呑気な薬師と領主さま

アキノナツ

文字の大きさ
32 / 42
続編

後日談】ドラゴンのお願い

しおりを挟む
 
前回の続きの話。エミル視点です。


=============


 
 朝早くからドラゴンに押しかけられました。

 彼は最近ダンジョン奥から頻繁に外にお出掛けのようです。
 最近文通してるお姉さんからの情報です。外にお出になる事が少ない生き神さまのお姿を遥か空に影を見ることが出来ると、火山島のあの国でホットな話題だと楽しげに文字が踊ってました。

 火山の天辺から何処かに飛んで行ってるかは、分かりきってる事だけど、僕からは何も言えません。冒険者でもない僕がドラゴンさんと知り合いなんてどう説明したらいいか…ややこしい事は黙ってるに限るんです。

 そして、僕たちは微睡んでいます。いたんです。眠いんです。

 昨晩も少々…えーと、相当に激しい夜の営みをですね…これ以上は、お察し下さい。

 兎に角、眠いのですよ。

 鳥さんだって寝てますよ?

 脚が絡み合ったヴィクトルさまの抱き枕状態で腕の中。素肌の触れ合いが気持ちいいです。全裸で昨夜の余韻に浸ってるというのに…無粋です。

 僕としてはもう少し甘い時間を堪能したかったけど、そうもいかない声音です。眉間に皺が寄ってしまいます。

 誰が訪ねて来たのかは、尊大な物言いで丸わかりです。生き神さまですねッ。ぷんぷんです。

 朝はヴィクトルさまの甘いお声で起きたかったです。

 ヴィクトルさまが、ため息混じりに起き上がります。腕も脚も解けて僕と離れてしまいました。僕も眠い目を擦りながら起きました。このまま放置されたら寂しいじゃないですか。

 ッ!!!

 大きな欠伸をしてたら、指を突っ込まれました。びっくりです。びっくりして、声にならない音を発しながら慌てて口を閉じたら、思いっきり突っ込まれてる指を噛みそうになって、更にびっくりしました。

 あわわ…とどうしていいか分からず、身動き出来ず口も閉じれず指を差し込まれたままの口を半開きで困ってる僕。

 びっくり、びっくり、びっくりッ!!!!

 指を抜いてくれましたが、固まってました。
 僕のびっくりした様子にヴィクトルさまが笑いながら、ベッドから出て行来ました。

 指を抜いてくれましたが、その指の持ち主のお顔と言ったらッ。とっても楽しそうな声で笑ってます。

 僕は、ぽつねんです。とり残されてしまいました。ヴィクトルさまはお茶の準備をしてくれてるんでしょう。

 あまりの事に強張った身体を解しながら、思考停止していた頭を再始動です。
 怒っていいのでしょうか?
 大口開けての欠伸だったのは認めますけど…。

 ん~。

 子供っぽいイタズラをするようになりました。
 もしかしたら、前からしたかったのを我慢してたのでしょうか。
 かわいいですね。ここは年上として寛容にですね。これからは、欠伸は手を添えましょう。うん、そうしましょう。

 ベッドからポンと降りると、頭から踝の上辺りまで丈のある服をスッポっと被り着ると、寝癖のついた寝起き状態で、表に出て対応しました。

 寝起きの状態ですけど、とんでもない時間の訪問なんですから、いいですよね。

 問題のドラゴンさんは、人型には変化してました。あの巨体では迷惑どころではないので、そこはありがたいです。

 紅色の鱗に覆われた身体、太い尻尾、蝙蝠のような形状の大きな翼を持った燃えるような長髪の偉丈夫さんが仁王立ちです。

 大きさは小さくなっても態度はでっかいですね。

 朝が早いのは苦情として伝えました。僕たちの甘い時間を邪魔をされたんですからね。度々来られるのは困るんですよ。それに、こんなのが闊歩してるのを見られるのも困るんですよ。

 人型じゃない方で来られてはもっと困るので、もういいやとなりそうですが。

 ……眠い。

 取り敢えず、外で立ち話もなんですので入ってもらいます。眠気で思考が止まりそうです。顔でも洗ってシャッキしたいです。

 なんやかんやで、服を作らねばならなくなりました。

 ドラゴンさんが式典とか出るおさだと云う事を初めて知りました。まだまだ知らない事があるもんですね。

 ドラゴンさんは嬉しそうに笑ってくれましたけど、その笑顔…怖いんですけど。ニィって…。その笑顔を笑顔で応じれるのはグランさんぐらいです。

 このドラゴンさん、面倒臭くって僕に振ってきたんですよ。初めからそのつもりだった気もします。そんな気がします。

 お話聞いてさっさと帰って欲しかったんですけど、お困りなのも分かります。相談なら乗っても構いませんが、全振りで投げてくるとはッ。このドラゴンは…。
 どうしましょうかと思ってると、ヴィクトルさまが前に出てくれました。ちょっと驚きました。

 ドラゴンさんは、もう居ません。
 忙しいそうに用は済んだと言わんばかりに飛んで行きました。グランさんのところに向かったようです。

 グランさんも大変でしょうね…。とは言え、グランさんです。ニコニコと対応してそうです。一緒にお茶してそうです。彼は和みますからね。キースさんは大変そうな気がします。

 あちらの事はあちらに任せましょう。僕は、これからの事です。

 ヴィクトルさまとドラゴンさんの握手で簡易契約が相成った訳です。

 緩い契約。
 国が違うからなんとも言えないけど。
 僕たちの国は、度合いや大小は色々だけど、契約が前提にあるのです。
 簡易の契約がこの握手なのです。
 ヴィクトルさまは誠意を示しています。これは、ヴィクトルさまの為にも気合いを入れて探さないとですね。

 アーベン国か…。

 えっ、二人でお出掛け?
 
 …デート?

 ちょっとそこまでのマーケットへのお買い物とは違います。長期になるかもの距離です。荷馬車で移動したアレコレを思い出してしまいます。もしや、コレって、旅行では?
 
 新婚旅行と言っていいですか?
 
 お届けに火山島にも行きますね。温泉も行きましょうッ!
 きゃぁあ…心躍ります。うふふ、照れ照れです。

 旅行準備中にヴィクトルさまからポーションの発注を受けました。
 不思議に思いましたが、頼まれたのが嬉しくて、在庫と作成でサクッと準備して渡しました。

 ドラゴンさんから仕立ての良い煌びやかな衣装を受け取ると出立しました。

 アーベン国への旅行は楽しかったッ。気分の問題です。
 乗合馬車も乗りましたけど、ほとんど転移魔法で目的地にはあっという間だったけど、楽しかったのです。荷馬車のあの旅を思い描いていたのは内緒です。

 一緒に旅行ってのがいいんです!

 入国は、簡単でした。
 ヴィクトルさまは冒険者として。偽名だったけど、有名だったようで、確認をしてくれた方がニコニコでした。僕もニコニコしてしまいそうです。入国審査ですので、気を引き締めです。
 僕は、久々に商業ギルドのカードを出しました。事前にカードが生きてるのは確認はしていたので、互いに入国許可はすぐでした。

 そして、布の関連もすぐに見つかってしまいました。本当になんでもある国です。

 素材は見つかってもデザインは、違うんです。お店が提示してきた用紙に愕然です。コレきっと違います。

 ピッタリと身体を包むだけのだったので、洋服寄りのに変更してもらう事に。身体の線が出てるだけって、全裸とほとんど変わりません。グランさんの指摘が改善されてません。布で隠れてはいますけど……。

 そう言えば、布の注文もなんでもあり過ぎて反対に困りましたね。なんとか形にはしましたが、やはり本人が居て欲しいです。

 空気抵抗がとか伸縮性がとか、耐火性がとか店主が言い出して、ステルスや強化の魔法を練り込みましょうか?とか訊かれて、戦闘服でもそれはなんか違うと思ったので、無難な地点に着地しました。

 ドラゴンさんの意向も聞きたいですが、要はグランさん好みの服にすればいい訳です。彼の好みはなんとなく分かります。共に旅をした仲ですからね。

 布の機能は、破れにくい、なんなら少しの傷や破れは自己修復してくれて、動きを邪魔しない物をなんて要望を注文しました。あと耐火も。
 こんなトンデモ注文が出来るのかと思ったのですが、店主は二つ返事で用紙に書き込んでました。
 出来るんですね…。なんでもあるのが、アーベン国だと改めて思った次第です。

 羽の出し入れに邪魔にならない物がいいだろうと思っていたので、良かったです。実は完全に身体の中に収納する事も可能なのだそうです。

 布が手配できて服の要望も伝えられたので、やれやれと出されたお茶を啜ってると、デザインで頓挫。

 デザインのやり取りしてたら、店主が頭を持ってるペンの後ろで搔き掻きし始めて遠い目をしてるなと思ったら、唐突に「待ってて」と言い残して店を出て行ってしまったのは驚きました。

 店に客のみ。
 誰も居なくなったけどいいの???

 不安しかないですが、ギルド証を見せていたので、いいのでしょうとお茶を飲みつつ待ちました。この茶色の香ばしいお茶は美味しいです。お土産に買って帰りましょう。

 暫くして、若い男の人を連れて来てくれたのでした。デザイナーという職業の方らしいです。やっと戦闘スーツじゃない服を作る事に成功です。
 いい方に出会えて良かったです。

 伝えるって難しい。

 僕がそんな交渉事をしてる頃、ヴィクトルさまは何をしていたかというと、冒険者のランク上げをしておりました。

 この依頼ってヴィクトルさまが契約したんですよね?と思うところはありますが、商業関係ですから僕の方が向いてますからいいんです。お役に立てるのは嬉しいですからね。

 お役にといえば、ポーションの依頼はこの為だったようです。
 A級の最高ランクにすぐしてくるって言い残して、行っちゃったのです。

 布の店探しとかは手伝ってくれたので、あとは商業ギルド所属の僕の方が向いてるんで、コレでいいのです。ちょっと寂しいだけです。
 居ても居るだけですから、お出掛けしてもいいんですよ。でも、居てくれたら心強いですよって言いたいところではありますけどね。

 アーベン国を出る頃には、最速のランク上げでS級挑戦権を持つランクまで獲得して来たのです。凄いです。さすが僕のヴィクトルさまです。

 ランク上げの合間にデートもしたんです。補給に帰ってくるんでね。
 デートの合間にランク上げでもなんでもなんでもいいです。デートが出来たんですから!

 どうもね、以前に僕が言ったのを気にしてたみたいです。
 だから、何も言わないんだからねッ。
 精霊の助けもあっての事だろうけど、やり遂げて来ましたよ、この人。

 キラキラ…キラキラ…してる…。精霊さん嬉しそうです。良かったのです。

 試着用の服を持って火山島に来て、すぐにドラゴンダンジョンへの攻略申請してたのは、なんだか笑っちゃいました。ヴィクトルさまが嬉々としてる様子に見守りたくなってました。

 そして、僕はドラゴンさんにお届けです。ここに居るって事は、ヴィクトルさまのお相手は黒竜さんが相手でしょうか。

 服は大いに気に入ってくれて、問題点言ってくれたので、手直し点をメモ書きしながら、ヴィクトルさま待ちでお茶をして時間潰しです。
 移動したくても、ヴィクトルさまがいないと移動できないですからね。

「やったよ、エミル」

 ボロボロだけどいい笑顔で帰って来てくれてました。帰ったらお風呂です。温泉ですよ。
ポーションも役に立ったようです。

 コレでS級だそうです。
 そう言えば、僕、負けるなんて全然考えてなかった。攻略成功が当たり前とお茶してました。
 僕のヴィクトルさまは強いんです。それでいいのです。

 デート旅行ができたので、服はプレゼントにしました。試着用でしたが、気に入っているようです。お直しで完成しそうです。あとはご自分で。お店のメモもしっかり渡しました。
 『2着目は自分でね』って言っておきました。国境云々は言い訳って分かってます。
 本人が行った方がいいに決まってますから。

 服もプレゼントできて、僕の露店計画も立って、楽しい事が色々待ってそうな予感。
 ワクワクが止まらないです。

 ふははは…、『幻の露店』が再びなのです。

 ヴィクトルさまとならどこだって行けそうです。
 ダンジョンだって行っちゃっても良いですよぉ~。

 僕も嬉々として計画を進めていました。





================


続編はここで終わりです。

次は番外編『エミルの日常』として、エミルののほほ~んとした(?)お話が続きます。


続きが気になる方、お気に入りに登録やしおりは如何でしょう?

感想やいいねを頂けたら、さらに嬉しいです。

↓下の方にスタンプや匿名でメッセージ送れるの設置してあるので、使ってみて下さい。

ちなみにURLはコレ↓
https://wavebox.me/wave/8cppcyzowrohwqmz/


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

りんご成金のご令息

けい
BL
 ノアには前世の記憶はあったがあまり役には立っていなかった。そもそもあまりにもあいまい過ぎた。魔力も身体能力も平凡で何か才能があるわけでもない。幸いにも裕福な商家の末っ子に生まれた彼は、真面目に学んで身を立てようとコツコツと勉強する。おかげで王都の学園で教育を受けられるようになったが、在学中に両親と兄が死に、店も乗っ取られ、残された姉と彼女の息子を育てるために学園を出て冒険者として生きていくことになる。  それから二年がたち、冒険者としていろいろあった後、ノアは学園の寮で同室だった同級生、ロイと再会する。彼が手を貸してくれたおかげで、生活に余裕が出て、目標に向けて頑張る時間もとれて、このまま姉と甥っ子と静かに暮らしていければいいと思っていたところ、姉が再婚して家を出て、ノアは一人になってしまう。新しい住処を探そうとするノアに、ロイは同居を持ち掛ける。ロイ×ノア。ふんわりした異世界転生もの。 他サイトにも投稿しています。

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する

135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。 現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。 最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。

【完結】こじらせ半猫くんは、好きな人の前だけ可愛い―溺愛ダーリン×半猫化男子―

砂原紗藍
BL
大学生の三毛乃レンは、雨に濡れたり感情が高ぶったりすると、ふわふわの猫耳としっぽが勝手に出てしまう“半猫体質”。 誰にも知られないように隠してきたのに、気になっていた隣人・橘カナトに見られてしまう。 「お前は、そのままで可愛い」 そう言って優しく受け入れてくれるカナトに対し、レンは「別に嬉しくない」と強がる。 でも本当は――寂しがりで不安になりやすく、嫉妬も拗ねるのも止められない“無自覚メンヘラ”気質。 実はその原因は、“幼い頃に背負った傷”にあった。 半猫姿を狙われて怯えたり、危ない目に遭えば、カナトは迷わず抱き寄せて守ってくれる。 そんな溺愛に触れていくうちに、気づけば、“心も体も”カナトなしでは生きていけなくて――。 「カナトさんがいないと、やだ。置いてかないでね」 「置いていかない。絶対に」 「……約束?」 「約束するよ」 レンを守り甘やかす一方で、嫉妬や拗ねるレンにデレデレになりがちなカナト。 耳もしっぽも、心も体も――お互いを独り占めしたくて、手放せない。 こじらせ半猫男子と、一途に溺愛するダーリンの、甘々ラブストーリー。

運命の番は僕に振り向かない

ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。 それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。 オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。 ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。 ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。 ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。 ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。

禁書庫の管理人は次期宰相様のお気に入り

結衣可
BL
オルフェリス王国の王立図書館で、禁書庫を預かる司書カミル・ローレンは、過去の傷を抱え、静かな孤独の中で生きていた。 そこへ次期宰相と目される若き貴族、セドリック・ヴァレンティスが訪れ、知識を求める名目で彼のもとに通い始める。 冷静で無表情なカミルに興味を惹かれたセドリックは、やがて彼の心の奥にある痛みに気づいていく。 愛されることへの恐れに縛られていたカミルは、彼の真っ直ぐな想いに少しずつ心を開き、初めて“痛みではない愛”を知る。 禁書庫という静寂の中で、カミルの孤独を、過去を癒し、共に歩む未来を誓う。

処理中です...