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第八章 思い交わす時
閑話 マリーの憂鬱
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ソランは帰ってくるなり、「寝ます」と言った。
朝、出かけた先で突然泣きだし、殿下に遠乗りに連れ出してもらった挙句、心配して日がな一日待っていた人間の顔を見て、吐いた言葉がこれだ。
最近のソランなら、「ただいまもどりました」、いつものソランでも、「心配かけてごめん」のはずなのに。
そうして、黙って寝室を目指して部屋を横切っていく。すっかり身についた淑女らしい歩き方にもかかわらず、身長のある彼女は、うっかりするとものすごいスピードで歩く。時々、足の裏に何かの精霊が取り付いていて、彼女の歩行を助けているのではないかと疑いたくなるくらいだ。
私は駆け足でソランの後をついていった。そうしながら、はずされた手袋を受け取り、コートを脱ぐのを手伝い、渡された大振りなピアスをなくさないように自分のポケットにしまって、さっさと解かれた組紐の癖をしごいて直した。
その頃には寝室に辿り着いており、ソランは剣帯をはずしはじめる。
私は、ようやく追いついた他の侍女たちに手にした物を押し付け、手足を洗うお湯を持ってくるように頼んだ。そうしておいて、夜着を手に取り、彼女へと近付く。
剣をベッドの上へ無造作に置いた彼女は、剣帯を外し、ベッドサイドの小引き出しの上にきちんと置いた。そしてこちらへと向き直り、自分で首元のボタンをはずしはじめた。
私は彼女の前に跪き、腰のあたりからのボタンをはずす。今時の流行のデザインなのだが、小さなボタンの羅列は、脱ぎ着が非常に面倒くさい。しかも剣帯を付けるからと、邪魔にならないように平たいものに代えてあるし、結局大半はその下に隠れてしまう。なんのためのデザインかと思うが、首元までボタンが並ぶこれが、一番露出が少ないのだ。
だから今朝、殿下に、私はついてくるなと申し渡されたとき、迷わずこの服を選んだ。もちろん嫌がらせ、いいえ、牽制、うふふ、いやだわ、もちろん防寒対策である。
あの傲慢王子は、ソランが鈍いのをいいことに口説きまくっている。耳にする度に苛々するのだけれど、ソランは毎回華麗にスルーしていた。その度に胸がすくことはすくのだが、同じようにスルーされ続けてきた経験がオーバーラップして、なんとなく物悲しくもなる。
彼女の鈍さは半端ではない。私なぞ、物心ついたときから「好き」「愛してる」と毎日のように伝えているのに、本当のところは伝わってない気がする。
「私も愛しているよ」と返ってくるし、実際に愛されて大事にされているが、ソランのそれは万人に発揮されるもので、誰か一人にだけ向けられるものではない。
私の、この、ソランが好きで好きで好きでソランがいなければ夜も昼もない、自分でもどうしようもない気持ちは、わかってもらえない。
ソランの鈍さは、他にも発揮されていた。彼女はきっと、知らないに違いない。あの傲慢口説き魔王子のせいで、狭い世界に閉じ込められているということを。
いや、知っていても従うのだろう。まるで躾のいい犬のように。殿下を前にすると、幻のふさふさした尻尾をぶんぶん振っているのが見える気がするくらいだ。どういう種類の好きかは考えたくもないが、ソランが殿下を大好きなのは覆しようのない事実だ。
あんな傲慢で口説き魔で腹黒な奴が好きだなんて、私には気が知れない。だって、あの傲慢口説き魔腹黒鬼畜王子は、毎朝ソランの様子をマリーに尋ねるくせに、元気がなくなっていくのを予想の範囲内というように受け止めるのだ。
好きな人が苦しんでいたら、普通は寄り添ったり、苦しみを取り除いてあげたりしたくなるものではないのだろうか。しかも、それができる立場であるくせに、何もしない。しないというより、積極的にそうしているようにすら見える。
王妃陛下やミアーハ嬢、それにリリア様たちですら、元気がなくなっていくソランを心配していらっしゃるというのに。見て見ぬ振りをしながらも、なるべく心浮き立つ物を用意して、楽しく過ごさせようとしてくださっているのに。
あんな男、最低だと思う。よりにもよって、ソランを泣かせるなんて! どれほど王子として優れていようと、恋人、いやだわ! なんて単語を思い浮かべちゃったのかしら! 友人、ううん、そんな親しそうなの絶対嫌、顔見知りとしてだって、付き合いたくはない! 断じて!!
一人で鼻息荒く興奮していると、ソランがするすると乗馬服を脱いだ。次いで中のドレスも。それを持って腕に掛け、立ち上がって、惚れ惚れとソランの下着姿を見る。
本人は胸が小さいとか、全体的に造りが大きくてごついとか言ってコンプレックスらしいけど、私から見れば、女性らしいしなやかさに満ちた身体つきだと思う。
手足が長いのが小鹿のようで、ほっそりした首筋の華奢さ加減が、えも言われぬ色気に満ちている。これが見られるのは、私たち侍女だけだ。あの傲慢口説き魔腹黒鬼畜最低王子になど、生涯見せてなるものか。
ソランは胸元の紐を自分でゆるめていた。あの程度の矯正は普通なのだが、それまでしたことのないソランにとっては、苦痛で仕方ないらしい。ふーっと大きく息を吐いた。それから乗馬ズボンとブーツを脱ぐ。ブーツはベッド脇に置き、ズボンはドレスと一緒に腕に持った。
夜着を渡す。頭からばっさりと被り、手と頭をにょきにょきと出して、色気の欠片もない。私は思わず笑ってしま
った。確かに、そんな講義は受けていない。そういうところは、領地にいたころのソランのままだ。
「なに?」
ソランが怪訝そうにする。
「うん。なんか元気になったなと思って」
「うん。気が晴れた」
「そう。よかったわね。ところで、お腹はすいてないの?」
「すいてない。寝たい」
「そう。あ、お湯が来たわ。顔と手と足くらい洗いましょう」
椅子に腰掛け、先に顔を洗い、次に手を、最後に足をお湯に浸す。
「お風呂は、朝でいいかしら?」
「そうだね。お願いできる?」
「ええ、もちろんよ。夜、目が覚めてお腹がすいていたら、声をかけてちょうだい。何か食べられるものを用意しておくわ」
「うん。ありがとう」
夜着をめくりあげて両手で押さえているソランの足をタオルで拭いてあげた。
ソランは立ち上がって剣を手にとった。室内履きに足を入れる。
「ちょっとトイレに行ってくる」
自宅とも言うべき部屋にいて、トイレに行くのにすら剣を携える。そういえば、イアルもそうだと思い出す。ベッドの中に剣を入れて寝るのだ。私には窺い知れない世界だ。そうまでしなければいけない場所に、ソランたちはいるのだろう。
私は他の侍女たちに、盥の後片付けと軽食の用意を頼んだ。朝に風呂の用意をすることも伝え、待機は自分がするので、皆はもう休んでいいとも伝える。
そうして衣裳部屋に入り、脱いだばかりのドレスを風通しの良いところに掛け、ブラシをかけた。コートはさっき渡した侍女が、きちんと片付けてくれてあった。忘れないうちにイヤリングを装身具箱にしまい、組紐を整えて棚の上に置く。
寝室に戻ると、ソランが暖炉の火を見て、その前で突っ立っていた。はっとした感じで振り返り、剣に手をかけている。
「そんな薄着では体が冷えるわ」
いつものことだ。背後に気配があると、瞬時に反応する。私は気にしてないと示すために、笑ってみせた。
「ああ、うん、寝る」
ソランは剣を持ったままベッドに這い上がった。何人眠れるのかしらという広さだ。あの傲慢口説き魔腹黒鬼畜最低色惚け王子め、このベッドの上で何をするつもりでこんな大きなものを用意したのかしら。
私はは無意識に、ぐっと拳を握っていた。私のソランに手を出すなんぞ、百万年早い。断固、阻止である。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
これ以上ソランを煩わせないように、挨拶だけして寝室を出た。隣の待機部屋に入り、ソファに腰掛ける。
ソランが寝たいという時は、たいてい受け入れ難いことがあった時だ。あんまり辛かったり苦しかったりすると、ソランは眠ってしまう。短い時には十分や二十分。長くても一晩。そうすると起きた時には、ケロリとしている。そうやって、他の人間なら何日もかかることを済ましてしまう。
時々、そうしてしまうソランを怖く思う。そうやって処理した出来事は、話しているとどこか他人事になってしまっているからだ。感情を含まない、事実だけの会話。
そんな時、ひどくソランを遠く感じる。こんなことを繰り返しているうちに、いつか本当に手が届かなくなってしまう気がする。
溜息を吐きたくなる。絶対に吐いたりはしないが。だって、幸福が逃げていってしまう。その代わり、うふふ、と怒りを吐き出すために笑った。
あの傲慢口説き魔腹黒鬼畜最低色惚け自分勝手王子め、ソランが眠らずにはいられない何をしやがったのかしら。しかも、あれだけ頑張って被っていた巨大な猫が落ちかかっているなんて、よほどショックだったに違いない。
彼がしょっちゅう溜息を吐いている姿が思い浮かび、私は怒りを込めて、祈るように呪った。
せいぜい溜息を吐きまくって、不幸を愉しむがいいわ、傲慢口説き魔腹黒鬼畜最低色惚け自分勝手不幸体質王子! 彼に、世界中のありとあらゆる罰があたりますよーに!!!!
マリーは理不尽にも恐ろしい願いを心の中で叫んだ。
こうして、マリーの眠れない長い夜が更けていく。
朝、出かけた先で突然泣きだし、殿下に遠乗りに連れ出してもらった挙句、心配して日がな一日待っていた人間の顔を見て、吐いた言葉がこれだ。
最近のソランなら、「ただいまもどりました」、いつものソランでも、「心配かけてごめん」のはずなのに。
そうして、黙って寝室を目指して部屋を横切っていく。すっかり身についた淑女らしい歩き方にもかかわらず、身長のある彼女は、うっかりするとものすごいスピードで歩く。時々、足の裏に何かの精霊が取り付いていて、彼女の歩行を助けているのではないかと疑いたくなるくらいだ。
私は駆け足でソランの後をついていった。そうしながら、はずされた手袋を受け取り、コートを脱ぐのを手伝い、渡された大振りなピアスをなくさないように自分のポケットにしまって、さっさと解かれた組紐の癖をしごいて直した。
その頃には寝室に辿り着いており、ソランは剣帯をはずしはじめる。
私は、ようやく追いついた他の侍女たちに手にした物を押し付け、手足を洗うお湯を持ってくるように頼んだ。そうしておいて、夜着を手に取り、彼女へと近付く。
剣をベッドの上へ無造作に置いた彼女は、剣帯を外し、ベッドサイドの小引き出しの上にきちんと置いた。そしてこちらへと向き直り、自分で首元のボタンをはずしはじめた。
私は彼女の前に跪き、腰のあたりからのボタンをはずす。今時の流行のデザインなのだが、小さなボタンの羅列は、脱ぎ着が非常に面倒くさい。しかも剣帯を付けるからと、邪魔にならないように平たいものに代えてあるし、結局大半はその下に隠れてしまう。なんのためのデザインかと思うが、首元までボタンが並ぶこれが、一番露出が少ないのだ。
だから今朝、殿下に、私はついてくるなと申し渡されたとき、迷わずこの服を選んだ。もちろん嫌がらせ、いいえ、牽制、うふふ、いやだわ、もちろん防寒対策である。
あの傲慢王子は、ソランが鈍いのをいいことに口説きまくっている。耳にする度に苛々するのだけれど、ソランは毎回華麗にスルーしていた。その度に胸がすくことはすくのだが、同じようにスルーされ続けてきた経験がオーバーラップして、なんとなく物悲しくもなる。
彼女の鈍さは半端ではない。私なぞ、物心ついたときから「好き」「愛してる」と毎日のように伝えているのに、本当のところは伝わってない気がする。
「私も愛しているよ」と返ってくるし、実際に愛されて大事にされているが、ソランのそれは万人に発揮されるもので、誰か一人にだけ向けられるものではない。
私の、この、ソランが好きで好きで好きでソランがいなければ夜も昼もない、自分でもどうしようもない気持ちは、わかってもらえない。
ソランの鈍さは、他にも発揮されていた。彼女はきっと、知らないに違いない。あの傲慢口説き魔王子のせいで、狭い世界に閉じ込められているということを。
いや、知っていても従うのだろう。まるで躾のいい犬のように。殿下を前にすると、幻のふさふさした尻尾をぶんぶん振っているのが見える気がするくらいだ。どういう種類の好きかは考えたくもないが、ソランが殿下を大好きなのは覆しようのない事実だ。
あんな傲慢で口説き魔で腹黒な奴が好きだなんて、私には気が知れない。だって、あの傲慢口説き魔腹黒鬼畜王子は、毎朝ソランの様子をマリーに尋ねるくせに、元気がなくなっていくのを予想の範囲内というように受け止めるのだ。
好きな人が苦しんでいたら、普通は寄り添ったり、苦しみを取り除いてあげたりしたくなるものではないのだろうか。しかも、それができる立場であるくせに、何もしない。しないというより、積極的にそうしているようにすら見える。
王妃陛下やミアーハ嬢、それにリリア様たちですら、元気がなくなっていくソランを心配していらっしゃるというのに。見て見ぬ振りをしながらも、なるべく心浮き立つ物を用意して、楽しく過ごさせようとしてくださっているのに。
あんな男、最低だと思う。よりにもよって、ソランを泣かせるなんて! どれほど王子として優れていようと、恋人、いやだわ! なんて単語を思い浮かべちゃったのかしら! 友人、ううん、そんな親しそうなの絶対嫌、顔見知りとしてだって、付き合いたくはない! 断じて!!
一人で鼻息荒く興奮していると、ソランがするすると乗馬服を脱いだ。次いで中のドレスも。それを持って腕に掛け、立ち上がって、惚れ惚れとソランの下着姿を見る。
本人は胸が小さいとか、全体的に造りが大きくてごついとか言ってコンプレックスらしいけど、私から見れば、女性らしいしなやかさに満ちた身体つきだと思う。
手足が長いのが小鹿のようで、ほっそりした首筋の華奢さ加減が、えも言われぬ色気に満ちている。これが見られるのは、私たち侍女だけだ。あの傲慢口説き魔腹黒鬼畜最低王子になど、生涯見せてなるものか。
ソランは胸元の紐を自分でゆるめていた。あの程度の矯正は普通なのだが、それまでしたことのないソランにとっては、苦痛で仕方ないらしい。ふーっと大きく息を吐いた。それから乗馬ズボンとブーツを脱ぐ。ブーツはベッド脇に置き、ズボンはドレスと一緒に腕に持った。
夜着を渡す。頭からばっさりと被り、手と頭をにょきにょきと出して、色気の欠片もない。私は思わず笑ってしま
った。確かに、そんな講義は受けていない。そういうところは、領地にいたころのソランのままだ。
「なに?」
ソランが怪訝そうにする。
「うん。なんか元気になったなと思って」
「うん。気が晴れた」
「そう。よかったわね。ところで、お腹はすいてないの?」
「すいてない。寝たい」
「そう。あ、お湯が来たわ。顔と手と足くらい洗いましょう」
椅子に腰掛け、先に顔を洗い、次に手を、最後に足をお湯に浸す。
「お風呂は、朝でいいかしら?」
「そうだね。お願いできる?」
「ええ、もちろんよ。夜、目が覚めてお腹がすいていたら、声をかけてちょうだい。何か食べられるものを用意しておくわ」
「うん。ありがとう」
夜着をめくりあげて両手で押さえているソランの足をタオルで拭いてあげた。
ソランは立ち上がって剣を手にとった。室内履きに足を入れる。
「ちょっとトイレに行ってくる」
自宅とも言うべき部屋にいて、トイレに行くのにすら剣を携える。そういえば、イアルもそうだと思い出す。ベッドの中に剣を入れて寝るのだ。私には窺い知れない世界だ。そうまでしなければいけない場所に、ソランたちはいるのだろう。
私は他の侍女たちに、盥の後片付けと軽食の用意を頼んだ。朝に風呂の用意をすることも伝え、待機は自分がするので、皆はもう休んでいいとも伝える。
そうして衣裳部屋に入り、脱いだばかりのドレスを風通しの良いところに掛け、ブラシをかけた。コートはさっき渡した侍女が、きちんと片付けてくれてあった。忘れないうちにイヤリングを装身具箱にしまい、組紐を整えて棚の上に置く。
寝室に戻ると、ソランが暖炉の火を見て、その前で突っ立っていた。はっとした感じで振り返り、剣に手をかけている。
「そんな薄着では体が冷えるわ」
いつものことだ。背後に気配があると、瞬時に反応する。私は気にしてないと示すために、笑ってみせた。
「ああ、うん、寝る」
ソランは剣を持ったままベッドに這い上がった。何人眠れるのかしらという広さだ。あの傲慢口説き魔腹黒鬼畜最低色惚け王子め、このベッドの上で何をするつもりでこんな大きなものを用意したのかしら。
私はは無意識に、ぐっと拳を握っていた。私のソランに手を出すなんぞ、百万年早い。断固、阻止である。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
これ以上ソランを煩わせないように、挨拶だけして寝室を出た。隣の待機部屋に入り、ソファに腰掛ける。
ソランが寝たいという時は、たいてい受け入れ難いことがあった時だ。あんまり辛かったり苦しかったりすると、ソランは眠ってしまう。短い時には十分や二十分。長くても一晩。そうすると起きた時には、ケロリとしている。そうやって、他の人間なら何日もかかることを済ましてしまう。
時々、そうしてしまうソランを怖く思う。そうやって処理した出来事は、話しているとどこか他人事になってしまっているからだ。感情を含まない、事実だけの会話。
そんな時、ひどくソランを遠く感じる。こんなことを繰り返しているうちに、いつか本当に手が届かなくなってしまう気がする。
溜息を吐きたくなる。絶対に吐いたりはしないが。だって、幸福が逃げていってしまう。その代わり、うふふ、と怒りを吐き出すために笑った。
あの傲慢口説き魔腹黒鬼畜最低色惚け自分勝手王子め、ソランが眠らずにはいられない何をしやがったのかしら。しかも、あれだけ頑張って被っていた巨大な猫が落ちかかっているなんて、よほどショックだったに違いない。
彼がしょっちゅう溜息を吐いている姿が思い浮かび、私は怒りを込めて、祈るように呪った。
せいぜい溜息を吐きまくって、不幸を愉しむがいいわ、傲慢口説き魔腹黒鬼畜最低色惚け自分勝手不幸体質王子! 彼に、世界中のありとあらゆる罰があたりますよーに!!!!
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