無名の家には時計がない

都会の狂騒の中ですべてを失った玲奈が辿り着いたのは、記憶を失い続ける元数学者・朔が暮らす「時計のない町」だった。
昨日までの自分を忘れ、明日を約束できない男。積み上げることのできない絶望の中で、玲奈は初めて「愛とは所有ではなく、この瞬間に身を焦がすこと」だと知る。
「無」になることでしか見えてこない、世界の本物の輝きを描いた、静謐で残酷なほどに美しい純愛物語。
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