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グラード王国王都ヴェーテル
天国からの声。
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サラとリーチェに腕を振り上げたまま、硬直していた真紅のメタルバトラーだったが、やがて変身が溶け、シンの姿に戻った。
「シン!!!」
「シンさま!!!」
2人に名前を呼ばれ、シンは
「……ただいま」
とただ一言残し、気を失った。
2人は倒れる寸前のシンを支え、
「おかえりなさい(ッス)」
と暖かい泣き笑顔で迎えてくれた。
薄れ行く意識の中でシンは
「美少女2人に支えてもらうのも満更でもないな」
とオヤジ的な感想を思った。
シンが目を覚ましたら、サーハン村の村長宅であった。
リーチェはギルドに報告との事で、一時王都に出払っていた。
本日中に戻るとの事で、サラとはリーチェが戻り次第、互いの出来事を話し合うと言う事にした。
その間、犠牲になった村人達を手厚く葬る手伝いをシンとサラは行い、お墓に祈りを捧げた。
特にシンは
『ジュード。君との約束通り村は守った。でも、君を助ける事は出来なかった。…すまない。すまない。サーハン村の皆。』
と、悔恨の言葉を心の中で呟いた。
そんな時、神から通達が来た。
『ご苦労様。今回は辛かっただろう。よく、負の自分にも打ち勝った。』
『………俺は守りきる事が出来なかった。』
『全てを守りきるのは無理な事。仕方ない事だよ。』
と慰めてくれた。
『汝が気に病んでる様子が、此処からもよく見えてな。ある者達が、汝と話がしたいと言ってきかないのだ。今、代わる。』
一体、誰と代わるのだろう、と思っていると、聞き覚えのある声が響いた。
『兄ちゃん!ジュードだよ!村を守る約束を守ってくれて、ありがとう。それでごめんね。ボクがちゃんと依頼を頼まなくて、残りの依頼のお金を渡せなくて。』
…そんな事は、どうでもいいんだ。どうでもいいんだよ。と、シンは思った。
『そして、ボクが死んじゃって、兄ちゃんを苦しめちゃって、本当にごめんなさい。』
その言葉を聴いたシンの両目から熱い涙が溢れた。
『……いや、いいんだ。いいんだよ。ジュード、君の未来を守る事が俺には出来なかった。すまない。詫びても詫びきれない。』
すると、別な声が聞こえてきた。
『サーハン村の死んだ者の代表として話すが、本当にありがとう。シンさん。貴方のお陰で妻や娘が助かった。この先、あいつらが無事に人生を完結出来るかは心配だが、成るようにしか成らないわな。確かに俺達は死んだ。だが、シンさんのせいじゃない。もし、気にしてくれるんなら、俺達の様な人間をこれからも助けて欲しい。厚かましい願いかもしれないけど、シンさんみたいな人間が必要なんだよ。この世界は。だから頼むよ。最期の俺達のワガママ、見ず知らずの人間かも知れないけど、頼みたいんだ。』
シンは無言で天に向かい頷いた。
彼らは、それを見ていた様で、何度も『ありがとう、ありがとう』とシンに礼を述べていた。
『……兄ちゃん、ボクもそろそろ逝くね。初めての乗り物も楽しかったよ。』
『……あぁ、来世で……また巡り会えたらいいな。』
『……うん。じゃあ、そろそろ逝くよ。ばいばい……兄ちゃん。』
『…………さようなら、ジュード……』
天に向かい涙するシンの横顔を心配する様に、サラは黙って見ていた。が、サラは心配が杞憂に過ぎない事だと、すぐに感じ取った。
何故ならば、シンは涙を流しつつ天を仰ぐ、その表情は優しくも晴れやかな笑顔だったからだ。
「シン!!!」
「シンさま!!!」
2人に名前を呼ばれ、シンは
「……ただいま」
とただ一言残し、気を失った。
2人は倒れる寸前のシンを支え、
「おかえりなさい(ッス)」
と暖かい泣き笑顔で迎えてくれた。
薄れ行く意識の中でシンは
「美少女2人に支えてもらうのも満更でもないな」
とオヤジ的な感想を思った。
シンが目を覚ましたら、サーハン村の村長宅であった。
リーチェはギルドに報告との事で、一時王都に出払っていた。
本日中に戻るとの事で、サラとはリーチェが戻り次第、互いの出来事を話し合うと言う事にした。
その間、犠牲になった村人達を手厚く葬る手伝いをシンとサラは行い、お墓に祈りを捧げた。
特にシンは
『ジュード。君との約束通り村は守った。でも、君を助ける事は出来なかった。…すまない。すまない。サーハン村の皆。』
と、悔恨の言葉を心の中で呟いた。
そんな時、神から通達が来た。
『ご苦労様。今回は辛かっただろう。よく、負の自分にも打ち勝った。』
『………俺は守りきる事が出来なかった。』
『全てを守りきるのは無理な事。仕方ない事だよ。』
と慰めてくれた。
『汝が気に病んでる様子が、此処からもよく見えてな。ある者達が、汝と話がしたいと言ってきかないのだ。今、代わる。』
一体、誰と代わるのだろう、と思っていると、聞き覚えのある声が響いた。
『兄ちゃん!ジュードだよ!村を守る約束を守ってくれて、ありがとう。それでごめんね。ボクがちゃんと依頼を頼まなくて、残りの依頼のお金を渡せなくて。』
…そんな事は、どうでもいいんだ。どうでもいいんだよ。と、シンは思った。
『そして、ボクが死んじゃって、兄ちゃんを苦しめちゃって、本当にごめんなさい。』
その言葉を聴いたシンの両目から熱い涙が溢れた。
『……いや、いいんだ。いいんだよ。ジュード、君の未来を守る事が俺には出来なかった。すまない。詫びても詫びきれない。』
すると、別な声が聞こえてきた。
『サーハン村の死んだ者の代表として話すが、本当にありがとう。シンさん。貴方のお陰で妻や娘が助かった。この先、あいつらが無事に人生を完結出来るかは心配だが、成るようにしか成らないわな。確かに俺達は死んだ。だが、シンさんのせいじゃない。もし、気にしてくれるんなら、俺達の様な人間をこれからも助けて欲しい。厚かましい願いかもしれないけど、シンさんみたいな人間が必要なんだよ。この世界は。だから頼むよ。最期の俺達のワガママ、見ず知らずの人間かも知れないけど、頼みたいんだ。』
シンは無言で天に向かい頷いた。
彼らは、それを見ていた様で、何度も『ありがとう、ありがとう』とシンに礼を述べていた。
『……兄ちゃん、ボクもそろそろ逝くね。初めての乗り物も楽しかったよ。』
『……あぁ、来世で……また巡り会えたらいいな。』
『……うん。じゃあ、そろそろ逝くよ。ばいばい……兄ちゃん。』
『…………さようなら、ジュード……』
天に向かい涙するシンの横顔を心配する様に、サラは黙って見ていた。が、サラは心配が杞憂に過ぎない事だと、すぐに感じ取った。
何故ならば、シンは涙を流しつつ天を仰ぐ、その表情は優しくも晴れやかな笑顔だったからだ。
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