【完結】どれだけ永く生きてても

紫蘇

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猟師と青年 1

猟師、青年と距離を縮める

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ソラ君と知り合ってから、8回目の山デートの日…って、デートって思ってるのはオレだけだけど!
いいの、距離はいい感じに縮まってきたんだから。

「ねえ、考えたんだけどさ。
 切った木をうちに運んで薪にしてから、持って帰るってのはどうかな」

オレはソラ君に提案してみる。
これは、この前先生が考えてくれた「ソラ君のお泊りを増やそう作戦」なのだ。

「軍のえらい人はさ、タダで薪を手に入れられればそれでいいんじゃないかなって。
 だから、山から木を持って帰るんじゃなくて、一度うちに持って帰って薪にして持って帰れば、早くていいんじゃない?」

するとソラ君は、
「でも、それじゃ日暮れまでに帰れないっす」
って、砕けた敬語で応えてくれる。

縮まったね距離感!
山デート偉大!
ソラ君のオレに対する信頼感がすごい!

この調子でもっと距離を縮めるんだ。
理想はぴたっとくっつけるくらい。
もっと理想は、その……うふふ。

オレはソラ君にさらに提案する。

「うん、だから、うちに泊まっていけばいいよ。
 木を切り出して、薪割りして、うちに泊まって、朝ごはん食べてから帰ればいいんじゃない?」

「荷馬車の担当とも話をしてみないと…」 

むー…まだ駄目か。
じゃあもっと提案しなきゃ。

「だったらさ、ソラ君が荷馬車に乗って来れば?
 一人で荷馬車乗って山にいって薪とって来るなら、荷馬車の係の人手がいらなくなるし…それなら許してくれるんじゃない?
 荷車はふもとに停めておけるし、馬もうちに連れてくれば安心でしょ?」 

「馬までお世話になるわけにはいかないっすよ」

ううーん、じゃあもうひと押し!

「山には馬が食べられそうな草もあるから用意しておくし、大丈夫だよ!」

「うーん、確かにその方が楽ですけど…」

むむ…
楽するのが駄目なのか?
だったら、情に訴えてみるか。

「ねえ、一回、えらい人に話してみてよ。
 オレ、ソラ君と一緒にいるの楽しいからさ…
 もっと一緒にいれたらいいなって思うんだよ。
 …それにさ、ソラ君がいないと、今までより余計に寂しくなっちゃって…さ」

すると、ソラ君は神妙な顔つきになった。
それから、今までと違う反応を見せた。

「一人でいるのは寂しい…っすか」

「うん」

「そうっすよね」

そう言うとソラ君は薄く笑った。

「上官に聞いてみます」
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