我が子と間違われて拐われた孤児と、病んでる公爵

ミクリ21

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4◆ダクラス視点

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パルマとルーナ。

比べたら、違いなんていくつもみつかる。

でも、パルマの死を受け入れられなかった私は、その違いには見てみぬふりをして、比べることなど最初から放棄していた。

私の可愛い我が子ルーナ。

やっと、私の腕の中に帰ってきてくれた。

偽りの喜びでもいいんだ。

偽りだということを否定し続けて、無理矢理にでもこの偽りを真実にすればいいんだ。

邪魔する者は許さない。


「あの、パパ……」

「なんだい?私の可愛いルーナ」

今は食事の時間だ。

私の膝に横向きで乗せたルーナに、私は一口一口スプーンで食べさせてやる。

「自分で食べたいです………」

「そんな意地悪を言わないでね?どうしてもというなら、手じゃなくて口移しで食べさせるよ」

「口移し!?」

ふふ、可愛い子だ。

口移しと聞いて、あからさまに真っ赤になった。

そんな反応をされたら、本当に口移しで食べさせたくなってきた。

冗談のつもりはなかったが、ルーナが意地悪を言うならという風に言ったのに。

ふふ、楽しいな………。

こんなに楽しい食事の時間は、久しぶりだ。

ルーナだけ食べさせて、私が食べないとルーナは気になるようだったから一緒に食べているが、こんなに食べたのも久しぶりだ。

お腹がいっぱいになるなんて、本当に久しぶりだ。

今日は心が幸せで満たされているから、きっと夜もよく眠れるかもしれない。

当然だが、ルーナと一緒だ。

そうだ。

今夜は絵本を読んでやろう。

ああ、またルーナに絵本を読める日がくるなんて、今日は本当に、全てが久しぶりな日だな。

なんて、幸福な日だろうか………。
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