたので、ここは中心部のもっとも大きな通りの真ん前。それを住人がすっかり塞いでいるから商人らが困るのは当たり前だろう。
「どうしてこんなに人が集まってるのかしら、もしかしてお祭り?」
「失礼ながら申し訳あげます。住人はシュリンゲンジーフ伯爵夫人を一目見たくて集まったようです」
「ええっ私を!?」
だが住人らは先日私の馬車を取り囲み迷惑をかけたからと自重したはずだ。
それを問えば、昨日教会に足を運んだと言う噂が流れて、一目見るくらいは~とひとり来て、ふたり来てと数を増していき、ついにはアレになったとか。
そこまで聞けば先ほどの彼が表情を曇らせていた理由にも気付く。本人を目の前にして、『あんたの所為で道が混んでるんだよ』なんて言い難いに決まってる。
私はすぐに退かせますと約束してコルネリウスには帰って貰った。
とは言ったものの……
「私を慕って来てくれた住人を衛兵で追い立てるのはどうかと思うわね」
「そうですね」
「窓辺から手を振るってのはどうかしら?」
「それは止めた方が良いかと思います。それを聞いた住人が自分もと言って、さらに集まり始めるでしょう。ついでに言えば一度そういうのをすると、ずっと手を振り続ける羽目になりますよ」
「それは嫌だなぁ」
「一つ案がございます」
「何かしら?」
その日の午後。町の大通りには沢山の住人が集まっていた。そこは町長が使う公用の建物からまっすぐ南へ向けた道だ。
昼の鐘が二つなった所で建物の門が開き、中から護衛を連れた馬車が表れて通りをゆっくりと歩きはじめた。馬車は開け広げで、天井はあるがドアは無い。その馬車の中で、一人笑顔を見せて手を振るのが私。エーディトの出した案がまさにこれで、時間を決めてパレードを行うことだった。
なお衛兵より事前に、
『これ以外の時間は、シュリンゲンジーフ伯爵夫人は公務を行っておられる。
君たちがご夫人に恩義を感じるのであれば、今後は公務の妨げになるような行いは慎むように!』
と知らしめられている。
これできっと今後は落ち着くだろうという予想、いや願望ね。
いつもの馬車が通りに入ると、左右から一際大きな歓声が上がった。私は笑顔をことさらに張り付けて手を振った。
手を振りながら思い出したのは以前に聞いた他愛もない話だ。戦が終わって戻った時、王都を凱旋したとこがあるとフィリベルト様から聞いたことがあった。
『できればやりたくないのだがな』
そう言って苦笑交じりに困り顔を見せたしていたフィリベルト様。
『何を仰いますか、平民が英雄の姿が見れるまたとない機会なのですよ!』
そう力説していたのは誰だったか。
いや私だけど……
時が許すのならば、今すぐに過去に戻ってその時の自分を諭したい!
なんせこんな小さな町でもコレだ、フィリベルト様が凱旋した王都ではさぞかしアレに違いないわ。
さてパレードが終わった後、商人を代表して再びコルネリウスがやってきた。
まだ何か不満があるのかと思ったのは束の間の事で、彼は満面の笑みを湛えて、私にお礼を言ってきた。
「シュリンゲンジーフ伯爵夫人のお陰で随分儲かりましたよ」と。
どうやら先ほどのパレードで、かなりの数の露店を出して相当儲けたらしい。
流石は目端の利く商人、ちゃっかりしてる。まぁ町の発展に商人は欠かせないことだし、役に立ったのならば何よりね。
それよりも町長になって、最初に仕事が自分の後始末って笑えないわ……
彼は特に悩む事も無く「いいですよ」と快諾した。
「じゃあ貴方の仕事は、留守中に私が代りにやっておくから教えて頂戴な」
「いいえそれには及びません」
「あら私では不安かしら?」
「そのようなことは決して」
「ならどうして?」
「奥様が良くとも、ヴェンデル様に知れればわたしが叱られます」
お爺様の名前が出されれば私の負け。伝わればきっと『たかが三日の仕事で人の手を借りるなどお前は無能か!』と叱責を受けるに違いないわね。
「……私が悪かったわ。無理を言ってごめんなさい」
「いいえ構いませんとも。むしろ久しぶりにお嬢様の我が儘を聞けて嬉しかったですよ」
流石はお爺様の元配下だ、このくらいの無茶など大したことないと笑った。
「そういって貰えると助かるけど、お嬢様呼ばわりは赤面ものだからやめてよ」
「まさかあのお嬢様がお嫁に行かれるとは、感慨深いものですね」
「ちょっとぉヘルムス!?」
「失礼しました奥様。明日の朝に発てるように準備いたします」
「ええお願いします」
お爺様同様、引き際だけは見事よね。
そして翌朝ヘルムスは山の視察に旅立っていった。
朝食を終えてほんの三〇分、すぐに使用人がやってきた。
「失礼します。
シュリンゲンジーフ伯爵夫人、おくつろぎところ申し訳ございません」
「どうかした?」
「町長に面会希望で、商人の代表がいらしております。如何いたしますか?」
「会うわ、応接室にお通しして」
実務仕事は無くともいまは私が町長代理。苦情を聞くのも町長の大切な役目だ。疎かにしてはいけない。
私が応接室に入ると、商人の代表は目を見開いて驚いた。
口元に豊かな髭を蓄えた中年男性で、身に纏う服は一目見て上等、さらに手の指にはいくつもの指輪が光っている。代表を任されるほど金のある商人だ。
何とも分かりやすい風体よね。
「わたしは代表のコルネリウスです。失礼ですが貴女様はシュリンゲンジーフ伯爵夫人とお見受けいたします。わたしは町長を呼んで頂けるようにお願いしたのですが?」
「今日から三日間、私が町長代理です」
「そ、そうですか……」
「それで何か相談があると聞いていますがなんでしょう?」
「えっと……」
「緊張しなくて良いわ。そうだ、ディートお茶を淹れて差し上げて頂戴」
「畏まりました奥様」
お茶が入りコルネリウスの前におかれる。すると彼はいよいよ困ったと表情を歪ませる。
私がお茶に手を付けて、ただし彼は手を付けないが、カップを戻すと、彼は意を決したように口を開いた。
「そのぉ大変申し上げ難いのですが……」
「どうぞ」
「道に住人が殺到しておりまして、市場に荷を入れる馬車が通れません」
「分かりました、衛兵に言って道を開けるように伝えます。それはどこの道かしら?」
「そこです」
「そこ?」
「ええこの建物の真ん前でございます」
コルネリウスは「失礼します」と言って立ち上がると、応接室の窓際まで歩いて行った。そしてその下を指しながらそう言ったのだ。
言われて窓に寄るとこの建物の前には確かに住民が溢れんばかりに道に沸き、通りをすっかり閉ざしていた。
この建物は最初にあった三軒のうちの一つだ。ここを中心に町を広げたので、ここは中心部のもっとも大きな通りの真ん前。それを住人がすっかり塞いでいるから商人らが困るのは当たり前だろう。
「どうしてこんなに人が集まってるのかしら、もしかしてお祭り?」
「失礼ながら申し訳あげます。住人はシュリンゲンジーフ伯爵夫人を一目見たくて集まったようです」
「ええっ私を!?」
だが住人らは先日私の馬車を取り囲み迷惑をかけたからと自重したはずだ。
それを問えば、昨日教会に足を運んだと言う噂が流れて、一目見るくらいは~とひとり来て、ふたり来てと数を増していき、ついにはアレになったとか。
そこまで聞けば先ほどの彼が表情を曇らせていた理由にも気付く。本人を目の前にして、『あんたの所為で道が混んでるんだよ』なんて言い難いに決まってる。
私はすぐに退かせますと約束してコルネリウスには帰って貰った。
とは言ったものの……
「私を慕って来てくれた住人を衛兵で追い立てるのはどうかと思うわね」
「そうですね」
「窓辺から手を振るってのはどうかしら?」
「それは止めた方が良いかと思います。それを聞いた住人が自分もと言って、さらに集まり始めるでしょう。ついでに言えば一度そういうのをすると、ずっと手を振り続ける羽目になりますよ」
「それは嫌だなぁ」
「一つ案がございます」
「何かしら?」
その日の午後。町の大通りには沢山の住人が集まっていた。そこは町長が使う公用の建物からまっすぐ南へ向けた道だ。
昼の鐘が二つなった所で建物の門が開き、中から護衛を連れた馬車が表れて通りをゆっくりと歩きはじめた。馬車は開け広げで、天井はあるがドアは無い。その馬車の中で、一人笑顔を見せて手を振るのが私。エーディトの出した案がまさにこれで、時間を決めてパレードを行うことだった。
なお衛兵より事前に、
『これ以外の時間は、シュリンゲンジーフ伯爵夫人は公務を行っておられる。
君たちがご夫人に恩義を感じるのであれば、今後は公務の妨げになるような行いは慎むように!』
と知らしめられている。
これできっと今後は落ち着くだろうという予想、いや願望ね。
いつもの馬車が通りに入ると、左右から一際大きな歓声が上がった。私は笑顔をことさらに張り付けて手を振った。
手を振りながら思い出したのは以前に聞いた他愛もない話だ。戦が終わって戻った時、王都を凱旋したとこがあるとフィリベルト様から聞いたことがあった。
『できればやりたくないのだがな』
そう言って苦笑交じりに困り顔を見せたしていたフィリベルト様。
『何を仰いますか、平民が英雄の姿が見れるまたとない機会なのですよ!』
そう力説していたのは誰だったか。
いや私だけど……
時が許すのならば、今すぐに過去に戻ってその時の自分を諭したい!
なんせこんな小さな町でもコレだ、フィリベルト様が凱旋した王都ではさぞかしアレに違いないわ。
さてパレードが終わった後、商人を代表して再びコルネリウスがやってきた。
まだ何か不満があるのかと思ったのは束の間の事で、彼は満面の笑みを湛えて、私にお礼を言ってきた。
「シュリンゲンジーフ伯爵夫人のお陰で随分儲かりましたよ」と。
どうやら先ほどのパレードで、かなりの数の露店を出して相当儲けたらしい。
流石は目端の利く商人、ちゃっかりしてる。まぁ町の発展に商人は欠かせないことだし、役に立ったのならば何よりね。
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