15 / 42
本編
終】ヴィクトルの想い(捕まえるまでの話)《後》
しおりを挟む後半です。
==============
ずっと彼を探す事ができればいいのだが、戻らないといけない。私にはしなければならな事がある。
とっとと領主なんて辞めたいが、エミルがどういう状態なのか分からないのだから、見つけた後の事も考えると、基盤は必要だ。…王太子も怖いしな。
本音は、ここかも知れない。考えないようにしてるが。本当に何を考えてるか判らない…怖いんだよ…。
エミルの行方は分からないが、『幻の露店』の跡を追った。少しでも手掛かりになりそうな事には縋りたい。何か関わってるかも知れない。
地図を広げ、今日聞けた場所に印をつける。
『幻の露店』は国外でダンジョンの付近に出現している。ダンジョン…冒険者なら近づきやすいな。
もっと情報を集めるには、国外に出る事になる。依頼してもいいが限界もある。自分で行くのが一番だ。
出入国手続きが面倒なので、偽名で冒険者ギルドに登録する事にした。
国交のある国の往来は、ほぼフリーパス。ある程度の等級が必要になるが。情報を集めながら国外に行ける等級まで最速で上げた。
A級まで上げればもっと自由度が上がるが、これは国外に出てからでも出来る。兎に角、早く軌跡を追いたかった。追えば、もっと多くの手掛かりが手に入るだろう。
エミルも商業ギルド辺りに登録してるはずだ。以前も登録してたはずだから勝手を知っているだろうし…。
何度も所在をと掛け合ってみたが、けんもほろろだった。あまり執拗いと変な勘繰りと領地への嫌がらせもありそうだから程々にはしている。口が固い…。
ギルドは登録者には納める物と仕事をしていれば優しい。余程の事がない限りは外に対して口が固くて敵わん。私自身も冒険者ギルドの恩恵を受けてるので分かるんだが…。
冒険者になった事で、手掛かりに近づけた。
A級に上げるために組んだ冒険者と繋がりが出来て来た結果だった。
『幻の露店』に出会えたという冒険者たちに接触は出来たが、どの冒険者も店主の薬師の印象があやふやというか皆無だった。
確かに会ったのに、覚えてない事に初めて気づいたようで、本人たちも不思議だと首を捻っていた。
尋ねられるまで気づかなかったようだが、店の特徴というか様子は分かった。
こちらも『幻』というだけあって厄介だ。
看板だけが目印としか分からないときた。不思議な店だ。看板を見つけると、店が現れるのだとか。高品質の商品を手にしているのだから、店はあるはずなのに…。
そして、最近は店を見かけてないとも言われた。
地図を改めて見る。出現してる順に辿っていく…。
海に向かってる?
ーーーー海か。
港で小柄な男と露店の聞き込みをするが、掠りもしない。
この辺りのダンジョンでは『幻の露店』の情報がない。そのまま期限が来て帰る。
親戚スジから連れてきた青年は難なく領地の運営をしてくれてる。
優秀なので、期限を区切らなくてもと思うが、私のサインが必要なものもあって、まだまだ往復の日々だった。
だが、近々譲れそうだ。
手紙で王太子に領主譲渡を打診してみる事にした。
冒険者のも慣れた。エミルが見つかったら、彼と旅をしながら…身体の自由が利かなくなってるなら、どこかに定住もいいのではないかと淡い夢を抱いていた。
教会の方には『エミルは死んだ』と報告している。珍しい植物を採取に行って、運悪く魔獣に遭遇し、食い殺された。人を襲った魔獣は、駆除された。
というか筋書きで…。
書いて思ったが、あまりにすんなりした…芝居のようだと。
『幻の露店』の店主はエミルだとなんとなくだが、確信があった。だから、これを追ってるんだが…。
港を中心に方々に足を伸ばしたが、露店の情報は完全に無い。
火山島にも足を伸ばした。
旅行者の話を聞いて回った。
髪の色はもう限定はしなかった。髪染めを使ってるかも知れない。長さだって変わってるだろう。
童顔の小柄な男。
露店をしてたのなら、大きな荷物。
そんな風貌の旅行者はいなかったかと。
地道に聴き込みをしていく。
そんな中、絵描きの小柄な男の話が引っ掛かった。
小柄な男は、少し嵩張る荷物を背負って、小さなスケッチブックに熱心に島の植物を描いていたらしい。
エミルのような気がする。
絵描きの情報も微かになった頃、食堂で砂漠の方からやってきた男の不思議な話を小耳に挟んだ。
『少しずつだがオアシスが広がっているらしい』
広がっている?
縮小はある事だが…。
不思議な事もあるもんだと話が次に移っていった。
砂漠にオアシスが出現するのは知ってるが、長く続いてもそれはいつか消えて、また別のところに現れる。それが世の常だと思っていたのだが…。
エミルも不思議な男だった。不思議な事があるところに彼がいるような気がする。
砂漠の国方面へ向かいそうな船を探して、大急ぎで手続きをした。
オアシスに到着早々に、知った魔力の匂いに出会った。
挨拶なしに胸ぐらを掴んだ。
街のメインストリートのど真ん中。
魔力が絡み合った。周りの人間が慌てて離れて、遠巻きにしている。
相手も私のことを知っているようだった。
「待った。ここはまずい。移動しよう」
冷静な声音に、つられて冷静になった。
それもそうだ。
騒ぎを起こせば、ギルドが黙っていない。制裁金は痛い。私よりも若いこの男の方が余程落ち着いている。冒険者としても上なのだろう…。
だが、この男には負けられない。
砂漠で対峙して、互いに理解した。
魔力は同程度。やり合えば無傷ではすまない。戦場ではない。ギリギリの対決は不毛だ。
ほぼ同時に相手も練っていた魔力を霧散させる。同じ事を考えたようだ。
決闘は始まる前に終わった。
だが、ここで引き下がる訳に行かない。目的は力試しじゃない。
ジリジリ照りつける太陽の下、訊きたい事を口にした。
「エミルをどこに隠した?」
ねじ伏せるのは諦めたが、単刀直入に切り込んだ。
返してもらう。
コイツしか彼を連れ出す事ができる人間はいないはずだ。怪我をした彼を保護してくれたのだろうか。だったら、連れて来てくれれば良かったのに…。
エミルに帰って来れない何かがあったんだろう…。エミルはもしかしたら記憶を無くしてるのかも。だとしたら、彼が連れ去って、隠したんだ…。
「…怖いですね。隠したところで、仕方がないか。彼は、行方不明です。火山島までは一緒だったんです。オアシスに向かったまでは分かったのですが、ここで足取りが消えて…」
行方不明?
ここで消えた?
コイツは、何を言ってる?
エミルはどこだ…?
あと少しで会えると思ったのに…。コイツが隠してないのなら…。どこだ?
当初に考えた事を思い返す。
この緑が広がってるのに関わってると思ったんだ。
彼は土属性だ。
植物好きだった。
離れの庭の隅で薬草か何か育てていた。
行方不明なんて……行方不明ってなんだ?
手がかりがない?
彼に関わりそうなのが…もう無いって事…?
もう……会えない……のか?
力が抜ける。膝が砂にめり込んだ。
彼に、エミルに、会えない…?
ここで土いじりをしてるのではと思ってたのに。
こんなところで何をしてるんだって、笑ってやろうと思ったのに。
迎えに来たって言ってやろうと思ったのに。
今度こそ、いっぱい、いっぱい、話そうと思ってたのに。
ウソだ…。
気づいたら、泣いていた。倒れそうになる身体を両手で支える。焼けた砂が掌を熱する。
やっと会えると思ってたのに……。
砂を両手で握りしめた。吸われていく涙の跡を見ていた。
ギチギチと砂に爪を立てる。指の間を砂が逃げていく…。エミル……。
涙が止まらない。
堰を切って溢れてくるものを止められなかった。
嗚咽を溢しながら泣いた。
肩に手が添えられた。
男が慰めてくれてる。
さっきまで殺してやるって圧を飛ばしていた相手を慰めてる…。
この男はお人好しかッ!
お人好しは私が泣き止むまで側にいてくれた。
街に戻って語り合った。
エミルは私から逃げてると言われた。悪い男だったら、騙してでも追い返そうと思ったが、そうでもないからと色々と話してくれた。
おしゃべりな明るい男だった。ついでにお人好しだ。そして、悔しそうにグラントリーは自国に帰って行った。
そうか…。エミルは私から逃げてるのか…。何故だ? 理由が聞きたい。彼と話がしたい…。
あの最後の夜。口づけしたあの夜。想い合えたのではなかったのか…?
私をあんなに甘い声で呼んでくれたではないか。濡れた目と声が私を誘ってくれた…。
オアシスに何度も通い、やっとこの辺りをふらふらしてた変な旅行者がいたと少年の証言を得れた。
随分前の事だし、すれ違った程度の記憶だから曖昧だと念押されたが、確信していた。
背格好は、エミルだった。
手や腕に草花や蔦のような模様が描かれていたらしい。
その模様が綺麗で、生きてるようだなとじっと見ていたのだとか。それを施してるのが男だったので驚いたのを覚えていたそうだ。
あっちに向かったと指差した。その方向に足を向ける。
楽しそうにふわふわしてる変なおじさんだったと。
エミルは旅を楽しんでいたようだ。
少年の見かけた頃の緑の端はこの辺りだったはずだ。ぐるぐる見て回るが何もない。当たり前か…。
この付近の民家にでも聞き込みしてみるか…。
暑い。
木陰で水を飲みながら、乾いた風を感じつつ眠っていた。
『領主さまかな?』
それがヌシさまとの出会いだった。
明るいのか暗いのか分からない空間で、声の主が、足元を指さしたような気がした。
透明な板の上にいた。床だろうか。氷かガラスのようだが、透明だとしか分からない。
指し示す方を見れば、何か白い物があるような…。目を凝らす…。
エミルが丸まって横になってる。寝てるのか?
手が届かない。呼び掛けても声が届いていないようだ。
殴りつけるように叩きながら彼の名を何度も呼んだ。
目覚めて、夢だと思いつつも、手掛かりに縋りついた。
「エミル、見つけた…」
呟いていた。夢での事なのに手が痺れている。叩き続けていた感覚が残ってる。
「もう消えないでくれ」
願った。ヌシさまとは夢を通して何度か話す事が出来た。
ヌシさまが言うには、融合してしまったエミルを解放するには、彼の依代とヌシさまへのエネルギー供給量の増幅が必要なのだとか。
ここをもっと大きくして、エミルを移せる若木を育てる事。
それが、今の私の出来る事。
「ここに通うよ。このオアシスを大きくする。砂漠がなくなる程に大きくしてやる。お前を解放して貰えるように。貰えるぐらい頑張るから。だから、だから、もう消えないでくれ……」
地面に両の手をついて呟く。祈りを込めて。
この下にエミルがいる。
不思議な感じだがそうなのだと確信にも似たものを感じていた。
掌に微かに感じる安らぐあの魔力。エミルの魔力だ。
そこからが忙しくツテを使いまくっての王都と領地の往復だった。オアシスへの滞在と権利の交渉。
国家間の事は分からないが、王太子が何かしてくれたらしい。
またこき使われる予感がするが、致し方ない。
私はヌシさまが指定した若木を育て始めた。
火属性の自分にとっては試練だった。
一度森を焼き払ってるので他の精霊にも見放されたか。
気候的にも、条件も揃ってるはずなのに上手く育ってくれない。
自分の木以外はすくすく育つ。
私が手がけた木はなかなか育たなかった。
あのやらかしから魔法も火力が思うように上がらなくなっていた。精霊に見放されたのだろう。
ヌシさまに何度も別の木にする話をしたが、あの木が気に入ったと譲ってくれない。
隣りの木は手をそれ程手を掛けてないのに、すくすく育っていく。
手を掛けなければ育つのか?と思い、少し手を抜けば、途端に元気を無くす。慌てて世話を焼いた。
手をかけ、日参し、年を重ねた…。
時折り、夢でヌシさまと話をする。
エミルが泣いて困ると言ってる事もあった。子守り歌のようなものを知らないかと問われた。私はその辺りは疎いので、知らないと返した。
エミルは何が悲しくて泣くのだろう。
やはり地上が恋しいのだろう。
早く木を大きく育てなければ…。
今日も手入れの為の道具を手に若木に向かう。
オアシスは大きくなった。
地下水の汲み上げには一定の制限を掛けつつ、水路や浄化装置を配置して、街を整備した。砂漠は存在しているが、緑は少しずつ確実に広がっている。
若木のあった場所に人が座り込んでいた。
裸で全身泥だらけだった。特に脚はドロドロだった。泥に浸かっていたようだ。
背格好は忘れもしない愛しい男の姿で。
あの時のままで。
「エミル?」
振り返った涙に濡れた顔は紛れもなく彼で。
泥で汚れた顔でも分かる。
会いたい人に漸く会えた。
「ヌシさま、感謝します」
この温もりを、もう絶対に離さない。
互いに渇望する熱も落ち着いた頃合いで、腕の中の温もりを確かめるように撫でる。肩を引き寄せ、脚を絡ませる。熱がまたぶり返しそうだが、肌を密着させていたい…。
眠いのかぽややんとしたエミルに、私から離れた後の事を質問してみた。
彼は、なんて事は無いといった風に答えてくれた。
私は彼を腕の中で身動きも取れない程に抱き込んで逃さないようにしていた。
……話す内容は予想はしていた。
予想は大体合っていたが、話す様子は…。
自ら耳を削ぎ落として、魔獣に食べて貰ったと話す様子は、身振り手振りで「ちょっとそこまで行ってね」と話すような呑気な声音と表情だった。
自らの身体を最もあっさりと傷つけられるものなのか。
呑気な陰に得体の知れない何を感じて、絡めた手足を更に強く絡める。
「そうだ! ヴィクトルさま、温泉に行こう。海は見た?」
さっきまで少し眠そうだった彼が、パッと顔を輝かせて、楽しそうにそんな提案をしてきた。
私の話を聞いていたのだろうか。私はこんなにもあなたを求めて…。
彼にとって過去はそれ程重要ではないのか。
今、現時点では、重要じゃないって事かもしれない。
ほんの少し、彼を分かった気がした。
先の事…。
そうだな。この手を離さなければ、彼は去っていかないだろう。
彼の指先に唇を押し当てる。
柔らかく微笑んで、私の手を引き寄せてキスを返してくれる。
長く慣れない土いじりで荒れていたはずの手は綺麗になっている。荒れていたのが嘘のようだ。
「温泉でも何処でも。あなたが行きたいところに行こう。ただ、仕事をしないと王太子に怒られるので、次の休みになりますよ?」
「構わないよ。僕は薬でも作ってるさ」
嗚呼、あの音を聞けるのかと思うと心が躍る。
しっかり、優しく、抱き込んだ。
くふふ…と擽ったそうに笑う彼。
好きです。何度だって言う。もういいよと言われても、この耳に囁いてやろう。
もう何処にも行かせはしない。
私の側から離れないで。
=================
本編というか、『出会いから結ばれるまで』のお話が終わりって感じですね。
次は、後日談を挟んで『続編』に続きます。
『続編』の方がファンタジー要素が強いですね( ̄▽ ̄;)
後日談は、お人好しのグラントリーさんのお話です。
続きが気になる方、お気に入りに登録やしおりは如何でしょう?
感想やいいねを頂けたら、さらに嬉しいです。
↓下の方にスタンプや匿名でメッセージ送れるの設置してあるので、使ってみて下さい。
ちなみにURLはコレ↓
https://wavebox.me/wave/8cppcyzowrohwqmz/
23
あなたにおすすめの小説
りんご成金のご令息
けい
BL
ノアには前世の記憶はあったがあまり役には立っていなかった。そもそもあまりにもあいまい過ぎた。魔力も身体能力も平凡で何か才能があるわけでもない。幸いにも裕福な商家の末っ子に生まれた彼は、真面目に学んで身を立てようとコツコツと勉強する。おかげで王都の学園で教育を受けられるようになったが、在学中に両親と兄が死に、店も乗っ取られ、残された姉と彼女の息子を育てるために学園を出て冒険者として生きていくことになる。
それから二年がたち、冒険者としていろいろあった後、ノアは学園の寮で同室だった同級生、ロイと再会する。彼が手を貸してくれたおかげで、生活に余裕が出て、目標に向けて頑張る時間もとれて、このまま姉と甥っ子と静かに暮らしていければいいと思っていたところ、姉が再婚して家を出て、ノアは一人になってしまう。新しい住処を探そうとするノアに、ロイは同居を持ち掛ける。ロイ×ノア。ふんわりした異世界転生もの。
他サイトにも投稿しています。
氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された
楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。
何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。
記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。
----------
※注)
かっこいい攻はいません。
タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意!
貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。
ハッピーエンドです。
激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします!
全16話 完結済み/現在毎日更新予定
他サイトにも同作品を投稿しています。
様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。
初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する
135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。
現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。
最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。
【完結】こじらせ半猫くんは、好きな人の前だけ可愛い―溺愛ダーリン×半猫化男子―
砂原紗藍
BL
大学生の三毛乃レンは、雨に濡れたり感情が高ぶったりすると、ふわふわの猫耳としっぽが勝手に出てしまう“半猫体質”。
誰にも知られないように隠してきたのに、気になっていた隣人・橘カナトに見られてしまう。
「お前は、そのままで可愛い」
そう言って優しく受け入れてくれるカナトに対し、レンは「別に嬉しくない」と強がる。
でも本当は――寂しがりで不安になりやすく、嫉妬も拗ねるのも止められない“無自覚メンヘラ”気質。
実はその原因は、“幼い頃に背負った傷”にあった。
半猫姿を狙われて怯えたり、危ない目に遭えば、カナトは迷わず抱き寄せて守ってくれる。
そんな溺愛に触れていくうちに、気づけば、“心も体も”カナトなしでは生きていけなくて――。
「カナトさんがいないと、やだ。置いてかないでね」
「置いていかない。絶対に」
「……約束?」
「約束するよ」
レンを守り甘やかす一方で、嫉妬や拗ねるレンにデレデレになりがちなカナト。
耳もしっぽも、心も体も――お互いを独り占めしたくて、手放せない。
こじらせ半猫男子と、一途に溺愛するダーリンの、甘々ラブストーリー。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
騎士は魔石に跪く
叶崎みお
BL
森の中の小さな家でひとりぼっちで暮らしていたセオドアは、ある日全身傷だらけの男を拾う。ヒューゴと名乗った男は、魔女一族の村の唯一の男であり落ちこぼれの自分に優しく寄り添ってくれるようになった。ヒューゴを大事な存在だと思う気持ちを強くしていくセオドアだが、様々な理由から恋をするのに躊躇いがあり──一方ヒューゴもセオドアに言えない事情を抱えていた。
魔力にまつわる特殊体質騎士と力を失った青年が互いに存在を支えに前を向いていくお話です。
他サイト様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる