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42,会いに来た
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「それでは、我々は密入国者を城へ連行いたします」
アラシと護衛たちは外国人らを連れ、学校の裏口に向かう。
「アラシ、少しいいですか」
「は、はい?」
何も言わず見守っていたシオンが、最後尾をいくアラシをそっと呼ぶ。
「退勤後、小会議室に来てください。お話があります」
笑顔だが、突き刺さるような殺気。間違いなく、死んだ方がマシな説教だとアラシは思う。回避する方法を巡らすが、シオンは城で働く者全ての勤務時間等を把握している。
「…は、い…」
断る術などなく、アラシは生つばを飲み込んでうなずいた。
数時間後、魂の抜けかけたアラシが城の廊下をゾンビのように歩いている姿が目撃されたらしい。
広大なウェア城に濃い影が落ち、間もなく日が沈む頃。城の地下牢ではなく用意された一室で、捕えられた外国人たちは後ろ手に手錠されたまま座っていた。ひとりは目を伏せ、ふたりは気だるげに宙を仰ぎ、腫れたほほに湿布を貼ったひとりはぐったりとうつむいている。そんな彼らにふたりの護衛がにらみをきかせていた。
そこへ、別の護衛…ハクロが扉を開け、仏頂面の蓮が部屋に入ってくる。
「レン…っ!」
「ヒイ?!」
その姿を見るなり、3人はバッと立ち上がり、ひとりは悲鳴をあげる。
彼らは2年前に当時の王子誘拐を企てて捕まり、1ヶ月半ほど前に釈放、帰国したばかりの隣国の窃盗団である。再び密入国した目的は何なのか、何故学校にいたのか尋問しても全く口を割らない。「レンになら話す」とリーダーであるアルトが訴え、仕方なく蓮の出番となったのだ。
「座れ!」
「レン様に近づくな!」
見張りの護衛たちは前に立ちふさがり、彼らを強引に押し戻す。
「あーも…お前ら出ろ」
蓮はため息をついて、護衛たちに命じる。
「はっ?何故ですか?!」
「レン様、それは出来ませんっ」
さすがに密入国者たちと蓮だけにする訳にはいかない。任務に忠実な彼らは不服の声をあげる。
「コイツがいるからいーだろ」
蓮は彼らの反応がわかっていたとばかりに、背後の護衛を指す。何度か蓮に振り回されている護衛、ハクロだ。
「レン様は必ずお守りします!お願いします…っ!」
「「…」」
今回も強引に連れてこられたハクロだが、蓮を守りたい気持ちに嘘はない。頭を下げる同志に、護衛たちは顔を見合わせた。
「何しに来たんだよ」
「…」
護衛たちが渋々ながらも部屋を出た後、蓮は座っているアルトたちを威圧的に見下ろす。引き受けたが、面倒なことに変わりはない。
「まだ2ヶ月も経ってねーぞ」
「…」
目を反らし、口を開かない彼らにまたため息をつく。
「言えよ。コイツなら何もしねーし」
背後に立つハクロを気にしているのだろう。蓮はハクロに彼らがどんな言動をしようと手も口も出すなと言ってある。それを厳守してくれるからこそ、彼を連れてきたのだ(他の者はどんなに頼もうと、手か口が出る)。
「お、お前に…会いに来た」
アルトはおずおずと口を開く。
「あ?」
その理由には蓮はますます顔をしかめ、さすがにハクロも口が出そうになるがこらえる。
「そうなんだよ!こいつ、国に帰っても『レンが、レンが』ってうるせぇのなんの!」
「またウェア王国に入ったら次こそ死ぬかもしれねえのに、聞きやしねえんだよ」
せきを切ったように、他のふたりが話し出す。どうやら本気で蓮に惚れてしまったアルトが、我慢出来ずに突っ走ってきたらしい。
「命かけてでも、会いたかった」
「カッコつけるな!」
「俺らを巻き込むな!」
アルトのドラマのようなセリフに、ふたりがツッコむ。
「…」
蓮はツッコむ気すら起きない。
「で、どうやって入った」
とりあえず、大臣から必ず聞き出せと言われたことをそのまま聞く。
「あー…国境の森を抜けて」
言いにくそうにアルトが言う。国境の森を抜けてウェア王国に入るのは完全な不法侵入だ。
「1週間も遭難したわ!!」
「何度死ぬかと思ったか…っ」
相当苦労したらしく、他のふたりは嘆く。深くて何の整備もされていない国境の森はかなりの訓練を積んだ者でない限り、間違いなく遭難する。
「悪運強ぇな」
蓮は生きて森を抜けたことといい、しばらくウェア王国内を逃げまわっていたことといい、運がいいヤツらだと感心する。
「学校にいたのは何でだ」
「お前に会いたくても城には近づけねえし、どこ行っても黒コートがいるし…」
「どっかの街で黒コートが何人か集まっててよ、隠れてたら、レン様が…とかシューカ街、学校って話してるのが聴こえたんだよ。んで、ダメ元で行ってみようって」
「あ、そ…」
まさかそれ話してたのアラシじゃねーだろなと蓮は思う。追っている彼らに逆に情報提供していたのなら、間抜け過ぎる。
「…っっ」
絶対にあの時だ…と、心当たりのあるハクロは青ざめていた。
「で、何、このバカは」
「ヒッ?!」
蓮があごで指すと、ほほに湿布を貼った男は大きな身体を縮こませて怯える。2年前、彼はいなかった。
「こいつは国帰ってから、仲間になったんだよ」
「本物の金眼を見たことあるんだってよ。んで、俺たちがウェア王国にまた行くなら連れていけって」
『金眼』に魅せられたひとりかと蓮は思う。
「ヒナタ見つけて、襲う気だったんか」
「ち、違う…っ!俺が見たことあるのは眼だけで…っ。生きてるのは初めてだったから、もっと近くで見たかっただけだ!襲う気なんかなかった!」
と、彼は必死に言い訳する。
「じゃ、何で追いかけてんだよ」
「す、すごい綺麗だったから、つい…。あの子、かわいかったし」
金眼の美しさとヒナタのかわいらしい顔を思い出してうっとりする彼に、蓮はイラっとする。
「もっかい殴るぞ」
「ヒィイっ?!」
拳を振りかぶると彼はまた縮こまって悲鳴をあげた。
「こんなバカ連れてくんなバカ」
「…すまねえ」
言い返す言葉もないアルトはうなだれた。
「ま、いーや。じゃあな。もう来んなよ」
聞き出すことは全部聞いた蓮は、さっさと部屋を出ようときびすを返す。
「ま…っ待ってくれ!」
「あ?」
アルトが引き止め、振り向く。
「俺をここで働かせてくれ!」
「「はぁ?!」」
まさかの要求に、他のふたりが驚愕する。
「国に帰ってもまともな仕事なんかねえ。お前を連れて行くことも出来ねえ。だったら、ここで雑用でも何でもやってやる!」
後ろ手の手錠を鳴らし、立ち上がる。
「レン!お前の…っそばにいたいんだ…!」
今日改めて会い、確信した蓮への気持ち。本当なら自由な自分の国で蓮と共に大きな仕事をしたい。しかし、前回釈放された時に聞いた蓮の意志に変わりはないだろう。ならば、自分が妥協すればいい。ポリシーを曲げてでも、蓮と共に生きたいと思ったのだ。
「はぁー…それがお前の答えか」
蓮は盛大にため息をつく。
「ああ!」
「じゃ、もう二度と会えねーな」
「…え?」
あっさりした決別宣言に呆気にとられる。
「知らねーのか?密入国2回目は極刑だ」
「…っっ?!!」
罪に厳しいウェア王国では外国人による犯罪、特に『金眼』に絡んだものはほとんど有無を言わせず極刑になる。彼らの場合、王子誘拐計画は行き当たりばったりで未遂に終わり、大きな組織でもなかったため、投獄の後、強制送還となった。だが、目的は何にせよ2回目となると極刑は免れない。
さすがにその現実にアルトは黙り、他のふたりは顔面蒼白になる。
「お…っ俺は1回目だぞ?!」
「うるせえ!!」
「黙れ馬鹿!!」
訴える湿布の男に、他のふたりが涙目で怒鳴った。
「…っそれなら、何で…俺らはここに…?」
ハッとして、アルトが蓮を見る。極刑なのであれば、何故地下牢でなく、この部屋に待機させられたのか。蓮の口ぶりも強制送還前提かのような言い方だった。
「さぁな。行くぞ」
「あ、はい!」
蓮は答えずに部屋を出て行き、ハクロも後を追う。
「…君たち」
ハクロはドアを押さえてちらっと蓮の背を気にしながら、呆然としているアルトたちに声をかける。
「レン様は君たちから話を聞き出す代わりに極刑を退けさせ、投獄なしの帰国を条件にしたんだ。レン様を思うなら、どうすればいいかわかるだろう?」
「…!!」
彼らは驚き、顔を見合わせる。
「ご、ごめん、レン!行くよ!」
廊下で蓮がにらんでいたらしく、ハクロは慌ててドアを閉めて走って行く。
「おい、アルト」
「泣くなよ」
「泣かせろよ…っ」
また、助けられた。肩を震わせてうつむくリーダーの背を、他のふたりがひじで突いた。
アラシと護衛たちは外国人らを連れ、学校の裏口に向かう。
「アラシ、少しいいですか」
「は、はい?」
何も言わず見守っていたシオンが、最後尾をいくアラシをそっと呼ぶ。
「退勤後、小会議室に来てください。お話があります」
笑顔だが、突き刺さるような殺気。間違いなく、死んだ方がマシな説教だとアラシは思う。回避する方法を巡らすが、シオンは城で働く者全ての勤務時間等を把握している。
「…は、い…」
断る術などなく、アラシは生つばを飲み込んでうなずいた。
数時間後、魂の抜けかけたアラシが城の廊下をゾンビのように歩いている姿が目撃されたらしい。
広大なウェア城に濃い影が落ち、間もなく日が沈む頃。城の地下牢ではなく用意された一室で、捕えられた外国人たちは後ろ手に手錠されたまま座っていた。ひとりは目を伏せ、ふたりは気だるげに宙を仰ぎ、腫れたほほに湿布を貼ったひとりはぐったりとうつむいている。そんな彼らにふたりの護衛がにらみをきかせていた。
そこへ、別の護衛…ハクロが扉を開け、仏頂面の蓮が部屋に入ってくる。
「レン…っ!」
「ヒイ?!」
その姿を見るなり、3人はバッと立ち上がり、ひとりは悲鳴をあげる。
彼らは2年前に当時の王子誘拐を企てて捕まり、1ヶ月半ほど前に釈放、帰国したばかりの隣国の窃盗団である。再び密入国した目的は何なのか、何故学校にいたのか尋問しても全く口を割らない。「レンになら話す」とリーダーであるアルトが訴え、仕方なく蓮の出番となったのだ。
「座れ!」
「レン様に近づくな!」
見張りの護衛たちは前に立ちふさがり、彼らを強引に押し戻す。
「あーも…お前ら出ろ」
蓮はため息をついて、護衛たちに命じる。
「はっ?何故ですか?!」
「レン様、それは出来ませんっ」
さすがに密入国者たちと蓮だけにする訳にはいかない。任務に忠実な彼らは不服の声をあげる。
「コイツがいるからいーだろ」
蓮は彼らの反応がわかっていたとばかりに、背後の護衛を指す。何度か蓮に振り回されている護衛、ハクロだ。
「レン様は必ずお守りします!お願いします…っ!」
「「…」」
今回も強引に連れてこられたハクロだが、蓮を守りたい気持ちに嘘はない。頭を下げる同志に、護衛たちは顔を見合わせた。
「何しに来たんだよ」
「…」
護衛たちが渋々ながらも部屋を出た後、蓮は座っているアルトたちを威圧的に見下ろす。引き受けたが、面倒なことに変わりはない。
「まだ2ヶ月も経ってねーぞ」
「…」
目を反らし、口を開かない彼らにまたため息をつく。
「言えよ。コイツなら何もしねーし」
背後に立つハクロを気にしているのだろう。蓮はハクロに彼らがどんな言動をしようと手も口も出すなと言ってある。それを厳守してくれるからこそ、彼を連れてきたのだ(他の者はどんなに頼もうと、手か口が出る)。
「お、お前に…会いに来た」
アルトはおずおずと口を開く。
「あ?」
その理由には蓮はますます顔をしかめ、さすがにハクロも口が出そうになるがこらえる。
「そうなんだよ!こいつ、国に帰っても『レンが、レンが』ってうるせぇのなんの!」
「またウェア王国に入ったら次こそ死ぬかもしれねえのに、聞きやしねえんだよ」
せきを切ったように、他のふたりが話し出す。どうやら本気で蓮に惚れてしまったアルトが、我慢出来ずに突っ走ってきたらしい。
「命かけてでも、会いたかった」
「カッコつけるな!」
「俺らを巻き込むな!」
アルトのドラマのようなセリフに、ふたりがツッコむ。
「…」
蓮はツッコむ気すら起きない。
「で、どうやって入った」
とりあえず、大臣から必ず聞き出せと言われたことをそのまま聞く。
「あー…国境の森を抜けて」
言いにくそうにアルトが言う。国境の森を抜けてウェア王国に入るのは完全な不法侵入だ。
「1週間も遭難したわ!!」
「何度死ぬかと思ったか…っ」
相当苦労したらしく、他のふたりは嘆く。深くて何の整備もされていない国境の森はかなりの訓練を積んだ者でない限り、間違いなく遭難する。
「悪運強ぇな」
蓮は生きて森を抜けたことといい、しばらくウェア王国内を逃げまわっていたことといい、運がいいヤツらだと感心する。
「学校にいたのは何でだ」
「お前に会いたくても城には近づけねえし、どこ行っても黒コートがいるし…」
「どっかの街で黒コートが何人か集まっててよ、隠れてたら、レン様が…とかシューカ街、学校って話してるのが聴こえたんだよ。んで、ダメ元で行ってみようって」
「あ、そ…」
まさかそれ話してたのアラシじゃねーだろなと蓮は思う。追っている彼らに逆に情報提供していたのなら、間抜け過ぎる。
「…っっ」
絶対にあの時だ…と、心当たりのあるハクロは青ざめていた。
「で、何、このバカは」
「ヒッ?!」
蓮があごで指すと、ほほに湿布を貼った男は大きな身体を縮こませて怯える。2年前、彼はいなかった。
「こいつは国帰ってから、仲間になったんだよ」
「本物の金眼を見たことあるんだってよ。んで、俺たちがウェア王国にまた行くなら連れていけって」
『金眼』に魅せられたひとりかと蓮は思う。
「ヒナタ見つけて、襲う気だったんか」
「ち、違う…っ!俺が見たことあるのは眼だけで…っ。生きてるのは初めてだったから、もっと近くで見たかっただけだ!襲う気なんかなかった!」
と、彼は必死に言い訳する。
「じゃ、何で追いかけてんだよ」
「す、すごい綺麗だったから、つい…。あの子、かわいかったし」
金眼の美しさとヒナタのかわいらしい顔を思い出してうっとりする彼に、蓮はイラっとする。
「もっかい殴るぞ」
「ヒィイっ?!」
拳を振りかぶると彼はまた縮こまって悲鳴をあげた。
「こんなバカ連れてくんなバカ」
「…すまねえ」
言い返す言葉もないアルトはうなだれた。
「ま、いーや。じゃあな。もう来んなよ」
聞き出すことは全部聞いた蓮は、さっさと部屋を出ようときびすを返す。
「ま…っ待ってくれ!」
「あ?」
アルトが引き止め、振り向く。
「俺をここで働かせてくれ!」
「「はぁ?!」」
まさかの要求に、他のふたりが驚愕する。
「国に帰ってもまともな仕事なんかねえ。お前を連れて行くことも出来ねえ。だったら、ここで雑用でも何でもやってやる!」
後ろ手の手錠を鳴らし、立ち上がる。
「レン!お前の…っそばにいたいんだ…!」
今日改めて会い、確信した蓮への気持ち。本当なら自由な自分の国で蓮と共に大きな仕事をしたい。しかし、前回釈放された時に聞いた蓮の意志に変わりはないだろう。ならば、自分が妥協すればいい。ポリシーを曲げてでも、蓮と共に生きたいと思ったのだ。
「はぁー…それがお前の答えか」
蓮は盛大にため息をつく。
「ああ!」
「じゃ、もう二度と会えねーな」
「…え?」
あっさりした決別宣言に呆気にとられる。
「知らねーのか?密入国2回目は極刑だ」
「…っっ?!!」
罪に厳しいウェア王国では外国人による犯罪、特に『金眼』に絡んだものはほとんど有無を言わせず極刑になる。彼らの場合、王子誘拐計画は行き当たりばったりで未遂に終わり、大きな組織でもなかったため、投獄の後、強制送還となった。だが、目的は何にせよ2回目となると極刑は免れない。
さすがにその現実にアルトは黙り、他のふたりは顔面蒼白になる。
「お…っ俺は1回目だぞ?!」
「うるせえ!!」
「黙れ馬鹿!!」
訴える湿布の男に、他のふたりが涙目で怒鳴った。
「…っそれなら、何で…俺らはここに…?」
ハッとして、アルトが蓮を見る。極刑なのであれば、何故地下牢でなく、この部屋に待機させられたのか。蓮の口ぶりも強制送還前提かのような言い方だった。
「さぁな。行くぞ」
「あ、はい!」
蓮は答えずに部屋を出て行き、ハクロも後を追う。
「…君たち」
ハクロはドアを押さえてちらっと蓮の背を気にしながら、呆然としているアルトたちに声をかける。
「レン様は君たちから話を聞き出す代わりに極刑を退けさせ、投獄なしの帰国を条件にしたんだ。レン様を思うなら、どうすればいいかわかるだろう?」
「…!!」
彼らは驚き、顔を見合わせる。
「ご、ごめん、レン!行くよ!」
廊下で蓮がにらんでいたらしく、ハクロは慌ててドアを閉めて走って行く。
「おい、アルト」
「泣くなよ」
「泣かせろよ…っ」
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