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その4
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マルクの仕組んだ罠が非常に巧妙であるということは、後になってから分かるのだが、とにかくどこ行く風の2人はそんなことも知らずに、幸せをかみしめているのだった。
「ああ、スーザン。私が君のことをこれだけ愛していて、そして、こう言う形で君を手に入れることができたのだから……何と素晴らしい話じゃないか、いや全く」
「ええ、私もそう思いますわ。ですが……どうやら、変な邪魔者がいないかと不安になってしまいますわね」
「どうしてだい???」
「いえ、私がこれほど幸せを感じたことなんて、人生であんまりなかったものですから。だから……どこかで間違いが怒ってしまわないかと、少し不安になるわけでございますよ」
「ああ、そうなのか。君は随分と寂しい人生を送って来たのだね。あれだけ楽しそうな顔をしていた幼少期を振り返ってみると……それでも大変だったのかな???」
「ええ、その通りでございますよ。私は……本当に色々と大変だったわけでございますよ……」
「でも、そんな苦しみもこれで終わるのだろう。ああ、本当によかったなあ……」
イーロンはこう言って、スーザンの労を労おうとするのだった。
「いいえ、私は大丈夫です。それよりも、王子様????」
スーザンがイーロンに何か話しかけようとしたところ、突然空が明るくなった。
スーザンは外を直ぐに見つめた。どうして、夜なのにこれほど明るいのか……最初は見当がつかなかった。
「ああ、スーザン。私が君のことをこれだけ愛していて、そして、こう言う形で君を手に入れることができたのだから……何と素晴らしい話じゃないか、いや全く」
「ええ、私もそう思いますわ。ですが……どうやら、変な邪魔者がいないかと不安になってしまいますわね」
「どうしてだい???」
「いえ、私がこれほど幸せを感じたことなんて、人生であんまりなかったものですから。だから……どこかで間違いが怒ってしまわないかと、少し不安になるわけでございますよ」
「ああ、そうなのか。君は随分と寂しい人生を送って来たのだね。あれだけ楽しそうな顔をしていた幼少期を振り返ってみると……それでも大変だったのかな???」
「ええ、その通りでございますよ。私は……本当に色々と大変だったわけでございますよ……」
「でも、そんな苦しみもこれで終わるのだろう。ああ、本当によかったなあ……」
イーロンはこう言って、スーザンの労を労おうとするのだった。
「いいえ、私は大丈夫です。それよりも、王子様????」
スーザンがイーロンに何か話しかけようとしたところ、突然空が明るくなった。
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