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03:領地
12:懐妊
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ハーラルトらが西に向かって、数日とおかずに新たな来客がやってきた。
「やっほ来たわよー」
「ヴァルラお姉さま……、私は忙しいのですけど」
「ベリーったらせっかくお祝いに来たのに酷いわ」
よよよとこれ見よがしに私に寄り掛かるヴァルラお姉さま。旦那のヴュルツナー侯爵は連れておらず、子供三人と一緒に先にやって来たという。
「嘘泣きは止めてください。そもそも結婚式はまだ半月以上先ですよ? いまここにきてどうするんですか」
「ずっと泊まっていくつもりだけど~」
「ですから忙しいのですってば~ぁ」
いまから領地に戻れば結婚式に間に合う訳ないのが理解できるから、泣きそうになりながら叫ぶしかなかった。
折角来ていただいたのだからお茶の一杯くらいは付き合うべきかと、後ろ髪引かれつつ執務室を出てテラスに移動した。なお子供たちは、でかい城を見てテンションが上がったらしく、「探検だ~」と言って走って行ったらしい。
う~んあとで迷子の捜索隊が必要かもしれないわね。
「ふふふっそれよりも、あれからどうなの?」
「あれと言うと手紙に書いた件でしょうか」
「ええそうよ」
最後に書いた手紙には確か、二ヶ月ほど〝月のもの〟がないという話だった。いまも来ていないので、どうやら間違いなさそうだが、つわりが無いので判断に苦しむ。
「そうですね。経験者のヴァルラお姉さまに質問です。そろそろ産婆を雇わないと不味いでしょうか?」
「ちょっとまだ雇っていないの!? 何してんのよ、あたしが叱ってあげるからちょっとフィー呼びなさいよ」
「フィリベルト様にはまだお伝えしていませんけど?」
「何で?」
「いろいろと恥ずかしいというか……」
「まさか今も夜の生活をしているとか言わないわよね?」
彼女はテーブルにバン! と手をつくと、その長身を生かして身を乗り出した。そのままテーブルに乗り上げそうなほどの勢いに驚いて私は精一杯に身を退いた。
「ちょ……ヴァルラお姉さま、顔が近いです。ついでに怖いです」
「あっきれた!! 今すぐフィーを呼びなさい!
あとそこのあんたは産婆の手配よ!」
ヴァルラお姉さまの恐ろしい剣幕に圧されて、エーディトが部屋を走り出て行った。
ひたすら怖い。
そりゃあフィリベルト様が逆らえないのも頷けるわ……
私の隣に新たな席が設けられ、そこには困惑顔のフィリベルト様が座っていた。
なお私たちの前には怒り心頭のヴァルラお姉さまがいらっしゃる。怒れる姉が相当苦手なのか、フィリベルト様は大きな体を丸めて俯き加減だ。
でもそれあんまり効果ないですよ。
テーブルに手がバン! と打ち付けられて、その音に驚きビクッと体を震わせた。
「ねえフィー、ベリーの様子を見てどう思う?」
「済まない、仕事のし過ぎだろうか。最近痩せたな」
「あんたねぇ! ベリーが妊娠しているかもしれないってのに痩せるほど働かせてんの!?」
「ヴァルラお姉さま、ちょっと落ち着いてください」
「おいベリーそれは本当か?」
「いえまだ確定では、ですが〝月のもの〟は二ヶ月ほど来ておりません」
「そうか、すぐに医者を呼ばないとな」
「産婆でしたら先ほどエーディトが手配しに行きましたわ」
「あっきれたほんとに何も聞いていなかったのね」
「済みません……」
「兆候があったらすぐに言わないと取り返しにつかないことになるわよ」
「姉上それはどういう事だろう?」
「安定するまで夜の生活は禁止。これは常識よ」
「そ、そうなんですか?」
「ほぉ……」
「あんたらねぇ!
まったくベリーはいろんなこと知っている癖に女としては〇点ね」
「えぇぇ……」
〇点って……、うわぁかなりショックだわ。
三〇分ほども掛からずに産婆が城にやってきた。
これは私の想像よりもかなり早い。
そもそも私のような貴人相手だと、身分が確かな者でないとおいそれと任せる訳にもいかないから、それを確認するだけでもかなりの時間が必要だ。
それがこれほど早いとなると、誰かが事前に手配していたことになる。
産婆を呼びに行ったエーディトにそれを聞けば、執事のエルマーが私たちを見てそろそろ必要だろうと準備していたらしい。
流石はベテラン執事、流石としか言いようがないわ。
私は自室で産婆から診断を受けた。
まず〝月のもの〟の話は当然として、食欲に食べ物の好みなどを確認される。さらにお腹に手を当てたり体温を測ったり、正直何をやっているか分からない。
しかし、
「妊娠の兆候が見えますね。時期を考えるにそうですね、あと二月ほど経てばお腹が膨らみ始めると思いますよ」
「おめでとうございます奥様!」
「うんありがとう」
「あらどうしたのベリー、なんだかテンションが低いわよ」
「何となく察していましたし、今さら驚くことじゃないかなと」
「察していたというなら、もっと早くに注意なさい!!」
私の発言は完全に失言だったようで、ヴァルラお姉さまからとても長いお小言を頂いた。
ヴァルラお姉さまはフィリベルト様に結果を伝えるために退席した。
代わって、妊娠中の注意事項を聞くために、城に仕える主要な使用人らが部屋に集められていた。
「まず妊娠中の飲酒はお控えください。これは食前酒も同様です」
「あら食前酒も駄目なの」
ええと頷かれ、
「健康な赤ちゃんを産むためには必要なことは十分な睡眠です。
しかし眠ってばかりでは不健康です。室内を歩くだけでも構いませんので毎日適度な運動をなさってください。
それから子供の為にと、無理に食べる量を増やす必要はございません。いままで通りの適度な量で、バランスの良い食事を心がけてください」
それを聞いた使用人の半分くらいが気まずそうに眉を顰めた。
ここ最近の私の生活を思えば、その反応も理解できる。
夜遅くまで仕事をし睡眠時間はやや少なめ、食事の時間を惜しみ食堂にも行かず手軽に取れるバランスの悪い軽食ばかり。おまけに食べる時間は気が向いたときで抜くことまである。
「えーと……」
「何か問題がございましたか?」
「実は仕事が溜まっていまして……」
寝る間を惜しんででも仕事を進めたいのだけど~と言葉を濁して伝えてみた。
「過度なストレスもお腹の子に悪影響を与えます! 仕事など当然禁止です!」
「えーそれは困るわ……」
「分かりました婆が話します、済みませんがどなたか領主様をこちらにお呼び頂けますか?」
その声に真っ先に反応したのはエーディトだった。
「待ってディート! 呼んでは駄目よ!」
「いいえお断りいたします。この件に関してはわたしも同意見ですわ」
裏切り者~と私はその背を力なく見送った。
フィリベルト様とヴァルラお姉さまがやってきて、産婆から先ほどの話が伝わった。
聞いている間に、ヴァルラお姉さまの眉がみるみるうちに吊り上り、徐々に怒りの形相へと変わっていく。
ええお小言の時間がまた始まりましたとも……
「やっほ来たわよー」
「ヴァルラお姉さま……、私は忙しいのですけど」
「ベリーったらせっかくお祝いに来たのに酷いわ」
よよよとこれ見よがしに私に寄り掛かるヴァルラお姉さま。旦那のヴュルツナー侯爵は連れておらず、子供三人と一緒に先にやって来たという。
「嘘泣きは止めてください。そもそも結婚式はまだ半月以上先ですよ? いまここにきてどうするんですか」
「ずっと泊まっていくつもりだけど~」
「ですから忙しいのですってば~ぁ」
いまから領地に戻れば結婚式に間に合う訳ないのが理解できるから、泣きそうになりながら叫ぶしかなかった。
折角来ていただいたのだからお茶の一杯くらいは付き合うべきかと、後ろ髪引かれつつ執務室を出てテラスに移動した。なお子供たちは、でかい城を見てテンションが上がったらしく、「探検だ~」と言って走って行ったらしい。
う~んあとで迷子の捜索隊が必要かもしれないわね。
「ふふふっそれよりも、あれからどうなの?」
「あれと言うと手紙に書いた件でしょうか」
「ええそうよ」
最後に書いた手紙には確か、二ヶ月ほど〝月のもの〟がないという話だった。いまも来ていないので、どうやら間違いなさそうだが、つわりが無いので判断に苦しむ。
「そうですね。経験者のヴァルラお姉さまに質問です。そろそろ産婆を雇わないと不味いでしょうか?」
「ちょっとまだ雇っていないの!? 何してんのよ、あたしが叱ってあげるからちょっとフィー呼びなさいよ」
「フィリベルト様にはまだお伝えしていませんけど?」
「何で?」
「いろいろと恥ずかしいというか……」
「まさか今も夜の生活をしているとか言わないわよね?」
彼女はテーブルにバン! と手をつくと、その長身を生かして身を乗り出した。そのままテーブルに乗り上げそうなほどの勢いに驚いて私は精一杯に身を退いた。
「ちょ……ヴァルラお姉さま、顔が近いです。ついでに怖いです」
「あっきれた!! 今すぐフィーを呼びなさい!
あとそこのあんたは産婆の手配よ!」
ヴァルラお姉さまの恐ろしい剣幕に圧されて、エーディトが部屋を走り出て行った。
ひたすら怖い。
そりゃあフィリベルト様が逆らえないのも頷けるわ……
私の隣に新たな席が設けられ、そこには困惑顔のフィリベルト様が座っていた。
なお私たちの前には怒り心頭のヴァルラお姉さまがいらっしゃる。怒れる姉が相当苦手なのか、フィリベルト様は大きな体を丸めて俯き加減だ。
でもそれあんまり効果ないですよ。
テーブルに手がバン! と打ち付けられて、その音に驚きビクッと体を震わせた。
「ねえフィー、ベリーの様子を見てどう思う?」
「済まない、仕事のし過ぎだろうか。最近痩せたな」
「あんたねぇ! ベリーが妊娠しているかもしれないってのに痩せるほど働かせてんの!?」
「ヴァルラお姉さま、ちょっと落ち着いてください」
「おいベリーそれは本当か?」
「いえまだ確定では、ですが〝月のもの〟は二ヶ月ほど来ておりません」
「そうか、すぐに医者を呼ばないとな」
「産婆でしたら先ほどエーディトが手配しに行きましたわ」
「あっきれたほんとに何も聞いていなかったのね」
「済みません……」
「兆候があったらすぐに言わないと取り返しにつかないことになるわよ」
「姉上それはどういう事だろう?」
「安定するまで夜の生活は禁止。これは常識よ」
「そ、そうなんですか?」
「ほぉ……」
「あんたらねぇ!
まったくベリーはいろんなこと知っている癖に女としては〇点ね」
「えぇぇ……」
〇点って……、うわぁかなりショックだわ。
三〇分ほども掛からずに産婆が城にやってきた。
これは私の想像よりもかなり早い。
そもそも私のような貴人相手だと、身分が確かな者でないとおいそれと任せる訳にもいかないから、それを確認するだけでもかなりの時間が必要だ。
それがこれほど早いとなると、誰かが事前に手配していたことになる。
産婆を呼びに行ったエーディトにそれを聞けば、執事のエルマーが私たちを見てそろそろ必要だろうと準備していたらしい。
流石はベテラン執事、流石としか言いようがないわ。
私は自室で産婆から診断を受けた。
まず〝月のもの〟の話は当然として、食欲に食べ物の好みなどを確認される。さらにお腹に手を当てたり体温を測ったり、正直何をやっているか分からない。
しかし、
「妊娠の兆候が見えますね。時期を考えるにそうですね、あと二月ほど経てばお腹が膨らみ始めると思いますよ」
「おめでとうございます奥様!」
「うんありがとう」
「あらどうしたのベリー、なんだかテンションが低いわよ」
「何となく察していましたし、今さら驚くことじゃないかなと」
「察していたというなら、もっと早くに注意なさい!!」
私の発言は完全に失言だったようで、ヴァルラお姉さまからとても長いお小言を頂いた。
ヴァルラお姉さまはフィリベルト様に結果を伝えるために退席した。
代わって、妊娠中の注意事項を聞くために、城に仕える主要な使用人らが部屋に集められていた。
「まず妊娠中の飲酒はお控えください。これは食前酒も同様です」
「あら食前酒も駄目なの」
ええと頷かれ、
「健康な赤ちゃんを産むためには必要なことは十分な睡眠です。
しかし眠ってばかりでは不健康です。室内を歩くだけでも構いませんので毎日適度な運動をなさってください。
それから子供の為にと、無理に食べる量を増やす必要はございません。いままで通りの適度な量で、バランスの良い食事を心がけてください」
それを聞いた使用人の半分くらいが気まずそうに眉を顰めた。
ここ最近の私の生活を思えば、その反応も理解できる。
夜遅くまで仕事をし睡眠時間はやや少なめ、食事の時間を惜しみ食堂にも行かず手軽に取れるバランスの悪い軽食ばかり。おまけに食べる時間は気が向いたときで抜くことまである。
「えーと……」
「何か問題がございましたか?」
「実は仕事が溜まっていまして……」
寝る間を惜しんででも仕事を進めたいのだけど~と言葉を濁して伝えてみた。
「過度なストレスもお腹の子に悪影響を与えます! 仕事など当然禁止です!」
「えーそれは困るわ……」
「分かりました婆が話します、済みませんがどなたか領主様をこちらにお呼び頂けますか?」
その声に真っ先に反応したのはエーディトだった。
「待ってディート! 呼んでは駄目よ!」
「いいえお断りいたします。この件に関してはわたしも同意見ですわ」
裏切り者~と私はその背を力なく見送った。
フィリベルト様とヴァルラお姉さまがやってきて、産婆から先ほどの話が伝わった。
聞いている間に、ヴァルラお姉さまの眉がみるみるうちに吊り上り、徐々に怒りの形相へと変わっていく。
ええお小言の時間がまた始まりましたとも……
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