呑気な薬師と領主さま

アキノナツ

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続編

精霊たちの騒めき(3)

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お茶会スタートッ!


================

 
 うぅぅぅ……
 振り返れば、王太子さまです。
 王太子殿下さまと二人でお茶会です…。

 取り敢えず、営業スマイルで座り直します。
 緊張で、吐きそう……。
 この人…変だし。

「さてと、アイツも居なくなったし。これからの事や、アイツの状況とかを話しておこうか」

 殿下がさっきまでの柔らかな表情から打って変わって、真面目な王太子さまなのだと思えるキリリとした表情で話し始めました。整った顔だけに冷たくも感じてしまいますね。

 精霊の話をざっくりとしていただけました。
 ヌシさまとお話しした中にもあった気はしますが、寝ていた所為か記憶があやふやなところもあります。
 大事なお話なようですし、興味深かったので、楽しく聴けました。

 加護をつけてくれるのは、滅多にない事らしのです。精霊は気まぐれに個人についたり、加護をつけたりするそうなのだとか。

 つらつらと語られていきます。要点が纏められた物語チックでもある飽きのこない話し方です。

 対外的な事をほとんど殿下がされてるような事をヴィクトルさまが言われてましたが、納得しました。この話の流れで了承を求められたら頷いてしまいそうになります。商売上手な感じです。

 そして、僕についた加護は生まれた時からかどうかは分からないらしいという事が分かりました。
 言われるまで知らなかったのですから、僕にだっていつからなんて分かりませんね。

 それに、一度身体を無くしてるし、加護が人の何につくのかは知らないけど。
 今はついてると分かるだけなのだそうです。害が無いなら、僕は別にどうという事はありません。いつも通りにしていますので。

 でも、ちょっと心当たりはありますのですよ。オアシスで加護をつけて頂いたのかもと思うのです。
 だって、あの場所はヌシさまも居たけど、何か、こう…もっと何か居そうだったんです。とってもキラキラしたのを感じるのです。

 ちなみに、精霊さんたちは各々個性的で、数がそんなにいないようなんです。そして、あちこちとふらふらしてるらしいです。……ますますその辺をふよふよと漂って居そうですね。

 んー、結構いたりするかも……?

 不意に思い浮かんだ事がありました。
 質問!と手を挙げました。
 はい、どうぞと優しい殿下先生が手を差し出し促してくれます。

「キラキラした感じの雰囲気のが精霊さんですか?」

 手をひらひらと身振りをつけて話してみます。伝わるでしょうか…。
キラキラについて幾つか質問されましたが、伝わったようです。

 知ってる人に確認すればいいのです。あれは目の錯覚なのですか?
 ニコニコとお答えしてくれます。いい先生です。

 キラキラしてる感じがするのは、妖精さんって事でした。精霊さんじゃなかった。残念ッ。何が残念って事ではないんですが、なんとなく…ハズレた気分というか…。

 妖精さんは、精霊さんの卵みたいなモノらしいです。そこから精霊になるかそのまま妖精として生を全うするかは色々だと。

 殿下もざっくりしか知らないと言われましたが知ってるだけども凄いです。精霊さんにも感情の片鱗がキラキラするかもだって。

 妖精さんや精霊さんも寿命があるんですね。でも、多分、長寿だと思います。ヌシさまみたいな感じがしますから。うん、そんな感じがします。

 という事は、ヌシさまは精霊?

 んー…これは、違う気がする。
 コレは確実な感覚。直感ですッ。

 アレコレ考えてひとり納得してると、「加護の件は導入部分で、本題は…」と始まった。
 導入だったんだ……。

 ヴィクトルさまと殿下は精霊付きの人間なのだとか。内緒ねって言われた。じゃあ、何故話す。変な人です。

 お二人は、精霊付きという繋がりもおありという事ですね。仲良しさんです。
 でも、そんなにポンポン付くもの?
 疑問が次々出て来ますが、お話を聞きましょう。

 付いてくれてる理由は色々なのだけど、その辺は今は関係ないから割愛だそうです。

 割愛されてしまったので、疑問も割愛ですね…と思いましたが、訊いてしまいました。経験上、モヤモヤはさっさと晴らすに限ります。

 そして、ポンポン付くことはないと言われてしまいました。
 では、何故?

「なんと言えばいいかなぁ…。お気に入りに滅多に出会いから離したくなかったというか…。付いてくれるのは嬉しい事なんだが、これはこれで、ちょっと困る事もあってね…」

 苦笑いをされてます。
 さっきまですらすら話てたのにごにょごにょ言ってます。

 精霊さんに気に入られたのですね。精霊さんの感覚ありきですか…。
 何か匂いとか気に入ったのですかね。はたまた魔力とか美味しそうとか人として面白そうと思ったり?

 ぽやぽやと思いつく事はあっても確かな事は、精霊さんに尋ねないと分かりませんね。ただ、質問できそうな相手は思いつきません。殿下は…。

 さっきの行動を見れたら、困ってそうな事も分かる気がします。なので、会話はとっても難しそうです。

 殿下には、優しくしてあげないといけませんですね。うんうん。
 何か気分を和らげるような薬草茶でもプレゼントしましょう。

 ヴィクトルさまは森を焼き、魔獣を殺し過ぎたので、ヴィクトルさまについてる火の精霊さんはペナルティを受けてるらしいのです。
 鎖というか、殺した数だけ戒めの輪が幾つも嵌って身動きが取れないのだとか。とても苦しそうです。

 しかも、その辺りははっきりヴィクトルさまには伝わってないらしいです。それは精霊さんもお困りでしょうね…。

 風の精霊さん経由で殿下が伝えてるとか。ヴィクトルさまは、精霊に嫌われたと考えてるようです。

 その戒めを解除するには、回収した魔石を、その魔獣がいた場所で、儀式をして砕いて大地に撒くのが必要なのだそうです。そうして、戒めが外れて行ってるらしいです。

 儀式の場所は魔石が教えてくれるらしいです。その類の魔法を魔石にかけて教えてもらうとも。

 嬉しい事もあります。戒めの残数は、あと少しなのだそうです。ヴィクトルさま頑張りましょうね。

 魔石は何処にあるか。これが問題なのだとか。

 魔石があちこちに出回ってしまったのは、ヴィクトルさまが魔獣の腹の中にしか興味がなかったそうで、腹を割いて、中を確認したら、次へと向かってたそうで……。
 僕を探してたからね……。

 魔獣から獲れる魔石は貴重で、回収せずに放置していた所為で、様々な人が手にして方々に散ってしまったらしいです。

 大半はギルドに持ち込まれ、王室に届けられたので、数年でほぼ解消されたが、まだ戒めが外れてないので、行方を追っているという事なのだそうです。

 大変です…。

「森を焼き、魔獣殺しまくったら、罰を喰らうよね?」

 にこやか言われましても……。
 爽やかにお茶を飲んでおられます。

「僕の、所為ですね…」

 こう返すしかないですね。この人は全て知ってる気がします。僕が何をして、ヴィクトルさまに何をさせたのか…。

 そして、その先を聞いて、事態の広がりに頭を抱えてしまいました。
 僕がした事は、国の領地の一部の森を焼いた原因を作っただけではないようです。

 精霊の世界は人の世界との繋がりがあるいうのは、殿下のお話で分かって来ましたから…。

 この件で精霊たちが騒めいて、ここから国外に広く波紋が広がってしまってるのだそうです。精霊たちにとっては一大事の出来事だから、慌てふたためいてるとか。あちらは大混乱らしいのです。

「国内外のあちこちでなんらかの影響も出てくるかもって、噂もうるさくてね」

 優雅にお茶を飲みながらも苦笑いの殿下。耳を触ってる。うるさいのかも…。
 彼の風の精霊さんはウワサ好き。あちこちの精霊たちや人の話や様子を仕入れたり、話を聞いたり、伝播したりしてる。

 ……引っ掻き回してるだけだったり?

 活発なおかげでより多くの噂話が集まってくるようになったとか。
 国内外の様々な様子がアレコレと。

 精霊の声がハッキリ聞こえる者は居ないから害はないみたいだよって言ってる殿下は聞こえてるのに?

 本当に?

 ぼんやり感じてる人が影響を受けたりしたら?
 だって、船酔いした僕は陸に上がっても変だったんですよ。僅かな振動が…。

「やったのは馬鹿ヴィーだから。気に病む事はないよ」

 笑い飛ばしてるけど…。
 笑い事じゃないけど、聞こえてるのはこの人だけだったら…笑うしかないか…?
 笑って終わらせはしない意志は感じます。強い人だ。

「打ち明けたのは、アイツは君には話さないだろ? 口が重いからね。でもこういった感じで、急に出掛けないと行けない。あと少しだけどね」

「僕は知った上で、今までと同じように、深くは知らないとしていればいいんですね」

「そう言う事。名目は私のパシリなんだ。あなたがゴネたり探ったりしたら、動揺するだろ?」

 ウィンクが似合うイケメン殿下です。

「アイツ、案外メンタル弱いんだよね。これは失敗させる訳にはいかないんだよ。一発勝負なんだ。分かる?」

 青い澄んだ目がじっと見てくる。海のように空のように澄んでる。吸い込まれそうだ。

「分かりました。さっきみたいに応援したらいいんですね?」

 そう言えば、仕事だって、急に出掛けてなかなか帰らない事があったなぁ。帰ってもすぐ出掛けたり……。気にしてなかったけど。
本当に全く気にしてませんでした。

「ま、そういう事かな…」

「ヴィクトルさまの火の精霊さんは今どんな感じなんです?」

 不意に見えない存在だから、なんだか心配になって来ました。

「不貞腐れてるらしい。ヴィーも魔法の火力が思った程上がらないんじゃないかなぁ」

 不貞腐れてる……。なんだか可愛いな…。

「今、ヴィーがどうしてるか知りたい?」

 ニヤッと笑ってイタズラっ子の雰囲気で話を振って来ました。

「はぁあ?」

「ふふふ、今オーナーと直接交渉し始めたみたいだよ。まだ出品前だったみたいだねぇ。本当に早く帰ってきそうだ」

 見えるの???

「あ? 見えると思った? ウチの精霊さんが教えてくれるんだよ。風の精霊は噂話が好きで、様子とか囁いてくれる。楽しくね」

 クフフと笑ってる。ウチの精霊さんって可愛い。この感じがお気に入り?

 噂話…。
 それって、断片的な言葉の羅列だったりするんだろうか…。
 殿下は要約してるんですね。器用な人です。

 殿下は、精霊さんの声に耳を傾けてる時、楽しそうです。きっと殿下の耳には茶化した感じで様子が語られてるに違いないです。残酷な事も楽しく囁いてるのかも知れませんね…。

 その中で真意を見極めてる…。どんな頭をしてるんでしょうね…。

「魔石を手に入れても、そこからちょっと時間はかかるから、もう少しゆっくりしていられると思うよ。魔獣の魔石は硬いから、儀式通りにしないと砕けないんだ。地に還してやらないと精霊と人間の世界バランスが崩れるんだよね」

 もう理解が追いつかないので、右から左に聞き流す事にしました。

 僕もゆっくりお茶をいただきます。

「さて、闇属性の押さえ込みの件だね…」

 ため息を吐いて、茶器を傾けている。

 どうも僕の話に移ったらしいです。
 これからの事ってヤツですね。
 ため息が出るような問題なんですね…。

「お守りを作るよ。ちょっと時間を頂戴。あー、指輪がいい? ピアス? 埋め込みがいいんだけどなぁ」

 迷ってるおられるようです。僕に選択権があるようです。なんだか嬉しいね。

「あ? え? 埋め込みですか?」

 焼印を思い出してた。あれが『抑える』ってやつだったんだ。埋め込み…。

「身体から離れると困るって事ですね」

 頷きで返された。正解という事。

 それじゃ…また焼いてもらおうかなぁ…。でも、嫌だなぁ…。

 暫く考えてると、閃くものがあった。

「入れ墨は?」

「はへ?」

 このイケメン殿下さんもこんな声が出るんですね。抜けた表情もイケメンさん。

「焼印よりいいかなって。あの記号みたいなのをココに入れればいいんでしょ?」

 心臓の上を掌で押さえる。

「ゔっ…すまない。あの焼印…辞めさせたいんだ。ごめんね。抑える方法があれしかないと言われては、反論ができなくて…踏み込めなくて…」

 苦々しく言ってる。苦悩が見え隠れ…。ずっと悩んでたんですね…。泣きそうな顔の殿下を見てると、それでもういいと思えてしまった…。

「入れ墨ね…入れ墨か…。確かに、アレよりは負担がないかな。でも、罪人のアレか…」

 悩んじゃった。焼印も今は無くなったけど、奴隷印みたいで嫌ですよ。

「火山のある島で見たんですよ。綺麗な鳥とか草花が色鮮やかで。背中とかに描かれたのを見ました」

 僕は、変な方向に行こうとしてる思考を慌てて引っ張りました。

「ん? あー、アレか……。なるほど。図案考えてみるかな…。魔法陣を図案化したら綺麗だろうね。うん、いいね~」

 殿下も見た事があったらしいです。ほっとしました。

 お茶の入れ直しをしてくれた。

 殿下になんて事を!と思ったのは、全て終わってお茶請けを勧められてからだった。図案って言葉で、僕の腕に描かれた蔦を思い出してたのです。思い出に浸り過ぎてました。

 平謝りに謝ったら、『学生時分にやってたから。ココでは気にしないで』と言われました。とってもフレンドリーな王族さまです。

 そう言えば、この部屋に誰も入って来ないです。殿下の憩いの場なのかも知れないですね。

 香りのいいお茶を口に含むと、舌に渋さを残しながら喉に入って行きます。
 香りが鼻に抜けて……爽やかな森林の薫りのようです。
 気分はゆったり、リラックス~と解れていきますね……。

「あっ、そうそう、もうひとつ…」

 油断してたところに、クッキーを齧りかけてた殿下が思い出したように、クッキー片手に声を掛けてきました。

 驚かさないで~。咽せそうになったじゃないですかぁ~。

「ドラゴンの鱗には興味ある?」

 更に、茶器を落としそうになりました。高そうなのにッ!





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はい! 思い出しました?
はい、アレです。笑笑

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