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終章(2/3)-『真実』編
239-最後の槍
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目を開けると、水面が映った。
呼吸は不要ながら、前世の癖で息を止めて水上へと上がった。
口内にたまった水を吐き出し、クローンポッドから外へ出る。
「戦闘義体への転送完了」
僕は一人呟く。
この義体は、長い時間をかけて作ったものだ。
エリアランツェのスペックに耐えるため、同時にもし肉弾戦に発展しても勝利するための性能を十分に備えている。
新調した戦闘服を着込み、僕はアロウトの別の場所へテレポートする。
そこは、第零番ドック。
「お待ちしておりました」
「ああ」
「調整は済んでおります」
そこに控えていたのは、タッティラの配下のノクティラノス達だ。
整備から組み立てまで全てをマスターしていて、ロールアウトしたエリアランツェの整備を終えたのだろう。
「すごいものだ」
何よりも、大きい。
エリガードの二倍はある。
形状はシンプルであり、少し歪んだ形の卵型に、前面部と最後部が少し開いた形になっている。
前面部のへこんだ部分には六つのサブカメラとその中央にメインカメラがあり、船体下部には左右でそれぞれ一つずつ、大型のアームが取り付けられている。
アームの先は巨大な円環状の装置となっていて、これをさまざまな用途に使用するらしい。
「どこから搭乗する?」
「六十秒後にこの区画の重力制御がオフになります。その後、機体上後部より搭乗してください」
「分かった」
言われた通り一分待つと、体を縛っていた重力が消え去る。
僕は触手を使い、機体の上部へ登った。
「これか」
触手四本を使いハッチを開け、中に入ると自動で閉まる。
コックピットに降りた僕は、触手をセットし、続けて神経リンクを作動させた。
機体の回路に、僕の感覚が浸透していく。
『重力安定装置:作動』
『空間歪曲装置:作動』
『火器管制装置:作動』
『可変制御機構:作動』
『各部推進ノズル:作動』
『サブカメラ六基:作動』
『メインカメラ:作動』
『機関...』
「始動!」
僕が一喝すると同時に、エリガードのメインエンジンであるメビウス・ドライブが起動する。
これは僕の命名で、Ve‘zの禁忌技術に半永久的に稼働する無限機関があったため、これをメビウスと名付けた。
『機体から酸素を排出します、減圧開始』
機体から空気が抜けていく。
これで、僕が何を叫ぼうともこのコックピットでは僕にしか届かない。
『スラスター点火!』
機体後部の推進口から、緑色の噴射光が噴き出すのが外部カメラに映った。
これから暖機...ではないが、しばらく噴射を続ける。
『粒子噴射異常なし』
『冷却システム異常なし』
『推進剤生成装置異常なし』
『システムオールグリーン』
僕はセルフチェックを済ませ、ついでに接続されているユニットのチェックも済ませる。
『キネスニュートラライザー:正常動作』
『キネスキャンセラー:正常動作』
『キネスリアクター:停止(異常なし)』
キネス装備も大丈夫だ。
緊急用のキネスリアクターも異常がない、これなら緊急時のエネルギー供給にも問題はないだろう。
『防御装備点検』
『ターボ・シールド:作動』
『熱量転送装甲:作動』
『時間遡行装置:作動』
よし、問題ない。
『エリアス・アルティノス...Elie’A‘Lantz’e、出る!』
『発進許可出ました、エリアス様、ご武運をお祈りいたします』
エリアランツェの眼前にあったハッチがが開いていく。
その奥では、同じようにシャッターが開いていくのが見えた。
僕はスラスター出力を最大にし、発進に備える。
『ガントリー解除』
エリアランツェを固定していたガントリーが外れるが、まだエリアランツェは自己の重力制御によって同じ空間に留まっている。
『発進!』
直後、凄まじいGが僕を襲った。
この義体ならば、逆らうこともできる。
だがあえて、あえてその身で受ける。
カタパルトを光速で駆け抜けたエリアランツェは、一気に外へと飛び出した。
『カサンドラ...じゃないシーシャ、敵の位置を送れ! 中央艦隊は今どこにいる!』
『お待ちを...座標、転送します!』
その座標を実際の図面と照合し、僕は驚く。
アロウトの防壁外周部に展開しているようだ。
既にルナティラノス艦隊と交戦を開始している。
『通常航行で向かう』
『了解』
最大出力のエリアランツェは光速の4倍で飛翔できる。
小回りを利かせても2倍だ。
これはエリアランツェが重力制御によって質量を極限まで減らせるからだと、僕は考えている。
『行く!』
僕はエリアランツェを最大出力で前進させた。
呼吸は不要ながら、前世の癖で息を止めて水上へと上がった。
口内にたまった水を吐き出し、クローンポッドから外へ出る。
「戦闘義体への転送完了」
僕は一人呟く。
この義体は、長い時間をかけて作ったものだ。
エリアランツェのスペックに耐えるため、同時にもし肉弾戦に発展しても勝利するための性能を十分に備えている。
新調した戦闘服を着込み、僕はアロウトの別の場所へテレポートする。
そこは、第零番ドック。
「お待ちしておりました」
「ああ」
「調整は済んでおります」
そこに控えていたのは、タッティラの配下のノクティラノス達だ。
整備から組み立てまで全てをマスターしていて、ロールアウトしたエリアランツェの整備を終えたのだろう。
「すごいものだ」
何よりも、大きい。
エリガードの二倍はある。
形状はシンプルであり、少し歪んだ形の卵型に、前面部と最後部が少し開いた形になっている。
前面部のへこんだ部分には六つのサブカメラとその中央にメインカメラがあり、船体下部には左右でそれぞれ一つずつ、大型のアームが取り付けられている。
アームの先は巨大な円環状の装置となっていて、これをさまざまな用途に使用するらしい。
「どこから搭乗する?」
「六十秒後にこの区画の重力制御がオフになります。その後、機体上後部より搭乗してください」
「分かった」
言われた通り一分待つと、体を縛っていた重力が消え去る。
僕は触手を使い、機体の上部へ登った。
「これか」
触手四本を使いハッチを開け、中に入ると自動で閉まる。
コックピットに降りた僕は、触手をセットし、続けて神経リンクを作動させた。
機体の回路に、僕の感覚が浸透していく。
『重力安定装置:作動』
『空間歪曲装置:作動』
『火器管制装置:作動』
『可変制御機構:作動』
『各部推進ノズル:作動』
『サブカメラ六基:作動』
『メインカメラ:作動』
『機関...』
「始動!」
僕が一喝すると同時に、エリガードのメインエンジンであるメビウス・ドライブが起動する。
これは僕の命名で、Ve‘zの禁忌技術に半永久的に稼働する無限機関があったため、これをメビウスと名付けた。
『機体から酸素を排出します、減圧開始』
機体から空気が抜けていく。
これで、僕が何を叫ぼうともこのコックピットでは僕にしか届かない。
『スラスター点火!』
機体後部の推進口から、緑色の噴射光が噴き出すのが外部カメラに映った。
これから暖機...ではないが、しばらく噴射を続ける。
『粒子噴射異常なし』
『冷却システム異常なし』
『推進剤生成装置異常なし』
『システムオールグリーン』
僕はセルフチェックを済ませ、ついでに接続されているユニットのチェックも済ませる。
『キネスニュートラライザー:正常動作』
『キネスキャンセラー:正常動作』
『キネスリアクター:停止(異常なし)』
キネス装備も大丈夫だ。
緊急用のキネスリアクターも異常がない、これなら緊急時のエネルギー供給にも問題はないだろう。
『防御装備点検』
『ターボ・シールド:作動』
『熱量転送装甲:作動』
『時間遡行装置:作動』
よし、問題ない。
『エリアス・アルティノス...Elie’A‘Lantz’e、出る!』
『発進許可出ました、エリアス様、ご武運をお祈りいたします』
エリアランツェの眼前にあったハッチがが開いていく。
その奥では、同じようにシャッターが開いていくのが見えた。
僕はスラスター出力を最大にし、発進に備える。
『ガントリー解除』
エリアランツェを固定していたガントリーが外れるが、まだエリアランツェは自己の重力制御によって同じ空間に留まっている。
『発進!』
直後、凄まじいGが僕を襲った。
この義体ならば、逆らうこともできる。
だがあえて、あえてその身で受ける。
カタパルトを光速で駆け抜けたエリアランツェは、一気に外へと飛び出した。
『カサンドラ...じゃないシーシャ、敵の位置を送れ! 中央艦隊は今どこにいる!』
『お待ちを...座標、転送します!』
その座標を実際の図面と照合し、僕は驚く。
アロウトの防壁外周部に展開しているようだ。
既にルナティラノス艦隊と交戦を開始している。
『通常航行で向かう』
『了解』
最大出力のエリアランツェは光速の4倍で飛翔できる。
小回りを利かせても2倍だ。
これはエリアランツェが重力制御によって質量を極限まで減らせるからだと、僕は考えている。
『行く!』
僕はエリアランツェを最大出力で前進させた。
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