11 / 111
グラード王国王都ヴェーテル
HEROは救出成功し、街のHEROとなる。
しおりを挟む
一方のメタルバトラーはと言うと、爆炎を直撃したのだが、ダメージを一つも受けていなかった。
センサーをフル稼働させ、子供が居ないか探索を開始する。
煙と炎が視界を邪魔するも、マッピング機能等を利用しながら移動をする。
「これは、急がないとな。燃え崩れる前に、人命が危うい。」
メタルバトラーはインカム越しに神を呼び出した。
「済まないが、生命探知機能は解放出来るか?」
すると、
『汝のレベルならば可能だ。バイタル確認も出来るぞ。』
と独特な音声で返答があった。
「解放する。頼む。」
『了承した。解放する。』
するとバイザーモニターに小さな子供の人の形が赤い縁取りで表れた。
その場所へと、炎の中を突き進み向かう。
「…………!?、見つけた!」
急ぎ女の子の倒れている場所へ行き、抱き起こす。
「バイタル確認……」
モニターの計器では(生命反応あり)と表示される。
しかし女の子はグッタリしている。
熱による脱水と、煙を多少でも吸い込んだせいかも知れない。
気道熱傷の恐れもあったが、モニターの表示では、(異常無し)と表示された。
しかし、急いで脱出せねば、助けた命も助からない。
メタルバトラーは女の子を抱き抱えて、炎に包まれる壁を一瞥すると、少し下がって軽く助走し、それに向かって突進しながら技を繰り出した。
「グラビティーキーーック!!!」
必殺の蹴りよりは威力は劣るが、これで充分な状況だ。
軽い飛び蹴りに、重力波を蹴り足に纏わせ、壁を粉砕し外へ飛び出す。
その瞬間、建物は一気に炎に呑み込まれながら崩落した。
(数分前の外側)
「……あぁ、娘は、娘は……。」
今にも崩れそうな建物と猛火を眺めながら、店主の妻は独り言の様に呟く。
サラも不安を感じながらも、夫婦を激励する。
「親である、あなた達が娘の無事を信じなくてどうするんですか!………信なら、メタルバトラーなら、必ず…必ず助けてくれます!」
「ひ……姫様ぁ………」
「絶望的かも知れません。しかし今は彼が助けてくれるのを信じるのです!」
そこに2人のメイドがやって来た。
「姫様!協会の司祭様をお連れしましたザマス。怪我をされた方は居ないザマス?」
「サーマメイド長とリーチェ。ご苦労様。どうして此処に?と言うのは、この際どうでも良い話ですね。怪我人は今は居ませんが、これから出るかも知れません。それと、ヒュース司祭様、お忙しい所申し訳ありません。」
年配の司祭であるヒュースに対し、深々と頭を下げ一礼をする。
ヒュース司祭も火事を目の当たりにし驚いたが、気を取り直し
「姫様、怪我人が出るやもと申したが、それは。」
「子供が中に取り残されているのです。その子が無事なら良いのですが…今は凄い方が救出に中に入っております。」
「な、なんと。この中に…しかも、この炎の勢いでは……」
普通ならば生還出来ない。
そう。
普通ならば。
そこに凄まじい破壊音を轟き、2階の壁が崩れて何かが飛び出して来た。
その瞬間、建物は一気に崩れ落ちた。
………スタッ。
見事に着地をし、サラ達の方に振り替えるメタルバトラー。
そして、その胸の中に抱えられた女の子の姿を皆は注目する。
「…………女の子は無事だ。生命状態も大事ない。多分、熱にやられて倒れたんだろう。床は新鮮な空気が残りやすい。煙もあまり吸ってはいない筈だ。だが、一応は大事を取った方がいいだろう」
メタルバトラーは、そう言いながら夫婦の元へと歩み寄り、娘をそっと返した。
ヒュース司祭も大事無いか確認をし、念には念を入れよと、治療の聖法をかける。
ヒュース司祭は娘が無事なのを確認すると、その事を夫婦とサラに伝えた。
その場にいた人々は、娘の無事と言う宣言を聞くと、喝采の声を上げた。
「あの炎の中を?凄い!アンタはHEROだよ!なぁ!」
わーーっ
歓声に背中をくるりと向け、メタルバトラーはサラと何故かこの場に居るメイド2人に対し、か細い声で告げる。
「俺、こう言うのは慣れてないんだ。…帰ろうぜ?」
等と言いつつも去り際には、後ろ向きの左手で、ヒラヒラと群衆にサヨナラをアピールした。
サラとメイドは、そんか彼の姿を一瞬、呆気にとらわれたが、3人が顔合わせると、クスクスと笑った。
「私達も、お城に帰りましょうか。では司祭様、私達はこれで。そして、」
店主夫婦に革袋を渡し、本日の食事代と宿泊費を持たせながら、新しく住む場所は明日のお城で詳しく話すと言って、サラ達も去った。
その日は、姫様が連れた謎の青年の話題と称える話が尽きる事が無かったという。
センサーをフル稼働させ、子供が居ないか探索を開始する。
煙と炎が視界を邪魔するも、マッピング機能等を利用しながら移動をする。
「これは、急がないとな。燃え崩れる前に、人命が危うい。」
メタルバトラーはインカム越しに神を呼び出した。
「済まないが、生命探知機能は解放出来るか?」
すると、
『汝のレベルならば可能だ。バイタル確認も出来るぞ。』
と独特な音声で返答があった。
「解放する。頼む。」
『了承した。解放する。』
するとバイザーモニターに小さな子供の人の形が赤い縁取りで表れた。
その場所へと、炎の中を突き進み向かう。
「…………!?、見つけた!」
急ぎ女の子の倒れている場所へ行き、抱き起こす。
「バイタル確認……」
モニターの計器では(生命反応あり)と表示される。
しかし女の子はグッタリしている。
熱による脱水と、煙を多少でも吸い込んだせいかも知れない。
気道熱傷の恐れもあったが、モニターの表示では、(異常無し)と表示された。
しかし、急いで脱出せねば、助けた命も助からない。
メタルバトラーは女の子を抱き抱えて、炎に包まれる壁を一瞥すると、少し下がって軽く助走し、それに向かって突進しながら技を繰り出した。
「グラビティーキーーック!!!」
必殺の蹴りよりは威力は劣るが、これで充分な状況だ。
軽い飛び蹴りに、重力波を蹴り足に纏わせ、壁を粉砕し外へ飛び出す。
その瞬間、建物は一気に炎に呑み込まれながら崩落した。
(数分前の外側)
「……あぁ、娘は、娘は……。」
今にも崩れそうな建物と猛火を眺めながら、店主の妻は独り言の様に呟く。
サラも不安を感じながらも、夫婦を激励する。
「親である、あなた達が娘の無事を信じなくてどうするんですか!………信なら、メタルバトラーなら、必ず…必ず助けてくれます!」
「ひ……姫様ぁ………」
「絶望的かも知れません。しかし今は彼が助けてくれるのを信じるのです!」
そこに2人のメイドがやって来た。
「姫様!協会の司祭様をお連れしましたザマス。怪我をされた方は居ないザマス?」
「サーマメイド長とリーチェ。ご苦労様。どうして此処に?と言うのは、この際どうでも良い話ですね。怪我人は今は居ませんが、これから出るかも知れません。それと、ヒュース司祭様、お忙しい所申し訳ありません。」
年配の司祭であるヒュースに対し、深々と頭を下げ一礼をする。
ヒュース司祭も火事を目の当たりにし驚いたが、気を取り直し
「姫様、怪我人が出るやもと申したが、それは。」
「子供が中に取り残されているのです。その子が無事なら良いのですが…今は凄い方が救出に中に入っております。」
「な、なんと。この中に…しかも、この炎の勢いでは……」
普通ならば生還出来ない。
そう。
普通ならば。
そこに凄まじい破壊音を轟き、2階の壁が崩れて何かが飛び出して来た。
その瞬間、建物は一気に崩れ落ちた。
………スタッ。
見事に着地をし、サラ達の方に振り替えるメタルバトラー。
そして、その胸の中に抱えられた女の子の姿を皆は注目する。
「…………女の子は無事だ。生命状態も大事ない。多分、熱にやられて倒れたんだろう。床は新鮮な空気が残りやすい。煙もあまり吸ってはいない筈だ。だが、一応は大事を取った方がいいだろう」
メタルバトラーは、そう言いながら夫婦の元へと歩み寄り、娘をそっと返した。
ヒュース司祭も大事無いか確認をし、念には念を入れよと、治療の聖法をかける。
ヒュース司祭は娘が無事なのを確認すると、その事を夫婦とサラに伝えた。
その場にいた人々は、娘の無事と言う宣言を聞くと、喝采の声を上げた。
「あの炎の中を?凄い!アンタはHEROだよ!なぁ!」
わーーっ
歓声に背中をくるりと向け、メタルバトラーはサラと何故かこの場に居るメイド2人に対し、か細い声で告げる。
「俺、こう言うのは慣れてないんだ。…帰ろうぜ?」
等と言いつつも去り際には、後ろ向きの左手で、ヒラヒラと群衆にサヨナラをアピールした。
サラとメイドは、そんか彼の姿を一瞬、呆気にとらわれたが、3人が顔合わせると、クスクスと笑った。
「私達も、お城に帰りましょうか。では司祭様、私達はこれで。そして、」
店主夫婦に革袋を渡し、本日の食事代と宿泊費を持たせながら、新しく住む場所は明日のお城で詳しく話すと言って、サラ達も去った。
その日は、姫様が連れた謎の青年の話題と称える話が尽きる事が無かったという。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。
もる
ファンタジー
剣を扱う職に就こうと田舎から出て来た14歳の少年ユカタは兵役に志願するも断られ、冒険者になろうとするも、15歳の成人になるまでとお預けを食らってしまう。路頭に迷うユカタは生きる為に知恵を絞る。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる