俺のスパダリはギャップがすごい 〜いつも爽やかスパダリが豹変すると… 〜

俺のスパダリはギャップがすごい ー立花蓮sideー

はじめての朝 ④

蓮が作った朝食は、前回同様、彩も美しく豪華で、それを見た真司の顔が驚きと喜びの笑みでいっぱいになる。

「前も思ったんだけど、蓮の料理って本当に綺麗で美味しいよな」
蓮の料理に感心しながら、真司はサンドイッチを頬張る。

それは食べてくれる相手が真司だと思うと、つい力が入ってしまうんだよ……
って言ったら、真司はどんな顔するんだろう？

その時の真司がしそうな表情を想像してしまい、蓮の顔がほころぶ。

「俺は真司が美味しそうに食べてくれてる姿を見るのが嬉しいよ」

そう言いながら蓮もサンドイッチを口に運ぶ。

だが、蓮の食べている姿をじっと見つめた真司が、

「蓮、食欲ない？」

心配そうに蓮の顔を覗き込む。

食欲がないというか……
これは真司に言うべき？
言ったら気にする……だろうな…
でも…

蓮は少し考えてから、
「…実は俺…朝、あんまり食べる習慣なくて…」
蓮が言うと、やっぱりというべきか、真司は驚きでさっきまで止まることなく口に運んでいた、サンドイッチを持つ手が止まる。
「⁉︎じゃあ、これって俺のわがままで作ってくれてた⁉︎…ごめん…気がつかなくて…」
真司は申し訳なさでいっぱいというように、眉が『八の字』になった。
「違う！俺が真司と一緒に食べたかったから…」
急いで蓮が否定するが、真司はますます申し訳なさそうにする。
「でも…」

やっぱり言わなかった方がよかったかな…？
でも…

「この事、真司に言ったら絶対気にすると思って言わないでおこうと思ったんだけど、やっぱり真司には隠し事したくないから」
ニコッと微笑み、蓮はサンドイッチを口に運んだ。
それを聞いた真司がホッとした表情になったのを見て、蓮もホッとしたが、
蓮がサンドイッチを口に運ぶ姿を見た真司が少し複雑な表情をしたのを、蓮は見逃してしまった。


朝食後、支度をした2人は蓮の家を出、少し名残惜しいが、駅の改札口でわかれた。

寂しい気持ちもあったが、二人の休みが重なる時が意外とすぐあり、その日に蓮の家で真司と2人、食事をする事になったので、その日を楽しみにこれからの仕事もがんばれそうだった。