我が子と間違われて拐われた孤児と、病んでる公爵

25◆パルマ視点

何が起こったの………？

パパが倒れて、僕にそっくりな男の子が現れて、一体何が起こっているの？

僕は混乱して、流れた涙も止まっている。

パパが倒れたから、パニックで泣き叫んだの。

「パパ！？パパ！！嫌ーーーっ！！」

………だって、あの日を思い出したから。

僕も………突然倒れたの。

突然倒れて、そのまま僕は………死んだの。

パパも………そうなるの？

………嫌なのっ！！

何度も何度も、パパを呼んだけどパパは起きないの。

お薬で寝てるだけだから、死ぬわけじゃないって知っても、僕は不安で不安で狂いそうなの。

そして、現れた男の子。

ジェノ伯爵は、僕をみつめて話かけてきて………え？

どうして………？

「パルマよ、話を聞いてはくれんかの？我輩はパルマに用があったのじゃよ」

「どうして………みえているの？僕の声が………聞こえるの？」

「あぁ。我輩にはみえとるし、聞こえとるよ」

僕は驚いたの。

そして、傷ついたの。

僕に用があったから、パパにこんなことしたの？

「パパに………僕のパパに………酷いことしないでなの！！」

「睡眠薬を盛っただけなのじゃが……」

「それが酷いことなの！！」

「す、すまん！ちゃんとダージスタ公爵には謝罪する故に、話を聞いてはくれんかの？」

「うっ……ぐすっ……ちゃんと謝るなら聞くの」

また涙が溢れだした僕に、ジェノ伯爵はありがとうと言ったの。

そして、僕への用件を話し出したの。