オム・ファタールと無いものねだり

狗空堂

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4.猪も七回褒めれば人になる

月が割れる音がした

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 その日から、僕らは一つになった。

 何もかもをお揃いに戻した。髪の分け目も一人称も、好きな食べ物も得意なことさえも。
 綺羅が得意だったことは全部なかったことにされて、反対に綺羅は僕が得意だったことを死に物狂いで習得した。
本なんて読んでもつまらない、すぐ寝ちゃう、早く外に行こうよ。そんな風に僕の周りで駄々をこねていたのが嘘みたいに、綺羅は机に齧りついて僕と同じだけの知識を得ようとした。

 少しでも僕が二人の平均からズレようものなら、綺羅は血相を変えて僕を叱責してきた。
『違ったら駄目! 全部、全部同じにしないと!』

 どうしたって捨てられるのは僕で、当主に選ばれるのは綺羅なのに。自分に被害は及ばないというのに、どうしてそんなに必死なの、と純粋な疑問をぶつけたら、綺羅ははらはらと透明な涙を流して泣いた。

『弟が大切だって、こんな世界で一人ぼっちになりたくないって、思ったらだめなの』
 それは間違いなく綺羅の心からの言葉で。何も言えなかった。だから僕も綺羅と同じになることを選んだ。

 全部が一緒になった僕らに皆は特に何も言わなかった。お父様でさえ、隠されてしまった綺羅の優れた部分を惜しみはしたけれど、『まあ同じならどちらが残ってもいいか』と言ってすぐに気にしなくなった。

 それで全部悟った。お父様もお母様も僕らの見分けがつかないんじゃなくて、端から区別がついていないのだ。ただ似たような在庫が二つあるだけ。

 大人は皆敵。誰もが僕らを都合の良い存在として消費しようと目を光らせている。
なら、誰にも心を許してはいけない。僕らの味方は僕ら二人しか居ない、世界で信じられるのはお互いだけ。


 そんな風に威嚇し続ける綺羅にも、唯一心を開いた大人が居た。

 大人と言っても二十歳を越えたばかりの若い女中だ。日紅という苗字の女は、奴隷が消えた穴埋めのために急遽雇われた身分の低い女だった。
 父親には出て行かれ、散財癖のある水商売の母親を持ち、まだ幼い弟が居る女は若いのに苦労が絶えない日々を送っていた。それでも暗い表情一つせず、日々精力的に沙流川家の仕事をこなしていた。

 僕らだって最初は警戒していた。この世界に碌な大人なんて存在していないから、隙を見せたらすぐに食われる。こいつだってそうだ、身分が卑しいからと家の者にぞんざいに扱われているくせに毎日毎日飽きもせずニコニコして、どうせ心の奥では世界に呪詛を吐いて口汚く罵っているに違いない。

 そう思っていたのに。警戒して威嚇して、時には悪戯と括るには酷すぎる事をして嘲ることだってしたのに、女は驚くほど明るく優しく接してきた。

 そして何よりも。女は、いともたやすく僕らを見分けたのだ。お父様もお母様も見分けられない程そっくりになった僕たちを、何度も何度も簡単に。

『? 今日は綺羅様が結羅様のフリですか?』
『なんで、分かるの……?』
『分かりますよ! お二人とも、よく見たら全然違いますもん!』

 初めてだった。僕らを全然違うと見分けられたことも、綺羅と結羅という存在をそれぞれ別として扱われたことも。日紅という女は、二人ぼっちの世界に初めて生まれた異分子だった。


 多分綺羅もいっぱいいっぱいだったんだと思う。周囲は敵だらけで頼れる大人も居ない、でも弟を護らなくちゃいけない。自分は兄だから、自分は優れているから。その想いだけをガソリンにして、必死で走り続けていた綺羅にとって、日紅は安らかな安全地帯だった。

 本能的に甘えられる大人を求めていた綺羅は、それはそれは大層懐いた。僕を引き連れて女の後ろをちょこちょことついて行き、遊んで構ってと甘えた声を出し、困った顔で『お仕事があるので』と断られれば家事の手伝いさえしようとする始末。

 女もまた、僕らに散々いやな態度を取られたというのに、その掌を返したような懐きっぷりに嫌な顔一つせず僕らに付き合ってくれた。どれだけ入れ替わりごっこをしたって、日紅はどんな時も見事に見破ってみせた。


 この大人なら。僕らを個として見てくれるこの女なら、きっと僕らを個として愛してくれると、本気でそう思っていた。

 多分、あの日々が僕らの人生の中で一番マシだったんだと思う。もう、今となっては再現できない過去だけど。





 始まりは小さいものだった。ハンドクリーム、玩具、ネクタイピン。そういう細々したものが、僕らの部屋からよく無くなるようになった。

 物が無くなる度に綺羅は困った顔をして、でも『多分僕が無くしちゃったんだね、ごめんね』と言った。
 お父様から買い与えられた万年筆が無くなった時は流石に隠し切れなくて、怒るお父様に綺羅は何度も必死で謝っていた。僕が無くしたんです、ごめんなさいって。それから、無くなるのは消耗品が主になった。

 僕は薄々気づいていたし、僕が気づいているなら当然綺羅も気づいているはずだった。でも綺羅は見て見ぬフリをしていた。気づきたくなかったからだ、世界の残酷な真実に。
 これ以上傷を与えられたら、必死で取り繕っていた心が粉々になってしまうから。だから綺羅は全部飲み込んで自分が悪いことにした。

 でも僕は、お父様やお母様から理不尽に怒られても黙って謝り続ける綺羅を見るのは嫌だった。それを知らんぷりする“アレ”にもずっと怒っていた。

 何よりも、お母様がぽつりと零した『これなら結羅の方がいいのかしらね』という言葉が、躊躇う僕の背中を強く押した。

 結羅より綺羅が優れているなんて、あっていいはずがない。この世界で一番祝福されるべきは綺羅で、間違っても結羅じゃない。
 だから、僕は。兄の為に、兄の大切にしているものを壊すことにした。



『――ねえ、何してるの』

 犯行現場を押さえるのは簡単だった。お父様もお母様も出払っていて、使用人もどたばたと忙しい夕方の時間帯、僕ら二人が習い事で部屋を開けている時。犯人が犯行に及べる時間があるとしたらその瞬間だけだった。

 体調が悪いと嘘をついて習い事を中断して帰って来た僕は、勇み足で自分たちの部屋の前に張り込む。
 そうしてしばらくして――女が、出てきた。手には綺羅が買い与えられたばかりの香水の瓶が収まっている。辺りをきょろきょろと見回した後でそれを懐に隠した瞬間に、僕は真実に踏み込んだ。

『ゆ、結羅坊ちゃま……? ピアノのお稽古はどうされたんですか?』
『僕のことはどうでもいいでしょ。ねえ、今隠したそれ、出して』
『何のことですか……? 綺羅坊ちゃまはどちらへ?』
 冷たい声音で問いただしても、女はへらへらと笑って誤魔化そうとするばかりだ。そのどうにかして逃げようとする姿勢が気に入らなくて声を荒げた。

『お前の本性は知ってるんだ! 気づいている僕のものには手を付けず、庇ってくれる綺羅のものばかり盗んで……! 綺羅が庇わなかったらお前なんてすぐに警察に突き出されるんだ、何をへらへらしてる!』
『なっ……! 何をおっしゃってるんですか坊ちゃま?! 落ち着いてください!』
『触るな!』

 いかにも心配していますという顔で伸ばされてきた手を振り払う。ショックを受けたような顔をして、女が叩き落とされた自分の手を摩った。
 そんな演技をするな。そんな顔をするな。お前が先に僕らを裏切ったくせに!

 僕だってこんなことしたくない、僕だって綺羅と同じように信じていたかった。でも、他でもないお前が綺羅を傷つけるというのなら。僕は喜んで悪役になってやる。
 
『……一部始終、全部撮ってる。これをお父様たちに見せられたくなかったら、綺羅から盗ったものを全部返してこの家から出ていけ』
『……!』
 ズボンから出したスマホの録画画面を見せれば、女から表情がさあっと消えた。完全なる無だ。初めて見るその冷たくて無機質な表情にゾッとする。その瞬間。

『ッ、うわぁっ?!』
 声も出さずに女が腕を突き出して突進してくる。スマホを奪おうとしたのだろう。だけど僕は他より少しだけ運動神経が良くて、でも覚悟していたはずなのに何故か気が動転していて。

 伸ばされる手を避けられはしたけど、そのまま足を滑らせて階段から転げ落ちた。――咄嗟に腕を掴んだ女と一緒に。

 ガタガタガタ、と凄まじい音を立てて二人で踊り場まで転がり落ちる。全身が痛くて仕方が無かった。どこかにぶつけて頭を切ったのか、流れ落ちてきた血が目に入って痛い。

『いった、痛い! 痛いッ』
 僕の下敷きになるようにして落ちた女は、腕を抑えながら絶叫してのた打ち回った。ギ、と般若の様な顔で睨まれてたじろいでしまう。


『お前、お前ェ……! せっかく良くしてやってたのに何してくれてんだ……! クソが、だからガキは嫌いなんだッ!』
『な、何言って』
『返せるワケねーだろ全部売り払ったんだからさぁ! ガキのくせに馬鹿みたいに高いモンばっか買い与えられて、衣食住で困ったこともねーくせに「お父様たちは敵なんだぁ誰も僕らを愛してくれないんだぁ」だと? 不幸面も大概にしろよ!』

 女がぼさぼさになった髪を振り乱して叫ぶ。まるでぱんぱんに膨らんだ水風船に針が刺さって、今迄胸の内に貯め込んでいたことが全部噴き出しているみたいだ。人が変わったように笑ったり怒ったりする女を呆然と見つめる。

『汚いジジイに股開かないと飯も食えない奴らの事なんて考えたことも無いだろうな! せっかくいい食い扶持とカモ見つけて順風満帆だったのに……! お前のせいで全部台無しだ!』

 伸ばされる腕を避けられなかった。首に両手がかけられて、そのまま力任せに踊り場に叩きつけられる。
 女でも全体重をかけられれば子供はかないっこない。どれだけ足をばたつかせて手の甲に爪を立てても、般若のような顔をした女は力を緩める事は無かった。

『か、ふッ…………』
『なんで、なんで私ばっかり……! 私だって、こんなことやりたくない、やりたくなかったのに!』
 気道が締まりじわじわと世界が白んでいく。ああ、僕このまま死ぬのかな。でも、それならそれでもういいかもしれない。そもそもの在庫が一つ減れば、綺羅は次期当主としてそれはそれは丁寧に扱われるだろう。最早、その方が、いいのでは。

 僕らは『僕ら』で生まれるべきじゃなかった。完璧な一として、沙流川綺羅が生まれるべきだったんだ。


『――結羅! 大丈夫?!』
 遠くから声が聞こえた。眼球だけを動かせば、階段の下で血相を変えてこちらに駆け寄ってくる綺羅が見えた。
 大方先に戻った僕のことが心配で気が気がじゃなくて、結局自分も戻って来たんだろう。本当に最悪なタイミングで来てしまった。
 こんな光景は見せたくなかった。見せたくなかったから、全部ひとりで片付けて追い出すつもりだったのに。

『き、ら…………』
『え……? どういう、こと?』

 僕の上に伸し掛かって僕の首を絞める女を見たのだろう。震える声で『日紅、』と女を呼んだ。女は一瞬だけ泣きそうな顔をして、あは、と壊れた人形のように笑った。

『あはは、全部おしまい。ぜーんぶ台無し。あたしの人生、どうやったって負け組なんだ』
『ひ、べに……? 結羅の上からどいて……?』
『この家頭おかしいよ。当主が絶対正義で、使用人たちは差別しまくりで、化け物みたいなそっくりのガキが居て……。蔵の中に人閉じ込めて殺したんでしょ? 頭おかしい、皆狂ってる、アンタたちも被害者ぶってるけどどうせこの家に飲み込まれるんだ。平然と人を踏み躙って生き続ける、厚顔無恥で気色悪い人間しか居ないよ、この家って』

 ギ、ギ、と音を立てて階段を上がってくる綺羅の顔は見えない。女は僕の上で相変わらず狂ったように泣き笑いを続けている。
 ボタ、ボタ、と顔面に大粒の水滴が降り注いでくる。泣いて、いる。泣いてるんだ。日紅。どうして。泣くくらいなら、どうして。


『日紅……、僕らの事、好きじゃなかったの?』
『――好きなワケあるかよ、雇用主のガキだぞ? ご機嫌取りするに決まってるじゃん! 仕事じゃなかったら喋りたくもないよ、アンタらみたいな気味が悪いクソガキども』




 パリン、と割れた音がしたような気がした。それは多分綺羅の心で、今まで綺羅の中で思い描かれていた普通の幸福だろう。





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