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シーズン9-未知の侵略者編
198-破滅を齎す光
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『敵を散らさせないでください!』
『了解』
その頃。
エクスティラノス達は、星系内にある戦力の発進地点に布陣し、それぞれで発進してくる戦力を撃ち落としていた。
セントリードローンと自律型砲台の合わせ技でオールレンジ攻撃を可能とするロイヤリティイミティラノスの圧倒的な攻撃力で、Noa-Tun連邦艦特有の粘り強さはほぼ失われていた。
だが、同時に全員が実感していた。
これも、敵の主力艦が出てくるまでの圧倒だと。
戦艦クラスになれば、恐るべき粘り強さを見せる。
シールドが、装甲が、船体が。
凄まじい速度で修復され、砲撃が牙を剥く。
主力艦クラスになれば、巨大なエクスティラノス達はでかい的でしかない。
『しかし...電子戦耐性が強すぎますね』
ケイトリンが呟く。
エナジーバニッシュの効きが悪く、その他の兵器も役に立たない。
完全に無効化しているわけではないのだが、むしろ敵艦からの電子戦防御に躍起になっていた。
数が違いすぎて、システムの防御を突破されそうなのだ。
『まるで一隻に一人ずつ優秀な技官が乗っているようですね』
ケイトリンはそう評価した。
意思を並列化してスレッドにすることで、ケイトリンはそれらを防御している。
砲撃と防御はケイトリンの前にV字に連なったロイヤリティイミティラノスが代替していた。
『小型機体が多いが、有人では無い様子。やはり前線に集中させているのか』
ジェネラスが静かに呟く。
彼の艦隊は今、基地から飛び出してきた夥しい数の小型機の対処に追われていた。
ベネディクトはそれを迎撃、ハンターが追撃、それを逃れる機体をアナテマが吹き飛ばす。
“無人の動き”を見抜いたジェネラスは、敵機体が自分達と同じ造られた思考体であると判断する。
『全く嘆かわしい。余がいればあの程度の本拠地は消し飛ばせるというのに』
『不満ですか?』
『エリアス様を批判する意図は無い、ただ悔しいだけだ、ケルビスめ、偉くなりおって、クソ』
ナルもまた、全身の兵装で遊撃部隊を殲滅していた。
すでに彼は特殊武装『バニシングワールド』で基地を吹き飛ばしているため、戦力的にはフリーなのである。
彼はエリアスがケルビスを傍に置いていることをあまりよく思っておらず、悔し紛れに暴れているというわけだ。
『しかし...数が多いですね、これだけの戦力をどうやって維持しているのでしょうか?』
『Noa-Tun連邦は経済の概念が存在しないようなので、資源や燃料問題、船体の維持管理くらいであれば問題ないのでしょう』
基地から発進する艦隊の数は凄まじいものがある。
しかもハリボテではなく、そのすべてが完全に整備され、強力な武装をいかんなく発揮できる状態で稼働している。
捨て石にするにしても豪華すぎるのだ。
これといった新兵器の登場もなく、暇を持て余していた彼らだったが。
唐突に、彼等のネットワークに新たな人物が現れる。
『これ以上、この地を侵させはしない』
『まさか!? ナージャですか!?』
メッティーラの前に現れた艦は、不思議な形状をしたVe‘z艦である。
それに乗るのは、ナージャ=エクスティラノス。
かつて離反した中にいた、行方不明のエクスティラノスの一人だ。
『裏切り者め、よくも抜け抜けと、我らの前に姿を現せたな』
『私は裏切った、その通りだ。弁解はしない、ただ...』
ナージャ=エクスティラノスは、虹色の光を機体先端部に収束させる。
超兵器『ニューエンド』だ。
『私にも、守るべき人たちが出来た』
『その愚かさの代償を支払ってもらいましょう』
メッティーラもまた、ニューエンドのチャージを開始する。
そして、両者のニューエンド同士が交差し合う。
両者のニューエンドはシールドを叩いて消失する。
だが、無意味ではなかった。
この対立を、その一撃が決定づけたからである。
『ナル、こちらへ来てください! 決着は私だけで着けます』
『あいわかった、すぐに向かおう!』
メッティーラとナージャは、共に基地から離れて戦闘を開始し、そこにナルが向かう。
『フハハハハハハハ! 余の力を仰ぎ見よ! 震撼する世界!』
直後、メッティーラが攻略しようとしていた基地が一瞬で消し飛んだ。
それが、ナルの持つ兵器。
空間平面上の持つ物質的性質ベクトルの反転による反物質化、反物質と物質の接触によるパラドックスの発生によるエネルギー放出...つまり爆発を引き起こす兵器である。
この兵器が使用可能である限り、ナルにはあらゆる兵装が不要であるのだ。
『大体、その口調はなんだ。我々はそのような性格...個体の特質を持たないはずだ』
『これはエリアス様より賜ったもの! お前もエリアス様の元に戻れ!』
『数千年の隔絶が、異常を生んだ。お前達はバグなのだ』
互いに攻撃をぶつけ合いながら、メッティーラとナージャは交戦を始めたのであった。
『了解』
その頃。
エクスティラノス達は、星系内にある戦力の発進地点に布陣し、それぞれで発進してくる戦力を撃ち落としていた。
セントリードローンと自律型砲台の合わせ技でオールレンジ攻撃を可能とするロイヤリティイミティラノスの圧倒的な攻撃力で、Noa-Tun連邦艦特有の粘り強さはほぼ失われていた。
だが、同時に全員が実感していた。
これも、敵の主力艦が出てくるまでの圧倒だと。
戦艦クラスになれば、恐るべき粘り強さを見せる。
シールドが、装甲が、船体が。
凄まじい速度で修復され、砲撃が牙を剥く。
主力艦クラスになれば、巨大なエクスティラノス達はでかい的でしかない。
『しかし...電子戦耐性が強すぎますね』
ケイトリンが呟く。
エナジーバニッシュの効きが悪く、その他の兵器も役に立たない。
完全に無効化しているわけではないのだが、むしろ敵艦からの電子戦防御に躍起になっていた。
数が違いすぎて、システムの防御を突破されそうなのだ。
『まるで一隻に一人ずつ優秀な技官が乗っているようですね』
ケイトリンはそう評価した。
意思を並列化してスレッドにすることで、ケイトリンはそれらを防御している。
砲撃と防御はケイトリンの前にV字に連なったロイヤリティイミティラノスが代替していた。
『小型機体が多いが、有人では無い様子。やはり前線に集中させているのか』
ジェネラスが静かに呟く。
彼の艦隊は今、基地から飛び出してきた夥しい数の小型機の対処に追われていた。
ベネディクトはそれを迎撃、ハンターが追撃、それを逃れる機体をアナテマが吹き飛ばす。
“無人の動き”を見抜いたジェネラスは、敵機体が自分達と同じ造られた思考体であると判断する。
『全く嘆かわしい。余がいればあの程度の本拠地は消し飛ばせるというのに』
『不満ですか?』
『エリアス様を批判する意図は無い、ただ悔しいだけだ、ケルビスめ、偉くなりおって、クソ』
ナルもまた、全身の兵装で遊撃部隊を殲滅していた。
すでに彼は特殊武装『バニシングワールド』で基地を吹き飛ばしているため、戦力的にはフリーなのである。
彼はエリアスがケルビスを傍に置いていることをあまりよく思っておらず、悔し紛れに暴れているというわけだ。
『しかし...数が多いですね、これだけの戦力をどうやって維持しているのでしょうか?』
『Noa-Tun連邦は経済の概念が存在しないようなので、資源や燃料問題、船体の維持管理くらいであれば問題ないのでしょう』
基地から発進する艦隊の数は凄まじいものがある。
しかもハリボテではなく、そのすべてが完全に整備され、強力な武装をいかんなく発揮できる状態で稼働している。
捨て石にするにしても豪華すぎるのだ。
これといった新兵器の登場もなく、暇を持て余していた彼らだったが。
唐突に、彼等のネットワークに新たな人物が現れる。
『これ以上、この地を侵させはしない』
『まさか!? ナージャですか!?』
メッティーラの前に現れた艦は、不思議な形状をしたVe‘z艦である。
それに乗るのは、ナージャ=エクスティラノス。
かつて離反した中にいた、行方不明のエクスティラノスの一人だ。
『裏切り者め、よくも抜け抜けと、我らの前に姿を現せたな』
『私は裏切った、その通りだ。弁解はしない、ただ...』
ナージャ=エクスティラノスは、虹色の光を機体先端部に収束させる。
超兵器『ニューエンド』だ。
『私にも、守るべき人たちが出来た』
『その愚かさの代償を支払ってもらいましょう』
メッティーラもまた、ニューエンドのチャージを開始する。
そして、両者のニューエンド同士が交差し合う。
両者のニューエンドはシールドを叩いて消失する。
だが、無意味ではなかった。
この対立を、その一撃が決定づけたからである。
『ナル、こちらへ来てください! 決着は私だけで着けます』
『あいわかった、すぐに向かおう!』
メッティーラとナージャは、共に基地から離れて戦闘を開始し、そこにナルが向かう。
『フハハハハハハハ! 余の力を仰ぎ見よ! 震撼する世界!』
直後、メッティーラが攻略しようとしていた基地が一瞬で消し飛んだ。
それが、ナルの持つ兵器。
空間平面上の持つ物質的性質ベクトルの反転による反物質化、反物質と物質の接触によるパラドックスの発生によるエネルギー放出...つまり爆発を引き起こす兵器である。
この兵器が使用可能である限り、ナルにはあらゆる兵装が不要であるのだ。
『大体、その口調はなんだ。我々はそのような性格...個体の特質を持たないはずだ』
『これはエリアス様より賜ったもの! お前もエリアス様の元に戻れ!』
『数千年の隔絶が、異常を生んだ。お前達はバグなのだ』
互いに攻撃をぶつけ合いながら、メッティーラとナージャは交戦を始めたのであった。
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