好きになったらいけない恋

しゅんすけ

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一年目。

超えた二つの一線

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ズボンのベルトを外して、ゆっくり下ろした。ヤマトの体温が上がっているのが伝わってくる。

上着を脱がせると、ヤマトはパンツ一枚に。

自分の胸の鼓動がドクンドクンと響く。体が熱くなり、呼吸が苦しい。

ヤマトのパンツの前は膨らんでいて、勃っているのがわかった。

「先輩…触ってください…」

ヤマトの背後に回り、体を密着させて手を伸ばし、陰部を優しく擦った。

「はぁ…はぁ…先輩…」

ヤマトの体温が伝わってくる。火照っていて、ものすごく熱い。

パンツを下ろし、直接触れる。

「んっ…あんっ…はぁはぁ…」

俺も興奮してしまい、つい擦る力が強くなった。

「ふぇっ…先輩っ…そんなっ…イクッ!」

ドクン、ドクン。

射精と同時に、ヤマトは力が抜けてその場に座り込んだ。

「はぁ…はぁ…先輩…」

ティッシュでヤマトの体を拭き、床に飛び散ったものも拭き取った。

(やってしまった…)

「先輩の…処理しますよ。」

自分のも勃っていることに気づいていなかった。

ヤマトが近づき、俺のズボンを下ろそうと手を伸ばす。

「やめて!」

ヤマトが驚いて手を離した。

「あっ…ごめん…これ以上はダメだ…怖い…」

正直、拒みきれていない自分もいた。でも、理性が働いてしまった。

中途半端に行為をして、中途半端にやめさせて、俺は逃げた。怖くなったんだ。

「先輩、ごめんなさい…おかしいですよね、こんなこと…男同士で…」

「いや、違うんだ。ごめん、俺の方こそ…」

ヤマトは服を着て、ベッドに一緒に座り、俺にくっついてきた。

「先輩の手、気持ちよかったです。」

「次は…ちゃんと、するから…」

「無理しなくていいですよ!」

二人で布団に潜り、そのまま寝てしまった。

この一件で気まずくなることは、意外にもなかった。

---

それから3日後、さらに事件が起きた。

部活帰りにヤマトと駅前を歩いていると、突然、ヤマトが俺の後ろに隠れた。

「どうした?」

「この前の…ジュンヤの友達…」

前方を見ると、4人組が立ち話をしている。

その中の1人がヤマトに気づき、声をかけてきた。

「おっ、ヤマトじゃん。この前は楽しかったなー。また遊ぼうぜ~」

嘲るように笑う。残りの3人も一緒に笑っている。

ヤマトが俺の服を掴み、震えているのがわかった。

怒りが爆発した。むしろ、頭が冷静になる。

考える前に、体が勝手に動いていた。

ヤマトをその場に残し、4人に向かって歩いていく。

「誰だよ?」

ボコッ。

目の前のやつの左頬を全力でぶん殴った。

そいつが倒れ、他の3人が迫ってくる。

殴られても痛みを感じない。一人ずつ、確実に倒していく。

それは俺の意志じゃなく、体が勝手に動いていた。

気づけば、4人全員が倒れていた。

じわじわと痛みが湧いてきて、口から血が出ていることに気づいた。

ヤマトは怯えた目で俺を見ていた。俺が怖いのか、泣きそうだった。

「ヤマト、ごめん…俺のせいで…」

駅前は人が多い時間帯だった。誰かが通報したのか、警官がやってきて交番に連れていかれた。

事情を聞かれたが、話したくなかった。でも、ヤマトが「話していい」と言ったので、全部話した。

担任と親が呼ばれ、ヤマトの母親もやってきた。

担任にはめっちゃ怒られたけど、ヤマトの母親が事情を聞くと、

「本当にこの子の為にありがとう。こんなことがあって、ヤマトが苦 \n\n苦しんでいたなんて、まったく知らなかった…」

そう俺の母親に説明してくれたおかげで、家での説教はなかった。

「サトシ君、本当にありがとう。でも、もう暴力はダメだよ。」

ヤマトの母親にそう言われた。

---

翌日、退学を覚悟して母親と学校に行ったけど、ヤマトの件を考慮してくれて、自宅謹慎2週間になった。

(2週間も休めるのか!)

なんて呑気に思っていたら、課題を山ほど渡された。

家に帰ると、ヤマトからメールが来ていた。

【自宅謹慎ですんでよかったですね。先輩が退学になったら、僕もやめてましたよ。あの時の先輩、怖かったけど、かっこよかったです! 僕のために戦ってくれて、嬉しかった。】

【大したことないよ。2週間休めてラッキーだし!】

【遊びに行きますよ!】

【いつでもおいでよ!】

後からジュンヤに聞いた話だと、あの4人は他にも悪さをしていたことがバレて、退学になったらしい。

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