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終章(3/3)-『決着』編
274-『最適解』
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目を開けると、僕は立ったままそこに居た。
受けたはずの稲妻の槍は、まるで何かに阻まれているようにそこで止まっていた。
何が起きた...?
これもキネスなのか?
『感謝するがいい、私が守ってやったのだ』
『そういう事か』
エリアスの二つ目のキネスが発現したということなのだろうな。
二つ目のキネスなんてあるのかとは思うが、エリアスのキネスを知る以上、違う能力というのは聞かない話である。
『エネルギー残数11%、義体損傷率89%...ここから勝てるか?』
『私がお前を守る。お前はただ戦え』
『分かった』
その時、稲妻の槍が再び飛んでくる。
だが、何故か。
大丈夫だという謎の確信が僕の中にはあった。
槍が僕に直撃する直前、僕の手前でそれは激しく何かにぶつかり、そして逸れていく。
『早く行け!』
『ああ!』
僕は猛然と飛び出す。
カル...ではなくシンの元へ。
放たれた消滅弾も、エリアスが弾いてくれる。
『エリアス!』
『分かっている!』
僕は両腕に守護のキネスと力場を纏い、直接シンと刃を交える。
二つの力が、シンの持つレーザーブレードを押し返している。
「妹が怖くなったのか?」
『いいや、まずはお前から料理することにしただけだ』
「――――お前が思っているほど、俺を上手く料理は出来ないだろうな」
『料理に言葉は不要だ』
そして、そのまま剣戟へと移行する。
剣と腕、あまりに違う二つで、僕とシンは暫くの間鬩ぎ合う。
だが、直ぐにシンが背後へ退き、カルがこちらへ向かってくる。
位相置換で、僕はシンの背後に回り込み、その背に蹴りを放った。
「がっ...!?」
『それに甘んじるほど、余裕がないものでな』
蹴りの衝撃波で、彼の背にあった重力制御板が破損。
彼は飛んで移動することが出来なくなり、移動性が大きく低下した。
そこを狙い、僕は一気に攻め立てる。
最初に気づいたのは、再びぶつかり合った時。
シンは僕の一撃を受け止めきれずに吹っ飛んだ。
恐らく、今までは重力翼で補助を行っていたのだろう。
『シン...』
「人の...弱さは...装備で補える...!」
彼が立ち上がる。
だが、動きが鈍い。
彼の体も限界に近い様だ。
彼は僕と違い、インプラントや薬物投与に耐えられる肉体ではない。
肉体の強度を超え身体強化を行っている以上、長くは持たなかったはずだ。
『何故...そんな事をしてまで戦う?』
「お前には分からないだろうな」
その時、僕は気付く。
ビットが一機、生き残っていたと。
横目で見れば、半壊している。
一発撃つだけで壊れるはずだ。
僕がその方向に合わせて力場を張ると同時に、シンは掌から長い波長の消滅光を放った。
それを、エリアスが防ぐ。
異なる方向からの異なる攻撃を防ぐ形になり、僕はシンの隙を突いて飛び出す。
一瞬呆然としたシンの眼前に立ち、首を掴み、持ち上げた。
『遺言は?』
「後悔はない、妹がお前を殺す」
『そうか』
「不甲斐ない兄ですまない、流...」
目から熱線を放つ。
そして、彼の首と胴体を綺麗に切断した。
即座に焼かれた箇所から血は出ず、不気味なマネキンの様な死体が残るのみだった。
僕は彼の頭を足蹴にし、
『お前は素晴らしい弟だった。生きているうちに会いたかったが』
踏み潰した。
足が鮮血に染まり、そして。
「お兄ちゃん!! うぉああああああああああああああああああああああ!!!」
プレッシャーが増大する。
空間そのものが震え始め、世界が鳴動する。
カルが怒っている。
それだけの事実で、世界が泣き始めているのだ。
『その力は危険だ』
少なくとも、お前が持っていいものではない。
僕はそう考え、足をカルの方へ向けた。
勝てるかは分からない、しかし...
『負けるわけにもいかないからな』
『行け!』
勢いを増しつつある光へ向け、僕はありったけの勇気を燃やし一直線に飛び出した。
受けたはずの稲妻の槍は、まるで何かに阻まれているようにそこで止まっていた。
何が起きた...?
これもキネスなのか?
『感謝するがいい、私が守ってやったのだ』
『そういう事か』
エリアスの二つ目のキネスが発現したということなのだろうな。
二つ目のキネスなんてあるのかとは思うが、エリアスのキネスを知る以上、違う能力というのは聞かない話である。
『エネルギー残数11%、義体損傷率89%...ここから勝てるか?』
『私がお前を守る。お前はただ戦え』
『分かった』
その時、稲妻の槍が再び飛んでくる。
だが、何故か。
大丈夫だという謎の確信が僕の中にはあった。
槍が僕に直撃する直前、僕の手前でそれは激しく何かにぶつかり、そして逸れていく。
『早く行け!』
『ああ!』
僕は猛然と飛び出す。
カル...ではなくシンの元へ。
放たれた消滅弾も、エリアスが弾いてくれる。
『エリアス!』
『分かっている!』
僕は両腕に守護のキネスと力場を纏い、直接シンと刃を交える。
二つの力が、シンの持つレーザーブレードを押し返している。
「妹が怖くなったのか?」
『いいや、まずはお前から料理することにしただけだ』
「――――お前が思っているほど、俺を上手く料理は出来ないだろうな」
『料理に言葉は不要だ』
そして、そのまま剣戟へと移行する。
剣と腕、あまりに違う二つで、僕とシンは暫くの間鬩ぎ合う。
だが、直ぐにシンが背後へ退き、カルがこちらへ向かってくる。
位相置換で、僕はシンの背後に回り込み、その背に蹴りを放った。
「がっ...!?」
『それに甘んじるほど、余裕がないものでな』
蹴りの衝撃波で、彼の背にあった重力制御板が破損。
彼は飛んで移動することが出来なくなり、移動性が大きく低下した。
そこを狙い、僕は一気に攻め立てる。
最初に気づいたのは、再びぶつかり合った時。
シンは僕の一撃を受け止めきれずに吹っ飛んだ。
恐らく、今までは重力翼で補助を行っていたのだろう。
『シン...』
「人の...弱さは...装備で補える...!」
彼が立ち上がる。
だが、動きが鈍い。
彼の体も限界に近い様だ。
彼は僕と違い、インプラントや薬物投与に耐えられる肉体ではない。
肉体の強度を超え身体強化を行っている以上、長くは持たなかったはずだ。
『何故...そんな事をしてまで戦う?』
「お前には分からないだろうな」
その時、僕は気付く。
ビットが一機、生き残っていたと。
横目で見れば、半壊している。
一発撃つだけで壊れるはずだ。
僕がその方向に合わせて力場を張ると同時に、シンは掌から長い波長の消滅光を放った。
それを、エリアスが防ぐ。
異なる方向からの異なる攻撃を防ぐ形になり、僕はシンの隙を突いて飛び出す。
一瞬呆然としたシンの眼前に立ち、首を掴み、持ち上げた。
『遺言は?』
「後悔はない、妹がお前を殺す」
『そうか』
「不甲斐ない兄ですまない、流...」
目から熱線を放つ。
そして、彼の首と胴体を綺麗に切断した。
即座に焼かれた箇所から血は出ず、不気味なマネキンの様な死体が残るのみだった。
僕は彼の頭を足蹴にし、
『お前は素晴らしい弟だった。生きているうちに会いたかったが』
踏み潰した。
足が鮮血に染まり、そして。
「お兄ちゃん!! うぉああああああああああああああああああああああ!!!」
プレッシャーが増大する。
空間そのものが震え始め、世界が鳴動する。
カルが怒っている。
それだけの事実で、世界が泣き始めているのだ。
『その力は危険だ』
少なくとも、お前が持っていいものではない。
僕はそう考え、足をカルの方へ向けた。
勝てるかは分からない、しかし...
『負けるわけにもいかないからな』
『行け!』
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