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墓荒らし
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私とエルさん。そしてフェン、リル、ゴンの三頭とルーナを連れ西の教会へとやって参りました。
相変わらず教会とは思えぬ外観にエルさんが若干引いておりますが、とっとと参りますよ。
ギィィ……
教会の扉を開くと相変わらず中は薄暗いです。
そして、扉の開く音を聞きつけた神父様が横の部屋から現れました。
「……何用だ?」と相変わらず素っ気ない対応ですが、追い出されないだけ有難いと思いましょう。
「約束もなく訪れて申し訳ありません。本日は、ファニーさんから何らかの連絡が無かったか確認の為にまいりました」
一礼し、お詫びの言葉を混ぜながらこの場に参った理由を述べました。
神父様はエルさんをジロっと睨みつけると「そっちのは隠密の者か?……全く、こんな場所までご苦労な事だな」と鼻で笑われ、エルさんの雰囲気が変わりました。
──いけませんよ。抑えてください。
私が横目で訴えると、グッと堪えてくれました。
「前にも言ったが、ファニーは俺が止める。これは俺達親子の問題だ。他人にが口出しする様な事じゃない。ましてや、殿下の犬などいるだけ目障りだ」
その言葉を聞いたエルさんの目は殺気に満ちておりました。
このままでは、ここで殺り合いが始まってしまうと感じた私はすぐさま合間に入り、エルさんを抑えつつ話を続けます。
「神父様には神父様の言い分がある様に、こちらにもこちらの言い分があるのです。……すみませんが、お話を聞かせてもらっても?」
そう言うと「はぁ~……」と気だるそうにしながらも、先日同様執務室へと招かれました。
因みにエルさんは移動中でも、ソファーに座りながらも神父様を睨みつけております。
──相当嫌っておりますね。
「……先日、私達はこちらにお邪魔した際、今後協力をお願いするかもしれないとはお伝えしたはずですが?」
「それはお前らが勝手に言っただけだろ?俺は返事をしていない」
それを言われたら元も子もありませんよ……
神父様は椅子に座り肘を付けながらこちらの出方を伺っているようです。
こういう時、ティムさんがいてくれたらと心の底から思いますね。
「実は私はファニーさんとは侍女仲間で、友達なのです。貴方がファニーさんを父親して止めたい様に、私は友達としてファニーさんを止めたいのです」
「ほお?」
まあ、友達という関係を築いたせいで上手いこと騙されましたが……
それでも、一度は友達として接した方です。
友達として間違った事は正して差し上げます。
……例え嫌われようとも……
私は神父様に城でのファニーさんの様子、ファニーさんと友達になるに至った経緯を説明し、どうにか神父様からファニーさんの事を聞き出そうと頑張ります。
「──なるほどな。お前はファニーに都合のいいように使われたのか」
「わはははは」と笑う神父様に、エルさん同様殺意が湧きました。
人が気にしている事をこの方は更に抉りますね。
しかし、これでどうやら神父様の警戒は解けたらしく、私達の質問にちゃんと答えてくれました。
まず、ファニーさんが接触したかについては「ない」の一言。
次にファニーさんを止める術が見つかったかに対してですが、ファニーさん本人と話をして説得する。と言われましたが、説得で止めれたら今の現状にはなっていないと思いますが?
そして、最後にアンデッドの仕留め方です。
これは禁断魔術書を使って作ったモノなので「分からない」との事。
まあ、禁断魔術書の中を知っている方はそうそうおりませんからね。仕方の無いことです。
「──そんなん簡単じゃない?術者を殺ればいいだから」
隣に座るエルさんがとんでもない事を言い出しました。
それは皆さん分かっています。
ですが、死んでしまってはそこで終わりです。
──罪はしっかり償わなければいけません。
そんな事を思っていると、鬼の形相をした神父様がエルさんの襟元を掴み「ふざけるな!!」と怒鳴りました。
「ファニーは俺の娘だ!!絶対にそんな事はさせん!!」
「へぇ~?随分と勢いがいいけど、解術の自信あるの?このままだと本当に殺るしかないよ?……少なくとも、僕は殺るつもりでいけどね」
「貴様!!!」
エルさんが神父様を煽るものですから、神父様は掴んでいる手に更に力が込められました。
──誰ですか?エルさんをここに寄越した馬鹿は……
私は頭を抱えながら、明らかに人選ミスを犯したゴリラを恨みました。
「もういい!!貴様らに話す事など何も無い!!出ていけ!!そして、二度とこの教会に踏み入れるな!!」
エルさんを壁目掛け乱暴に放り投げ、そう仰いました。
「えっ!?いや、それは……」
私が慌ててこえを掛けますが、もう聞く耳を持ってくれません。
扉を指さし「出ていけ!!」と言うばかり。
先程までの良い感じはどこへやらです。
このままでは本当に出入り禁止になってしまうと感じ取った私は壁際に転がっているエルさんに近づき……
ゴンッ!!!!
エルさんの頭を掴みそのまま思い切り床へと叩きつけました。
「申し訳ありません!!神父様のお怒りは最もです!!愛おしい娘の殺害予告とも取れるエルさんの言葉はよくありません!!謝って済む問題ではないことは重々承知しておりますが、謝罪は受け取ってください!!」
「ちょっ!!マリー、いたっ──!!」
ゴンゴンと何度も床に頭を叩き付けられて額を真っ赤にしたエルさんが私に抗議しようとしておりましたが「……黙れ」と睨むと大人しくなりました。
その様子を見ていた神父様も、どうにか落ち着きを取り戻したらしく、怒鳴るをやめてくれました。
──とりあえずは危機脱出でしょうか?
相変わらず教会とは思えぬ外観にエルさんが若干引いておりますが、とっとと参りますよ。
ギィィ……
教会の扉を開くと相変わらず中は薄暗いです。
そして、扉の開く音を聞きつけた神父様が横の部屋から現れました。
「……何用だ?」と相変わらず素っ気ない対応ですが、追い出されないだけ有難いと思いましょう。
「約束もなく訪れて申し訳ありません。本日は、ファニーさんから何らかの連絡が無かったか確認の為にまいりました」
一礼し、お詫びの言葉を混ぜながらこの場に参った理由を述べました。
神父様はエルさんをジロっと睨みつけると「そっちのは隠密の者か?……全く、こんな場所までご苦労な事だな」と鼻で笑われ、エルさんの雰囲気が変わりました。
──いけませんよ。抑えてください。
私が横目で訴えると、グッと堪えてくれました。
「前にも言ったが、ファニーは俺が止める。これは俺達親子の問題だ。他人にが口出しする様な事じゃない。ましてや、殿下の犬などいるだけ目障りだ」
その言葉を聞いたエルさんの目は殺気に満ちておりました。
このままでは、ここで殺り合いが始まってしまうと感じた私はすぐさま合間に入り、エルさんを抑えつつ話を続けます。
「神父様には神父様の言い分がある様に、こちらにもこちらの言い分があるのです。……すみませんが、お話を聞かせてもらっても?」
そう言うと「はぁ~……」と気だるそうにしながらも、先日同様執務室へと招かれました。
因みにエルさんは移動中でも、ソファーに座りながらも神父様を睨みつけております。
──相当嫌っておりますね。
「……先日、私達はこちらにお邪魔した際、今後協力をお願いするかもしれないとはお伝えしたはずですが?」
「それはお前らが勝手に言っただけだろ?俺は返事をしていない」
それを言われたら元も子もありませんよ……
神父様は椅子に座り肘を付けながらこちらの出方を伺っているようです。
こういう時、ティムさんがいてくれたらと心の底から思いますね。
「実は私はファニーさんとは侍女仲間で、友達なのです。貴方がファニーさんを父親して止めたい様に、私は友達としてファニーさんを止めたいのです」
「ほお?」
まあ、友達という関係を築いたせいで上手いこと騙されましたが……
それでも、一度は友達として接した方です。
友達として間違った事は正して差し上げます。
……例え嫌われようとも……
私は神父様に城でのファニーさんの様子、ファニーさんと友達になるに至った経緯を説明し、どうにか神父様からファニーさんの事を聞き出そうと頑張ります。
「──なるほどな。お前はファニーに都合のいいように使われたのか」
「わはははは」と笑う神父様に、エルさん同様殺意が湧きました。
人が気にしている事をこの方は更に抉りますね。
しかし、これでどうやら神父様の警戒は解けたらしく、私達の質問にちゃんと答えてくれました。
まず、ファニーさんが接触したかについては「ない」の一言。
次にファニーさんを止める術が見つかったかに対してですが、ファニーさん本人と話をして説得する。と言われましたが、説得で止めれたら今の現状にはなっていないと思いますが?
そして、最後にアンデッドの仕留め方です。
これは禁断魔術書を使って作ったモノなので「分からない」との事。
まあ、禁断魔術書の中を知っている方はそうそうおりませんからね。仕方の無いことです。
「──そんなん簡単じゃない?術者を殺ればいいだから」
隣に座るエルさんがとんでもない事を言い出しました。
それは皆さん分かっています。
ですが、死んでしまってはそこで終わりです。
──罪はしっかり償わなければいけません。
そんな事を思っていると、鬼の形相をした神父様がエルさんの襟元を掴み「ふざけるな!!」と怒鳴りました。
「ファニーは俺の娘だ!!絶対にそんな事はさせん!!」
「へぇ~?随分と勢いがいいけど、解術の自信あるの?このままだと本当に殺るしかないよ?……少なくとも、僕は殺るつもりでいけどね」
「貴様!!!」
エルさんが神父様を煽るものですから、神父様は掴んでいる手に更に力が込められました。
──誰ですか?エルさんをここに寄越した馬鹿は……
私は頭を抱えながら、明らかに人選ミスを犯したゴリラを恨みました。
「もういい!!貴様らに話す事など何も無い!!出ていけ!!そして、二度とこの教会に踏み入れるな!!」
エルさんを壁目掛け乱暴に放り投げ、そう仰いました。
「えっ!?いや、それは……」
私が慌ててこえを掛けますが、もう聞く耳を持ってくれません。
扉を指さし「出ていけ!!」と言うばかり。
先程までの良い感じはどこへやらです。
このままでは本当に出入り禁止になってしまうと感じ取った私は壁際に転がっているエルさんに近づき……
ゴンッ!!!!
エルさんの頭を掴みそのまま思い切り床へと叩きつけました。
「申し訳ありません!!神父様のお怒りは最もです!!愛おしい娘の殺害予告とも取れるエルさんの言葉はよくありません!!謝って済む問題ではないことは重々承知しておりますが、謝罪は受け取ってください!!」
「ちょっ!!マリー、いたっ──!!」
ゴンゴンと何度も床に頭を叩き付けられて額を真っ赤にしたエルさんが私に抗議しようとしておりましたが「……黙れ」と睨むと大人しくなりました。
その様子を見ていた神父様も、どうにか落ち着きを取り戻したらしく、怒鳴るをやめてくれました。
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