第一王子と愛された公爵令嬢

岡暁舟

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「できましたわ!!!なかなか美しいですわ!!!」

メイドたちはそう言って、私がザイツ様の元に向かう前、様々な準備を施すのだった。私が望んでいたわけではない。あくまでも彼女たちの趣味、ということなのだろう。まあ、なんでもいい。全てが順調ならばそれでいい。

「ところで……マリア様???どのようにして殿方と夜を過ごすのか……その所作は分かっていらっしゃいますよね???」

メイドたちは、私に質問をした。

「ええ、心得ておりますとも」

「そうですか。それは良かったです……」

メイドたちは安心したようだった。まあ、私も令嬢の嗜みというものを知っているから。そこは心配されるべきことではないのだ。

「さあ、ザイツ様もお待ちのことでしょうから、そろそろ行きますか???」

メイドたちに勧められる理由がいまいち分からなかったが、私も少し緊張してきた。

「マリア様がいらっしゃいます!!!」

ザイツ様のいる部屋に向かうまで、別に私一人で行ってもいいものだと思っていたが、メイドたちが先導することになった。

「おお、マリア。待っていたよ!!!」

ザイツ様は本当に私が来るのを待っていたのか……正直なところ、これも演技なのか。

どちらにしても、私には重大な任務があるわけだから、おどおどしているわけにはいかなかった。

「お招きありがとうございます……」

こうして、私はザイツ様と共に正式に一夜をともに過ごすこととなった……。
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