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4◆ダクラス視点
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パルマとルーナ。
比べたら、違いなんていくつもみつかる。
でも、パルマの死を受け入れられなかった私は、その違いには見てみぬふりをして、比べることなど最初から放棄していた。
私の可愛い我が子ルーナ。
やっと、私の腕の中に帰ってきてくれた。
偽りの喜びでもいいんだ。
偽りだということを否定し続けて、無理矢理にでもこの偽りを真実にすればいいんだ。
邪魔する者は許さない。
「あの、パパ……」
「なんだい?私の可愛いルーナ」
今は食事の時間だ。
私の膝に横向きで乗せたルーナに、私は一口一口スプーンで食べさせてやる。
「自分で食べたいです………」
「そんな意地悪を言わないでね?どうしてもというなら、手じゃなくて口移しで食べさせるよ」
「口移し!?」
ふふ、可愛い子だ。
口移しと聞いて、あからさまに真っ赤になった。
そんな反応をされたら、本当に口移しで食べさせたくなってきた。
冗談のつもりはなかったが、ルーナが意地悪を言うならという風に言ったのに。
ふふ、楽しいな………。
こんなに楽しい食事の時間は、久しぶりだ。
ルーナだけ食べさせて、私が食べないとルーナは気になるようだったから一緒に食べているが、こんなに食べたのも久しぶりだ。
お腹がいっぱいになるなんて、本当に久しぶりだ。
今日は心が幸せで満たされているから、きっと夜もよく眠れるかもしれない。
当然だが、ルーナと一緒だ。
そうだ。
今夜は絵本を読んでやろう。
ああ、またルーナに絵本を読める日がくるなんて、今日は本当に、全てが久しぶりな日だな。
なんて、幸福な日だろうか………。
比べたら、違いなんていくつもみつかる。
でも、パルマの死を受け入れられなかった私は、その違いには見てみぬふりをして、比べることなど最初から放棄していた。
私の可愛い我が子ルーナ。
やっと、私の腕の中に帰ってきてくれた。
偽りの喜びでもいいんだ。
偽りだということを否定し続けて、無理矢理にでもこの偽りを真実にすればいいんだ。
邪魔する者は許さない。
「あの、パパ……」
「なんだい?私の可愛いルーナ」
今は食事の時間だ。
私の膝に横向きで乗せたルーナに、私は一口一口スプーンで食べさせてやる。
「自分で食べたいです………」
「そんな意地悪を言わないでね?どうしてもというなら、手じゃなくて口移しで食べさせるよ」
「口移し!?」
ふふ、可愛い子だ。
口移しと聞いて、あからさまに真っ赤になった。
そんな反応をされたら、本当に口移しで食べさせたくなってきた。
冗談のつもりはなかったが、ルーナが意地悪を言うならという風に言ったのに。
ふふ、楽しいな………。
こんなに楽しい食事の時間は、久しぶりだ。
ルーナだけ食べさせて、私が食べないとルーナは気になるようだったから一緒に食べているが、こんなに食べたのも久しぶりだ。
お腹がいっぱいになるなんて、本当に久しぶりだ。
今日は心が幸せで満たされているから、きっと夜もよく眠れるかもしれない。
当然だが、ルーナと一緒だ。
そうだ。
今夜は絵本を読んでやろう。
ああ、またルーナに絵本を読める日がくるなんて、今日は本当に、全てが久しぶりな日だな。
なんて、幸福な日だろうか………。
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