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24人の怪我人中16名が発熱し、その中でも6名はかなりの高熱が3日続いて、ようやく症状に落ち着きがみられた朝、一羽の鷹が、リズの部屋の窓辺をコツコツと嘴でつついた。
「え?あ、もしかしてリュカさんの鷹!?」
急いで窓を開くと、鷹はぐいっと無言で右足を差し出した。文入れが付いているのでそれを見ろということらしい。リズは震える手で、鷹の足に付いた小さな文入れから一枚の紙をとりだした。
《リズへ 元気にしているか?困ったことはないか?ちゃんとモーガンに言うんだぞ。サララの北東の地に用があって、行く、帰るのは早くて2週間かかる。そばにいられなくてごめん、無理するなよ、どうか元気で、、いつもリズを思ってる リュカ 愛してる》
小さな紙にいっぱいの文字がぎゅうぎゅうに詰まっていて、最後、名前の後が空いたところに、愛してるを無理やり詰め込んでさらにぎゅうぎゅうで、リズは、クスっと笑った。
「リュカさん……嬉しい」
何度もその手紙を読み返して、愛してるの文字を指でなぞると、目に涙が溜まった。会いたくて会いたくてたまらない。
「早くそばにいきたいよ」
あの逞しい腕の中に、すっぽりと抱きすくめられたい。照れ屋で、でも強引で、強気な癖に、リズの気持ちばかりを気にする愛しいリュカに、会いたくてたまらない。
ぽろぽろと自然に落ちる涙。サララの北東には何が有るのか。激しい戦闘があったりするのだろうか。2週間で終わらせて帰るって、それはまたリュカが無茶をするということではないだろうか。
「リュカさん」
「クゥイクゥイ」
リュカの鷹が、リズの頭をちょんちょんと嘴でつついた。リズは涙を腕のそででふき取って、顔を上げた。
「あ、もしかしてご飯かな……えっと、お肉とかかな、まってて、今、もらってくるから」
待っててといったのに、鷹はひょいっとリズの肩に飛び乗った、どうやら、肉は自分で選びたいようだ。
大きな鷹の体重が、右肩にぐわんっとかかって、いっしゅんよろけたリズだが、なんとか踏ん張った。
「え、一緒に行くの?」
「クゥエ」
「あは、可愛い、君なまえ何て言うんだろ?今度リュカさんに教えてもらわなくちゃ」
涙はすっかり引っ込んで、リズは鷹を肩にのせたまま、おっかなびっくり歩きだした。鷹はリズの肩が気に入った様子で、すっかりくつろいで毛づくろいしている。
「おや、まぁ何だいその鷹は」
丁度、部屋にはいってきた新人医師仲間のマルスが驚いて、少し後ずさった。
「あ、この子、リュカさんの鷹で、僕に手紙を運んできてくれたんです」
「へぇ~~すごいね、よしよし、うわっ」
「キュェ」
マルスが鷹に触れようとすると、鷹はバサバサっと羽を羽ばたかせ、威嚇するような鳴き声をだした。
「あ、触っちゃだめなやつだ、リズさん以外多分だめだ」
「そう……なんでしょうか?さっきまで凄くおとなしい子だったんだけど」
「なんだお前、いっちょまえに、リズさんに近づく奴を威嚇するのか?飼い主にそっくりだな」
「キュェキュェ」
「わかったよ、悪かった、悪かった、はぁ、リズさんこの子連れてどこへ?」
「ご飯をあげようかと、女将さんにお肉もらえないか聞こうと思って」
「あ~~なるほど、じゃ、私はちょっと仮眠させてもらうよ」
「あ、そうですね、お疲れ様でした、皆さんの様子は」
「うん、もう心配ないよ、りずさんも休めるときに休んでね」
「はい、有難うございます」
「ん、じゃ、おやすみ~~」
マルスはそういうと、眠そうに目をショボショボさせて、ベットへバフンと潜り込んで、すぐにスウスウと眠ってしまった。
リズは、ゆっくりと扉を閉めて、階段を下りた。
階段の下のフロアでは、女将さんや、宿屋の主が朝食の準備をしていた。大きな鷹を肩に乗せて降りてきたリズをみて、まず宿屋の主が近づいてきた。
「おや、先生、その子はいったい」
「リュカさんの鷹で、あの、すみませんがこの子に何か肉をもらえませんか?」
「おお、肉ね、了解了解、生肉だよな、ちょっとこっちおいで」
厨房の中に入ると、仕入れたばかりの生肉を壺から出して、小さく切ってくれた。
「ほら、これくらいでどうだい?あれ、食べないな」
宿屋の主は、手に持っていた肉を、仕方なく、リズに渡すと、鷹はリズの掴んだ肉をぱくっと食べた。
「あ、なるほど、リズさんからしか食べるなって言われてるね、じゃぁ、ここに置いておくよ、賢いこだなぁ、かっこいいし」
「僕だけなの?ふふっ」
自分の手からしか食べないと意思表示してくれる鷹に愛情が一気に沸く。リズはたっぷりと、鷹にお肉を与え、水も飲ませた。
「もう、お腹いっぱい?よしよし、おじさん有難うございました」
「あぁ、また要るときは言ってくれ、じゃな、賢い鷹君」
「クェ」
一応礼を言ったような、鳴き声で、鷹はまた、リズの肩で、毛づくろいを始めた。
「えっと、君は、外で寝たりするのかな、部屋に戻る?」
鷹は金色の真ん丸のお目目で、リズをじっと見て、ふわっと飛んで何かを咥えて帰ってきた。鷹が咥えていたのは、紙とペンだった。
リズはハッとした。もしかして鷹はリズの手紙もリュカに運んでくれると言っているのだろうか。
「手紙もってってくれるの?」
「キュェ」
そうだと言わんばかりに、紙をつついて、そのあと、自分の足にある文入れをつついた。
「ありがとう、すぐ書くよ」
リズは渡された紙とペンを持って、二階へもどって、部屋の窓辺にある椅子に座って、手紙を書いた。
(なんて書こう、リュカさんへ、僕は元気です、心配しないでって、まず書かないと、えっと、それから、リュカさんに会えなくて寂しいって書いていいかな、だめかな、早く会いたいって書こう、それから、僕もリュカさんに愛してるって書きたいし、大好きって書きたい、それから、リュカさんこそ無理しないでねって、怪我しないでねって、絶対、元気でいてねって)
リズも紙にぎゅうぎゅうに気持ちを書いた。最後にまた会いたいよって、書いてしまって、何度も我がままかなとおもったけど、でも、それが一番の気持ちで、そのまま、書いた。
紙を小さく折りたたんで、鷹の足の文入れに入れると、鷹は、コツコツと蓋を叩いて、しっかり閉まっていることを確認したのちに、大きく羽ばたいた。
「キュェ」
「もう、行くの?お前もどうか、無理しないで、安全に行くんだよ」
「キュェ」
リズの想いを足に付けた鷹は大きく舞い上がって、風に乗って、あっという間に行ってしまった。鷹が飛んで行った遠い空をリズはずっと窓から身を乗り出して、見つめていた。
「え?あ、もしかしてリュカさんの鷹!?」
急いで窓を開くと、鷹はぐいっと無言で右足を差し出した。文入れが付いているのでそれを見ろということらしい。リズは震える手で、鷹の足に付いた小さな文入れから一枚の紙をとりだした。
《リズへ 元気にしているか?困ったことはないか?ちゃんとモーガンに言うんだぞ。サララの北東の地に用があって、行く、帰るのは早くて2週間かかる。そばにいられなくてごめん、無理するなよ、どうか元気で、、いつもリズを思ってる リュカ 愛してる》
小さな紙にいっぱいの文字がぎゅうぎゅうに詰まっていて、最後、名前の後が空いたところに、愛してるを無理やり詰め込んでさらにぎゅうぎゅうで、リズは、クスっと笑った。
「リュカさん……嬉しい」
何度もその手紙を読み返して、愛してるの文字を指でなぞると、目に涙が溜まった。会いたくて会いたくてたまらない。
「早くそばにいきたいよ」
あの逞しい腕の中に、すっぽりと抱きすくめられたい。照れ屋で、でも強引で、強気な癖に、リズの気持ちばかりを気にする愛しいリュカに、会いたくてたまらない。
ぽろぽろと自然に落ちる涙。サララの北東には何が有るのか。激しい戦闘があったりするのだろうか。2週間で終わらせて帰るって、それはまたリュカが無茶をするということではないだろうか。
「リュカさん」
「クゥイクゥイ」
リュカの鷹が、リズの頭をちょんちょんと嘴でつついた。リズは涙を腕のそででふき取って、顔を上げた。
「あ、もしかしてご飯かな……えっと、お肉とかかな、まってて、今、もらってくるから」
待っててといったのに、鷹はひょいっとリズの肩に飛び乗った、どうやら、肉は自分で選びたいようだ。
大きな鷹の体重が、右肩にぐわんっとかかって、いっしゅんよろけたリズだが、なんとか踏ん張った。
「え、一緒に行くの?」
「クゥエ」
「あは、可愛い、君なまえ何て言うんだろ?今度リュカさんに教えてもらわなくちゃ」
涙はすっかり引っ込んで、リズは鷹を肩にのせたまま、おっかなびっくり歩きだした。鷹はリズの肩が気に入った様子で、すっかりくつろいで毛づくろいしている。
「おや、まぁ何だいその鷹は」
丁度、部屋にはいってきた新人医師仲間のマルスが驚いて、少し後ずさった。
「あ、この子、リュカさんの鷹で、僕に手紙を運んできてくれたんです」
「へぇ~~すごいね、よしよし、うわっ」
「キュェ」
マルスが鷹に触れようとすると、鷹はバサバサっと羽を羽ばたかせ、威嚇するような鳴き声をだした。
「あ、触っちゃだめなやつだ、リズさん以外多分だめだ」
「そう……なんでしょうか?さっきまで凄くおとなしい子だったんだけど」
「なんだお前、いっちょまえに、リズさんに近づく奴を威嚇するのか?飼い主にそっくりだな」
「キュェキュェ」
「わかったよ、悪かった、悪かった、はぁ、リズさんこの子連れてどこへ?」
「ご飯をあげようかと、女将さんにお肉もらえないか聞こうと思って」
「あ~~なるほど、じゃ、私はちょっと仮眠させてもらうよ」
「あ、そうですね、お疲れ様でした、皆さんの様子は」
「うん、もう心配ないよ、りずさんも休めるときに休んでね」
「はい、有難うございます」
「ん、じゃ、おやすみ~~」
マルスはそういうと、眠そうに目をショボショボさせて、ベットへバフンと潜り込んで、すぐにスウスウと眠ってしまった。
リズは、ゆっくりと扉を閉めて、階段を下りた。
階段の下のフロアでは、女将さんや、宿屋の主が朝食の準備をしていた。大きな鷹を肩に乗せて降りてきたリズをみて、まず宿屋の主が近づいてきた。
「おや、先生、その子はいったい」
「リュカさんの鷹で、あの、すみませんがこの子に何か肉をもらえませんか?」
「おお、肉ね、了解了解、生肉だよな、ちょっとこっちおいで」
厨房の中に入ると、仕入れたばかりの生肉を壺から出して、小さく切ってくれた。
「ほら、これくらいでどうだい?あれ、食べないな」
宿屋の主は、手に持っていた肉を、仕方なく、リズに渡すと、鷹はリズの掴んだ肉をぱくっと食べた。
「あ、なるほど、リズさんからしか食べるなって言われてるね、じゃぁ、ここに置いておくよ、賢いこだなぁ、かっこいいし」
「僕だけなの?ふふっ」
自分の手からしか食べないと意思表示してくれる鷹に愛情が一気に沸く。リズはたっぷりと、鷹にお肉を与え、水も飲ませた。
「もう、お腹いっぱい?よしよし、おじさん有難うございました」
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「クェ」
一応礼を言ったような、鳴き声で、鷹はまた、リズの肩で、毛づくろいを始めた。
「えっと、君は、外で寝たりするのかな、部屋に戻る?」
鷹は金色の真ん丸のお目目で、リズをじっと見て、ふわっと飛んで何かを咥えて帰ってきた。鷹が咥えていたのは、紙とペンだった。
リズはハッとした。もしかして鷹はリズの手紙もリュカに運んでくれると言っているのだろうか。
「手紙もってってくれるの?」
「キュェ」
そうだと言わんばかりに、紙をつついて、そのあと、自分の足にある文入れをつついた。
「ありがとう、すぐ書くよ」
リズは渡された紙とペンを持って、二階へもどって、部屋の窓辺にある椅子に座って、手紙を書いた。
(なんて書こう、リュカさんへ、僕は元気です、心配しないでって、まず書かないと、えっと、それから、リュカさんに会えなくて寂しいって書いていいかな、だめかな、早く会いたいって書こう、それから、僕もリュカさんに愛してるって書きたいし、大好きって書きたい、それから、リュカさんこそ無理しないでねって、怪我しないでねって、絶対、元気でいてねって)
リズも紙にぎゅうぎゅうに気持ちを書いた。最後にまた会いたいよって、書いてしまって、何度も我がままかなとおもったけど、でも、それが一番の気持ちで、そのまま、書いた。
紙を小さく折りたたんで、鷹の足の文入れに入れると、鷹は、コツコツと蓋を叩いて、しっかり閉まっていることを確認したのちに、大きく羽ばたいた。
「キュェ」
「もう、行くの?お前もどうか、無理しないで、安全に行くんだよ」
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