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俺のスパダリはギャップがすごい ー立花蓮sideー
後悔 ④
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ここが真司の部屋……
真司に連れられてきたマンションは駅近の1DK。部屋に入るとマンションで必要最低限の物しか置いていないかった。
真司曰く、この部屋に決めたのは
『駅近で仕事場からも近い、家賃が安く、大家さんが親切だったから』
だった。
「蓮、適当にその辺座ってて、今からチャーハン炒めるから」
さっきコンビニで買ったビールを冷蔵庫にしまいながら、真司は蓮を促す。
「俺も手伝える事ない⁇」
鞄を置いた蓮が真司の方に近づく。
「いいよ今日は。初めて蓮が家にきてくれた日に手伝わせられないよ」
そう言いながらフライパンを振る真司の後ろ姿は、とても頼もしかった。
チャーハンができると真司は蓮のスーツの上着を預かり、きちんとハンガーにかけてくれる。
真司の一つ一つの行動が、蓮の不安な気持ちをほぐしていってくれているようだった。
もしも、こんな時間が続くなら…
もしも……
「一緒に住んでたら、こんな感じなのかな…」
そんな事を思いながら蓮が無意識に呟く。
そんな日が来ればいいのに……
真司が作ってくれたチャーハンを見ていると…
「え⁉︎」
真司が驚いて目を見開いている真司の姿が。
え?
俺何か変な事、言ったっけ?
蓮は一瞬ぽかんとした表情をした。
確か、一緒に住んでたら、こんな感じなのかな…。
そんな日が来ればいいのに……
って思って………。
………。
もしかして、これ、口に出して言ってた⁉︎
状況を把握したのか、顔を真っ赤にして、
「ごめん‼︎なんでもない…いただきます」
慌ててチャーハンを口に運んだ。
はじめての真司の手作り。
チャーハン自体、凄くおいしいけど、それ以上に優しい味がする。
「真司、チャーハン美味しい」
蓮の持つスプーンは止まることなく口に運ばれていく。
「蓮の料理にはかなわないよ…あ、そうだ。蓮、今日泊まって行くだろ?」
「‼︎」
真司がさも当たり前のように何気なく言った言葉を聞いた蓮は驚き、目を見開いた。
「…俺…真司の家に、泊まっていって…いいの?」
本当に?
「うん」
「朝まで一緒にいていいのか?」
朝まで…
「蓮さえよければ」
真司が優しく微笑む。
「…一緒にいたい…」
真司と今夜も共に過ごせると思うと、蓮の目には少し涙が溜まった。
真司はいつも、俺をまっすぐ見てくれる。
はじめて会った時から変わらず、誠実でいてくれる。
だから、俺もそうあるべきだ。
真司ときちんと向き合って、真実を言うべき。
一人でくよくよ考えてばかりじゃなくて、真司をもっと信じるべき。
だって、こんなに真司は俺のことを大切にしてくれる…
だから……
真司に連れられてきたマンションは駅近の1DK。部屋に入るとマンションで必要最低限の物しか置いていないかった。
真司曰く、この部屋に決めたのは
『駅近で仕事場からも近い、家賃が安く、大家さんが親切だったから』
だった。
「蓮、適当にその辺座ってて、今からチャーハン炒めるから」
さっきコンビニで買ったビールを冷蔵庫にしまいながら、真司は蓮を促す。
「俺も手伝える事ない⁇」
鞄を置いた蓮が真司の方に近づく。
「いいよ今日は。初めて蓮が家にきてくれた日に手伝わせられないよ」
そう言いながらフライパンを振る真司の後ろ姿は、とても頼もしかった。
チャーハンができると真司は蓮のスーツの上着を預かり、きちんとハンガーにかけてくれる。
真司の一つ一つの行動が、蓮の不安な気持ちをほぐしていってくれているようだった。
もしも、こんな時間が続くなら…
もしも……
「一緒に住んでたら、こんな感じなのかな…」
そんな事を思いながら蓮が無意識に呟く。
そんな日が来ればいいのに……
真司が作ってくれたチャーハンを見ていると…
「え⁉︎」
真司が驚いて目を見開いている真司の姿が。
え?
俺何か変な事、言ったっけ?
蓮は一瞬ぽかんとした表情をした。
確か、一緒に住んでたら、こんな感じなのかな…。
そんな日が来ればいいのに……
って思って………。
………。
もしかして、これ、口に出して言ってた⁉︎
状況を把握したのか、顔を真っ赤にして、
「ごめん‼︎なんでもない…いただきます」
慌ててチャーハンを口に運んだ。
はじめての真司の手作り。
チャーハン自体、凄くおいしいけど、それ以上に優しい味がする。
「真司、チャーハン美味しい」
蓮の持つスプーンは止まることなく口に運ばれていく。
「蓮の料理にはかなわないよ…あ、そうだ。蓮、今日泊まって行くだろ?」
「‼︎」
真司がさも当たり前のように何気なく言った言葉を聞いた蓮は驚き、目を見開いた。
「…俺…真司の家に、泊まっていって…いいの?」
本当に?
「うん」
「朝まで一緒にいていいのか?」
朝まで…
「蓮さえよければ」
真司が優しく微笑む。
「…一緒にいたい…」
真司と今夜も共に過ごせると思うと、蓮の目には少し涙が溜まった。
真司はいつも、俺をまっすぐ見てくれる。
はじめて会った時から変わらず、誠実でいてくれる。
だから、俺もそうあるべきだ。
真司ときちんと向き合って、真実を言うべき。
一人でくよくよ考えてばかりじゃなくて、真司をもっと信じるべき。
だって、こんなに真司は俺のことを大切にしてくれる…
だから……
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