変身HERO異世界へ征く!

加賀林檎

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ハンサーラ公国と亡国の思惑

ロベルタside

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ロベルタ達は、巨大な壁を左側にし、ズンズンと東へと進んで行った。

聖防御壁である、この壁を亡国側から破る事は、まず出来る筈もない。

と、するならば、公国国内側から、誰かが封印の扉を破って招き入れた可能性が濃厚だ。

ロベルタ達の考えも、その可能性が一番高いと睨んでいた。

「で、ここから一番近い封印門はどこだろうか?」

ロベルタはシルヴェスタンに質問を投げ掛けた。

「おそらく、ラーゼの町付近だったと思ったが。ここからだと近いな。」

シルヴェスタンは右手に見える獣道を指差して答えた。

「こちらブラヴォーチーム、ラーゼの町へと向かい、封印門の状況を確認しに向かいます。」

ロベルタが通信し報告する。
暫くしてから、

『こちら、アルファチーム。了解。』

サラから返信が届いた。

「良く、この獣道を知ってましたね?」

とブランカがシルヴェスタンに問うと

「どうって事は無い。任務で良く公国に潜伏してたから、覚えていたまでだ。」

と、ぶっきらぼうに返す。
すると突然、シルヴェスタンは弓を引き、ブランカの方へ矢を向けた。

「なっ!」

バシュン!

矢を放ち、ブランカの背後に迫って来ていたコボルドの一匹を仕留めた。

「……無駄話は安全圏でした方がいい。獣道は近道である代わりに、魔物も出やすい。急ごう。」

一同は、早歩きで場を後にした。

「ラーゼの町とは、どんな所だ?」

ブランカが尋ねる。

「何の特色も無い町さ。封印門を守護する兵士達の為の町だ。兵士数は断じて多いとは言えないが、ただ……それなりの手練れ……そこは注意はしろ。」

シルヴェスタンの注意喚起の言葉に、無言で2人は頷いた。
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