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過去のエレノアを知る者は、彼女が貴族という在り方に誇りを持っている人間だと捉えていた。
だが実際の所は少し違う。
エレノアが固執しているのは社会における己の役割。
自らに課せられた義務を果たす事がまず第一だという事だ。
そのような考えに至った動機は、幼少期の経験にある。
前世の記憶などというものを持つエレノアは、周りとの価値観の違いに大いに悩まされたからだ。
淑女の慎みや身分に応じた振舞い、それに『レベル』という概念。
それら異質な物の数々に、エレノアは順応せねばならなかった。
だが自分がこの世界から逸脱した存在であるという真実は、結局最後まで消しようが無かった。
そうしていつしか、エレノアは己の役割を演じるようになったのである。
つまり単純に義務感と習性から「貴族たらん」としていただけで、それ事態に拘りは無い。
貴族の身分を奪われたのならば、次は平民として生きていくだけだ。
しかしそう簡単に事が運ばないのが人生というものだった。
◆
「お嬢様、どうかコチラでお休みください!」
「ああ、うん。ありがとう」
「はいっ」
すっかり専属のお世話係となった村娘が、エレノアの為に椅子を引く。
簡素な木製のテーブルの上にはスグリの果汁を混ぜた飲み物が置いてある。
ちょっと農作業をした後は、この専用の休息所で村の風景を眺めるのが最近エレノアの日課となりつつあった。
どれだけ打ち解けようとも、ヴァイス村の人々がエレノアを貴人として扱う事を止める事は無かった。
むしろその崇敬の念は日増しに高まっているようにすら感じられる。
ただ血縁を理由に、ある種の惰性で畏まっているに過ぎない。
当初こそ思っていたエレノアは困惑する他無かった。
公爵にも言ったが、貴族に戻る気など毛頭ない。
本音ではエレノアもあの聖女と同じく、のびのびと生きていたかった。
今でも彼女自体には隔意など無いし、ただ筋が通らない事が起きた事には腹を立てていただけだ。
だからこそ、自分だけは周囲に対して義理を果たさなければならない。
あの騒動の問題の根は、義務を果たすべき者が果たさなかったという事に尽きる。
そんな強い自覚がエレノアの中にあった。
さすがに今更国や実家に対して義理立てする事など無いが、この村人たちに対しては別だ。
彼らはエレノアを裏切らず、最後まで敬意を払った者たち。
ならば彼らに対してだけは、人の上に立つ者としての役目を果たす義務がエレノアにはあった。
「村の蓄えの方はどうなっているのかしら?」
「もう三つ目の倉も一杯です! ……もう一つ作りますか?」
村娘は冗談めかした口調で笑っている。
言った本人も本気では無いのだ。
小麦と干し野菜が山と積まれた倉が三つ。
ここに更に収穫前の春の畑も勘定に入れれば、こんな小さな村一つ喰っていくには十分過ぎる量である。
公爵の一件の後すぐ、エレノアは更に村の仕事に注力するようになった。
わざわざ自分の為に立った村人の為に動いてやりたかったし、このまま漫然と過ごしただけでは彼らを巻き込みかねないと自覚したからだ。
『リスティ・ワールド』の知識に寄れば、もうじき魔物の最盛期。
あの調子では国がこの開拓村の防衛に力を割く事は無いだろう。
ならば独力で力を蓄える必要があるのだ。
とはいえ、具体的な目標が定まったわけでも無い。
ただ何となく魔物の進行を跳ねのけるだけの力が欲しい。
そんなふわふわの目標だけを思い浮かべ、エレノアは今日も全力で畑を耕す。
「商人に売った分は?」
「えーと、昨日まででドラン金貨で48枚とエール月銀324枚。あと銅貨がじゃらじゃらと」
「結構買い叩かれたわねえ」
ドラン金貨5枚ほどが一般的な農家の一年分の収入。
そしてここまでで売った作物の量は、この50人ほどの開拓村の畑一年分。
ほとんどは現金外の鉄製農具などと交換したとは言え、それでも金貨7、80枚ほどは手元に残ると予想していた。
「今度来た時に処します?」
果たしてこれは冗談なのか。
村娘は判別のつかない笑みを浮かべている。
「ある程度は宣伝費だと思いましょう」
「宣伝、ひ? ですか」
「こんな辺鄙な所、よほど儲けが期待出来ないと商人も来ないでしょう。次から沢山お友達呼んで貰います」
「ああ、そういう事ですか。確かにそれで家畜の目途も付いたみたいですし、お嬢様のお考えは正しかったんですねえ」
うんうんとしきりに頷きながら目を輝かす。
そんな村娘を見て、エレノアは身を捩りつつ気を引き締めた。
「いいえ、まだこの程度じゃ足りないわね」
「えー? 今でもかなり余裕があると思いますけど……」
「ただ平和に食べていくだけなら、ね。ただ最近物騒でしょう?」
思い当たる節があるのか、村娘の瞳にも真剣な光が宿った。
「村の防衛にも力を入れたいのよ」
「やっぱりお堀だけじゃ足りませんか?」
「いざって時を考えますとねえ……」
畑以外の村の設営はエレノアの能力の外の事。
村人たちの力次第という所が大きい。
しかしそれでも、既にヴァイス村の周りには二重の防衛壕が張り巡らされている。
エレノアが土を耕し、柔らかくなった地面を掘り下げていく。
そんな小技を駆使したお陰で、驚異的な工期短縮が実現されたのだ。
「鉄製の武器も欲しいし、余裕があれば『戦士』や『魔術師』のクラスを持つ人の訓練もね」
「そうですね。確かヨトゥンお爺ちゃんが若い頃傭兵やってたって聞きました。騎士サマと戦って勝ったこともあるとか」
「え? あ、そうね。人型との闘い方も知っておいた方が良いかもしれません」
ゴブリンやオーガは人と同じように集団戦で戦うという。
きっとそういう状況を想定しているのだと納得しながら、エレノアはスグリの杯に口を付けた。
「でもまずは『レベル上げ』でもした方が早いわね」
「ッ! それじゃあ、父ちゃんと爺ちゃんにそう話ときます!」
「よろしくね?」
「お任せください!」
びしり、といつになく気合の入った礼をする村娘にエレノアは少々たじろぐ。
村娘はそれに気が付くこと無く、足早に過ぎ去っていくのだった。
◆
「……というわけなんだけど」
エレノアから離れてすぐ、村娘は近くの木陰で数人の村人たちと輪を囲んだ。
誰もが皆、牧歌的な村人の姿にはそぐわない真剣な顔をしている。
「やっぱりこの間の事が」
「お嬢様もご心配なのだろう」
村人とエレノアの間には小さな齟齬があった。
傍から見ればエレノアは必要以上に村の防衛を推し進めている。
それは未来の魔物の害を恐れてのことだが、村人たちにそれを知る由は無い。
そうなるとその仮想敵は当然、直近に騒ぎを起こした相手となる。
「やっぱり口封じもありうるよな」
「父親があの調子じゃあねえ……」
村人たちは戸惑いながらも、それに怯えを見せることは無かった。
来るなら来い、皆そんな心持ちである。
「それとお嬢様が戦える者の『レベル上げ』もするように、って」
「おお! そんな事まで言って下さったか!」
この世界を『ゲーム』として知っていたエレノアからすれば、『レベル上げ』などして当然の行為。
しかし現実の常識からすれば、少々事情が変わる。
それは一種の禁忌だった。
無用な力を持つ者など、反乱の種にしかならない。
その上民草には日々の生活があり、魔物退治などその付属の行為に過ぎなかった。
ある程度は仕方が無いにしても、納税者が魔物と戦う事を善しとする領主はいないものだ。
それなのに『レベル上げ』を村一番の権力者であるエレノアが許可をした。
これは無上の信頼を村人たちに捧げている、と言っても過言ではない。
「……村の畑の事だけじゃねえ。今まで文句も言わず働いて下さった上に、オレ達を見捨てないでこんな魔物だらけの田舎に留まって下さったんだ。これで戦の一つも乗り越えなきゃ、男じゃねえ!」
益を齎せられた者には、新たに義務が湧く。
村人たちが多大な恩義を返すべく、臣従の気持ちを確かめ合うのは自然な事である。
こうしてエレノアの知らぬ陰で、開拓村の要塞化は着々と進んでいくのだった。
だが実際の所は少し違う。
エレノアが固執しているのは社会における己の役割。
自らに課せられた義務を果たす事がまず第一だという事だ。
そのような考えに至った動機は、幼少期の経験にある。
前世の記憶などというものを持つエレノアは、周りとの価値観の違いに大いに悩まされたからだ。
淑女の慎みや身分に応じた振舞い、それに『レベル』という概念。
それら異質な物の数々に、エレノアは順応せねばならなかった。
だが自分がこの世界から逸脱した存在であるという真実は、結局最後まで消しようが無かった。
そうしていつしか、エレノアは己の役割を演じるようになったのである。
つまり単純に義務感と習性から「貴族たらん」としていただけで、それ事態に拘りは無い。
貴族の身分を奪われたのならば、次は平民として生きていくだけだ。
しかしそう簡単に事が運ばないのが人生というものだった。
◆
「お嬢様、どうかコチラでお休みください!」
「ああ、うん。ありがとう」
「はいっ」
すっかり専属のお世話係となった村娘が、エレノアの為に椅子を引く。
簡素な木製のテーブルの上にはスグリの果汁を混ぜた飲み物が置いてある。
ちょっと農作業をした後は、この専用の休息所で村の風景を眺めるのが最近エレノアの日課となりつつあった。
どれだけ打ち解けようとも、ヴァイス村の人々がエレノアを貴人として扱う事を止める事は無かった。
むしろその崇敬の念は日増しに高まっているようにすら感じられる。
ただ血縁を理由に、ある種の惰性で畏まっているに過ぎない。
当初こそ思っていたエレノアは困惑する他無かった。
公爵にも言ったが、貴族に戻る気など毛頭ない。
本音ではエレノアもあの聖女と同じく、のびのびと生きていたかった。
今でも彼女自体には隔意など無いし、ただ筋が通らない事が起きた事には腹を立てていただけだ。
だからこそ、自分だけは周囲に対して義理を果たさなければならない。
あの騒動の問題の根は、義務を果たすべき者が果たさなかったという事に尽きる。
そんな強い自覚がエレノアの中にあった。
さすがに今更国や実家に対して義理立てする事など無いが、この村人たちに対しては別だ。
彼らはエレノアを裏切らず、最後まで敬意を払った者たち。
ならば彼らに対してだけは、人の上に立つ者としての役目を果たす義務がエレノアにはあった。
「村の蓄えの方はどうなっているのかしら?」
「もう三つ目の倉も一杯です! ……もう一つ作りますか?」
村娘は冗談めかした口調で笑っている。
言った本人も本気では無いのだ。
小麦と干し野菜が山と積まれた倉が三つ。
ここに更に収穫前の春の畑も勘定に入れれば、こんな小さな村一つ喰っていくには十分過ぎる量である。
公爵の一件の後すぐ、エレノアは更に村の仕事に注力するようになった。
わざわざ自分の為に立った村人の為に動いてやりたかったし、このまま漫然と過ごしただけでは彼らを巻き込みかねないと自覚したからだ。
『リスティ・ワールド』の知識に寄れば、もうじき魔物の最盛期。
あの調子では国がこの開拓村の防衛に力を割く事は無いだろう。
ならば独力で力を蓄える必要があるのだ。
とはいえ、具体的な目標が定まったわけでも無い。
ただ何となく魔物の進行を跳ねのけるだけの力が欲しい。
そんなふわふわの目標だけを思い浮かべ、エレノアは今日も全力で畑を耕す。
「商人に売った分は?」
「えーと、昨日まででドラン金貨で48枚とエール月銀324枚。あと銅貨がじゃらじゃらと」
「結構買い叩かれたわねえ」
ドラン金貨5枚ほどが一般的な農家の一年分の収入。
そしてここまでで売った作物の量は、この50人ほどの開拓村の畑一年分。
ほとんどは現金外の鉄製農具などと交換したとは言え、それでも金貨7、80枚ほどは手元に残ると予想していた。
「今度来た時に処します?」
果たしてこれは冗談なのか。
村娘は判別のつかない笑みを浮かべている。
「ある程度は宣伝費だと思いましょう」
「宣伝、ひ? ですか」
「こんな辺鄙な所、よほど儲けが期待出来ないと商人も来ないでしょう。次から沢山お友達呼んで貰います」
「ああ、そういう事ですか。確かにそれで家畜の目途も付いたみたいですし、お嬢様のお考えは正しかったんですねえ」
うんうんとしきりに頷きながら目を輝かす。
そんな村娘を見て、エレノアは身を捩りつつ気を引き締めた。
「いいえ、まだこの程度じゃ足りないわね」
「えー? 今でもかなり余裕があると思いますけど……」
「ただ平和に食べていくだけなら、ね。ただ最近物騒でしょう?」
思い当たる節があるのか、村娘の瞳にも真剣な光が宿った。
「村の防衛にも力を入れたいのよ」
「やっぱりお堀だけじゃ足りませんか?」
「いざって時を考えますとねえ……」
畑以外の村の設営はエレノアの能力の外の事。
村人たちの力次第という所が大きい。
しかしそれでも、既にヴァイス村の周りには二重の防衛壕が張り巡らされている。
エレノアが土を耕し、柔らかくなった地面を掘り下げていく。
そんな小技を駆使したお陰で、驚異的な工期短縮が実現されたのだ。
「鉄製の武器も欲しいし、余裕があれば『戦士』や『魔術師』のクラスを持つ人の訓練もね」
「そうですね。確かヨトゥンお爺ちゃんが若い頃傭兵やってたって聞きました。騎士サマと戦って勝ったこともあるとか」
「え? あ、そうね。人型との闘い方も知っておいた方が良いかもしれません」
ゴブリンやオーガは人と同じように集団戦で戦うという。
きっとそういう状況を想定しているのだと納得しながら、エレノアはスグリの杯に口を付けた。
「でもまずは『レベル上げ』でもした方が早いわね」
「ッ! それじゃあ、父ちゃんと爺ちゃんにそう話ときます!」
「よろしくね?」
「お任せください!」
びしり、といつになく気合の入った礼をする村娘にエレノアは少々たじろぐ。
村娘はそれに気が付くこと無く、足早に過ぎ去っていくのだった。
◆
「……というわけなんだけど」
エレノアから離れてすぐ、村娘は近くの木陰で数人の村人たちと輪を囲んだ。
誰もが皆、牧歌的な村人の姿にはそぐわない真剣な顔をしている。
「やっぱりこの間の事が」
「お嬢様もご心配なのだろう」
村人とエレノアの間には小さな齟齬があった。
傍から見ればエレノアは必要以上に村の防衛を推し進めている。
それは未来の魔物の害を恐れてのことだが、村人たちにそれを知る由は無い。
そうなるとその仮想敵は当然、直近に騒ぎを起こした相手となる。
「やっぱり口封じもありうるよな」
「父親があの調子じゃあねえ……」
村人たちは戸惑いながらも、それに怯えを見せることは無かった。
来るなら来い、皆そんな心持ちである。
「それとお嬢様が戦える者の『レベル上げ』もするように、って」
「おお! そんな事まで言って下さったか!」
この世界を『ゲーム』として知っていたエレノアからすれば、『レベル上げ』などして当然の行為。
しかし現実の常識からすれば、少々事情が変わる。
それは一種の禁忌だった。
無用な力を持つ者など、反乱の種にしかならない。
その上民草には日々の生活があり、魔物退治などその付属の行為に過ぎなかった。
ある程度は仕方が無いにしても、納税者が魔物と戦う事を善しとする領主はいないものだ。
それなのに『レベル上げ』を村一番の権力者であるエレノアが許可をした。
これは無上の信頼を村人たちに捧げている、と言っても過言ではない。
「……村の畑の事だけじゃねえ。今まで文句も言わず働いて下さった上に、オレ達を見捨てないでこんな魔物だらけの田舎に留まって下さったんだ。これで戦の一つも乗り越えなきゃ、男じゃねえ!」
益を齎せられた者には、新たに義務が湧く。
村人たちが多大な恩義を返すべく、臣従の気持ちを確かめ合うのは自然な事である。
こうしてエレノアの知らぬ陰で、開拓村の要塞化は着々と進んでいくのだった。
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