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ハンサーラ公国と亡国の思惑
ロベルタside2
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いつもより多数の公国軍が町に駐留しているのを確認した、ロベルタ達は建物の合間を縫って、封印門の近郊まで潜入する事に成功した。
しかし何故、公国軍が駐留していたのだろうか、とシルヴェスタンは疑問に思った。
その答えは、すぐに知る事となる。
3人が眼にしたもの。
公国軍が入れ替わり立ち替わりで、亡国側へと行き、アンデッドの侵攻を食い止め、封印門の扉を修復していたのだ。
「……こちらはブラヴォーチーム。例の町の封印門の状況を確認。ここが当たり。続きは後々。」
ロベルタが送信、すぐに返答が来た。
「……こちら、アルファチーム。了解。直ぐに急行する。」
サラの声色が、少し安堵した様に聴こえたのは、気のせいだったのだろうか?
と、一同は思った。
「……取り敢えず、今日は遅くなりつつあります。どこか宿屋にて合流を待ってはいかがでしょう?」
ブランカが提案すると、
「そうね。食糧にも限りはあるから、その方が無難ね。そうと決まれば行きましょうか。」
と、その場を離れ、町の中央へと足を運んだ。
宿場に到着し、公国軍が宿屋を利用している事で、宿泊が難しい状況であると、ロベルタ達は知り、さて、どうしようかと、思い悩んでいた時、背後から声が掛かった。
「どうされましたかな?お嬢様方?」
振り返えると、白銀の鎧に身を包み、数人の部下を背後に従えた青年が、そこには居た。
「……!申し遅れました。私はフォルクハルト・フォン・シュナイダーと申す者。何かお困りでは?」
フォルクハルトの噂は、王国国内でも聴いた事はある。
王国国王陛下も好評価な人物であった敵将だ。
まさか、その人物と合間見えようとは。
「すみません。私はロベルタ。こちらはシルヴェスタンとブランカです。……実は、冒険者ギルドの依頼で、魔族討伐をしてたのですが、仲間達とはぐれまして、何かあれば、この町で合流と言う約束になってました。その為、宿屋を探してましたが……」
「……なるほど。では、私が利用している宿を使うと良い。オスカー、私は野営するぞ。この者達を宿に案内して差し上げよ。残る者はテント設営だ。」
『ハッ!』
フォルクハルトの指示により、一斉に行動を開始する部下達。
いち冒険者達の為に、宿を引き払い野営に移す行動は、貴族としてはあり得ない行動であったが、彼の人柄を表す行動でもあった。
「宿代は私が受け持つから、君達はゆっくり休みながら、仲間を待つといい。……兎に角、災難だったな。こんな国だが、我々国軍の代わりに魔族討伐の協力に感謝する。では。」
フォルクハルトは身を翻し、テント設営の部下の元へ歩いて行った。
「では、ロベルタ様。こちらになります。付いてきて下さい。」
オスカーが先頭に立ち、ロベルタ達を案内する。
よく見たら、フォルクハルトの部下達には、亜人達も含まれていた。
しかも差別は見られない。
噂は本当かも知れない。
「奴隷も亜人も分け隔てしない人格者」
他の貴族達から見れば、彼の存在は鬱陶しい存在かも知れない。
しかし、奴隷や亜人達からすれば公国国内において、一筋の光明であった。
故に彼の領地では、奴隷も差別も無く公平であった。
公国の帝国思想主義者、と陰口を叩く貴族もいた。
帝国並みの差別の無さは等から来た皮肉と言えよう。
その後、ロベルタ達は宿にて、サラ達との合流の為に待機する事となる。
しかし何故、公国軍が駐留していたのだろうか、とシルヴェスタンは疑問に思った。
その答えは、すぐに知る事となる。
3人が眼にしたもの。
公国軍が入れ替わり立ち替わりで、亡国側へと行き、アンデッドの侵攻を食い止め、封印門の扉を修復していたのだ。
「……こちらはブラヴォーチーム。例の町の封印門の状況を確認。ここが当たり。続きは後々。」
ロベルタが送信、すぐに返答が来た。
「……こちら、アルファチーム。了解。直ぐに急行する。」
サラの声色が、少し安堵した様に聴こえたのは、気のせいだったのだろうか?
と、一同は思った。
「……取り敢えず、今日は遅くなりつつあります。どこか宿屋にて合流を待ってはいかがでしょう?」
ブランカが提案すると、
「そうね。食糧にも限りはあるから、その方が無難ね。そうと決まれば行きましょうか。」
と、その場を離れ、町の中央へと足を運んだ。
宿場に到着し、公国軍が宿屋を利用している事で、宿泊が難しい状況であると、ロベルタ達は知り、さて、どうしようかと、思い悩んでいた時、背後から声が掛かった。
「どうされましたかな?お嬢様方?」
振り返えると、白銀の鎧に身を包み、数人の部下を背後に従えた青年が、そこには居た。
「……!申し遅れました。私はフォルクハルト・フォン・シュナイダーと申す者。何かお困りでは?」
フォルクハルトの噂は、王国国内でも聴いた事はある。
王国国王陛下も好評価な人物であった敵将だ。
まさか、その人物と合間見えようとは。
「すみません。私はロベルタ。こちらはシルヴェスタンとブランカです。……実は、冒険者ギルドの依頼で、魔族討伐をしてたのですが、仲間達とはぐれまして、何かあれば、この町で合流と言う約束になってました。その為、宿屋を探してましたが……」
「……なるほど。では、私が利用している宿を使うと良い。オスカー、私は野営するぞ。この者達を宿に案内して差し上げよ。残る者はテント設営だ。」
『ハッ!』
フォルクハルトの指示により、一斉に行動を開始する部下達。
いち冒険者達の為に、宿を引き払い野営に移す行動は、貴族としてはあり得ない行動であったが、彼の人柄を表す行動でもあった。
「宿代は私が受け持つから、君達はゆっくり休みながら、仲間を待つといい。……兎に角、災難だったな。こんな国だが、我々国軍の代わりに魔族討伐の協力に感謝する。では。」
フォルクハルトは身を翻し、テント設営の部下の元へ歩いて行った。
「では、ロベルタ様。こちらになります。付いてきて下さい。」
オスカーが先頭に立ち、ロベルタ達を案内する。
よく見たら、フォルクハルトの部下達には、亜人達も含まれていた。
しかも差別は見られない。
噂は本当かも知れない。
「奴隷も亜人も分け隔てしない人格者」
他の貴族達から見れば、彼の存在は鬱陶しい存在かも知れない。
しかし、奴隷や亜人達からすれば公国国内において、一筋の光明であった。
故に彼の領地では、奴隷も差別も無く公平であった。
公国の帝国思想主義者、と陰口を叩く貴族もいた。
帝国並みの差別の無さは等から来た皮肉と言えよう。
その後、ロベルタ達は宿にて、サラ達との合流の為に待機する事となる。
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