変身HERO異世界へ征く!

加賀林檎

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暗雲たちこめる王国と公国

施設(リーチェside)

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探索をしているうちに、この地下施設は、あの声の主達の話の通りに『何か』の研究施設の様だった。

リーチェは、ある部屋に入ると、何かのファイルを見つけ眼を通した。

亡国は、生者を一切認めない死者の為の国。
リーチェは、調べても答えの無い問いに、ここなら何か答えがあると勘が告げていた。

ファイルを読むと、まずは死体を集めた所から始まり、そこからライトゾンビを作成する過程が書かれていた。

ただ、これでは戦力には不十分だとも書かれている。

目的は相手陣営の混乱と、兵士等を含む、敵の人命を味方陣営の損失無く、徹底した破壊。

その為には、更なる死者の強化を図る事。

等と書かれていた。
一体、どういう事なのか?
ここで何の実験を行っているのか?

ライトゾンビ以上の何かを造り、兵器にしようとしている?

リーチェはファイルを元の場所にしまい、部屋を静かに出て、再び奥へと足を進めた。


幾つか扉を見掛けるが、話し声が聞こえたりする場所は、避けて人気ひとけの無い部屋に侵入しては、様々なファイルに眼を通した。

そこで判明した事は、『レビウスゾンビ』の兵器化であった。

レビウスゾンビの特徴は、相手を噛み殺す事で仲間を増殖させる。
そして噛まれた相手は死んだ後、レビウスゾンビとして復活する。

原因は、死魔素しまそが体内にて、増殖し死体を動かす為である。

死魔素で動くアンデッドの最大の特徴は、
死魔素を持たぬ者……生者を噛み殺す等の手段を持って、アンデッドを増やすと言う事だ。

ただ、このレビウスゾンビのコントロールの方法は、未だ判明せず、敵味方の見境無しで攻撃する為、実戦配備は出来ていない。

死魔素をコントロール出来るのは、死皇帝とヴァンパイアぐらいだろう。

リーチェは物陰に隠れて、インカムで所在地と、この施設の目的等をサラに伝えた。

当然、サラからは撤収命令が下される。

これ以上の滞在は、確かに危険過ぎるとリーチェも判断した為、来た道を見つからない様に帰って行った。

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